1 Lindelöf 性
定義 1.1 (Lindelöf). 開被覆の定義は§E2.19 定義 2.1に従う。位相空間Xが Lindelöf (Lindelöf) であるとは、Xの任意の開被覆(Ui)i∈Iが高々可算部分被覆をもつこと、すなわち高々可算な部分集合I0⊆Iが存在して(Ui)i∈I0がまたXの開被覆となることをいう。この条件を満たす位相空間を Lindelöf 空間という。
命題 1.2. コンパクトな位相空間は Lindelöf である。
証明. 開被覆(Ui)i∈Iをとると、§E2.19 定義 2.1により、有限なI0⊆Iで(Ui)i∈I0が開被覆となるものが存在する。有限集合は高々可算であるため、これは定義 1.1が要求する部分被覆である。▨
定理 1.3.X、Yを位相空間、f:X→Yを固有閉写像とする。Yが Lindelöf ならばXは Lindelöf である。
証明.Xの開被覆U=(Ui)i∈Iを任意にとれば、fは固有写像であるから、§E2.20 補題 3.1 (2)よりf(U)=(Y∖f(X∖⋃i∈AUi))A∈[I]<∞はYの開被覆である。Yは Lindelöf なので可算部分集合J⊂[I]<∞が存在して(Y∖f(X∖⋃i∈AUi))A∈JはYの被覆となる。このとき§E2.20 補題 3.1 (1)より(⋃i∈AUi)A∈JはXの可算開被覆であり、よって(Ui)i∈⋃A∈JAはUの可算部分被覆である。以上で示された。▨
系 1.4.Xを Lindelöf な位相空間とする。
- F⊆XがXの閉集合であり、Fに部分空間位相を入れるならば、Fは Lindelöf である。
- Kがコンパクトな位相空間ならば、積空間X×Kは Lindelöf である。
証明.(1)を示す。§E2.20 命題 1.2 (3)により包含写像ιF:F→Xは固有であって閉写像であるから、定理 1.3をιFへ適用するとFは Lindelöf である。
(2)を示す。§E2.20 命題 4.5により射影prX:X×K→Xは固有であって閉写像であるから、定理 1.3をprXへ適用するとX×Kは Lindelöf である。▨
命題 1.5.(X,OX)を Lindelöf な位相空間、(Y,OY)を位相空間とし、f:X→Yを連続写像とする。このとき、部分空間f(X)は Lindelöf である。
証明.(Vi)i∈Iをf(X)の開被覆とする。各Viはf(X)の開集合であるため、§E2.12 定義 4.1によりVi=W∩f(X)を満たすYの開集合Wが存在する。f(X)はfの像であるからf−1(Vi)=f−1(W)であり、§E2.12 定義 1.1によりf−1(Vi)はXの開集合である。したがって(f−1(Vi))i∈IはXの開被覆であり、高々可算なI0⊆Iが存在して(f−1(Vi))i∈I0がXを覆う。y∈f(X)をとりy=f(x)と書くと、x∈f−1(Vi)となるi∈I0が存在するからy∈Viである。ゆえに(Vi)i∈I0はf(X)を覆い、f(X)は Lindelöf である。▨
命題 1.6. 第二可算な位相空間は Lindelöf である。
証明.(X,O)を第二可算な位相空間とし、§E2.13 定義 5.1が与える高々可算な開基Bをとる。(Ui)i∈IをXの開被覆とし、
B0={B∈B∣B⊆Ui を満たす i∈I が存在する}とおく。さらに
P={(B,i)∈B0×I∣B⊆Ui}とおき、p:P→B0を第一成分への射影とする。B0の定義からpは全射であり、B0は高々可算であるから、§E1.20 補題 4.8によりp∘s=idB0を満たす写像s:B0→Pが存在する。s(B)の第二成分をiBと書くとB⊆UiBである。I0={iB∣B∈B0}はB↦iBによるB0の像であるから、§E1.18 補題 3.5により高々可算である。
x∈Xをとる。(Ui)i∈IがXを覆い、Bが開基であるため、x∈B⊆Uiを満たすB∈Bとi∈Iが存在する。このときB∈B0かつx∈B⊆UiBである。したがって(Ui)i∈I0はXを覆い、Xは Lindelöf である。▨
例 1.7.
- 非可算集合Xに離散位相を入れた空間は Lindelöf でない。一点集合の族({x})x∈Xは開被覆であるが、高々可算なI0⊆Xに対して⋃x∈I0{x}=I0であり、Xは非可算であるからI0=Xである。ゆえに定義 1.1の条件が破れる。
- 通常の位相を入れたRは Lindelöf であるが、コンパクトでない。§E2.13 例 5.2によりRは第二可算であるから、命題 1.6により Lindelöf である。コンパクトでないことは§E2.19 例 2.9が与える。
2 Lindelöf 性と分離公理
補題 2.1.(X,O)を正則な位相空間とし、A,B⊆Xを互いに交わらない閉集合とする。このとき
W(A,B)={W∈O∣W∩B=∅}はAを覆う。
証明.a∈Aをとる。§E2.15 定義 1.7 (1)を点aと閉集合Bに適用すると、a∈W、B⊆W′、W∩W′=∅を満たす開集合W,W′が存在する。W⊆X∖W′でありX∖W′は閉集合であるため、W⊆X∖W′である。したがってW∩B=∅であり、W∈W(A,B)である。aは任意であるから、W(A,B)はAを覆う。▨
補題 2.2.(X,O)を位相空間とし、A,B⊆Xを互いに交わらない閉集合とする。開集合列(Un)n≥1と(Vn)n≥1が
A⊆n≥1⋃Un,B⊆n≥1⋃Vn,Un∩B=∅,Vn∩A=∅(n≥1)を満たすならば、AとBを互いに交わらない開集合で分離することができる。
証明.n≥1に対して
Un′=Un∖k=1⋃nVk,Vn′=Vn∖k=1⋃nUkとおく。有限個の閉集合の合併は閉集合であるから、Un′とVn′は開集合である。さらに
U=n≥1⋃Un′,V=n≥1⋃Vn′とおくと、UとVも開集合である。Aの各点はどのVkにも属さず、あるUnに属するためA⊆Uである。同様にB⊆Vである。
z∈Un′∩Vm′と仮定する。n≤mならば、z∈Un⊆Unである一方、Vm′の定義からz∈/Unとなる。m<nならば、z∈Vm⊆Vmである一方、Un′の定義からz∈/Vmとなる。いずれの場合にも矛盾するためU∩V=∅である。▨
定理 2.3.(X,O)を正則かつ Lindelöf な位相空間とする。このときXは正規である。
証明.A,B⊆Xを互いに交わらない閉集合とする。一方が空集合ならば、空集合とXが両者を分離する。A=∅かつB=∅とする。
補題 2.1によりW(A,B)はAを覆い、W(B,A)はBを覆う。W(A,B)∪{X∖A}を、それ自身を添字集合とする族とみなすとXの開被覆である。Lindelöf 性が与える高々可算な部分被覆からX∖Aを除くと、Aを覆うW(A,B)の空でない高々可算な部分族を得る。§E1.18 補題 3.6により、その元をU1,U2,…と並べることができる。同様に、Bを覆うW(B,A)の元をV1,V2,…と並べることができる。
各n≥1についてUn∩B=∅かつVn∩A=∅である。補題 2.2からAとBは互いに交わらない開集合で分離される。AとBは任意であるから、§E2.15 定義 1.7 (3)によりXは正規である。▨
系 2.4. Lindelöf な T3 空間は T4 である。
系 2.5. 第二可算かつ正則かつ T1 である位相空間は T4 である。
系 2.6 (Urysohn の距離化定理). 第二可算な位相空間Xについて、Xが距離化可能であるための必要十分条件は、Xが T3(すなわち、正則かつ T1)であることである。
系 2.7.Xをコンパクト距離化可能空間、Yを Hausdorff 空間とし、f:X→Yを連続写像とする。このとき、fの像im(f)⊂Yは相対位相でコンパクト距離化可能空間である。
3 Lindelöf 性と直積
定理 3.1. Sorgenfrey 直線Rℓは Lindelöf である。
証明.(Ui)i∈IをRℓの開被覆とする。§E1.18 定理 4.1によりQとN≥0のあいだに全単射が存在するから、全単射e:N≥0→Qを一つ固定する。各x∈Rに対して
Nx={n∈N≥0∣x<e(n) であり、[x,e(n))⊆Ui を満たす i∈I が存在する}とおく。(Ui)i∈IはRℓを覆うからx∈Uiを満たすi∈Iが存在し、§E2.17 命題 8.2により半開区間の全体SはRℓの開基であるから、§E2.13 命題 1.2 (2)によりx∈[a,b)⊆Uiを満たす[a,b)∈Sが存在する。a≤x<bであり、§D1.4 系 2.2が与える有理数の稠密性によりx<q<bを満たす有理数qが存在するから、e(n)=qを満たすn∈N≥0に対して[x,e(n))⊆[a,b)⊆Uiが成り立ち、n∈Nxである。したがって各Nxは空でない。その最小元をn(x)とおき、bx=e(n(x))と定める。各x∈Rについてx<bxであり、[x,bx)⊆Uiを満たすi∈Iが存在する。
Rに通常の位相を入れ、
V=x∈R⋃(x,bx),A=R∖Vとおく。各(x,bx)は通常の位相の開集合であるから、Vは通常の位相の開集合である。
x,y∈Aがx<yを満たすとする。(x,bx)⊆Vかつy∈/Vであるからy∈/(x,bx)であり、x<yと合わせてbx≤yを得る。したがって(x,bx)の元はすべてyより小さく、(y,by)の元はすべてyより大きいから、(x,bx)∩(y,by)=∅である。
x∈Aに対してx<bxであるから、§D1.4 系 2.2が与える有理数の稠密性によりx<q<bxを満たす有理数qが存在し、集合{n∈N≥0∣e(n)∈(x,bx)}は空でない。その最小元をm(x)とおく。x,y∈Aがx=yを満たすとすると、x<yとy<xのいずれか一方が成り立ち、どちらの場合にも前段落により(x,bx)∩(y,by)=∅である。e(m(x))∈(x,bx)かつe(m(y))∈(y,by)であるからe(m(x))=e(m(y))であり、eは単射であるからm(x)=m(y)である。ゆえにx↦m(x)は単射A→N≥0であり、§E1.18 定義 1.2によりAは高々可算である。
Vに通常の位相からの部分空間位相を入れる。§E2.13 例 5.2により通常の位相を入れたRは第二可算であるから、高々可算な開基Bをとると、§E2.13 命題 3.2によりBV={B∩V∣B∈B}は部分空間Vの開基であり、§E1.18 補題 3.5によりBVは高々可算である。したがって§E2.13 定義 5.1によりVは第二可算であり、命題 1.6によりVは Lindelöf である。各x∈Rについて(x,bx)は通常の位相の開集合であってVに含まれるから、§E2.12 定義 4.1により(x,bx)は部分空間Vの開集合である。Vの定義から((x,bx))x∈RはVの開被覆であり、Vの Lindelöf 性により、高々可算な部分集合A0⊆Rが存在してV=⋃x∈A0(x,bx)が成り立つ。
§E1.18 定理 5.1によりA0∪Aは高々可算である。
Q={(x,i)∈(A0∪A)×I∣[x,bx)⊆Ui}とおき、r:Q→A0∪Aを第一成分への射影とする。各x∈A0∪Aについて[x,bx)⊆Uiを満たすi∈Iが存在するからrは全射であり、A0∪Aは高々可算であるから、可算選択公理と§E1.20 補題 4.8によりr∘σ=idA0∪Aを満たす写像σ:A0∪A→Qが存在する。σ(x)の第二成分をi(x)と書くと[x,bx)⊆Ui(x)である。x↦i(x)による像
I0={i(x)∣x∈A0∪A}は§E1.18 補題 3.5により高々可算である。x∈A0に対して(x,bx)⊆[x,bx)⊆Ui(x)であるからV⊆⋃i∈I0Uiであり、x∈Aに対してx∈[x,bx)⊆Ui(x)であるからA⊆⋃i∈I0Uiである。R=V∪Aであるから、(Ui)i∈I0はRℓの高々可算部分被覆である。ゆえに定義 1.1によりRℓは Lindelöf である。▨
命題 3.2. Sorgenfrey 平面Rℓ×Rℓは T3 空間である。
定理 3.3. Sorgenfrey 平面Rℓ×Rℓは Lindelöf でない。
証明.Rℓ×Rℓが Lindelöf であると仮定する。命題 3.2と系 2.4によりRℓ×Rℓは T4 空間であり、§E2.15 定義 1.8 (3)により正規である。一方§E2.18 定理 8.4によりRℓ×Rℓは正規でない。Rℓ×Rℓが正規であることと正規でないことは両立しない。ゆえにRℓ×Rℓは Lindelöf でない。▨
系 3.4. Lindelöf 空間の二つの直積は Lindelöf であるとは限らない。
証明.定理 3.1によりRℓは Lindelöf であり、定理 3.3によりRℓ×Rℓは Lindelöf でない。▨
一方の因子がコンパクトである場合には Lindelöf 性が保たれることを系 1.4 (2)が述べており、系 3.4は、その仮定を落とすことができないことを示している。
4 距離空間における可算性
証明.n∈Z≥1に対して
Dn={D⊆X D は高々可算であり、X=x∈D⋃B(x,1/n)}とおく。§E2.1 定義 1.4で定める開球B(x,1/n)は§E2.2 補題 1.2により開集合であり、§E2.1 定義 1.1 条件 (a)によるd(x,x)=0<1/nからx∈B(x,1/n)であるから、(B(x,1/n))x∈XはXの開被覆である。Xは Lindelöf であるから、高々可算な部分集合D⊆Xが存在して(B(x,1/n))x∈DはXを覆う。ゆえに各Dnは空でなく、すべてのn∈Z≥1についてDn∈Dnを満たす列(Dn)n∈Z≥1をとることができる。
D=⋃n∈Z≥1Dnとおく。§E1.18 定理 6.3によりDは高々可算である。UをXの空でない開集合とし、y∈Uをとる。§E2.2 定義 1.1によりB(y,ε)⊆Uを満たす実数ε>0が存在し、§D1.4 系 2.2が与える1/n→0により1/n<εを満たすn∈Z≥1が存在する。Dn∈Dnであるからy∈B(x,1/n)を満たすx∈Dnが存在し、§E2.1 定義 1.1 条件 (b)によりd(y,x)=d(x,y)<1/n<εであるからx∈B(y,ε)⊆Uである。x∈DであるからU∩D=∅である。ゆえに§E2.11 命題 2.9 (2)によりDはXで稠密であり、Xは可分空間である。▨
定理 4.2.(X,d)を距離空間とし、Xに距離dから生じる位相を入れる。このとき、次の三条件は同値である。
- Xは Lindelöf である。
- Xは可分空間である。
- Xは第二可算である。
命題 4.3. Sorgenfrey 直線Rℓは可分空間であり、第二可算でない。
証明は演習とする(問題 7.2)。
系 4.4. Sorgenfrey 直線Rℓは正則かつ T1 であるが、距離化可能でない。
5 順序数区間の例
命題 5.1.A⊆ω1にω1からの部分空間位相を入れる。Aがω1において上に有界でないならば、すなわち任意のγ∈ω1に対してγ<aを満たすa∈Aが存在するならば、部分空間Aは Lindelöf でない。
証明.Λ={α∈ω1∣0<α}とおき、α∈Λに対してVα=A∩[0,α)とおく。ω1は最小元0をもつから[0,α)=(−∞,α)であり、これは§E2.17 定義 1.1で定める基本開集合であるからω1の開集合である。ゆえに§E2.12 定義 4.1により各Vαは部分空間Aの開集合である。a∈Aに対して§E1.22 補題 3.1によりa+1<ω1であり、a+1∈Λかつa∈[0,a+1)であるから、族(Vα)α∈Λは部分空間Aの開被覆である。
Λ0⊆Λを高々可算な部分集合とする。Λ0⊆ω1であるから、§E2.17 補題 4.2により、すべてのα∈Λ0に対してα≤βを満たす順序数β<ω1が存在する。α≤βならば[0,α)⊆[0,β)であるから
α∈Λ0⋃Vα⊆A∩[0,β)である。β∈ω1でありAはω1において上に有界でないから、β<aを満たすa∈Aが存在し、このaは[0,β)に属さない。ゆえに(Vα)α∈Λ0はAを覆わない。Λ0は任意であったから、定義 1.1により部分空間Aは Lindelöf でない。▨
系 5.2.ω+1とω1+1は Lindelöf であり、ω1は Lindelöf ではない。
証明.§E2.19 定理 7.2によりω+1とω1+1はコンパクトであるから、命題 1.2により Lindelöf である。γ∈ω1に対して§E1.22 補題 3.1によりγ+1<ω1であり、γ+1∈ω1かつγ<γ+1であるから、ω1はω1において上に有界でない。ゆえに命題 5.1によりω1は Lindelöf でない。▨
6 Lindelöf 性と可算選択公理
§E2.19 注意 1.1による族としての定式化は、選択公理を仮定しない場合の Lindelöf 性の取り扱いを支える。ここで可算集合であることは§E1.18 定義 1.2に従い、N≥0との全単射が存在することを意味する。開被覆を族としてとるか開集合の集合としてとるかの差と、細分に添字の対応を要求するか包含する値の存在だけを要求するかの差が、ZF の上でそれぞれどの選択原理と同値になるかは§E2.50 定理 3.2が扱う。
補題 6.1. ZF において以下は同値である。
- 任意の第二可算空間が Lindelöf である。
- 任意の可算離散空間が Lindelöf である。
- 可算選択公理が成り立つ。
証明.(3)⇒(1)は命題 1.6が与える。(1)⇒(2)を示す。可算離散空間Xにおいて{{x}∣x∈X}は離散位相の開基であり、これはx↦{x}によるXの像であるから§E1.18 補題 3.5により高々可算である。ゆえに§E2.13 定義 5.1によりXは第二可算であり、(1)からXは Lindelöf である。
(2)⇒(3)を示す。Xを可算集合、Iを集合、f:I→Xを全射とする。Xに離散位相を入れると各{f(i)}は開集合であり、fが全射であるから族({f(i)})i∈IはXの開被覆である。Xが Lindelöf であることにより、高々可算な部分集合I0⊆Iが存在して({f(i)})i∈I0はXを覆う。すなわち、各x∈Xに対してf(i)=xを満たすi∈I0が存在する。
Xは可算であるから空でなく、したがってI0も空でない。I0は空でない高々可算な集合であるから、§E1.18 定理 3.3により全射u:N≥0→I0が存在する。x∈Xに対して集合{k∈N≥0∣f(u(k))=x}は前段落により空でないから、その最小元をk(x)とおき、s(x)=u(k(x))と定めることができる。f(s(x))=xであるから、s:X→Iはf∘s=idXを満たす。
以上により、可算集合への任意の全射は切断をもつ。有限集合への全射の切断は§E1.18 補題 2.6が与えるから、高々可算な集合への任意の全射は切断をもつ。ゆえに§E1.20 補題 4.8により可算選択公理が成り立つ。▨
7 演習
問題 7.1.ω1の非可算な部分集合は、いずれもω1において上に有界でないことを示せ。さらに、ω1の非可算な部分空間はいずれも Lindelöf でないことを結論せよ。
解答.
A⊆ω1がω1において上に有界であるとし、すべてのa∈Aについてa≤βを満たすβ∈ω1をとるとA⊆[0,β]である。§E1.22 補題 3.1によりβ+1<ω1であり、順序数として[0,β]=β+1であるから、§E1.21 定理 5.1により[0,β]は高々可算である。0∈[0,β]であるから[0,β]は空でなく、§E1.18 定理 3.3により全射u:N≥0→[0,β]が存在する。γ∈[0,β]に対してmin{k∈N≥0∣u(k)=γ}を対応させる写像は単射[0,β]→N≥0である。包含写像A→[0,β]も単射であり、二つの単射の合成は単射であるから、単射A→N≥0が得られ、§E1.18 定義 1.2によりAは高々可算である。対偶により、非可算なA⊆ω1はω1において上に有界でない。
したがって命題 5.1により、ω1の非可算な部分空間はいずれも Lindelöf でない。▨
解答.
§E2.17 系 8.4によりRℓは可分空間である。
BをRℓの開基とし、Bが高々可算であると仮定する。[0,1)はRℓの空でない開集合であるから、§E2.13 命題 1.2 (2)によりBは空でない。ゆえに§E1.18 補題 3.6により全射e:Z≥1→Bが存在する。
x∈Rに対して[x,x+1)はRℓの開集合であってxを含むから、§E2.13 命題 1.2 (2)によりx∈B⊆[x,x+1)を満たすB∈Bが存在する。eは全射であるから集合{m∈Z≥1∣x∈e(m)⊆[x,x+1)}は空でなく、その最小元をm(x)とおく。e(m(x))⊆[x,x+1)であるからe(m(x))の元はすべてx以上であり、x∈e(m(x))であるから、xはe(m(x))の最小元である。
x,y∈Rがm(x)=m(y)を満たすとするとe(m(x))=e(m(y))であり、前段落によりxはe(m(x))の最小元、yはe(m(y))の最小元であるからx=yである。したがってm:R→Z≥1は単射である。包含写像Z≥1→N≥0は単射であるから合成R→N≥0も単射であり、§E1.18 定義 1.2によりRは高々可算である。これは§E1.19 定理 3.3に反する。ゆえにRℓの開基はいずれも高々可算でなく、§E2.13 定義 5.1によりRℓは第二可算でない。▨
問題 7.3. 二つの元をもつ集合X={a,b}に密着位相O={∅,X}を入れる。この位相空間が第二可算かつ正則であって T1 でないことを示せ。また、集合族{fk−1((0,1])∣k∈Z≥1}がOの開基となる連続写像の列fk:X→[0,1](k∈Z≥1)がこの空間に存在することを示し、そのような任意の列について
F:X⟶k∈Z≥1∏[0,1],F(x)=(fk(x))k∈Z≥1が単射でないことを示せ。さらにXが距離化可能でないことを示せ。
解答.
B={X}とおく。B⊆Oであり、U∈Oとx∈Uに対してU=∅であるからU=Xであり、x∈X⊆Uが成り立つ。よって§E2.13 命題 1.2によりBはOの開基である。Bは一つの元をもつ集合であるから有限であり、高々可算である。ゆえにXは第二可算である。
O={∅,X}であるから、Xの閉集合は∅とXの二つだけである。CをXの閉集合とし、x∈X∖CをとるとC=XであるからC=∅である。U=X、V=∅とおくとx∈U、C⊆V、U∩V=∅であるからXは正則である。aを含むOの元はXだけであり、b∈Xであるから、aを含みbを含まない開集合は存在しない。ゆえにXは T1 空間でない。
各k∈Z≥1についてfkを値1をとる定値写像とする。[0,1]の開集合のfkによる逆像は、その開集合が1を含むならばX、含まないならば∅であり、いずれもXの開集合であるからfkは連続である。各kについてfkの値は1だけであるからfk−1((0,1])=Xであり、集合族{fk−1((0,1])∣k∈Z≥1}はBに等しい。前段によりBはOの開基であるから、列(fk)k∈Z≥1は問題文の条件を満たす。
f:X→[0,1]を連続写像とし、f(a)=f(b)と仮定する。§E2.15 定理 3.2 (1)により[0,1]は T2 空間であるから、f(a)∈V、f(b)∈W、V∩W=∅を満たす[0,1]の開集合V,Wが存在する。f−1(V)はXの開集合であり、a∈f−1(V)である。f(b)∈WとV∩W=∅からf(b)∈/Vであるためb∈/f−1(V)である。一方、O={∅,X}の元は、aを含むならばbも含む。f−1(V)はaを含みbを含まないから、この二つは両立しない。ゆえにXから[0,1]への連続写像はすべて定値写像である。とくに問題文の条件を満たす任意の列(fk)k∈Z≥1についてfk(a)=fk(b)がすべてのkで成り立ち、F(a)=F(b)である。a=bであるからFは単射でない。
Xの位相を生成する距離が存在すると仮定すると、§E2.15 定理 3.2 (4)によりXは T1 空間になり、Xが T1 空間でないことと両立しない。ゆえにXは距離化可能でない。▨