§E6.42テンソル積の Künneth の定理

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鎖複体のテンソル積のホモロジーを求めるとき、各複体のホモロジーを先に求めてテンソル積を取るだけでは、すべての類を捉えることができない。例えば、Z→×2Z\Z\xrightarrow{\times2}\Zを次数1,01,0に置いた二項複体をPPとすると、PPのホモロジーは次数00のZ/2Z\Z/2\Zだけであるが、P⊗ZPP\otimes_{\Z}Pには次数11にもZ/2Z\Z/2\Zのホモロジーが現れる。この余分な類を測るのが第一 Tor であり、ホモロジーのテンソル積と合わせて全体を記述することが Künneth の定理の役割である。PID 上の自由複体についてこの記述が成り立つことは、複体のテンソル積を元の二つの複体の不変量から計算するうえで重要である。本記事では、自然な短完全列を確立し、両複体が自由である場合の分裂を扱う。

1 PID 上の自由分解と自由複体

命題 1.1.RRを単項イデアル整域、M,NM,Nを任意のRR-加群とする。MMは長さ11以下の自由分解をもち、すべての整数q≥2q\ge2に対して

Tor⁡qR(M,N)=0,Ext⁡Rq(M,N)=0\operatorname{Tor}_q^R(M,N)=0, \qquad \operatorname{Ext}_R^q(M,N)=0

が成り立つ。

証明.§E6.38 定理 1.3により、自由加群からの全射F→MF\to Mを取り、その核をKKとする。§E6.30 定理 1.1によりKKも自由である。したがって

0⟶K⟶F⟶M⟶00\longrightarrow K\longrightarrow F\longrightarrow M\longrightarrow0

は長さ11以下の自由分解である。自由加群は射影的であるから(§E6.16 系 1.3)、この分解を用いて Tor と Ext を計算することができる(§E6.41 命題 1.4、§E6.39 定理 1.4)。テンソル積を施した鎖複体と Hom を施した余鎖複体は、ともに次数0,10,1以外で零である。よって次数q≥2q\ge2のホモロジーとコホモロジーは零である。▨

補題 1.2.RRを単項イデアル整域、CCを各項が自由RR-加群である整数次数の鎖複体とする。すべての整数nnに対してZn(C)Z_n(C)とBn(C)B_n(C)は自由であり、短完全列

0⟶Zn(C)⟶Cn→dnCBn−1(C)⟶00\longrightarrow Z_n(C)\longrightarrow C_n \xrightarrow{d_n^C} B_{n-1}(C)\longrightarrow0

は分裂する。各次数で切断sn−1 ⁣:Bn−1(C)→Cns_{n-1}\colon B_{n-1}(C)\to C_nを選ぶと、写像

Zn(C)⊕Bn−1(C)⟶Cn,(z,b)⟼z+sn−1(b)Z_n(C)\oplus B_{n-1}(C)\longrightarrow C_n, \qquad (z,b)\longmapsto z+s_{n-1}(b)

は同型であり、この表示で微分は(z,b)↦(b,0)(z,b)\mapsto(b,0)となる。

各i∈Zi\in\Zに対し、包含Bi(C)↪Zi(C)B_i(C)\inj Z_i(C)を次数i+1,ii+1,iに置き、ほかの項を零とする二項複体をEiE^iとすれば、切断の選択によって複体の同型C≅⨁i∈ZEiC\cong\bigoplus_{i\in\Z}E^iが得られる。

証明.Zn(C)Z_n(C)とBn(C)B_n(C)はともに自由加群CnC_nの部分加群であるから、§E6.30 定理 1.1により自由である。Bn−1(C)B_{n-1}(C)は射影的であるため、§E6.16 命題 1.2 (2)により表示された短完全列に切断sn−1s_{n-1}が存在する。

c∈Cnc\in C_nは

c=(c−sn−1(dnCc))+sn−1(dnCc)c=\bigl(c-s_{n-1}(d_n^Cc)\bigr)+s_{n-1}(d_n^Cc)

と一意に表され、括弧内の元はZn(C)Z_n(C)に属する。よって主張の写像は同型である。dnC(z+sn−1(b))=bd_n^C(z+s_{n-1}(b))=bであり、bbはZn−1(C)Z_{n-1}(C)に属するため、微分の表示は(z,b)↦(b,0)(z,b)\mapsto(b,0)である。次数nnにおける⨁iEi\bigoplus_i E^iの非零となりうる成分はZn(C)Z_n(C)とBn−1(C)B_{n-1}(C)だけであり、その微分はこの表示と一致する。▨

2 複体のテンソル積

定義 2.1 (複体のテンソル積).RRを単項イデアル整域、C,DC,Dを整数次数のRR-加群の鎖複体とする。各n∈Zn\in\Zに対して

(C⊗RD)n=⨁i+j=nCi⊗RDj(C\otimes_R D)_n=\bigoplus_{i+j=n}C_i\otimes_R D_j

とおき、c∈Cic\in C_i、y∈Djy\in D_jに対して

d(c⊗y)=dCc⊗y+(−1)ic⊗dDyd(c\otimes y)=d_Cc\otimes y+(-1)^i c\otimes d_Dy

と定める。この鎖複体をC,DC,Dの テンソル積 (tensor product of chain complexes) という。

各成分の式は双線形であり、テンソル積と直和の普遍性によって次数を11下げる線形写像を定める。また、

d2(c⊗y)=dC2c⊗y+((−1)i−1+(−1)i)dCc⊗dDy+c⊗dD2y=0d^2(c\otimes y)=d_C^2c\otimes y +\bigl((-1)^{i-1}+(-1)^i\bigr)d_Cc\otimes d_Dy +c\otimes d_D^2y=0

である。したがってこの式は鎖複体を与える。

鎖写像f ⁣:C→C′f\colon C\to C'、g ⁣:D→D′g\colon D\to D'は、各成分でc⊗y↦fi(c)⊗gj(y)c\otimes y\mapsto f_i(c)\otimes g_j(y)とする鎖写像f⊗gf\otimes gを誘導する。微分との可換性はdC′f=fdCd_{C'}f=fd_CとdD′g=gdDd_{D'}g=gd_Dから従い、この対応は恒等写像と合成を保つ。

補題 2.2.RRを単項イデアル整域、AAを各項が自由で微分が零である整数次数の鎖複体、DDを任意のRR-加群の鎖複体とする。各n∈Zn\in\Zに対し、自然な同型

⨁i+j=nAi⊗RHj(D)→ ∼ Hn(A⊗RD),a⊗[y]⟼[a⊗y]\bigoplus_{i+j=n}A_i\otimes_R H_j(D) \xrightarrow{\ \sim\ }H_n(A\otimes_R D), \qquad a\otimes[y]\longmapsto[a\otimes y]

がある。

証明.AiA_iの基底を一つ選ぶと、§E6.14 定理 4.2によりAi⊗RDA_i\otimes_R Dの各項はDDの項の直和となる。AiA_iを次数iiに置いたテンソル積の微分は各成分で(−1)idD(-1)^i d_Dであり、この符号は核と像を変えない。直和の元は有限個の非零成分をもち、直和写像の核は核の直和、像は像の直和である。したがってホモロジーも成分のホモロジーの直和であり、表示された写像は同型となる。写像の公式は基底を用いておらず、A,DA,Dの鎖写像を施す順序によらないため、この同型は両変数について自然である。▨

3 自然短完全列と分裂

定理 3.1 (Künneth の定理).RRを単項イデアル整域、CCを各項が自由RR-加群である整数次数の鎖複体、DDを任意のRR-加群の鎖複体とする。すべてのn∈Zn\in\Zに対し、短完全列

0⟶⨁i+j=nHi(C)⊗RHj(D)→αnHn(C⊗RD)→βn⨁i+j=n−1Tor⁡1R(Hi(C),Hj(D))⟶00\longrightarrow \bigoplus_{i+j=n}H_i(C)\otimes_R H_j(D) \xrightarrow{\alpha_n}H_n(C\otimes_R D) \xrightarrow{\beta_n} \bigoplus_{i+j=n-1}\operatorname{Tor}_1^R(H_i(C),H_j(D)) \longrightarrow0

がある。ここでc∈Zi(C)c\in Z_i(C)、y∈Zj(D)y\in Z_j(D)に対してαn([c]⊗[y])=[c⊗y]\alpha_n([c]\otimes[y])=[c\otimes y]である。

この列は両変数の鎖写像について自然である。すなわち、C′C'も項別自由であり、f ⁣:C→C′f\colon C\to C'、g ⁣:D→D′g\colon D\to D'が鎖写像ならば、左項の⨁(Hi(f)⊗Hj(g))\bigoplus(H_i(f)\otimes H_j(g))、中央項のHn(f⊗g)H_n(f\otimes g)、右項の⨁Tor⁡1R(Hi(f),Hj(g))\bigoplus\operatorname{Tor}_1^R(H_i(f),H_j(g))は短完全列の射を与える。

証明.Zn=Zn(C)Z_n=Z_n(C)、Bn=Bn(C)B_n=B_n(C)とおき、次数nnの項がそれぞれZnZ_n、Bn−1B_{n-1}で微分が零である複体をZ,QZ,Qとする。包含ιn ⁣:Zn↪Cn\iota_n\colon Z_n\inj C_nと微分pn=dnC ⁣:Cn→Bn−1=Qnp_n=d_n^C\colon C_n\to B_{n-1}=Q_nは複体の短完全列

0⟶Z→ιC→pQ⟶00\longrightarrow Z\xrightarrow{\iota}C\xrightarrow{p}Q\longrightarrow0

を与える。補題 1.2によりこの列は各次数で分裂する。分裂した列にDjD_jとのテンソル積を施すと、直和との交換(§E6.14 命題 9.1)により短完全列を得る。その直和を取ることにより、複体の短完全列

0⟶Z⊗RD⟶C⊗RD⟶Q⊗RD⟶00\longrightarrow Z\otimes_R D\longrightarrow C\otimes_R D \longrightarrow Q\otimes_R D\longrightarrow0

を得る。

Z,QZ,Qは項別自由かつ微分が零であるから、補題 2.2により

Hn(Z⊗RD)≅⨁i+j=nZi⊗RHj(D),Hn(Q⊗RD)≅⨁i+j=n−1Bi⊗RHj(D)H_n(Z\otimes_R D)\cong\bigoplus_{i+j=n}Z_i\otimes_R H_j(D), \qquad H_n(Q\otimes_R D)\cong\bigoplus_{i+j=n-1}B_i\otimes_R H_j(D)

である。§E6.37 定理 2.2の連結準同型δn ⁣:Hn(Q⊗RD)→Hn−1(Z⊗RD)\delta_n\colon H_n(Q\otimes_R D)\to H_{n-1}(Z\otimes_R D)は、これらの同型の下で包含ui ⁣:Bi↪Ziu_i\colon B_i\inj Z_iが誘導する写像⨁i+j=n−1(ui⊗1)\bigoplus_{i+j=n-1}(u_i\otimes1)となる。実際、b∈Bib\in B_i、y∈Zj(D)y\in Z_j(D)に対し、dCb~=bd_C\widetilde b=bを満たすb~∈Ci+1\widetilde b\in C_{i+1}を取ると、

d(b~⊗y)=b⊗yd(\widetilde b\otimes y)=b\otimes y

であるため、連結準同型の公式はb⊗[y]b\otimes[y]をui(b)⊗[y]u_i(b)\otimes[y]に送る。

各iiに対して

0⟶Bi→uiZi⟶Hi(C)⟶00\longrightarrow B_i\xrightarrow{u_i}Z_i\longrightarrow H_i(C)\longrightarrow0

は長さ11以下の自由分解である。この分解で Tor を計算し、テンソル積の右完全性(§E6.14 命題 11.3)を用いると、任意のRR-加群NNに対して

ker⁡(ui⊗1N)≅Tor⁡1R(Hi(C),N),coker⁡(ui⊗1N)≅Hi(C)⊗RN\ker(u_i\otimes1_N)\cong\operatorname{Tor}_1^R(H_i(C),N), \qquad \coker(u_i\otimes1_N)\cong H_i(C)\otimes_R N

となる。核と余核は直和と交換するから、長完全列の一部分を

0⟶coker⁡δn+1⟶Hn(C⊗RD)⟶ker⁡δn⟶00\longrightarrow\coker\delta_{n+1} \longrightarrow H_n(C\otimes_R D) \longrightarrow\ker\delta_n\longrightarrow0

と書けば、主張の短完全列を得る。左の写像はZ⊗RD→C⊗RDZ\otimes_R D\to C\otimes_R Dが誘導するため、αn\alpha_nは表示された公式を満たす。右の写像βn\beta_nはHn(p⊗1)H_n(p\otimes1)の像をker⁡δn\ker\delta_nとみなし、上の Tor との同型を施した写像である。

鎖写像f ⁣:C→C′f\colon C\to C'はサイクルと境界に制限され、Z→Z′Z\to Z'、Q→Q′Q\to Q'を与える。これらとffは最初の短完全列の射を定めるため、g ⁣:D→D′g\colon D\to D'とテンソル積を取ると、テンソル後の短完全列の射を得る。§E6.37 命題 2.3により長完全列の写像は可換である。また、ffの制限は上の自由分解の間でHi(f)H_i(f)を持ち上げる写像であるため、核の同定は§E6.41 命題 1.4の自然性と一致する。余核の同定もテンソル積の誘導写像と可換であり、短完全列全体の自然性が従う。▨

系 3.2.RRを単項イデアル整域、C,DC,Dをともに各項が自由である整数次数のRR-加群の鎖複体とする。このとき定理 3.1の短完全列は、すべてのn∈Zn\in\Zで分裂する。したがって

Hn(C⊗RD)≅(⨁i+j=nHi(C)⊗RHj(D))⊕(⨁i+j=n−1Tor⁡1R(Hi(C),Hj(D)))H_n(C\otimes_R D)\cong \left(\bigoplus_{i+j=n}H_i(C)\otimes_R H_j(D)\right) \oplus \left(\bigoplus_{i+j=n-1}\operatorname{Tor}_1^R(H_i(C),H_j(D))\right)

となる。この分裂は一般に両変数について自然に選ぶことができない。

証明.補題 1.2の切断を両複体で選び、C≅⨁iEiC\cong\bigoplus_i E^i、D≅⨁jFjD\cong\bigoplus_j F^jと分解する。EiE^iはBi(C)↪Zi(C)B_i(C)\inj Z_i(C)を次数i+1,ii+1,iに置いた複体であり、FjF^jもDDから同様に作る。§E6.14 命題 9.1により

C⊗RD≅⨁i,j(Ei⊗RFj)C\otimes_R D\cong\bigoplus_{i,j}(E^i\otimes_R F^j)

であり、微分もこの直和分解を保つ。直和の核と像は成分ごとの核と像の直和であるため、ホモロジーを取っても直和分解を得る。

EiE^iのホモロジーは次数iiのHi(C)H_i(C)だけであり、FjF^jのホモロジーは次数jjのHj(D)H_j(D)だけである。定理 3.1をEi,FjE^i,F^jに適用すると、次数i+ji+jではαi+j\alpha_{i+j}が同型、次数i+j+1i+j+1ではβi+j+1\beta_{i+j+1}が同型となり、それ以外の次数のホモロジーは零である。各i+j=n−1i+j=n-1に対するβn\beta_nの逆写像を直和し、Ei⊗RFjE^i\otimes_R F^jの包含による誘導写像を合成する。主定理の自然性により、得られる写像はC,DC,Dに対するβn\beta_nの切断である。この構成は初めに選んだ複体の分解に依存する。自然な分裂が存在しない場合は例 3.3に示す。▨

例 3.3.Z\Z上の自由複体C,DC,Dを

C1=Za⊕Zb,C0=Ze,dCa=2e,dCb=0,C_1=\Z a\oplus\Z b,\quad C_0=\Z e, \quad d_Ca=2e,\quad d_Cb=0,D1=Zu,D0=Zv,dDu=2vD_1=\Z u,\quad D_0=\Z v,\quad d_Du=2v

と定め、ほかの項を零とする。H1(C)=Z[b]H_1(C)=\Z[b]、H0(C)=Z/2ZH_0(C)=\Z/2\Z、H0(D)=Z/2ZH_0(D)=\Z/2\Zであり、残りのホモロジーは零である。

(C⊗D)1(C\otimes D)_1のサイクルは

x=b⊗v,t=a⊗v−e⊗ux=b\otimes v,\qquad t=a\otimes v-e\otimes u

を基底にもつ。実際、λa⊗v+μb⊗v+νe⊗u\lambda a\otimes v+\mu b\otimes v+\nu e\otimes uの微分は2(λ+ν)e⊗v2(\lambda+\nu)e\otimes vである。また、次数22の基底a⊗u,b⊗ua\otimes u,b\otimes uの微分はそれぞれ−2t,−2x-2t,-2xである。したがって

H1(C⊗D)=(Z/2Z)[x]⊕(Z/2Z)[t]H_1(C\otimes D)=(\Z/2\Z)[x]\oplus(\Z/2\Z)[t]

であり、Künneth の列の左項の像は(Z/2Z)[x](\Z/2\Z)[x]である。右項の非零元をτ=β1([t])\tau=\beta_1([t])と書く。

f1(a)=a+bf_1(a)=a+b、f1(b)=bf_1(b)=b、f0(e)=ef_0(e)=eと定めると、f ⁣:C→Cf\colon C\to Cは鎖同型であり、すべてのホモロジーに恒等写像を誘導する。しかし、H1(f⊗id⁡D)H_1(f\otimes\id_D)は[x][x]を固定し、[t][t]を[t]+[x][t]+[x]に送る。τ\tauの逆像は[t][t]と[t]+[x][t]+[x]の二つであり、どちらも固定されない。自然な切断があれば、右項上でffが誘導する写像は恒等写像なので、τ\tauの像は固定されなければならない。よって両変数について自然な切断は存在しない。

4 演習

問題 4.1. 正整数a,ba,bに対し、P(a)P(a)を次数1,01,0の複体Z→×aZ\Z\xrightarrow{\times a}\Z、P(b)P(b)を同様の複体とし、ほかの項を零とする。g=gcd⁡(a,b)g=\gcd(a,b)とおく。Künneth の定理を用いてP(a)⊗ZP(b)P(a)\otimes_{\Z}P(b)の全次数のホモロジーを求め、次数11のホモロジーの生成元をサイクルとして表せ。

解答.

P(a)P(a)のホモロジーは次数00のZ/aZ\Z/a\Zだけであり、P(b)P(b)も同様である。定理 3.1により

H0(P(a)⊗P(b))≅(Z/aZ)⊗(Z/bZ),H1(P(a)⊗P(b))≅Tor⁡1Z(Z/aZ,Z/bZ)H_0(P(a)\otimes P(b))\cong(\Z/a\Z)\otimes(\Z/b\Z), \qquad H_1(P(a)\otimes P(b))\cong\operatorname{Tor}_1^{\Z}(\Z/a\Z,\Z/b\Z)

であり、それ以外の次数のホモロジーは零である。自由分解0→Z→×aZ→Z/aZ→00\to\Z\xrightarrow{\times a}\Z\to\Z/a\Z\to0を用いると、右辺はそれぞれZ/bZ\Z/b\Z上のaa倍写像の余核と核である。余核はZ/(aZ+bZ)=Z/gZ\Z/(a\Z+b\Z)=\Z/g\Zである。a=ga′a=ga'、b=gb′b=gb'とおくと、b∣axb\mid axはb′∣xb'\mid xと同値であるため、核はb′+bZb'+b\Zで生成される位数ggの巡回群である。よってH0,H1H_0,H_1はともにZ/gZ\Z/g\Zと同型である。

P(a)P(a)の次数1,01,0の基底をu1,u0u_1,u_0、P(b)P(b)の基底をv1,v0v_1,v_0とする。次数11の元ru1⊗v0+su0⊗v1r u_1\otimes v_0+s u_0\otimes v_1がサイクルである条件はar+bs=0ar+bs=0である。a′,b′a',b'は互いに素なので、すべてのサイクルは

w=b′u1⊗v0−a′u0⊗v1w=b'u_1\otimes v_0-a'u_0\otimes v_1

の整数倍である。さらにd(u1⊗v1)=−gwd(u_1\otimes v_1)=-g wであるため、[w][w]が次数11のホモロジーを生成する。▨

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