§E2.46完全コンパクト化

最終更新

実数直線の二点コンパクト化では、負の方向と正の方向にそれぞれ一つの端点を付け加える。二つの端点を同一視すると一点コンパクト化が得られるが、同一視する二点の集合は連結でない。

T3½ 空間のコンパクト化には、Stone–Čech のコンパクト化から射影が存在する。射影のすべてのファイバーが連結であるコンパクト化を完全コンパクト化という。ファイバーの連結性を保ったまま剰余の点を同一視し、完全コンパクト化のうちで最小のものを得ることができるかどうかが問題となる。

1 射影とファイバー

定義 1.1 (完全コンパクト化と点型コンパクト化).XXを T3½ 空間、cXcXをXXのコンパクト化とする。

  1. すべてのs∈cXs\in cXについてπc−1({s})\pi_c^{-1}(\{s\})が連結であるとき、cXcXをXXの 完全コンパクト化 (perfect compactification) という。cXcXが完全コンパクト化であることを、cXcXは完全であるともいう。
  2. 剰余cX∖XcX\setminus Xが点型空間であるとき、cXcXをXXの 点型コンパクト化 (punctiform compactification) という。

注意 1.2. 射影πc\pi_cは§E2.22 系 3.5によりつねに完全写像である。完全コンパクト化の「完全」はπc\pi_cが完全写像であることを指すのではなく、πc\pi_cのファイバーがすべて連結であることを指す。Skljarenko は完全コンパクト化を、XXの開集合の境界のcXcXにおける閉包についての条件によって定義した。その条件は、射影のファイバーがすべて連結であることと同値である。

系 1.3.XXを T3½ 空間、bX,cXbX,cXをXXの同値なコンパクト化とする。このとき、bXbXが完全であることとcXcXが完全であることは同値である。

証明.§E2.22 系 6.5によりRb=RcR_b=R_cであるから、πb\pi_bとπc\pi_cのファイバーの全体は一致する。したがって、πb\pi_bのファイバーがすべて連結であることとπc\pi_cのファイバーがすべて連結であることは同値である。▨

補題 1.4.XXを T3½ 空間、cXcXをXXのコンパクト化とする。cX∖XcX\setminus Xの各点ssと、ssを含むcXcXの任意の開集合OOに対して、s∈W⊆Os\in W\subseteq Oを満たしW∩XW\cap Xが連結であるcXcXの開集合WWが存在するとする。このときcXcXは完全である。

証明.x∈Xx\in Xについて、§E2.22 系 5.6によりπc−1({x})={x}\pi_c^{-1}(\{x\})=\{x\}であり、§E2.43 例 1.2によりこれは連結である。

s∈cX∖Xs\in cX\setminus Xとし、F=πc−1({s})F=\pi_c^{-1}(\{s\})に分離(A,A′)(A,A')が存在すると仮定する。cXcXは Hausdorff であるから{s}\{s\}は閉集合であり、FFはβX\beta Xの閉集合である。A=F∖A′A=F\setminus A'とA′=F∖AA'=F\setminus AはFFの閉集合であるから、§E2.12 命題 4.6によりβX\beta Xの互いに素な閉集合である。§E2.19 定理 6.11により、A⊆UA\subseteq U、A′⊆VA'\subseteq V、U∩V=∅U\cap V=\emptysetを満たすβX\beta Xの開集合UU、VVが存在する。§E2.20 命題 1.2 (4)によりπc\pi_cは閉写像であり、F⊆U∪VF\subseteq U\cup Vであるから、§E2.12 定理 5.10 (3)によりs∈Os\in Oかつπc−1(O)⊆U∪V\pi_c^{-1}(O)\subseteq U\cup Vを満たすcXcXの開集合OOが存在する。仮定により、s∈W⊆Os\in W\subseteq Oを満たしW∩XW\cap Xが連結であるcXcXの開集合WWをとる。

πc\pi_cはXXのすべての点を固定するからπc−1(W)∩X=W∩X\pi_c^{-1}(W)\cap X=W\cap Xであり、W∩X⊆πc−1(O)⊆U∪VW\cap X\subseteq\pi_c^{-1}(O)\subseteq U\cup Vである。したがってW∩X∩UW\cap X\cap UとW∩X∩VW\cap X\cap VはW∩XW\cap Xの互いに素な開集合であり、その和はW∩XW\cap Xである。πc−1(W)∩U\pi_c^{-1}(W)\cap Uは空でないAAを含むβX\beta Xの開集合であるから、§E2.11 命題 2.9 (2)によりXXと交わり、その交わりの点はW∩X∩UW\cap X\cap Uに属する。同様にW∩X∩VW\cap X\cap Vは空でない。ゆえに(W∩X∩U,W∩X∩V)(W\cap X\cap U,W\cap X\cap V)はW∩XW\cap Xの分離であり、W∩XW\cap Xが連結であることと両立しない。したがってFFは連結であり、cXcXは完全である。▨

命題 1.5 (絶対値の延長による特徴づけ).XXを T3½ 空間、cXcXをXXのコンパクト化とする。次の二条件は同値である。

  1. cXcXは完全である。
  2. 任意の連続関数f ⁣:X→Rf\colon X\to\Rについて、∣f∣|f|がcXcX上の実数値連続関数へ延長するならば、ffもcXcX上の実数値連続関数へ延長する。

証明.X=∅X=\emptysetならばcX=∅cX=\emptysetであり、両条件は成り立つ。以下、X≠∅X\neq\emptysetとする。

(1)⇒\Rightarrow(2)を示す。g ⁣:cX→Rg\colon cX\to\Rを∣f∣|f|の連続な延長とする。§E2.19 定理 4.4によりggは有界であるから、ffも有界である。f(X)⊆[−M,M]f(X)\subseteq[-M,M]を満たす実数M>0M>0をとり、§E2.22 定理 3.2による連続な延長F ⁣:βX→[−M,M]F\colon\beta X\to[-M,M]をとる。∣F∣|F|とg∘πcg\circ\pi_cはXX上で一致するので、§E2.22 補題 2.1により

∣F∣=g∘πc|F|=g\circ\pi_c

である。各s∈cXs\in cXについてF(πc−1({s}))F(\pi_c^{-1}(\{s\}))は連結であり、{−g(s),g(s)}\{-g(s),g(s)\}に含まれるから一点集合である。したがってFFはπc\pi_cの各ファイバー上で定数である。πc\pi_cは閉な全射であるから商写像であり、§E2.12 定理 8.10によりF=fˉ∘πcF=\bar f\circ\pi_cを満たす連続関数fˉ ⁣:cX→R\bar f\colon cX\to\Rが存在する。πc\pi_cはXXの各点を固定するからfˉ∣X=f\bar f|_X=fである。

(2)⇒\Rightarrow(1)を示す。あるs∈cXs\in cXのファイバーK=πc−1({s})K=\pi_c^{-1}(\{s\})が連結でないと仮定し、その分離を(A,B)(A,B)とする。AAとBBはβX\beta Xの互いに素な閉集合であるから、§E2.19 定理 6.11により、A⊆UA\subseteq U、B⊆VB\subseteq V、U∩V=∅U\cap V=\emptysetを満たすβX\beta Xの開集合U,VU,Vが存在する。§E2.12 定理 5.10 (3)により、s∈Os\in Oかつπc−1(O)⊆U∪V\pi_c^{-1}(O)\subseteq U\cup Vを満たすcXcXの開集合OOがある。§E2.18 系 3.5により、h(s)=1h(s)=1、h∣cX∖O=0h|_{cX\setminus O}=0を満たす連続関数h ⁣:cX→[0,1]h\colon cX\to[0,1]をとる。

H=h∘πcH=h\circ\pi_cとおき、G ⁣:βX→[−1,1]G\colon\beta X\to[-1,1]を

G(z)={H(z)(z∈πc−1(O)∩U),−H(z)(z∈πc−1(O)∩V),0(z∉πc−1(O))G(z)= \begin{cases} H(z)&(z\in\pi_c^{-1}(O)\cap U),\\ -H(z)&(z\in\pi_c^{-1}(O)\cap V),\\ 0&(z\notin\pi_c^{-1}(O)) \end{cases}

で定める。πc−1(O)\pi_c^{-1}(O)の中では、GGは互いに素な二つの開集合上でHHまたは−H-Hに一致するから連続である。z∉πc−1(O)z\notin\pi_c^{-1}(O)ではH(z)=G(z)=0H(z)=G(z)=0であり、∣G∣=H|G|=Hであるから、任意のε>0\varepsilon>0に対してH−1([0,ε))H^{-1}([0,\varepsilon))は∣G∣<ε|G|<\varepsilonとなるzzの開近傍である。したがってGGは全体で連続である。

f=G∣Xf=G|_Xとすると∣f∣=h∣X|f|=h|_Xであるから、仮定によりffは連続関数fˉ ⁣:cX→R\bar f\colon cX\to\Rに延長する。§E2.22 補題 2.1によりG=fˉ∘πcG=\bar f\circ\pi_cである。しかしGGはAA上で11、BB上で−1-1をとる一方、fˉ∘πc\bar f\circ\pi_cはKK上で定数であり、両立しない。ゆえにcXcXは完全である。▨

2 ファイバーの連結成分と連結集合の逆像

補題 2.1.KK、LLをコンパクト Hausdorff 空間、f ⁣:K→Lf\colon K\to Lを連続写像とする。u,v∈Ku,v\in Kについて、f(u)=f(v)f(u)=f(v)が成り立ち、かつuuとvvが部分空間f−1({f(u)})f^{-1}(\{f(u)\})の同じ連結成分に属するとき、(u,v)∈Ef(u,v)\in E_fと定める。このときEfE_fはKK上の同値関係であり、K×KK\times Kの閉集合である。

証明.§E2.43 定理 6.2 (3)により、各ファイバーf−1({y})f^{-1}(\{y\})の連結成分の全体はそのファイバーの分割であるから、EfE_fは同値関係である。

(u,v)∈(K×K)∖Ef(u,v)\in(K\times K)\setminus E_fをとる。f(u)≠f(v)f(u)\neq f(v)の場合、LLは Hausdorff であるから、f(u)∈Gf(u)\in G、f(v)∈Hf(v)\in H、G∩H=∅G\cap H=\emptysetを満たすLLの開集合GG、HHが存在する。f−1(G)×f−1(H)f^{-1}(G)\times f^{-1}(H)は(u,v)(u,v)を含むK×KK\times Kの開集合であり、その各点(u′,v′)(u',v')はf(u′)≠f(v′)f(u')\neq f(v')を満たすから、EfE_fと交わらない。

f(u)=f(v)f(u)=f(v)の場合、y=f(u)y=f(u)、F=f−1({y})F=f^{-1}(\{y\})とおき、uuとvvを含むFFの連結成分をそれぞれCC、DDとする。(u,v)∉Ef(u,v)\notin E_fであるからC≠DC\neq Dである。LLは Hausdorff であるから{y}\{y\}は閉集合であり、FFはKKの閉集合である。したがって§E2.19 命題 4.1によりFFはコンパクトであり、§E2.15 定理 2.1 (3)により Hausdorff である。§E2.43 系 7.4により、C⊆HC\subseteq HかつH∩D=∅H\cap D=\emptysetを満たすFFの開かつ閉な部分集合HHが存在する。

HHとF∖HF\setminus HはFFの閉集合でありFFはKKの閉集合であるから、§E2.12 命題 4.6によりKKの互いに素な閉集合である。

§E2.19 定理 6.11により、H⊆UH\subseteq U、F∖H⊆VF\setminus H\subseteq V、U∩V=∅U\cap V=\emptysetを満たすKKの開集合UU、VVが存在する。§E2.20 命題 1.2 (4)によりffは閉写像であり、F⊆U∪VF\subseteq U\cup Vであるから、§E2.12 定理 5.10 (3)によりy∈Wy\in Wかつf−1(W)⊆U∪Vf^{-1}(W)\subseteq U\cup Vを満たすLLの開集合WWが存在する。

N=(U∩f−1(W))×(V∩f−1(W))N=\bigl(U\cap f^{-1}(W)\bigr)\times\bigl(V\cap f^{-1}(W)\bigr)

とおくと、u∈C⊆H⊆Uu\in C\subseteq H\subseteq Uかつv∈D⊆F∖H⊆Vv\in D\subseteq F\setminus H\subseteq Vであるから、NNは(u,v)(u,v)を含むK×KK\times Kの開集合である。(u′,v′)∈N∩Ef(u',v')\in N\cap E_fが存在すると仮定し、u′u'とv′v'をともに含むf−1({f(u′)})f^{-1}(\{f(u')\})の連結成分をC′C'とする。f(u′)∈Wf(u')\in WであるからC′⊆f−1(W)⊆U∪VC'\subseteq f^{-1}(W)\subseteq U\cup Vであり、C′∩UC'\cap UとC′∩VC'\cap VはC′C'の互いに素な開集合で、その和はC′C'であり、それぞれu′u'とv′v'を含むから、(C′∩U,C′∩V)(C'\cap U,C'\cap V)はC′C'の分離である。一方、§E2.43 定理 6.2 (1)によりC′C'は連結であり、両立しない。ゆえにN∩Ef=∅N\cap E_f=\emptysetである。

いずれの場合にも(u,v)(u,v)は(K×K)∖Ef(K\times K)\setminus E_fに含まれる開集合をもつから、§E2.11 補題 2.6により(K×K)∖Ef(K\times K)\setminus E_fは開集合であり、EfE_fは閉集合である。▨

補題 2.2.YY、ZZを位相空間、f ⁣:Y→Zf\colon Y\to Zを連続な全射閉写像とし、すべてのz∈Zz\in Zについてf−1({z})f^{-1}(\{z\})は連結であるとする。このときZZの任意の連結部分集合CCについて、f−1(C)f^{-1}(C)は連結である。

証明.A=f−1(C)A=f^{-1}(C)とおき、ffの制限g ⁣:A→Cg\colon A\to Cをとる。§E2.12 補題 5.6 (1)と§E2.12 補題 5.6 (3)によりggは連続な閉写像であり、ffが全射であるからggも全射である。AAに分離(P,Q)(P,Q)が存在すると仮定する。各z∈Cz\in Cについて、f−1({z})∩Pf^{-1}(\{z\})\cap Pとf−1({z})∩Qf^{-1}(\{z\})\cap Qはf−1({z})f^{-1}(\{z\})の互いに素な開集合でその和はf−1({z})f^{-1}(\{z\})であるから、f−1({z})f^{-1}(\{z\})の連結性によりいずれか一方は空である。したがってP=g−1(g(P))P=g^{-1}(g(P))、Q=g−1(g(Q))Q=g^{-1}(g(Q))であり、g(P)∩g(Q)=∅g(P)\cap g(Q)=\emptysetである。P=A∖QP=A\setminus QとQ=A∖PQ=A\setminus PはAAの閉集合であるから、g(P)g(P)とg(Q)g(Q)はCCの閉集合であり、ggの全射性によりg(P)∪g(Q)=Cg(P)\cup g(Q)=Cである。ゆえにg(P)=C∖g(Q)g(P)=C\setminus g(Q)とg(Q)=C∖g(P)g(Q)=C\setminus g(P)はCCの開集合であり、PPとQQが空でないことからいずれも空でない。(g(P),g(Q))(g(P),g(Q))はCCの分離であり、CCが連結であることと両立しない。したがってAAは連結である。▨

3 点型の完全コンパクト化

補題 3.1.XXを T3½ 空間とする。u,v∈βXu,v\in\beta Xについて、u=vu=vであるか、またはuuとvvをともに含みβX∖X\beta X\setminus Xに含まれるβX\beta Xの部分連続体が存在するとき、(u,v)∈RX(u,v)\in R_Xと定める。このときRXR_XはβX\beta X上の同値関係であり、各x∈Xx\in Xの同値類は{x}\{x\}である。p∈βX∖Xp\in\beta X\setminus Xの同値類は、ppを含みβX∖X\beta X\setminus Xに含まれるβX\beta Xの部分連続体すべての和であり、連結である。

証明.RXR_Xが反射的かつ対称的であることは定義から従う。(u,v)∈RX(u,v)\in R_Xかつ(v,w)∈RX(v,w)\in R_Xとする。u=vu=vまたはv=wv=wならば(u,w)∈RX(u,w)\in R_Xである。そうでなければ、βX∖X\beta X\setminus Xに含まれる部分連続体K1∋u,vK_1\ni u,vとK2∋v,wK_2\ni v,wが存在する。K1∪K2K_1\cup K_2は、§E2.43 命題 1.7により連結であり、§E2.19 補題 2.8によりコンパクトであり、§E2.15 定理 2.1 (3)により Hausdorff であり、空でない。したがってK1∪K2K_1\cup K_2はuuとwwを含みβX∖X\beta X\setminus Xに含まれる部分連続体であり、(u,w)∈RX(u,w)\in R_Xである。

βX∖X\beta X\setminus Xに含まれる部分連続体はXXの点を含まないから、x∈Xx\in Xの同値類は{x}\{x\}である。p∈βX∖Xp\in\beta X\setminus Xについて、§E2.19 例 2.3と§E2.43 例 1.2により{p}\{p\}はβX∖X\beta X\setminus Xに含まれる部分連続体であるから、ppの同値類はppを含みβX∖X\beta X\setminus Xに含まれる部分連続体すべての和に等しい。この和は§E2.43 命題 1.7により連結である。▨

命題 3.2.XXを T3½ 空間、cXcXをXXの完全コンパクト化、bXbXをXXの点型コンパクト化とする。このときcX≥bXcX\geq bXである。

証明.§E2.22 命題 6.4 (3)により、各s∈cXs\in cXについてπb\pi_bがF=πc−1({s})F=\pi_c^{-1}(\{s\})の上で定数であることを示せばよい。s∈Xs\in Xならば§E2.22 系 5.6によりF={s}F=\{s\}である。s∈cX∖Xs\in cX\setminus Xとする。§E2.22 系 3.5によりπc\pi_cは全射であるからFFは空でない。{s}\{s\}はcXcXの閉集合であるからFFはβX\beta Xの閉集合であり、§E2.19 命題 4.1によりコンパクトである。cXcXは完全であるからFFは連結であり、§E2.22 系 5.3 (1)によりF⊆βX∖XF\subseteq\beta X\setminus Xである。同じ主張をbXbXへ適用するとπb(βX∖X)⊆bX∖X\pi_b(\beta X\setminus X)\subseteq bX\setminus Xであるから、πb(F)\pi_b(F)はbX∖XbX\setminus Xに含まれ、§E2.19 定理 4.2と§E2.43 定理 1.4により空でないコンパクトかつ連結な集合である。bX∖XbX\setminus Xは点型空間であるから、πb(F)\pi_b(F)はただ一点からなる。▨

命題 3.3.XXを T3½ 空間、bXbXをXXの点型コンパクト化とする。このとき、補題 3.1の同値関係RXR_Xは、補題 2.1の同値関係EπbE_{\pi_b}(K=βXK=\beta X、L=bXL=bX、f=πbf=\pi_b)に一致する。とくにRXR_XはβX×βX\beta X\times\beta Xの閉集合である。

証明.(u,v)∈RX(u,v)\in R_Xかつu≠vu\neq vとし、uuとvvを含みβX∖X\beta X\setminus Xに含まれる部分連続体KKをとる。§E2.22 系 5.3 (1)によりπb(K)⊆bX∖X\pi_b(K)\subseteq bX\setminus Xであり、§E2.19 定理 4.2と§E2.43 定理 1.4によりπb(K)\pi_b(K)は空でないコンパクトかつ連結な集合であるから、bX∖XbX\setminus Xが点型空間であることによりπb(K)\pi_b(K)は一点yyからなる。KKはuuを含むπb−1({y})\pi_b^{-1}(\{y\})の連結部分集合であるから、§E2.43 定理 6.2 (1)によりuuを含むπb−1({y})\pi_b^{-1}(\{y\})の連結成分に含まれ、その成分はvvを含む。ゆえに(u,v)∈Eπb(u,v)\in E_{\pi_b}である。

(u,v)∈Eπb(u,v)\in E_{\pi_b}かつu≠vu\neq vとし、y=πb(u)=πb(v)y=\pi_b(u)=\pi_b(v)、F=πb−1({y})F=\pi_b^{-1}(\{y\})とおく。§E2.22 系 5.6によりu,v∈βX∖Xu,v\in\beta X\setminus Xであり、y∉Xy\notin Xであるから、§E2.22 系 5.3 (1)によりF⊆βX∖XF\subseteq\beta X\setminus Xである。uuとvvを含むFFの連結成分CCは、§E2.43 命題 6.3によりFFの閉集合であり、FFはβX\beta Xの閉集合であるからCCはβX\beta Xの閉集合であってコンパクトである。CCは連結であり、空でなく、Hausdorff であるから、uuとvvを含みβX∖X\beta X\setminus Xに含まれる部分連続体である。ゆえに(u,v)∈RX(u,v)\in R_Xである。

RX=EπbR_X=E_{\pi_b}であるから、補題 2.1によりRXR_XはβX×βX\beta X\times\beta Xの閉集合である。▨

命題 3.4.XXを T3½ 空間とし、補題 3.1の同値関係RXR_XがβX×βX\beta X\times\beta Xの閉集合であるとする。mX=βX/RXmX=\beta X/R_Xとおき、標準全射をq ⁣:βX→mXq\colon\beta X\to mXとする。このときmXmXはXXの完全かつ点型のコンパクト化であり、πm=q\pi_m=qである。

証明.βX\beta Xの射影は恒等写像である。補題 3.1によりRXR_Xは同値関係であり、XXの点の同値類は一点集合であるから、§E2.22 命題 6.9をcX=βXcX=\beta X、E=RXE=R_Xへ適用すると、mXmXはXXのコンパクト化でありπm=q\pi_m=qである。qqのファイバーはRXR_Xの同値類であり、XXの点の同値類は一点集合であって、βX∖X\beta X\setminus Xの点の同値類は補題 3.1により連結であるから、mXmXは完全である。

L⊆mX∖XL\subseteq mX\setminus Xを空でないコンパクトかつ連結な部分集合とする。mXmXは Hausdorff であるからLLは閉集合であり、q−1(L)q^{-1}(L)はβX\beta Xの閉集合であってコンパクトである。§E2.19 補題 6.18によりqqは連続な全射閉写像であり、ファイバーはいずれも連結であるから、補題 2.2によりq−1(L)q^{-1}(L)は連結である。§E2.22 系 5.3 (1)によりq−1(L)⊆q−1(mX∖X)=βX∖Xq^{-1}(L)\subseteq q^{-1}(mX\setminus X)=\beta X\setminus Xであり、q−1(L)q^{-1}(L)はqqの全射性により空でない。したがってq−1(L)q^{-1}(L)はβX∖X\beta X\setminus Xに含まれる部分連続体であり、その任意の二点uu、vvは(u,v)∈RX(u,v)\in R_X、すなわちq(u)=q(v)q(u)=q(v)を満たす。ゆえにL=q(q−1(L))L=q(q^{-1}(L))はただ一点からなり、mXmXは点型である。▨

補題 3.5.XXを T3½ 空間、mXmXをXXのコンパクト化とし、EπmE_{\pi_m}を補題 2.1の同値関係(K=βXK=\beta X、L=mXL=mX、f=πmf=\pi_m)とする。このときβX/Eπm\beta X/E_{\pi_m}はXXの完全コンパクト化であり、βX/Eπm≥mX\beta X/E_{\pi_m}\geq mXを満たす。さらに、cX≥mXcX\geq mXを満たすXXの任意の完全コンパクト化cXcXについてcX≥βX/EπmcX\geq\beta X/E_{\pi_m}である。

証明.yX=βX/EπmyX=\beta X/E_{\pi_m}とおき、標準全射をq ⁣:βX→yXq\colon\beta X\to yXとする。補題 2.1によりEπmE_{\pi_m}はβX×βX\beta X\times\beta Xの閉集合である同値関係であり、§E2.22 系 5.6によりx∈Xx\in Xについてπm−1({x})={x}\pi_m^{-1}(\{x\})=\{x\}であるから、xxの同値類は{x}\{x\}である。βX\beta Xの射影は恒等写像であるから、§E2.22 命題 6.9をcX=βXcX=\beta Xへ適用すると、yXyXはXXのコンパクト化であり、πy=q\pi_y=qである。qqのファイバーはπm\pi_mのファイバーの連結成分であり、§E2.43 定理 6.2 (1)により連結であるから、yXyXは完全である。(u,v)∈Eπm(u,v)\in E_{\pi_m}ならばπm(u)=πm(v)\pi_m(u)=\pi_m(v)であるから、§E2.22 命題 6.4 (3)によりyX≥mXyX\geq mXである。

cXcXをcX≥mXcX\geq mXを満たす完全コンパクト化とし、u,v∈βXu,v\in\beta Xがπc(u)=πc(v)=s\pi_c(u)=\pi_c(v)=sを満たすとする。§E2.22 命題 6.4 (3)によりπc−1({s})⊆πm−1({πm(u)})\pi_c^{-1}(\{s\})\subseteq\pi_m^{-1}(\{\pi_m(u)\})であり、πc−1({s})\pi_c^{-1}(\{s\})はuuとvvを含む連結集合であるから、§E2.43 定理 6.2 (1)によりuuとvvはπm−1({πm(u)})\pi_m^{-1}(\{\pi_m(u)\})の同じ連結成分に属する。ゆえにq(u)=q(v)q(u)=q(v)であり、§E2.22 命題 6.4 (3)によりcX≥yXcX\geq yXである。▨

補題 3.6.XXを T3½ 空間、mXmXをXXの完全コンパクト化、K⊆mX∖XK\subseteq mX\setminus XをmXmXの部分連続体とする。s,t∈mXs,t\in mXについて、s=ts=tであるか、またはs,t∈Ks,t\in Kであるとき(s,t)∈EK(s,t)\in E_Kと定める。このときmX/EKmX/E_KはXXの完全コンパクト化であり、mX≥mX/EKmX\geq mX/E_Kである。さらに、XXのすべての点を固定する連続写像mX→mX/EKmX\to mX/E_KはKKを一点へ写す。

証明.EKE_Kが反射的かつ対称的であることは定義から従う。(s,t),(t,w)∈EK(s,t),(t,w)\in E_Kとすると、s=ts=tまたはt=wt=wならば(s,w)∈EK(s,w)\in E_Kであり、そうでなければs,t,w∈Ks,t,w\in Kであるから(s,w)∈EK(s,w)\in E_Kである。ゆえにEKE_Kは推移的である。Δ={(s,s)∣s∈mX}\Delta=\{(s,s)\mid s\in mX\}は§E2.15 命題 2.11によりmX×mXmX\times mXの閉集合であり、KKは Hausdorff 空間mXmXのコンパクト部分集合であるから§E2.19 命題 6.4により閉集合であって、K×K=pr⁡1−1(K)∩pr⁡2−1(K)K\times K=\pr_1^{-1}(K)\cap\pr_2^{-1}(K)も閉集合である。ゆえにEK=Δ∪(K×K)E_K=\Delta\cup(K\times K)は閉集合である。K∩X=∅K\cap X=\emptysetであるから、x∈Xx\in Xの同値類は{x}\{x\}である。

q ⁣:mX→mX/EKq\colon mX\to mX/E_Kを標準全射とする。§E2.22 命題 6.9により、mX/EKmX/E_KはXXのコンパクト化であり、mX≥mX/EKmX\geq mX/E_Kであって、その射影はq∘πmq\circ\pi_mである。§E2.22 命題 6.2によりXXのすべての点を固定する連続写像mX→mX/EKmX\to mX/E_Kはqqだけであり、KKは空でない一つの同値類であるから、q(K)q(K)は一点である。EKE_Kの同値類はs∈mX∖Ks\in mX\setminus Kについての{s}\{s\}とKKであるから、§E2.22 命題 6.9により、mX/EKmX/E_Kの射影のファイバーはπm−1({s})\pi_m^{-1}(\{s\})(s∈mX∖Ks\in mX\setminus K)とπm−1(K)\pi_m^{-1}(K)である。前者はmXmXが完全であることにより連結である。§E2.22 系 3.5と§E2.20 命題 1.2 (4)によりπm\pi_mは連続な全射閉写像であり、そのファイバーはいずれも連結であるから、補題 2.2により後者も連結である。ゆえにmX/EKmX/E_Kは完全である。▨

定理 3.7.XXを T3½ 空間とする。次の五条件は同値である。

  1. XXは点型コンパクト化をもつ。
  2. 補題 3.1の同値関係RXR_XはβX×βX\beta X\times\beta Xの閉集合である。
  3. XXのコンパクト化の同相類のなす順序集合において、XXの完全コンパクト化の同相類の全体は下限をもつ。
  4. XXの完全コンパクト化mXmXであって、XXの任意の完全コンパクト化cXcXについてcX≥mXcX\geq mXを満たすものが存在する。
  5. XXは点型の完全コンパクト化をもつ。

さらに、これらの条件が成り立つとき、次が成り立つ。

  1. βX/RX\beta X/R_XはXXの点型の完全コンパクト化である。
  2. mXmXをXXの点型の完全コンパクト化とすると、XXの任意の完全コンパクト化cXcXについてcX≥mXcX\geq mXである。とくに[mX][mX]はXXの完全コンパクト化の同相類の全体の最小元であり、下限である。
  3. XXの点型の完全コンパクト化は互いに同値である。

証明.(1)⇒\Rightarrow(2)は命題 3.3による。(2)⇒\Rightarrow(5)は命題 3.4による。(5)⇒\Rightarrow(1)は定義から従う。

(5)⇒\Rightarrow(4)を示す。

mXmXを点型の完全コンパクト化とすると、命題 3.2により、任意の完全コンパクト化cXcXについてcX≥mXcX\geq mXである。

(4)⇒\Rightarrow(3)を示す。mXmXを(4)の完全コンパクト化とすると、[mX][mX]は完全コンパクト化の同相類の全体の下界である。[bX][bX]をこの全体の任意の下界とすると、mXmXは完全であるからmX≥bXmX\geq bXである。ゆえに[mX][mX]は下限である。

(3)⇒\Rightarrow(5)を示す。完全コンパクト化の同相類の全体の下限を[mX][mX]とし、yX=βX/EπmyX=\beta X/E_{\pi_m}を補題 3.5のコンパクト化とする。任意の完全コンパクト化cXcXはcX≥mXcX\geq mXを満たすから、補題 3.5によりcX≥yXcX\geq yXである。したがって[yX][yX]は完全コンパクト化の同相類の全体の下界であり、[mX][mX]が下限であることからmX≥yXmX\geq yXである。補題 3.5によりyX≥mXyX\geq mXでもあるから[yX]=[mX][yX]=[mX]であり、yXyXは完全であるから、系 1.3によりmXmXは完全である。

mX∖XmX\setminus Xのコンパクトかつ連結な部分集合KKが相異なる二点aa、bbを含むと仮定する。KKは空でなく、§E2.15 定理 2.1 (3)により Hausdorff であるから、mXmXの部分連続体である。補題 3.6により、mX/EKmX/E_KはmX≥mX/EKmX\geq mX/E_Kを満たす完全コンパクト化であり、XXのすべての点を固定する連続写像φ ⁣:mX→mX/EK\varphi\colon mX\to mX/E_Kはφ(a)=φ(b)\varphi(a)=\varphi(b)を満たす。[mX][mX]は完全コンパクト化の同相類の全体の下界であるからmX/EK≥mXmX/E_K\geq mXであり、[mX]=[mX/EK][mX]=[mX/E_K]である。§E2.22 命題 6.3によりXXのすべての点を固定する同相写像mX→mX/EKmX\to mX/E_Kが存在し、§E2.22 命題 6.2の一意性によりそれはφ\varphiに等しい。したがってφ\varphiは単射であり、a≠ba\neq bとφ(a)=φ(b)\varphi(a)=\varphi(b)は両立しない。ゆえにmX∖XmX\setminus Xのコンパクトかつ連結な部分集合は高々一点からなり、mXmXは点型である。

条件が成り立つとする。(1)は、(2)と命題 3.4による。(2)の前半は命題 3.2によるものであり、後半は(4)⇒\Rightarrow(3)の証明による。(3)は、点型の完全コンパクト化mXmX、m′Xm'Xに命題 3.2を両向きに適用して得られる。▨

命題 3.8.XXを T3½ 空間とし、剰余bX∖XbX\setminus Xが完全不連結であるXXのコンパクト化bXbXが存在するとする。このときXXは点型の完全コンパクト化mXmXをもち、mX≥bXmX\geq bXであって、剰余mX∖XmX\setminus Xは完全不連結である。

証明.§E2.45 命題 2.10によりbXbXは点型コンパクト化であるから、定理 3.7によりXXは点型の完全コンパクト化mXmXをもち、命題 3.2によりmX≥bXmX\geq bXである。XXのすべての点を固定する連続写像φ ⁣:mX→bX\varphi\colon mX\to bXをとる。§E2.22 命題 6.4 (3)によりπb=φ∘πm\pi_b=\varphi\circ\pi_mである。w∈mX∖Xw\in mX\setminus Xとすると、§E2.22 系 5.3 (2)によりw=πm(u)w=\pi_m(u)を満たすu∈βX∖Xu\in\beta X\setminus Xが存在し、§E2.22 系 5.3 (1)によりφ(w)=πb(u)∈bX∖X\varphi(w)=\pi_b(u)\in bX\setminus Xである。

CCをmX∖XmX\setminus Xの空でない連結部分集合とする。§E2.43 定理 1.4によりφ(C)\varphi(C)はbX∖XbX\setminus Xの連結部分集合であるから、§E2.45 命題 2.3によりただ一点yyからなる。φ\varphiはXXのすべての点を固定しy∉Xy\notin Xであるから、φ−1({y})⊆mX∖X\varphi^{-1}(\{y\})\subseteq mX\setminus Xであり、φ−1({y})\varphi^{-1}(\{y\})はCCを含む閉集合である。したがってcl⁡mX(C)⊆φ−1({y})⊆mX∖X\tpcl[mX]{C}\subseteq\varphi^{-1}(\{y\})\subseteq mX\setminus Xであり、cl⁡mX(C)\tpcl[mX]{C}は§E2.43 命題 1.6により連結であり、§E2.19 命題 4.1によりコンパクトである。mXmXは点型であるからcl⁡mX(C)\tpcl[mX]{C}は高々一点からなり、CCも高々一点からなる。§E2.45 命題 2.3によりmX∖XmX\setminus Xは完全不連結である。▨

命題 3.9 (0 次元剰余の保存).XXを T3½ 空間とし、剰余bX∖XbX\setminus Xが 0 次元であるXXのコンパクト化bXbXが存在するとする。このときXXは点型の完全コンパクト化mXmXをもち、mX≥bXmX\geq bXであって、剰余mX∖XmX\setminus Xは 0 次元である。

証明.bX∖XbX\setminus Xは Hausdorff であるから、§E2.45 命題 2.11 (3)により完全不連結である。命題 3.8により、剰余が完全不連結である点型の完全コンパクト化mX≥bXmX\geq bXが存在する。XXの各点を固定する連続写像φ ⁣:mX→bX\varphi\colon mX\to bXをとる。πb=φ∘πm\pi_b=\varphi\circ\pi_mと剰余の射影対応から

φ−1(bX∖X)=mX∖X\varphi^{-1}(bX\setminus X)=mX\setminus X

であり、φ\varphiは全射閉写像である。

R=mX∖XR=mX\setminus X、S=bX∖XS=bX\setminus Xとおき、p∈Rp\in Rとppを含むRRの開集合OOをとる。y=φ(p)∈Sy=\varphi(p)\in Sとし、K=φ−1({y})K=\varphi^{-1}(\{y\})とおく。KKはRRに含まれる非空コンパクト Hausdorff 空間であり、RRの完全不連結性を遺伝するから、§E2.45 定理 3.1により開かつ閉な集合の開基をもつ。したがってp∈H⊆K∩Op\in H\subseteq K\cap Oを満たすKKの開かつ閉な部分集合HHが存在する。

O=O′∩RO=O'\cap Rを満たすmXmXの開集合O′O'をとる。HHと(K∖H)∪(mX∖O′)(K\setminus H)\cup(mX\setminus O')は互いに素な閉集合であるから、mXmXの正規性により、H⊆UH\subseteq U、(K∖H)∪(mX∖O′)⊆V(K\setminus H)\cup(mX\setminus O')\subseteq V、U∩V=∅U\cap V=\emptysetを満たすmXmXの開集合U,VU,Vがある。特にU⊆O′U\subseteq O'であり、K⊆U∪VK\subseteq U\cup Vである。

§E2.12 定理 5.10 (3)により、y∈Wy\in Wかつφ−1(W)⊆U∪V\varphi^{-1}(W)\subseteq U\cup Vを満たすbXbXの開集合WWをとる。SSは 0 次元であるから、y∈D⊆W∩Sy\in D\subseteq W\cap Sを満たすSSの開かつ閉な集合DDがある。φ∣R\varphi|_Rは連続であるからT=φ−1(D)T=\varphi^{-1}(D)はRRの開かつ閉な集合であり、T⊆U∪VT\subseteq U\cup Vである。したがってT∩UT\cap UはRRの開集合であり、その補集合は

R∖(T∩U)=(R∖T)∪(T∩V)R\setminus(T\cap U)=(R\setminus T)\cup(T\cap V)

と書かれるので開集合でもある。p∈T∩U⊆Op\in T\cap U\subseteq Oであるから、RRは開かつ閉な集合の開基をもつ。SSは非空でありφ∣R\varphi|_Rは全射であるからRRも非空である。ゆえにRRは 0 次元である。▨

4 Freudenthal のコンパクト化

系 4.1.XXを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とする。このときXXは点型の完全コンパクト化をもち、それらは互いに同値である。さらに、XXの点型の完全コンパクト化mXmXについて、βX∖X\beta X\setminus Xの連結成分の全体は{πm−1({s})∣s∈mX∖X}\{\pi_m^{-1}(\{s\})\mid s\in mX\setminus X\}に一致する。

証明.§E2.24 命題 2.2 (4)によりXXは T3½ 空間であり、§E2.24 命題 2.2 (3)により一点コンパクト化αX\alpha XはXXのコンパクト化である。剰余αX∖X={∞}\alpha X\setminus X=\{\infty\}は一点集合であるから点型空間であり、αX\alpha Xは点型コンパクト化である。定理 3.7により、XXは点型の完全コンパクト化をもち、それらは互いに同値である。

命題 3.3によりRX=EπαR_X=E_{\pi_\alpha}であり、πα−1({∞})=βX∖X\pi_\alpha^{-1}(\{\infty\})=\beta X\setminus Xであるから、剰余の点のRXR_Xに関する同値類はβX∖X\beta X\setminus Xの連結成分である。

定理 3.7 (1)と定理 3.7 (3)により[mX]=[βX/RX][mX]=[\beta X/R_X]であるから、πm\pi_mのファイバーはRXR_Xの同値類に一致する。剰余の射影対応により、βX∖X\beta X\setminus Xの各同値類はmX∖XmX\setminus Xの一点の上のファイバーであり、逆に剰余点の上の各ファイバーはそのような同値類である。したがって求める二つの族は一致する。▨

定義 4.2 (Freudenthal のコンパクト化).XXを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とする。XXの点型の完全コンパクト化を、XXの Freudenthal のコンパクト化 (Freudenthal compactification) といい、εX\ep Xと書く。系 4.1により、εX\ep Xは存在し、同値なものを除いてただ一つに定まる。

命題 4.3.XXを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とする。

  1. 剰余εX∖X\ep X\setminus Xは完全不連結である。
  2. 剰余bX∖XbX\setminus Xが完全不連結であるXXの任意のコンパクト化bXbXについて、εX≥bX\ep X\geq bXである。
  3. εX≥αX\ep X\geq\alpha Xである。[εX]=[αX][\ep X]=[\alpha X]であるための必要十分条件は、βX∖X\beta X\setminus Xが連結であることである。

証明.(1)を示す。§E2.24 系 1.11によりεX∖X\ep X\setminus Xはコンパクトであり、§E2.15 定理 2.1 (3)により Hausdorff である。w∈εX∖Xw\in\ep X\setminus Xの連結成分C(w)C(w)は、§E2.43 命題 6.3によりεX∖X\ep X\setminus Xの閉集合であるから§E2.19 命題 4.1によりコンパクトであり、§E2.43 定理 6.2 (1)により連結である。εX\ep Xは点型であるからC(w)={w}C(w)=\{w\}であり、εX∖X\ep X\setminus Xは完全不連結である。

(2)を示す。§E2.45 命題 2.10によりbXbXは点型コンパクト化であり、εX\ep Xは完全であるから、命題 3.2によりεX≥bX\ep X\geq bXである。

(3)を示す。§E2.24 命題 3.1によりεX≥αX\ep X\geq\alpha Xである。αX\alpha Xの射影のファイバーは、§E2.22 系 5.6によりx∈Xx\in Xについて{x}\{x\}であり、§E2.22 系 5.3 (1)により∞\inftyの上でβX∖X\beta X\setminus Xである。βX∖X\beta X\setminus Xが連結であるとすると、αX\alpha Xは完全であり、剰余が一点であるから点型でもあるので、定理 3.7 (3)により[εX]=[αX][\ep X]=[\alpha X]である。逆に[εX]=[αX][\ep X]=[\alpha X]ならば、系 1.3によりαX\alpha Xは完全であり、そのファイバーβX∖X\beta X\setminus Xは連結である。▨

例 4.4.K=[−∞,∞]K=[-\infty,\infty]を§E2.22 例 7.6のR\Rのコンパクト化とする。このとき[εR]=[K][\ep\R]=[K]であり、βR∖R\beta\R\setminus\Rはちょうど二つの連結成分をもつ。

証明.§E2.24 例 5.1 (3)によりR\Rは局所コンパクト Hausdorff 空間であり、§E2.19 例 2.9 (4)によりコンパクトでない。剰余K∖R={−∞,∞}K\setminus\R=\{-\infty,\infty\}において{∞}=(0,∞]∩{−∞,∞}\{\infty\}=(0,\infty]\cap\{-\infty,\infty\}と{−∞}=[−∞,0)∩{−∞,∞}\{-\infty\}=[-\infty,0)\cap\{-\infty,\infty\}はともに開集合であるから、剰余の連結部分集合は高々一点からなり、KKは点型コンパクト化である。

OOを∞\inftyを含むKKの開集合とする。§E2.17 命題 1.7により、(a,∞]⊆O(a,\infty]\subseteq Oを満たすa∈Ka\in Kでa<∞a<\inftyであるものが存在し、必要ならばaaをより大きい実数に取り替えてa∈Ra\in\Rとすることができる。W=(a,∞]W=(a,\infty]は∞∈W⊆O\infty\in W\subseteq Oを満たすKKの開集合であり、W∩R=(a,∞)W\cap\R=(a,\infty)は区間であるから、§E2.43 定理 2.2により連結である。−∞-\inftyを含むKKの開集合OOについても、§E2.17 命題 1.7により[−∞,a)⊆O[-\infty,a)\subseteq Oを満たすa∈Ra\in\Rが存在し、W=[−∞,a)W=[-\infty,a)についてW∩R=(−∞,a)W\cap\R=(-\infty,a)は区間であるから連結である。補題 1.4によりKKは完全である。

KKは点型の完全コンパクト化であるから、定義 4.2により[εR]=[K][\ep\R]=[K]である。系 4.1により、βR∖R\beta\R\setminus\Rの連結成分の全体は{πK−1({s})∣s∈K∖R}\{\pi_K^{-1}(\{s\})\mid s\in K\setminus\R\}に一致する。πK\pi_Kは全射であるから、二つのファイバーπK−1({−∞})\pi_K^{-1}(\{-\infty\})、πK−1({∞})\pi_K^{-1}(\{\infty\})は空でなく互いに素であり、βR∖R\beta\R\setminus\Rの連結成分はちょうど二つである。▨

補題 4.5.n∈N≥1n\in\NNとし、R2\R^2に Euclid 距離を入れる。このときR2∖[−n,n]2\R^2\setminus[-n,n]^2は連結である。

証明. 演習とする(問題 7.1)。▨

例 4.6.R2\R^2に Euclid 距離を入れる。このとき[εR2]=[αR2][\ep\R^2]=[\alpha\R^2]であり、βR2∖R2\beta\R^2\setminus\R^2は連結である。

証明.§E2.24 例 5.1 (3)によりR2\R^2は局所コンパクト Hausdorff 空間であり、R2\R^2は有界でないから§E2.9 定理 4.3によりコンパクトでない。OOを∞\inftyを含むαR2\alpha\R^2の開集合とする。§E2.24 定義 2.1によりO=αR2∖CO=\alpha\R^2\setminus Cを満たすコンパクト部分集合C⊆R2C\subseteq\R^2が存在する。開集合の族((−k,k)2)k∈N≥1((-k,k)^2)_{k\in\NN}はCCを覆うから、CCのコンパクト性により有限部分被覆が存在し、その添字の最大値をnnとすると、族がkkについて増大することからC⊆(−n,n)2C\subseteq(-n,n)^2である。§E2.9 定理 4.3により[−n,n]2[-n,n]^2はコンパクトであるから、W=αR2∖[−n,n]2W=\alpha\R^2\setminus[-n,n]^2は∞∈W⊆O\infty\in W\subseteq Oを満たすαR2\alpha\R^2の開集合であり、補題 4.5によりW∩R2=R2∖[−n,n]2W\cap\R^2=\R^2\setminus[-n,n]^2は連結である。

補題 1.4によりαR2\alpha\R^2は完全である。剰余は一点であるからαR2\alpha\R^2は点型でもあり、定義 4.2により[εR2]=[αR2][\ep\R^2]=[\alpha\R^2]である。命題 4.3 (3)によりβR2∖R2\beta\R^2\setminus\R^2は連結である。▨

例 4.7.XXを無限離散空間とする。このとき[εX]=[βX][\ep X]=[\beta X]である。

証明.XXは局所コンパクト Hausdorff 空間であり、無限離散空間であるからコンパクトでない。βX\beta Xから自身への射影は恒等写像であるから、βX\beta Xは完全である。

§E2.22 命題 4.4 (1)と§E2.22 命題 4.4 (2)によりβX\beta Xは開かつ閉な集合の開基をもつ。したがってβX\beta Xは 0 次元の Hausdorff 空間であり、§E2.45 命題 2.11 (3)により完全不連結である。その剰余も完全不連結であって点型であるから、βX\beta Xは点型の完全コンパクト化である。ゆえに[εX]=[βX][\ep X]=[\beta X]である。▨

5 点型剰余と完全不連結剰余の差

補題 5.1.S=(0,1)×(0,1)S=(0,1)\times(0,1)とし、BBをSSの Bernstein 集合とする。c=(c1,c2)∈R2c=(c_1,c_2)\in\R^2と実数ℓ>0\ell>0についてD=(c1,c1+ℓ)×(c2,c2+ℓ)⊆SD=(c_1,c_1+\ell)\times(c_2,c_2+\ell)\subseteq Sとする。このときD∖BD\setminus Bは連結である。

証明.h ⁣:D→Sh\colon D\to Sをh(z)=((z1−c1)/ℓ,(z2−c2)/ℓ)h(z)=\bigl((z_1-c_1)/\ell,(z_2-c_2)/\ell\bigr)で定める。hhは全単射であり、hhとその逆写像w↦(c1+ℓw1,c2+ℓw2)w\mapsto(c_1+\ell w_1,c_2+\ell w_2)はいずれも連続であるから、hhは同相写像である。B′=h(D∩B)B'=h(D\cap B)とおく。

FFをSSの非可算な閉集合とし、k∈N≥1k\in\NN、k≥3k\geq3についてQk=[1/k,1−1/k]2Q_k=[1/k,1-1/k]^2、Fk=F∩QkF_k=F\cap Q_kとおく。SSの各点の二つの座標はいずれも開区間(0,1)(0,1)に属するから、§D1.4 系 2.2によりF=⋃k≥3FkF=\bigcup_{k\geq3}F_kである。すべてのFkF_kが高々可算であるとすると、§E1.18 定理 6.3によりFFは高々可算であり、仮定に反する。ゆえに非可算なFkF_kが存在する。§E2.9 定理 4.3によりQkQ_kはコンパクトであり、FkF_kはQkQ_kの閉集合であるから、§E2.19 命題 4.1によりFkF_kはコンパクトである。したがってG=h−1(Fk)G=h^{-1}(F_k)は§E2.19 定理 4.2によりコンパクトであり、§E2.19 命題 6.4により Hausdorff 空間SSの閉集合であり、hhが全単射であることから非可算である。

Bernstein 集合の定義により、z∈G∩Bz\in G\cap Bとz′∈G∖Bz'\in G\setminus Bが存在する。z∈D∩Bz\in D\cap Bであるからh(z)∈F∩B′h(z)\in F\cap B'である。z′∈D∖Bz'\in D\setminus Bでありhhは単射であるからh(z′)∉B′h(z')\notin B'であって、h(z′)∈F∖B′h(z')\in F\setminus B'である。ゆえにB′B'はSSの Bernstein 集合である。

§E2.45 命題 7.6によりS∖B′S\setminus B'は連結である。hhは全単射であるからS∖B′=h(D∖B)S\setminus B'=h(D\setminus B)であり、§E2.43 定理 1.4によりD∖B=h−1(S∖B′)D\setminus B=h^{-1}(S\setminus B')は連結である。▨

例 5.2 (完全不連結な剰余をもつコンパクト化が存在しない例).S=(0,1)×(0,1)S=(0,1)\times(0,1)とし、BBをSSの Bernstein 集合として、X=[0,1]2∖BX=[0,1]^2\setminus Bとおく。このとき[0,1]2[0,1]^2はXXの点型の完全コンパクト化である。また、XXは、剰余が完全不連結であるコンパクト化をもたない。

証明.K=[0,1]2K=[0,1]^2はコンパクト Hausdorff 空間である。UUをKKの空でない開集合とし、z∈Uz\in Uをとる。(1−t)z+t(1/2,1/2)(1-t)z+t(1/2,1/2)はt>0t>0が十分小さいときU∩SU\cap Sに属するから、U∩SU\cap Sは空でない。正の長さの閉区間I1,I2I_1,I_2でI1×I2⊆U∩SI_1\times I_2\subseteq U\cap Sを満たすものをとる。この長方形は非可算であり、SSの閉集合であるから、Bernstein 集合の定義により(I1×I2)∖B≠∅(I_1\times I_2)\setminus B\neq\emptysetである。ゆえにU∩X≠∅U\cap X\neq\emptysetであり、XXはKKで稠密である。したがってKKはXXのコンパクト化であり、XXは T3½ 空間である。剰余K∖X=BK\setminus X=Bは§E2.45 命題 7.6により点型である。

b∈Bb\in Bとし、OOをbbを含む[0,1]2[0,1]^2の開集合とする。SSはR2\R^2の開集合であるから、O∩SO\cap Sはbbを含むR2\R^2の開集合であり、§E2.14 例 1.16により、bbを中心とする開正方形D=(b1−ℓ/2,b1+ℓ/2)×(b2−ℓ/2,b2+ℓ/2)D=(b_1-\ell/2,b_1+\ell/2)\times(b_2-\ell/2,b_2+\ell/2)でD⊆O∩SD\subseteq O\cap Sを満たすもの(ℓ>0\ell>0)が存在する。DDはb∈D⊆Ob\in D\subseteq Oを満たす[0,1]2[0,1]^2の開集合であり、補題 5.1によりD∩X=D∖BD\cap X=D\setminus Bは連結である。補題 1.4により[0,1]2[0,1]^2は完全である。

剰余が完全不連結であるXXのコンパクト化bXbXが存在すると仮定する。命題 3.8により、剰余mX∖XmX\setminus Xが完全不連結である点型の完全コンパクト化mXmXが存在する。定理 3.7 (3)により[mX]=[[0,1]2][mX]=[[0,1]^2]であり、§E2.22 命題 6.3によりXXのすべての点を固定する同相写像h ⁣:mX→[0,1]2h\colon mX\to[0,1]^2が存在する。hhは全単射でh(X)=Xh(X)=Xであるからh(mX∖X)=Bh(mX\setminus X)=Bであり、BBは完全不連結な空間mX∖XmX\setminus Xと同相であるから完全不連結である。一方、§E2.45 命題 7.6によりBBは完全不連結でない。この二つは両立しないので、XXは剰余が完全不連結であるコンパクト化をもたない。▨

6 正規空間と連続体の積

命題 6.1.YYを空でない正規 T3½ 空間、ZZを二点以上をもつ連続体とし、X=Y×ZX=Y\times Zとおく。射影p ⁣:X→Yp\colon X\to Y、t ⁣:X→Zt\colon X\to Zの連続な延長βp ⁣:βX→βY\beta p\colon\beta X\to\beta Y、t~ ⁣:βX→Z\tilde t\colon\beta X\to Zをとり、y∈βY∖Yy\in\beta Y\setminus YについてKy=(βp)−1({y})K_y=(\beta p)^{-1}(\{y\})とおく。

  1. (βp)−1(Y)=X(\beta p)^{-1}(Y)=Xであり、各KyK_yはβX∖X\beta X\setminus Xに含まれる空でない閉連結集合であって、t~(Ky)=Z\tilde t(K_y)=Zを満たす。
  2. Ylc=∅Y_{\mathrm{lc}}=\emptysetならば、XXは点型コンパクト化をもたない。

証明.ZZはコンパクト Hausdorff であるから T3½ であり、XXも T3½ である。§E2.20 命題 4.5によりppは固有閉写像であるから、§E2.22 定理 5.2により(βp)−1(Y)=X(\beta p)^{-1}(Y)=Xである。βp(βX)\beta p(\beta X)はp(X)=Yp(X)=Yを含むので、§E2.19 系 6.5によりβp\beta pは全射である。したがってKyK_yは空でない閉集合であり、y∉Yy\notin YからKy⊆βX∖XK_y\subseteq\beta X\setminus Xである。

ζ∈Z\zeta\in Zに対してLζ=cl⁡βX(Y×{ζ})L_\zeta=\tpcl[\beta X]{Y\times\{\zeta\}}とおく。LζL_\zetaはコンパクトであり、βp(Lζ)\beta p(L_\zeta)はYYを含むからβY\beta Yに等しい。βp(w)=y\beta p(w)=yを満たすw∈Lζw\in L_\zetaについて、§E2.12 命題 1.7 (2)によりt~(w)∈cl⁡Z({ζ})={ζ}\tilde t(w)\in\tpcl[Z]{\{\zeta\}}=\{\zeta\}である。ゆえにt~(Ky)=Z\tilde t(K_y)=Zである。

KyK_yに分離(A,A′)(A,A')が存在すると仮定する。A,A′A,A'はβX\beta Xの互いに素な閉集合であるから、§E2.18 系 3.5により、AA上で00、A′A'上で11をとる連続関数g ⁣:βX→[0,1]g\colon\beta X\to[0,1]をとる。g−1([1/3,2/3])g^{-1}([1/3,2/3])はKyK_yと交わらない閉集合であるから、§E2.12 定理 5.10 (3)により、y∈Wy\in Wかつ(βp)−1(W)∩g−1([1/3,2/3])=∅(\beta p)^{-1}(W)\cap g^{-1}([1/3,2/3])=\emptysetを満たすβY\beta Yの開集合WWがある。βY\beta Yの正則性により、y∈W0y\in W_0かつcl⁡βY(W0)⊆W\tpcl[\beta Y]{W_0}\subseteq Wを満たす開集合W0W_0をとる。

r∈W∩Yr\in W\cap YについてJr={r}×ZJ_r=\{r\}\times Zとおく。JrJ_rは連結であり、g(Jr)g(J_r)は[1/3,2/3][1/3,2/3]を避ける連結な実数の部分集合であるから、[0,1/3)[0,1/3)または(2/3,1](2/3,1]の一方に含まれる。ζ0∈Z\zeta_0\in Zを固定し、

N={r∈Y∩cl⁡βY(W0)∣g(r,ζ0)≤1/3},P={r∈Y∩cl⁡βY(W0)∣g(r,ζ0)≥2/3}N=\{r\in Y\cap\tpcl[\beta Y]{W_0}\mid g(r,\zeta_0)\le1/3\},\qquad P=\{r\in Y\cap\tpcl[\beta Y]{W_0}\mid g(r,\zeta_0)\ge2/3\}

とおく。N,PN,PはYYの互いに素な閉集合である。YYの正規性と§E2.18 系 3.5により、NN上で00、PP上で11をとる連続関数k ⁣:Y→[0,1]k\colon Y\to[0,1]をとる。f=k∘pf=k\circ pとし、f,kf,kの連続な延長をf~,k~\tilde f,\tilde kと書くと、稠密なXX上の一致から

f~=k~∘βp\tilde f=\tilde k\circ\beta p

であり、f~\tilde fはKyK_y上で定数である。

a∈Aa\in Aと、aaの任意のβX\beta X開近傍OOをとる。O∩g−1([0,1/3))∩(βp)−1(W0)O\cap g^{-1}([0,1/3))\cap(\beta p)^{-1}(W_0)はaaを含む開集合であるから、稠密なXXの点(r,ζ)(r,\zeta)を含む。r∈W0∩Yr\in W_0\cap Yかつg(r,ζ)<1/3g(r,\zeta)<1/3であるから、g(Jr)⊆[0,1/3)g(J_r)\subseteq[0,1/3)であり、r∈Nr\in Nである。したがってf(r,ζ)=0f(r,\zeta)=0であり、a∈cl⁡βX(f−1({0}))a\in\tpcl[\beta X]{f^{-1}(\{0\})}である。連続性によりf~(a)=0\tilde f(a)=0となる。同様にg−1((2/3,1])g^{-1}((2/3,1])を用いると、任意のa′∈A′a'\in A'についてf~(a′)=1\tilde f(a')=1を得る。これはf~\tilde fがKyK_y上で定数であることと両立しない。ゆえにKyK_yは連結であり、(1)が成り立つ。

(2)を示す。Ylc=∅Y_{\mathrm{lc}}=\emptysetとする。(r,ζ)∈X(r,\zeta)\in Xがコンパクト近傍N0N_0をもてば、(r,ζ)∈G×H⊆N0(r,\zeta)\in G\times H\subseteq N_0を満たす積開集合をとることができる。p(N0)p(N_0)はrrのコンパクト近傍となるから、仮定と両立しない。したがってXlc=∅X_{\mathrm{lc}}=\emptysetである。

XXの点型コンパクト化bXbXが存在すると仮定する。各KyK_yはβX∖X\beta X\setminus Xの部分連続体であるから、その像πb(Ky)\pi_b(K_y)は点型剰余bX∖XbX\setminus X内の一点集合である。相異なるζ,ζ′∈Z\zeta,\zeta'\in Zとr0∈Yr_0\in Yをとり、x=(r0,ζ)x=(r_0,\zeta)、U=t~−1(Z∖{ζ′})U=\tilde t^{-1}(Z\setminus\{\zeta'\})とおく。πb−1({x})={x}⊆U\pi_b^{-1}(\{x\})=\{x\}\subseteq Uであるから、πb\pi_bの閉性と§E2.12 定理 5.10 (3)により、x∈Ox\in Oかつπb−1(O)⊆U\pi_b^{-1}(O)\subseteq Uを満たすbXbXの開集合OOがある。

§E2.24 補題 1.9によりint⁡bX(X)=Xlc=∅\tpint[bX]{X}=X_{\mathrm{lc}}=\emptysetであるから、z∈O∖Xz\in O\setminus Xが存在する。πb(w)=z\pi_b(w)=zを満たすw∈βX∖Xw\in\beta X\setminus Xをとると、(βp)−1(Y)=X(\beta p)^{-1}(Y)=Xによりy′=βp(w)∈βY∖Yy'=\beta p(w)\in\beta Y\setminus Yである。πb(Ky′)\pi_b(K_{y'})はzzを含む一点集合であるから、Ky′⊆πb−1(O)⊆UK_{y'}\subseteq\pi_b^{-1}(O)\subseteq Uである。しかしt~(Ky′)=Z\tilde t(K_{y'})=Zはζ′\zeta'を含み、UUの定義と両立しない。ゆえにXXは点型コンパクト化をもたない。▨

補題 6.2.X=Q×[0,1]X=\Q\times[0,1]とし、p ⁣:X→Qp\colon X\to\Qとt ⁣:X→[0,1]t\colon X\to[0,1]を射影とする。βp ⁣:βX→βQ\beta p\colon\beta X\to\beta\Qを§E2.22 命題 3.1の写像とし、t~ ⁣:βX→[0,1]\tilde t\colon\beta X\to[0,1]を§E2.22 定理 3.2によるttの連続な延長とする。y∈βQ∖Qy\in\beta\Q\setminus\QについてKy=(βp)−1({y})K_y=(\beta p)^{-1}(\{y\})とおく。このとき次が成り立つ。

  1. (βp)−1(Q)=X(\beta p)^{-1}(\Q)=Xであり、各y∈βQ∖Qy\in\beta\Q\setminus\QについてKyK_yはβX∖X\beta X\setminus Xに含まれる空でない閉集合である。
  2. 各y∈βQ∖Qy\in\beta\Q\setminus\Qについてt~(Ky)=[0,1]\tilde t(K_y)=[0,1]である。
  3. 各y∈βQ∖Qy\in\beta\Q\setminus\QについてKyK_yは連結である。

証明.Q\Qは距離空間であるから正規 T3½ 空間であり、[0,1][0,1]は二点以上をもつ連続体である。命題 6.1 (1)をY=QY=\Q、Z=[0,1]Z=[0,1]に適用する。▨

補題 6.3.X=Q×[0,1]X=\Q\times[0,1]についてXlc=∅X_{\mathrm{lc}}=\emptysetである。

証明. 演習とする(問題 7.2)。▨

例 6.4.X=Q×[0,1]X=\Q\times[0,1]は点型コンパクト化をもたない。したがって、XXのコンパクト化の同相類のなす順序集合において、XXの完全コンパクト化の同相類の全体は下限をもたない。

証明.r∈Qr\in\Qがコンパクト近傍NNをもつとすると、§E2.19 定理 5.3によりN×[0,1]N\times[0,1]は(r,0)(r,0)のコンパクト近傍である。これは補題 6.3と両立しない。したがってQlc=∅\Q_{\mathrm{lc}}=\emptysetである。命題 6.1 (2)をY=QY=\Q、Z=[0,1]Z=[0,1]に適用すると、XXは点型コンパクト化をもたない。

定理 3.7の定理 3.7 (1)⇔\Leftrightarrow(3)により、XXの完全コンパクト化の同相類の全体は下限をもたない。▨

7 演習

問題 7.1.補題 4.5の証明を完成させよ。

解答.

H1={z∈R2∣z1>n}H_1=\{z\in\R^2\mid z_1>n\}、H2={z∈R2∣z2>n}H_2=\{z\in\R^2\mid z_2>n\}、H3={z∈R2∣z1<−n}H_3=\{z\in\R^2\mid z_1<-n\}、H4={z∈R2∣z2<−n}H_4=\{z\in\R^2\mid z_2<-n\}とおく。z∉[−n,n]2z\notin[-n,n]^2であることは∣z1∣>n\lvert z_1\rvert>nまたは∣z2∣>n\lvert z_2\rvert>nであることと同値であるから、R2∖[−n,n]2=H1∪H2∪H3∪H4\R^2\setminus[-n,n]^2=H_1\cup H_2\cup H_3\cup H_4である。a,b∈Hja,b\in H_jについて、γ(λ)=(1−λ)a+λb\gamma(\lambda)=(1-\lambda)a+\lambda bで定まるγ ⁣:[0,1]→R2\gamma\colon[0,1]\to\R^2は、各成分がλ\lambdaの一次関数であるから§E2.14 定理 1.6と§E2.14 例 1.16により連続であり、HjH_jを定める一次不等式はγ(λ)\gamma(\lambda)についても成り立つからγ([0,1])⊆Hj\gamma([0,1])\subseteq H_jである。したがってHjH_jは弧状連結であり、§E2.43 命題 4.2により連結である。(n+1,n+1)∈H1∩H2(n+1,n+1)\in H_1\cap H_2であるから§E2.43 命題 1.7によりH1∪H2H_1\cup H_2は連結であり、同様に(−n−1,−n−1)∈H3∩H4(-n-1,-n-1)\in H_3\cap H_4からH3∪H4H_3\cup H_4は連結である。(n+1,−n−1)∈H1∩H4(n+1,-n-1)\in H_1\cap H_4であるから、ふたたび§E2.43 命題 1.7により(H1∪H2)∪(H3∪H4)=R2∖[−n,n]2(H_1\cup H_2)\cup(H_3\cup H_4)=\R^2\setminus[-n,n]^2は連結である。▨

問題 7.2.補題 6.3の証明を完成させよ。

解答.

(r,σ)∈X(r,\sigma)\in Xがコンパクト近傍をもつと仮定し、(r,σ)∈U⊆N(r,\sigma)\in U\subseteq Nを満たすXXの開集合UUとコンパクト部分集合NNをとる。XXはR2\R^2の部分空間であるから、§E2.14 例 1.16により、(r,σ)(r,\sigma)を中心とし一辺の長さが4δ4\deltaである開正方形とXXの共通部分がUUに含まれるようなδ>0\delta>0が存在し、M=([r−δ,r+δ]∩Q)×{σ}⊆UM=\bigl([r-\delta,r+\delta]\cap\Q\bigr)\times\{\sigma\}\subseteq Uである。MMはR2\R^2の閉集合[r−δ,r+δ]×{σ}[r-\delta,r+\delta]\times\{\sigma\}とXXの共通部分であるからXXの閉集合であり、NNの閉集合でもあるから、§E2.19 命題 4.1によりコンパクトである。第一射影は連続であるから、§E2.19 定理 4.2によりL=[r−δ,r+δ]∩QL=[r-\delta,r+\delta]\cap\QはR\Rのコンパクト部分集合であり、§E2.19 命題 6.4によりR\Rの閉集合である。§D1.4 補題 2.3によりr<θ<r+δr<\theta<r+\deltaを満たす無理数θ\thetaが存在する。θ\thetaを含む任意の開区間(θ−η,θ+η)(\theta-\eta,\theta+\eta)(0<η<min⁡{θ−r,r+δ−θ}0<\eta<\min\{\theta-r,r+\delta-\theta\})は、§D1.4 系 2.2による有理数の稠密性によりLLの点を含むから、§E2.11 命題 7.2 (2)によりθ∈L‾=L⊆Q\theta\in\tpcl{L}=L\subseteq\Qであり、θ\thetaが無理数であることと両立しない。ゆえにXXのどの点もコンパクト近傍をもたず、Xlc=∅X_{\mathrm{lc}}=\emptysetである。▨

問題 7.3.YYをInd⁡Y=0\operatorname{Ind}Y=0を満たす空でない T1 空間で、Ylc=∅Y_{\mathrm{lc}}=\emptysetを満たすものとし、ZZを二点以上をもつ連続体とする。このときY×ZY\times Zは点型コンパクト化をもたないことを示せ。

解答.

§E2.45 命題 1.4 (1)によりYYは正規である。§E2.45 命題 1.4 (2)によりYYは 0 次元であり、T1 空間であるから、§E2.45 命題 2.11 (2)により T3½ 空間である。したがって命題 6.1 (2)を適用すると、Y×ZY\times Zは点型コンパクト化をもたない。▨

参考文献

  1. E. G. Sklyarenko, Некоторые вопросы теории бикомпактных расширений, Известия Академии наук СССР. Серия математическая 26 (1962), no. 3, 427–452.完全コンパクト化の概念と、開集合の境界の閉包についての条件による原定義を参考にした。
  2. Hans Freudenthal, Neuaufbau der Endentheorie, Annals of Mathematics 43 (1942), no. 2, 261–279.局所コンパクト空間の端によるコンパクト化を参考にした。

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