§E2.35連続関数環による復元

最終更新

閉区間[0,1][0,1]上の連続実関数全体には、各点ごとの和と積によって環C([0,1],R)C([0,1],\R)の構造が入る。位相空間から連続実関数の環を取り出す構成は、位相を代数的に調べる基本的な手法である。

しかし、環C(X,R)C(X,\R)の構造だけから、もとの空間XXを復元することができるとは限らない。実コンパクト空間では、連続実関数の環の同型は一意な同相写像による引き戻しとして表される。空でない T3½ 空間については、同じ環が Hewitt の実コンパクト化を復元し、各点収束の位相を備える位相環としての同型は T3½ 空間そのものの同相を導く。

本記事では、連続実関数環による復元と、各点収束の位相を入れた連続関数環の性質による定義域の特徴づけを扱う。

1 実コンパクト空間の復元

補題 1.1.X,YX,Yを T3½ 空間とし、Φ ⁣:C(X,R)→C(Y,R)\Phi\colon C(X,\R)\to C(Y,\R)を環同型とする。各y∈Yy\in Yについてev⁡y∘Φ\ev_y\circ\PhiがXXのある点での評価写像であり、各x∈Xx\in Xについてev⁡x∘Φ−1\ev_x\circ\Phi^{-1}がYYのある点での評価写像であると仮定する。このとき、ただ一つの同相写像τ ⁣:Y→X\tau\colon Y\to Xが存在して、任意のf∈C(X,R)f\in C(X,\R)についてΦ(f)=f∘τ\Phi(f)=f\circ\tauが成り立つ。

証明. 仮定により、各y∈Yy\in Yに対してev⁡y∘Φ=ev⁡τ(y)\ev_y\circ\Phi=\ev_{\tau(y)}を満たすτ(y)∈X\tau(y)\in Xをとる。XXは T1 空間であり、相異なる二点は§E2.15 定義 1.7 (2)により連続実関数で分離されるから、τ(y)\tau(y)は一意である。したがってΦ(f)(y)=f(τ(y))\Phi(f)(y)=f(\tau(y))であり、Φ(f)=f∘τ\Phi(f)=f\circ\tauである。

同様に、Φ−1(g)=g∘σ\Phi^{-1}(g)=g\circ\sigmaを満たす写像σ ⁣:X→Y\sigma\colon X\to Yを得る。f∈C(X,R)f\in C(X,\R)に対してf=f∘τ∘σf=f\circ\tau\circ\sigmaである。相異なる二点を連続実関数が分離することからτ∘σ=id⁡X\tau\circ\sigma=\id_Xであり、同様にσ∘τ=id⁡Y\sigma\circ\tau=\id_Yである。

y0∈Yy_0\in Yとτ(y0)∈U⊆X\tau(y_0)\in U\subseteq Xを満たす開集合UUをとる。X∖UX\setminus Uは閉集合であるから、§E2.15 定義 1.7 (2)によりf(τ(y0))=0f(\tau(y_0))=0かつX∖UX\setminus Uの上でf=1f=1を満たす連続写像f ⁣:X→[0,1]f\colon X\to[0,1]が存在する。{y∈Y∣Φ(f)(y)≠1}\{y\in Y\mid\Phi(f)(y)\ne1\}はy0y_0を含む開集合であり、Φ(f)=f∘τ\Phi(f)=f\circ\tauによりτ−1(U)\tau^{-1}(U)に含まれる。ゆえにτ\tauは連続である。σ\sigmaも同じ議論で連続であるから、τ\tauは同相写像である。▨

定理 1.2 (Gelfand-Kolmogorov-Hewitt).X,YX,Yを実コンパクト空間とし、Φ ⁣:C(X,R)→C(Y,R)\Phi\colon C(X,\R)\to C(Y,\R)を環同型とする。このとき、ただ一つの同相写像τ ⁣:Y→X\tau\colon Y\to Xが存在して、任意のf∈C(X,R)f\in C(X,\R)についてΦ(f)=f∘τ\Phi(f)=f\circ\tauが成り立つ。

証明.X=∅X=\emptysetならばC(X,R)C(X,\R)は零環である。Φ\Phiが存在するときC(Y,R)C(Y,\R)も零環であり、Y≠∅Y\ne\emptysetならば値00と値11をとる定数写像が異なることに反する。したがってY=∅Y=\emptysetであり、結論は空集合から空集合への一意な同相写像について成り立つ。Y=∅Y=\emptysetの場合も対称的である。以下、X,YX,Yは空でないとする。

y∈Yy\in Yに対して、§E2.34 補題 1.1 (1)によりev⁡y∘Φ\ev_y\circ\PhiはC(X,R)C(X,\R)からR\Rへの環準同型である。XXの実コンパクト性により、この準同型はXXの一点での評価写像である。Φ−1\Phi^{-1}とYYについても同じことが成り立つ。補題 1.1を適用すれば結論を得る。▨

§E2.34 系 2.2により、コンパクト Hausdorff 空間は実コンパクトである。したがって定理 1.2は、コンパクト Hausdorff 空間についても成り立つ。

系 1.3.X,YX,Yを空でない T3½ 空間とし、Φ ⁣:C(X,R)→C(Y,R)\Phi\colon C(X,\R)\to C(Y,\R)を環同型とする。このとき、Hewitt の実コンパクト化υX\upsilon XとυY\upsilon Yの間には同相写像が存在する。

証明.§E2.34 命題 5.3 (2)により、C(X,R)C(X,\R)とC(υX,R)C(\upsilon X,\R)、およびC(Y,R)C(Y,\R)とC(υY,R)C(\upsilon Y,\R)の間には環同型がある。§E2.34 定理 5.6によりυX,υY\upsilon X,\upsilon Yは実コンパクトであるから、これらの同型とΦ\Phiの合成へ定理 1.2を適用すればよい。▨

注意 1.4. コンパクト Hausdorff 空間の連続実関数環からの復元は Gelfand と Kolmogorov による結果の一形態である。 Hewitt は実コンパクト空間とその実コンパクト化を導入し、復元の範囲を拡張した。

例 1.5.S={0,1}S=\{0,1\}に∅,{1},S\emptyset,\{1\},Sを開集合とする位相を入れる。このときSSと一点空間は同相でないが、C(S,R)C(S,\R)と一点空間の連続実関数環はともにR\Rと環同型である。

証明.f ⁣:S→Rf\colon S\to\Rが連続でありf(0)≠f(1)f(0)\ne f(1)であると仮定する。f(0)f(0)とf(1)f(1)を分離するR\Rの開集合をとると、その一方の逆像は{0}\{0\}となる。しかし{0}\{0\}はSSの開集合でない。したがってffは定数であり、C(S,R)≅RC(S,\R)\cong\Rである。一点空間の連続実関数も定数である。

SSは二点をもち一点空間と全単射でないから、両者は同相でない。どちらも有限空間であるからコンパクトである。00を含むSSの開集合はSSだけであるから、00と11は互いに素な開集合で分離されず、SSは Hausdorff 空間でない。この例は、コンパクト Hausdorff 空間の復元における Hausdorff 性を除くことができないことを示す。▨

2 位相環による復元

定義 2.1 (位相環). 位相空間AAが環であり、加法A×A→AA\times A\to A、加法逆元A→AA\to Aおよび乗法A×A→AA\times A\to Aが連続であるとき、AAを 位相環 (topological ring) という。二つの位相環の間の環同型であって連続かつ逆写像も連続であるものを 位相環の同型写像 (topological ring isomorphism) という。

注意 2.2 (Cp(X)C_p(X)).XXを位相空間とする。§E2.30 定義 1.3の記号Cp(X)=Cp(X,R)C_p(X)=C_p(X,\R)は、連続実関数環C(X,R)C(X,\R)に各点収束位相を入れた空間を表す。

命題 2.3.XXを位相空間とする。次が成り立つ。

  1. 任意のx∈Xx\in Xに対して、評価写像ev⁡x ⁣:Cp(X)→R\ev_x\colon C_p(X)\to\Rは連続な環準同型である。
  2. Cp(X)C_p(X)の加法、加法逆元および乗法は連続である。したがってCp(X)C_p(X)は位相環である。
  3. 連続な環準同型φ ⁣:Cp(X)→R\varphi\colon C_p(X)\to\Rに対し、あるx∈Xx\in Xが存在してφ=ev⁡x\varphi=\ev_xが成り立つ。
  4. 位相空間YYと連続写像φ ⁣:X→Y\varphi\colon X\to Yに対し、φ∗ ⁣:Cp(Y)→Cp(X)\varphi^*\colon C_p(Y)\to C_p(X)、φ∗(g)=g∘φ\varphi^*(g)=g\circ\varphiは連続な環準同型である。

証明.§E2.34 補題 1.1 (1)により評価写像は環準同型である。§E2.30 定理 1.4により、各点収束の位相はRX\R^Xの部分空間位相である。射影の連続性から評価写像の連続性が従い、(1)を得る。

f,g∈Cp(X)f,g\in C_p(X)に対してx∈Xx\in Xにおける加法、加法逆元および乗法の値は、それぞれf(x)+g(x)f(x)+g(x)、−f(x)-f(x)およびf(x)g(x)f(x)g(x)である。R\Rの対応する演算の連続性と積位相の普遍性により、これらはRX\R^X上で連続である。部分空間への制限はCp(X)C_p(X)の中に値をとるから、(2)が従う。

(3)を示す。φ\varphiの00における連続性と§E2.30 定義 1.3により、有限部分集合F⊆XF\subseteq Xと正の実数ε\varepsilonが存在して、∣f(x)∣<ε\lvert f(x)\rvert<\varepsilonがすべてのx∈Fx\in Fで成り立つならば∣φ(f)∣<1\lvert\varphi(f)\rvert<1となる。ffがFFのすべての点で00をとると、任意の実数ttについてtftfはこの近傍に属する。§E2.34 系 1.5によりφ(tf)=tφ(f)\varphi(tf)=t\varphi(f)であるから、∣tφ(f)∣<1\lvert t\varphi(f)\rvert<1がすべてのttで成り立ち、φ(f)=0\varphi(f)=0である。

FFが空であるとすると、定数関数11に前段落を適用してφ(1)=0\varphi(1)=0を得るが、環準同型は単位元を保つ。よってFFは空でない。FFのどの点においてもφ\varphiが評価写像と異なると仮定する。各x∈Fx\in Fに対して、φ(fx)=0\varphi(f_x)=0かつfx(x)≠0f_x(x)\ne0を満たすfx∈Cp(X)f_x\in C_p(X)をとることができる。実際、φ(u)≠u(x)\varphi(u)\ne u(x)を満たすuuに対して、§E2.34 系 1.5によりφ(fx)=φ(u−φ(u))=0\varphi(f_x)=\varphi(u-\varphi(u))=0となるようにfx=u−φ(u)f_x=u-\varphi(u)とおけばよい。

h=∑x∈Ffx2h=\sum_{x\in F}f_x^2とおくとφ(h)=0\varphi(h)=0であり、hhはFFのすべての点で正である。c=min⁡{h(x)∣x∈F}>0c=\min\{h(x)\mid x\in F\}>0とし、h′=max⁡{h,c/2}h'=\max\{h,c/2\}とおく。§E2.16 補題 1.2によりh′∈Cp(X)h'\in C_p(X)であり、h′h'は零点をもたないから§E2.16 命題 5.1 (2)により可逆である。h′−hh'-hはFFのすべての点で00をとるから、FFの上で00をとる関数について示したことによりφ(h′−h)=0\varphi(h'-h)=0であり、φ(h′)=0\varphi(h')=0を得る。しかしh′h'が可逆であれば環準同型φ\varphiはh′h'を可逆な実数へ送るので、φ(h′)≠0\varphi(h')\ne0である。これは矛盾である。したがって、あるx∈Fx\in Fについてφ=ev⁡x\varphi=\ev_xである。

(4)を示す。§E2.34 補題 1.1 (2)によりφ∗\varphi^*は環準同型である。各x∈Xx\in Xに対してev⁡x∘φ∗=ev⁡φ(x)\ev_x\circ\varphi^*=\ev_{\varphi(x)}は連続であるから、積位相の普遍性と§E2.30 定理 1.4によりφ∗\varphi^*は連続である。▨

補題 2.4.XXを T3½ 空間とする。このとき、次が成り立つ:

  1. Cp(X)⊆RXC_p(X)\subseteq\R^Xは稠密である。
  2. 評価写像e ⁣:X→Cp(Cp(X))e\colon X\to C_p(C_p(X))、x↦ev⁡xx\mapsto\ev_xは位相的埋め込みであり、その像は閉である。

証明.(1)は§E2.30 系 1.6で示した。

命題 2.3 (1)によりeeはCp(Cp(X))C_p(C_p(X))に値をとる。§E2.34 定理 4.2 (1)と§E2.30 定理 1.4により、eeは位相的埋め込みである。Φ\PhiをCp(Cp(X))C_p(C_p(X))におけるe(X)e(X)の閉包の点とすると、Φ\PhiはRC(X,R)\R^{C(X,\R)}におけるe(X)e(X)の閉包にも属する。§E2.34 定理 4.2 (2)によりΦ ⁣:C(X,R)→R\Phi\colon C(X,\R)\to\Rは環準同型である。Φ∈Cp(Cp(X))\Phi\in C_p(C_p(X))であるからΦ\Phiは連続であり、命題 2.3 (3)により、あるx∈Xx\in Xに対してΦ=ev⁡x\Phi=\ev_xである。ゆえにe(X)e(X)はCp(Cp(X))C_p(C_p(X))の閉集合である。▨

定理 2.5 (長田).X,YX,Yを T3½ 空間とする。このとき、任意の連続な環準同型Φ ⁣:Cp(X)→Cp(Y)\Phi\colon C_p(X)\to C_p(Y)に対し、ただ一つの連続写像τΦ ⁣:Y→X\tau_{\Phi}\colon Y\to Xが存在し、任意のf∈Cp(X)f\in C_p(X)に対してΦ(f)=f∘τΦ\Phi(f) = f\circ \tau_{\Phi}が成り立つ。特に、位相環としてCp(X)≅Cp(Y)C_p(X)\cong C_p(Y)であれば、X,YX,Yは同相である。

証明. 任意のy∈Yy\in Yに対し、命題 2.3 (1)より評価写像ev⁡y ⁣:Cp(Y)→R\ev_y\colon C_p(Y)\to \Rは連続な環準同型であるから、特にev⁡y∘Φ ⁣:Cp(X)→R\ev_y\circ \Phi\colon C_p(X)\to \Rも連続な環準同型である。よって命題 2.3 (3)により、点τΦ(y)∈X\tau_{\Phi}(y)\in Xが存在してev⁡y∘Φ=ev⁡τΦ(y)\ev_y\circ \Phi = \ev_{\tau_{\Phi}(y)}が成り立つ。XXの連続実関数は点を分離するから、この点は一意である。このとき、任意のf∈Cp(X)f\in C_p(X)に対してΦ(f)=f∘τΦ\Phi(f) = f\circ \tau_{\Phi}を満たす。また、これは評価埋め込みeY ⁣:Y→RCp(Y)e_Y\colon Y\to \R^{C_p(Y)}と連続写像Φ\Phiの引き起こす標準的な連続写像Φ∗ ⁣:RCp(Y)→RCp(X)\Phi^*\colon \R^{C_p(Y)}\to \R^{C_p(X)}の合成Φ∗∘eY ⁣:Y→RCp(X)\Phi^*\circ e_Y\colon Y\to \R^{C_p(X)}が評価埋め込みeX ⁣:X→RCp(X)e_X\colon X\to \R^{C_p(X)}を一意的に経由することを意味している。すなわち、Φ∗∘eY=eX∘τΦ\Phi^*\circ e_Y = e_X\circ \tau_{\Phi}が成り立つ。eXe_Xは§E2.34 定理 4.2 (1)により位相的埋め込みであるから、τΦ\tau_{\Phi}は連続である。各τΦ(y)\tau_{\Phi}(y)の一意性から、写像τΦ\tau_{\Phi}も一意である。

最後の主張はΦ−1\Phi^{-1}に対して同じことを考えることでτΦ∘τΦ−1=id⁡X,τΦ−1∘τΦ=id⁡Y\tau_{\Phi}\circ \tau_{\Phi^{-1}} = \id_X, \tau_{\Phi^{-1}}\circ \tau_{\Phi} = \id_Yとなることから明らかである。▨

注意 2.6. 環としてのC(X,R)C(X,\R)から空間そのものを復元するためには、実コンパクト性が必要である。空でない T3½ 空間XXについて、§E2.34 定理 5.7はXXが実コンパクトであることとX=υXX=\upsilon Xが成り立つことを同値にする。したがって、実コンパクト性を仮定しない場合に系 1.3が復元するのはXX自身ではなく Hewitt の実コンパクト化である。各点収束の位相を加えた位相環としては、定理 2.5により空間そのものが復元される。

注意 2.7.定理 2.5は T3½ 空間XXのさまざまな位相的性質を位相環Cp(X)C_p(X)の性質に翻訳する動機付けとなる定理である。この観点から位相空間論を研究する分野をCpC_p-理論という。

3 定義域の性質と各点収束の位相

命題 3.1.XXを T3½ 空間とする。次の四条件は同値である。

  1. XXは高々可算である。
  2. Cp(X)C_p(X)は第二可算である。
  3. Cp(X)C_p(X)は距離化可能である。
  4. Cp(X)C_p(X)は第一可算である。

証明は演習とする(問題 4.1)。

命題 3.2.XXを T3½ 空間とし、0∈Cp(X)0\in C_p(X)を零関数とする。次の三条件は同値である。

  1. XXは可分である。
  2. {0}\{0\}はCp(X)C_p(X)のGδG_\delta集合である。
  3. Cp(X)C_p(X)の各一点集合はGδG_\delta集合である。

証明は演習とする(問題 4.2)。

命題 3.3.XXを T3½ 空間とする。次の三条件は同値である。

  1. Cp(X)C_p(X)は可分である。
  2. XXの点を分離する高々可算な連続実関数の族が存在する。
  3. 連続な単射X→RN≥1X\to\R^{\NN}が存在する。

証明は演習とする(問題 4.3)。

命題 3.4.XXを T3½ 空間とする。次の三条件は同値である。

  1. XXは有限離散空間である。
  2. Cp(X)C_p(X)は σ-コンパクトである。
  3. Cp(X)C_p(X)は局所コンパクトである。

証明は演習とする(問題 4.4)。

4 演習

問題 4.1.命題 3.1を証明せよ。

解答.

XXが高々可算ならば、RX\R^Xの有限個の座標を有理数端点の開区間で制限する基本開集合全体は高々可算である。したがって部分空間Cp(X)C_p(X)は第二可算である。また§E2.14 系 3.2によりRX\R^Xは距離化可能であり、その部分空間Cp(X)C_p(X)も距離化可能である。第二可算性と距離化可能性は、それぞれ§E2.13 命題 5.3と§E2.13 命題 4.2により第一可算性を導く。

Cp(X)C_p(X)が第一可算であるとする。零関数の可算近傍基から、有限集合Fn⊆XF_n\subseteq Xと正数εn\varepsilon_nによる基本開近傍

Bn={f∈Cp(X)∣∣f(x)∣<εn (x∈Fn)}(n∈N≥1)B_n=\{f\in C_p(X)\mid |f(x)|<\varepsilon_n\ (x\in F_n)\} \qquad(n\in\NN)

を各近傍の中にとる。(Bn)n∈N≥1(B_n)_{n\in\NN}も零関数の近傍基である。A=⋃n∈N≥1FnA=\bigcup_{n\in\NN}F_nとおくとAAは高々可算である。x∈X∖Ax\in X\setminus Aが存在すると仮定する。V={f∣∣f(x)∣<1}V=\{f\mid |f(x)|<1\}は零関数の開近傍であるから、Bn⊆VB_n\subseteq Vとなるnnが存在する。しかし§E2.30 補題 1.5により、FnF_n上で00、xxで22をとる連続関数hhが存在し、h∈Bn∖Vh\in B_n\setminus Vとなる。これは矛盾である。ゆえにX=AX=Aであり、XXは高々可算である。▨

問題 4.2.命題 3.2を証明せよ。

解答.

D⊆XD\subseteq Xを高々可算な稠密部分集合とする。連続関数がDD上で00ならばXX全体で00であるから、

{0}=⋂d∈D⋂n∈N≥1{f∈Cp(X)∣∣f(d)∣<1/n}\{0\}=\bigcap_{d\in D}\bigcap_{n\in\NN} \{f\in C_p(X)\mid |f(d)|<1/n\}

である。右辺は高々可算個の開集合の共通部分であるから、{0}\{0\}はGδG_\delta集合である。X=∅X=\emptysetの場合も、Cp(X)={0}C_p(X)=\{0\}であるから結論は成り立つ。

逆に、{0}=⋂n∈N≥1Un\{0\}=\bigcap_{n\in\NN}U_nとし、各UnU_nをCp(X)C_p(X)の開集合とする。各nnに対して0∈Bn⊆Un0\in B_n\subseteq U_nを満たす有限集合Fn⊆XF_n\subseteq X上の値だけで定まる基本開集合BnB_nをとり、A=⋃n∈N≥1FnA=\bigcup_{n\in\NN}F_nとおく。AAが稠密でなければ、x∈X∖A‾x\in X\setminus\tpcl{A}をとることができる。完全正則性により、A‾\tpcl{A}上で00、xxで11をとる連続関数hhが存在する。hhはすべてのBnB_nに属するからh∈⋂nUn={0}h\in\bigcap_nU_n=\{0\}であるが、h(x)=1h(x)=1に反する。したがってAAは高々可算な稠密部分集合であり、XXは可分である。

任意のg∈Cp(X)g\in C_p(X)に対して、平行移動f↦f+gf\mapsto f+gは命題 2.3 (2)により同相写像であり、零関数をggへ送る。よって{0}\{0\}がGδG_\deltaであることと、各一点集合がGδG_\deltaであることは同値である。▨

問題 4.3.命題 3.3を証明せよ。

解答.

D⊆Cp(X)D\subseteq C_p(X)を高々可算な稠密部分集合とする。相異なるx,y∈Xx,y\in Xに対して、§E2.30 補題 1.5によりh(x)=0h(x)=0、h(y)=1h(y)=1となるh∈Cp(X)h\in C_p(X)が存在する。

{f∈Cp(X)∣∣f(x)∣<1/3, ∣f(y)−1∣<1/3}\{f\in C_p(X)\mid |f(x)|<1/3,\ |f(y)-1|<1/3\}

は空でない開集合であるからDDと交わり、その交点の関数はx,yx,yを分離する。したがってDDはXXの点を分離する。

点を分離する高々可算な連続実関数の族を、零関数を補って列(un)n∈N≥1(u_n)_{n\in\NN}として並べる。写像x↦(un(x))n∈N≥1x\mapsto(u_n(x))_{n\in\NN}は連続な単射である。逆に、連続な単射X→RN≥1X\to\R^{\NN}の成分写像全体は、点を分離する可算な連続実関数の族を与える。

(un)n∈N≥1(u_n)_{n\in\NN}が点を分離するとする。有限個のunu_nに有理数係数の多項式を代入して得られる関数全体をAAとおく。多項式は有限個の添字・指数・有理数係数で定まるから、AAは高々可算である。

f∈Cp(X)f\in C_p(X)、相異なる有限個の点x1,…,xmx_1,\ldots,x_m、およびε>0\varepsilon>0をとる。m≥1m\geq1のとき、各i≠ki\ne kに対してun(i,k)(xi)≠un(i,k)(xk)u_{n(i,k)}(x_i)\ne u_{n(i,k)}(x_k)を満たす添字n(i,k)n(i,k)をとり、

pi=∏k≠iun(i,k)−un(i,k)(xk)un(i,k)(xi)−un(i,k)(xk),p=∑i=1mf(xi)pip_i=\prod_{k\ne i} \frac{u_{n(i,k)}-u_{n(i,k)}(x_k)} {u_{n(i,k)}(x_i)-u_{n(i,k)}(x_k)}, \qquad p=\sum_{i=1}^m f(x_i)p_i

とおく。m=1m=1のときの空積は11とする。pi(xi)=1p_i(x_i)=1、pi(xk)=0p_i(x_k)=0(k≠ik\ne i)であるからp(xi)=f(xi)p(x_i)=f(x_i)である。ppは有限個のunu_nの実数係数多項式である。その有限個の係数を有理数で十分近く近似すると、各xix_iでの値の差をε\varepsilon未満にすることができる。実際、単項式をv1,…,vsv_1,\ldots,v_s、係数の差をδ1,…,δs\delta_1,\ldots,\delta_sとすれば、各点での差は∑j=1s∣δj∣max⁡i∣vj(xi)∣\sum_{j=1}^s|\delta_j|\max_i|v_j(x_i)|以下である。得られたq∈Aq\in Aは∣q(xi)−f(xi)∣<ε|q(x_i)-f(x_i)|<\varepsilonをすべてのiiについて満たす。m=0m=0の場合は零関数をとればよい。したがってAAはすべての空でない基本開集合と交わり、Cp(X)C_p(X)で稠密である。▨

問題 4.4.命題 3.4を証明せよ。

解答.

XXが有限離散空間ならばCp(X)=RXC_p(X)=\R^Xである。有限次元 Euclid 空間は閉立方体の可算和であり、各点にコンパクト近傍をもつ。したがってCp(X)C_p(X)は σ-コンパクトかつ局所コンパクトである。X=∅X=\emptysetの場合はCp(X)C_p(X)が一点空間となり、同じ結論が成り立つ。

Cp(X)C_p(X)が局所コンパクトであるとする。零関数のコンパクト近傍KKと、有限集合F⊆XF\subseteq Xおよびε>0\varepsilon>0による基本開近傍

B={f∈Cp(X)∣∣f(x)∣<ε (x∈F)}⊆KB=\{f\in C_p(X)\mid |f(x)|<\varepsilon\ (x\in F)\}\subseteq K

をとる。x∈X∖Fx\in X\setminus Fが存在すると、§E2.30 補題 1.5によりFF上で00をとり、xxでは任意に指定した実数をとる関数が存在する。したがってev⁡x(B)=R\ev_x(B)=\Rである。一方、ev⁡x(K)\ev_x(K)はコンパクトであるから有界であり、B⊆KB\subseteq Kに反する。よってX=FX=Fは有限であり、§E2.15 命題 1.6により離散である。

Cp(X)=⋃n∈N≥1KnC_p(X)=\bigcup_{n\in\NN}K_nとし、各KnK_nをコンパクトとする。以下、X≠∅X\ne\emptysetとする。Cp(X)C_p(X)は Hausdorff 空間RX\R^Xの部分空間であるから、各KnK_nはRX\R^Xのコンパクト部分集合であり、§E2.19 命題 6.4によりRX\R^Xで閉じている。

有界連続関数の空間Cb(X)C_b(X)に一様距離を入れる。各点での評価が一様距離について連続であるから、包含写像Cb(X)→RXC_b(X)\to\R^Xは連続であり、Kn∩Cb(X)K_n\cap C_b(X)はCb(X)C_b(X)の閉集合である。§E2.16 定理 2.6によりCb(X)C_b(X)は完備である。§E2.28 定理 4.2と§E2.28 命題 1.3 (3)を閉被覆(Kn∩Cb(X))n∈N≥1(K_n\cap C_b(X))_{n\in\NN}に適用すると、あるN∈N≥1N\in\NN、f0∈Cb(X)f_0\in C_b(X)およびr>0r>0に対して

{f∈Cb(X)∣∥f−f0∥∞<r}⊆KN\{f\in C_b(X)\mid \|f-f_0\|_\infty<r\}\subseteq K_N

となる。

任意の写像a ⁣:X→[−r/2,r/2]a\colon X\to[-r/2,r/2]と有限集合F⊆XF\subseteq Xをとる。§E2.30 補題 1.5によりh∣F=a∣Fh|_F=a|_Fを満たす連続関数hhが存在する。hhをmax⁡{−r/2,min⁡{r/2,h}}\max\{-r/2,\min\{r/2,h\}\}へ取り替えれば、FF上の値を保って∥h∥∞≤r/2\|h\|_\infty\leq r/2とすることができる。したがってf0+h∈KNf_0+h\in K_Nであり、f0+hf_0+hはFF上でf0+af_0+aと一致する。積位相の基本開集合は有限個の座標で定まるから、f0+af_0+aはKNK_Nの積位相での閉包に属する。KNK_NはRX\R^Xで閉じているのでf0+a∈KN⊆Cp(X)f_0+a\in K_N\subseteq C_p(X)であり、aaは連続である。

各x∈Xx\in Xに対して、xxでr/2r/2、他の点で00をとる写像も連続である。(r/4,r)(r/4,r)の逆像が{x}\{x\}であるから、各一点集合は開集合であり、XXは離散である。

XXが無限であると仮定し、相異なる点の列(xn)n∈N≥1(x_n)_{n\in\NN}をとる。各nnについてev⁡xn(Kn)\ev_{x_n}(K_n)はコンパクトであるから、∣f(xn)∣≤bn|f(x_n)|\leq b_nがすべてのf∈Knf\in K_nについて成り立つbn≥0b_n\geq0をとることができる。g(xn)=bn+1g(x_n)=b_n+1、g(x)=0g(x)=0(x∉{xn∣n∈N≥1}x\notin\{x_n\mid n\in\NN\})と定める。XXは離散であるからggは連続であるが、すべてのnnについてg∉Kng\notin K_nであり、Cp(X)=⋃nKnC_p(X)=\bigcup_nK_nに反する。ゆえにXXは有限離散空間である。▨

参考文献

  1. Edwin Hewitt, Rings of real-valued continuous functions I, Transactions of the American Mathematical Society 64 (1948), 45–99.実コンパクト空間と Hewitt の実コンパクト化を通じた連続関数環の扱いを参考にした。
  2. Leonard Gillman and Meyer Jerison, Rings of Continuous Functions, Graduate Texts in Mathematics 43, Springer, New York, 1976.実数値連続関数環、実コンパクト性、および零集合の標準的な性質を参考にした。
  3. Ryszard Engelking, General Topology, revised and completed ed., Sigma Series in Pure Mathematics 6, Heldermann Verlag, Berlin, 1989.分離公理、実コンパクト性、および関数による位相的な復元を参考にした。
  4. Junichi Nagata, On lattices of functions on topological spaces and of functions on uniform spaces, Osaka Mathematical Journal 1 (1949), 166–181.各点収束の位相をもつ連続関数環による空間の復元を参考にした。
  5. M. Tkačenko, Generating dense subgroups of topological groups, Topology Proceedings 22 (1997), 533–582.各点収束関数空間の可分性と、定義域から第二可算空間への連続単射との対応を参考にした。
  6. J. C. Ferrando and J. Kąkol, A note on spaces Cp(X) K-analytic-framed in R^X, Bulletin of the Australian Mathematical Society 78 (2008), 141–146.各点収束関数空間のσ-コンパクト性から定義域の有限性を導く結果を参考にした。

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