§E17.21の分割の構成

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多様体の上の対象は、チャートの上ではRn\mathbb{R}^nの開集合上の対象として書くことができる。しかし、チャートごとに作った対象を合わせて多様体全体の対象を得るには、重なりでの食い違いを処理する仕組みが要る。1の分割は、与えられた開被覆に対して、各開集合に台を持つ滑らかな関数の族であって、和が恒等的に11になるものである。これによって、局所的に作った対象に重みを付けて足し合わせるという操作が可能になる。

本記事は、まず原点の近傍で11、与えられた近傍の外で00になる滑らかな関数を構成する。次に、局所コンパクト性、σコンパクト性および第二可算性からコンパクト集合の増大列を作り、正則座標球による可算局所有限な細分を取って、任意の開被覆に従属する滑らかな1の分割を構成する。最後に、閉集合の近傍で定義された滑らかな関数を多様体全体へ拡張すること、任意の閉集合が滑らかな関数の零点集合として表されること、およびコンパクトな多様体があるユークリッド空間の中へ単射に写ることを示す。

本記事では、多様体、極大アトラス、滑らかな写像および開部分多様体を「可微分多様体の定義」が定めた形で用いる。位相的な事実は「位相空間論 I」から、Rn\mathbb{R}^nの開集合上の微分に関する事実は「実解析 II」から引用する。Rn\mathbb{R}^nの元uuに対して∥u∥2=∑i=1n(ui)2\lVert u\rVert^2=\sum_{i=1}^{n}(u^i)^2と書き、Br(a)={u∈Rn:∥u−a∥<r}B_r(a)=\{u\in\mathbb{R}^n:\lVert u-a\rVert<r\}と書く。この量は座標空間Rn\mathbb{R}^nの上で固定した二次形式であり、多様体の上に計量を与えるものではない。本記事では開球と閉球を指定するためにだけ用いる。

多様体の次元nnは§E17.1 定義 2.2では非負整数であるが、n=0n=0の場合、MMは離散空間であり第二可算性から高々可算である。このときMM上の任意の実数値関数がC∞C^\inftyであるから、本記事の主張はいずれも各点で値を独立に定めることによって直接確かめることができる。そこで以後n≥1n\ge 1とする。

定義 1. 位相空間XX上の実数値関数ffに対して

supp⁡f={x∈X∣f(x)≠0}‾\operatorname{supp}f=\overline{\{x\in X\mid f(x)\ne 0\}}

をffの台 (support) という。ffはX∖supp⁡fX\setminus\operatorname{supp}fの上で恒等的に00である。

1 原点で平坦な関数と山型関数

滑らかな山型関数を作る出発点は、原点でのすべての階数の導関数が00でありながら恒等的には00でない関数である。

補題 1.1.h ⁣:R→Rh\colon\mathbb{R}\to\mathbb{R}を

h(t)={e−1/t(t>0)0(t≤0)h(t)=\begin{cases}e^{-1/t}&(t>0)\\ 0&(t\le 0)\end{cases}

で定める。このときhhはC∞C^\infty級であり、すべての非負整数kkに対してh(k)(0)=0h^{(k)}(0)=0である。またt>0t>0ではh(t)>0h(t)>0である。

証明では、kkに関する帰納法の命題として「t>0t>0においてh(k)(t)=Pk(1/t)e−1/th^{(k)}(t)=P_k(1/t)e^{-1/t}を満たす多項式PkP_kが存在する」と「h(k)(0)h^{(k)}(0)が存在して00に等しい」の二つを同時に立てる。片側極限lim⁡t→0+h(k)(t)=0\lim_{t\to 0^{+}}h^{(k)}(t)=0からはh(k)(0)=0h^{(k)}(0)=0が直ちには従わない。h(k)h^{(k)}が00において微分可能であることを言うには、差商の極限を評価しなければならない。

証明. 最初に、任意の非負整数mmに対して

lim⁡u→+∞ume−u=0\lim_{u\to+\infty}u^{m}e^{-u}=0

であることを確かめる。u>0u>0に対して指数関数の級数展開の一項を取ればeu≥um+1/(m+1)!e^{u}\ge u^{m+1}/(m+1)!であるから0<ume−u≤(m+1)!/u0<u^{m}e^{-u}\le (m+1)!/uであり、右辺はu→+∞u\to+\inftyで00に収束する。したがって、任意の多項式PPに対してlim⁡u→+∞P(u)e−u=0\lim_{u\to+\infty}P(u)e^{-u}=0である。

次に、kkに関する帰納法で次の二つを同時に示す。

  • (a) 多項式PkP_kが存在して、t>0t>0ではh(k)(t)=Pk(1/t)e−1/th^{(k)}(t)=P_k(1/t)e^{-1/t}、t<0t<0ではh(k)(t)=0h^{(k)}(t)=0が成り立つ。
  • (b)h(k)(0)h^{(k)}(0)が存在してh(k)(0)=0h^{(k)}(0)=0である。

k=0k=0のとき、P0=1P_0=1と取れば (a) が成り立ち、h(0)=0h(0)=0であるから (b) が成り立つ。

kkについて (a) と (b) が成り立つとする。t>0t>0では、積と合成の微分法により

h(k+1)(t)=ddt(Pk(1/t)e−1/t)=(−1t2Pk′(1/t)+1t2Pk(1/t))e−1/th^{(k+1)}(t)=\frac{d}{dt}\Bigl(P_k(1/t)e^{-1/t}\Bigr) =\Bigl(-\frac{1}{t^{2}}P_k'(1/t)+\frac{1}{t^{2}}P_k(1/t)\Bigr)e^{-1/t}

であるから、Pk+1(u)=u2(Pk(u)−Pk′(u))P_{k+1}(u)=u^{2}\bigl(P_k(u)-P_k'(u)\bigr)と置けばh(k+1)(t)=Pk+1(1/t)e−1/th^{(k+1)}(t)=P_{k+1}(1/t)e^{-1/t}である。t<0t<0ではh(k)h^{(k)}が恒等的に00であるからh(k+1)(t)=0h^{(k+1)}(t)=0である。これで (a) が成り立つ。

t=0t=0における微分可能性を確かめる。(b) によりh(k)(0)=0h^{(k)}(0)=0であるから、差商は

h(k)(t)−h(k)(0)t=h(k)(t)t\frac{h^{(k)}(t)-h^{(k)}(0)}{t}=\frac{h^{(k)}(t)}{t}

である。t<0t<0では右辺は00であるから、左からの極限は00である。t>0t>0ではu=1/tu=1/tと置くと

h(k)(t)t=u Pk(u) e−u\frac{h^{(k)}(t)}{t}=u\,P_k(u)\,e^{-u}

であり、t→0+t\to 0^{+}はu→+∞u\to+\inftyに対応する。uPk(u)uP_k(u)は多項式であるから、最初に示した極限により右からの極限も00である。よってh(k+1)(0)h^{(k+1)}(0)が存在して00に等しく、(b) が成り立つ。

これで、すべての非負整数kkに対してh(k)h^{(k)}がR\mathbb{R}全体で存在することが分かった。h(k)h^{(k)}の連続性を確かめる。t≠0t\ne 0での連続性は (a) の表示から明らかである。t=0t=0では、左からの極限が00であり、右からの極限はlim⁡u→+∞Pk(u)e−u=0\lim_{u\to+\infty}P_k(u)e^{-u}=0であるから、h(k)(0)=0h^{(k)}(0)=0と一致する。よってhhはC∞C^\infty級である。t>0t>0でh(t)=e−1/t>0h(t)=e^{-1/t}>0であることは指数関数の正値性から従う。▨

補題 1.2.hhを補題 1.1の関数とし、

H(t)=h(t)h(t)+h(1−t)H(t)=\frac{h(t)}{h(t)+h(1-t)}

と定める。このときHHはR\mathbb{R}上のC∞C^\infty級関数であり、0≤H≤10\le H\le 1、t≤0t\le 0でH(t)=0H(t)=0、t≥1t\ge 1でH(t)=1H(t)=1が成り立つ。

証明. 分母が正であることを示す。t≤0t\le 0ならば1−t≥1>01-t\ge 1>0であるからh(1−t)>0h(1-t)>0であり、t>0t>0ならばh(t)>0h(t)>0である。いずれの場合もh(t)+h(1−t)>0h(t)+h(1-t)>0である。hhはC∞C^\inftyでありt↦h(1−t)t\mapsto h(1-t)もC∞C^\inftyであるから、商HHはC∞C^\inftyである。h≥0h\ge 0であるから0≤H≤10\le H\le 1である。t≤0t\le 0ではh(t)=0h(t)=0であるからH(t)=0H(t)=0であり、t≥1t\ge 1ではh(1−t)=0h(1-t)=0かつh(t)>0h(t)>0であるからH(t)=1H(t)=1である。▨

補題 1.3.nnを正の整数とし、0<a<b0<a<bとする。

β(x)=H(b2−∥x∥2b2−a2),ρ(x)=h(1−∥x∥2)\beta(x)=H\left(\frac{b^{2}-\lVert x\rVert^{2}}{b^{2}-a^{2}}\right), \qquad \rho(x)=h\bigl(1-\lVert x\rVert^{2}\bigr)

と定める。このときβ\betaとρ\rhoはRn\mathbb{R}^n上のC∞C^\infty級関数であり、次が成り立つ。

  1. 0≤β≤10\le\beta\le 1、∥x∥≤a\lVert x\rVert\le aのときβ(x)=1\beta(x)=1、∥x∥≥b\lVert x\rVert\ge bのときβ(x)=0\beta(x)=0。
  2. ρ≥0\rho\ge 0であり、{x∣ρ(x)>0}=B1(0)\{x\mid\rho(x)>0\}=B_1(0)である。

証明.∥x∥2=∑i=1n(xi)2\lVert x\rVert^{2}=\sum_{i=1}^{n}(x^i)^2は多項式であるからC∞C^\inftyである。HHとhhはC∞C^\inftyであるから、合成β\betaとρ\rhoはC∞C^\inftyである。

(1)について、∥x∥≤a\lVert x\rVert\le aならばb2−∥x∥2≥b2−a2>0b^{2}-\lVert x\rVert^{2}\ge b^{2}-a^{2}>0であるからHHの引数は11以上でありβ(x)=1\beta(x)=1である。∥x∥≥b\lVert x\rVert\ge bならば引数は00以下でありβ(x)=0\beta(x)=0である。値域はHHの値域から従う。

(2)について、h(s)>0h(s)>0であることとs>0s>0であることは同値であるから、ρ(x)>0\rho(x)>0であることと1−∥x∥2>01-\lVert x\rVert^{2}>0、すなわち∥x∥<1\lVert x\rVert<1であることは同値である。▨

補題 1.4.MMをnn次元C∞C^\infty多様体、p∈Mp\in M、VVをppを含むMMの開集合とする。このときMMの極大アトラスに属するチャート(U^,φ^)(\hat U,\hat\varphi)であって

p∈U^⊆V,φ^(p)=0p\in\hat U\subseteq V, \qquad \hat\varphi(p)=0

を満たすものが存在する。

証明.ppを含むチャート(U^0,φ^0)(\hat U_0,\hat\varphi_0)を取り、U^=U^0∩V\hat U=\hat U_0\cap Vと置く。U^\hat Uはppを含む開集合であり、φ^0∣U^\hat\varphi_0|_{\hat U}はU^\hat UからRn\mathbb{R}^nの開集合φ^0(U^)\hat\varphi_0(\hat U)への同相写像であるから、(U^,φ^0∣U^)(\hat U,\hat\varphi_0|_{\hat U})はチャートである。極大アトラスの任意のチャートとの座標変換は、もとの座標変換の開集合への制限であるからC∞C^\inftyである。よって§E17.1 定義 2.2の極大性により、このチャートはMMの極大アトラスに属する。

平行移動τ(x)=x−φ^0(p)\tau(x)=x-\hat\varphi_0(p)はRn\mathbb{R}^nのC∞C^\infty微分同相である。φ^=τ∘φ^0∣U^\hat\varphi=\tau\circ\hat\varphi_0|_{\hat U}と置くと、φ^\hat\varphiはU^\hat Uから開集合τ(φ^0(U^))\tau(\hat\varphi_0(\hat U))への同相写像であり、極大アトラスの任意のチャートとの座標変換は上の座標変換にτ\tauまたはτ−1\tau^{-1}を合成したものである。§E17.1 補題 1.1により合成はC∞C^\inftyであるから、(U^,φ^)(\hat U,\hat\varphi)も極大アトラスに属する。φ^(p)=τ(φ^0(p))=0\hat\varphi(p)=\tau(\hat\varphi_0(p))=0である。▨

命題 1.5.MMをnn次元C∞C^\infty多様体、p∈Mp\in M、VVをppを含むMMの開集合とする。このときC∞C^\infty関数χ ⁣:M→[0,1]\chi\colon M\to[0,1]であって、ppを含むある開集合W⊆VW\subseteq Vの上でχ≡1\chi\equiv 1であり、supp⁡χ\operatorname{supp}\chiがコンパクトかつsupp⁡χ⊆V\operatorname{supp}\chi\subseteq Vを満たすものが存在する。

証明.補題 1.4により、p∈U^⊆Vp\in\hat U\subseteq Vかつφ^(p)=0\hat\varphi(p)=0を満たすチャート(U^,φ^)(\hat U,\hat\varphi)を取る。

φ^(U^)\hat\varphi(\hat U)は00を含むRn\mathbb{R}^nの開集合であるから、Bb(0)‾⊆φ^(U^)\overline{B_b(0)}\subseteq\hat\varphi(\hat U)を満たすb>0b>0が存在する。a=b/2a=b/2と置き、補題 1.3のβ\betaを取る。K=φ^−1(Bb(0)‾)K=\hat\varphi^{-1}(\overline{B_b(0)})と置くと、KKはコンパクト集合の連続写像φ^−1\hat\varphi^{-1}による像であるからコンパクトであり、MMは Hausdorff であるからKKは閉集合である。

χ ⁣:M→R\chi\colon M\to\mathbb{R}を、U^\hat Uの上ではχ=β∘φ^\chi=\beta\circ\hat\varphi、M∖KM\setminus Kの上ではχ=0\chi=0と定める。この二つの定義は矛盾しない。実際、q∈U^∖Kq\in\hat U\setminus Kならば∥φ^(q)∥>b\lVert\hat\varphi(q)\rVert>bであるからβ(φ^(q))=0\beta(\hat\varphi(q))=0である。K⊆U^K\subseteq\hat UであるからU^∪(M∖K)=M\hat U\cup(M\setminus K)=Mであり、χ\chiはMM全体で定まる。U^\hat UとM∖KM\setminus Kはともに開集合であり、χ\chiはそれぞれの上でC∞C^\inftyであるから、§E17.1 命題 4.2によりχ\chiはMM上のC∞C^\infty関数である。

W=φ^−1(Ba(0))W=\hat\varphi^{-1}(B_a(0))と置くとWWはppを含む開集合であり、W⊆U^⊆VW\subseteq\hat U\subseteq Vであり、WWの上でχ=1\chi=1である。また{χ≠0}⊆φ^−1(Bb(0))⊆K\{\chi\ne 0\}\subseteq\hat\varphi^{-1}(B_b(0))\subseteq KでありKKは閉集合であるからsupp⁡χ⊆K\operatorname{supp}\chi\subseteq Kである。コンパクト集合の閉部分集合はコンパクトであるからsupp⁡χ\operatorname{supp}\chiはコンパクトであり、K⊆U^⊆VK\subseteq\hat U\subseteq Vであるからsupp⁡χ⊆V\operatorname{supp}\chi\subseteq Vである。値域が[0,1][0,1]に含まれることはβ\betaの値域から従う。▨

注意 1.6 (連続な1の分割では足りない). 台の条件を満たす連続な関数は、MMが正規空間であるときには Urysohn の補題から得ることができる。しかし本単元が1の分割を用いる場面では、得られた関数を滑らかな微分形式やテンソル場に掛けてから和を取り、その結果がふたたび滑らかであることを要求する。連続であるだけの関数を掛けた積は滑らかにならないので、連続な1の分割では足りない。滑らかな関数を別に構成することが必要である。

「実解析 II」は、Rn\mathbb{R}^nのコンパクト集合に対する有限開被覆に従属するC1C^1級の有限個の局所化関数を構成している。それは本記事が必要とするものと、滑らかさ(C1C^1とC∞C^\infty)、個数(有限と可算無限)、被覆(コンパクト集合の有限開被覆と多様体の任意の開被覆)、舞台(Rn\mathbb{R}^nと多様体)の四つの点で異なる。したがって本記事は、C∞C^\inftyの場合を最初から構成する。

補題 1.1のhhは、原点におけるすべての階数の導関数が00でありながら、t>0t>0では正である。したがってhhは原点における Taylor 級数(恒等的に00の級数)と一致しない。滑らかな山型関数は、この性質を持つ関数を経由しなければ作ることができない。

2 正則座標球とコンパクト集合の増大列

補題 2.1.nn次元C∞C^\infty多様体MMは局所コンパクトである(§E2.24 定義 1.2)。

証明.p∈Mp\in Mを取る。補題 1.4をV=MV=Mとして適用し、φ^(p)=0\hat\varphi(p)=0を満たすチャート(U^,φ^)(\hat U,\hat\varphi)を取る。Br(0)‾⊆φ^(U^)\overline{B_r(0)}\subseteq\hat\varphi(\hat U)を満たすr>0r>0を取り、N=φ^−1(Br(0)‾)N=\hat\varphi^{-1}(\overline{B_r(0)})と置く。NNはコンパクト集合の連続写像による像であるからコンパクトであり、p∈φ^−1(Br(0))⊆Np\in\hat\varphi^{-1}(B_r(0))\subseteq Nでφ^−1(Br(0))\hat\varphi^{-1}(B_r(0))は開集合である。よってNNはppのコンパクトな近傍である。▨

定義 2.2.MMをnn次元C∞C^\infty多様体とする。MMの開集合BBが正則座標球 (regular coordinate ball) であるとは、MMの極大アトラスに属するチャート(B^,φ^)(\hat B,\hat\varphi)と実数r>0r>0が存在して

Br(0)‾⊆φ^(B^),B=φ^−1(Br(0))\overline{B_r(0)}\subseteq\hat\varphi(\hat B), \qquad B=\hat\varphi^{-1}\bigl(B_r(0)\bigr)

が成り立つことをいう。組(B^,φ^,r)(\hat B,\hat\varphi,r)をBBの外側のチャートと呼ぶ。

補題 2.3.BBを正則座標球、(B^,φ^,r)(\hat B,\hat\varphi,r)をその外側のチャートとする。このとき次が成り立つ。

  1. B‾⊆φ^−1(Br(0)‾)⊆B^\overline{B}\subseteq\hat\varphi^{-1}(\overline{B_r(0)})\subseteq\hat Bであり、B‾\overline{B}はコンパクトである。
  2. (B,φ^∣B)(B,\hat\varphi|_{B})はMMの極大アトラスに属するチャートである。
  3. 任意のf∈C∞(M)f\in C^\infty(M)、任意の多重指数γ\gammaに対して、∂γ(f∘(φ^∣B)−1)\partial^{\gamma}\bigl(f\circ(\hat\varphi|_{B})^{-1}\bigr)はBr(0)B_r(0)上で有界である。
  4. MMの正則座標球の全体はMMの位相の基底をなす。とくに、MMの任意の開集合OOと任意のp∈Op\in Oに対して、p∈B⊆B‾⊆Op\in B\subseteq\overline{B}\subseteq Oを満たす正則座標球BBが存在する。

証明.(1)について、φ^−1(Br(0)‾)\hat\varphi^{-1}(\overline{B_r(0)})はコンパクトであり、MMは Hausdorff であるから閉集合である。これがBBを含むのでB‾\overline{B}を含む。閉集合の部分集合としてコンパクト集合に含まれるのでB‾\overline{B}はコンパクトである。

(2)を示す。B⊆B^B\subseteq\hat Bは開集合であり、φ^∣B\hat\varphi|_{B}はBBから開集合Br(0)B_r(0)への同相写像であるからチャートである。極大アトラスの任意のチャートとの座標変換は、(B^,φ^)(\hat B,\hat\varphi)に関する座標変換の開集合への制限であるからC∞C^\inftyである。よって§E17.1 定義 2.2の極大性により(B,φ^∣B)(B,\hat\varphi|_{B})は極大アトラスに属する。

(3)について、f∘φ^−1f\circ\hat\varphi^{-1}はφ^(B^)\hat\varphi(\hat B)上のC∞C^\infty関数であり、∂γ(f∘φ^−1)\partial^{\gamma}(f\circ\hat\varphi^{-1})は連続である。Br(0)‾\overline{B_r(0)}はこの開集合に含まれるコンパクト集合であるから、連続関数はその上で有界である。Br(0)⊆Br(0)‾B_r(0)\subseteq\overline{B_r(0)}であるから主張が従う。

(4)について、OOを開集合、p∈Op\in Oとする。補題 1.4をV=OV=Oとして適用し、φ^(p)=0\hat\varphi(p)=0、p∈B^⊆Op\in\hat B\subseteq Oを満たすチャート(B^,φ^)(\hat B,\hat\varphi)を取る。Br(0)‾⊆φ^(B^)\overline{B_r(0)}\subseteq\hat\varphi(\hat B)を満たすr>0r>0を取りB=φ^−1(Br(0))B=\hat\varphi^{-1}(B_r(0))と置くと、BBは正則座標球であり、(1)によりB‾⊆B^⊆O\overline{B}\subseteq\hat B\subseteq Oである。▨

命題 2.4.XXを第二可算かつ局所コンパクトな Hausdorff 空間とする。このとき、XXのコンパクト部分集合の列K1⊆K2⊆⋯K_1\subseteq K_2\subseteq\cdotsであって、すべての正の整数jjに対して

Kj⊆int⁡(Kj+1),⋃j≥1Kj=XK_j\subseteq\tpint{K_{j+1}}, \qquad \bigcup_{j\ge 1}K_j=X

を満たすものが存在する。ここでint⁡\operatorname{int}はXXにおける内部を表す。この条件を満たす列をXXのコンパクト枯渇列という。

C∞C^\infty多様体は補題 2.1と定義により、この仮定をすべて満たす。ただし逆は成り立たないので、この命題の仮定を「多様体である」と読み替えてはならない。証明では、単調増大するコンパクト集合の列をまず取り、そこから内部への包含を満たすように取り直す。

証明.§E2.25 系 3.6によりXXはσコンパクトである(この主張は可算選択公理を仮定する。本記事はこの仮定のもとで議論する)。§E2.25 命題 1.3により、コンパクト部分集合の列L1⊆L2⊆⋯L_1\subseteq L_2\subseteq\cdotsで⋃jLj=X\bigcup_{j}L_j=Xを満たすものが存在する。この列はLj⊆int⁡(Lj+1)L_j\subseteq\tpint{L_{j+1}}を満たすとは限らないので、次のように取り直す。

K1=L1K_1=L_1と置く。KjK_jがコンパクトであるとしてKj+1K_{j+1}を作る。各x∈Kjx\in K_jに対して§E2.24 定理 1.6をO=XO=Xとして適用すると、開集合VxV_xでx∈Vx⊆Vx‾x\in V_x\subseteq\overline{V_x}かつVx‾\overline{V_x}がコンパクトであるものが存在する。{Vx}x∈Kj\{V_x\}_{x\in K_j}はKjK_jの開被覆であるから、§E2.19 定義 2.1により有限個の点x1,…,xq∈Kjx_1,\dots,x_q\in K_jが存在してKj⊆Vx1∪⋯∪VxqK_j\subseteq V_{x_1}\cup\cdots\cup V_{x_q}となる。そこで

Kj+1=Vx1‾∪⋯∪Vxq‾∪Lj+1K_{j+1}=\overline{V_{x_1}}\cup\cdots\cup\overline{V_{x_q}}\cup L_{j+1}

と定める。§E2.19 補題 2.8によりKj+1K_{j+1}はコンパクトである。Vx1∪⋯∪VxqV_{x_1}\cup\cdots\cup V_{x_q}はKj+1K_{j+1}に含まれる開集合であるから

Kj⊆Vx1∪⋯∪Vxq⊆int⁡(Kj+1)K_j\subseteq V_{x_1}\cup\cdots\cup V_{x_q}\subseteq\tpint{K_{j+1}}

が成り立ち、とくにKj⊆Kj+1K_j\subseteq K_{j+1}である。

最後に⋃jKj=X\bigcup_jK_j=Xを示す。K1=L1K_1=L_1であり、j≥1j\ge 1に対してLj+1⊆Kj+1L_{j+1}\subseteq K_{j+1}であるから、すべての正の整数jjに対してLj⊆KjL_j\subseteq K_jである。よってX=⋃jLj⊆⋃jKj⊆XX=\bigcup_jL_j\subseteq\bigcup_jK_j\subseteq Xである。▨

3 局所有限な族

「位相空間論 I」は局所有限性を扱わないので、本記事で定義する。

定義 3.1.XXを位相空間、{Sι}ι∈J\{S_\iota\}_{\iota\in J}をXXの部分集合の族とする。この族が局所有限 (locally finite family) であるとは、各点x∈Xx\in Xに対して、xxを含む開集合OOであって

{ι∈J∣O∩Sι≠∅}\{\iota\in J\mid O\cap S_\iota\ne\varnothing\}

が有限集合であるものが存在することをいう。

補題 3.2.XXを位相空間、{Sι}ι∈J\{S_\iota\}_{\iota\in J}を局所有限な部分集合の族とする。このとき

⋃ι∈JSι‾=⋃ι∈JSι‾\overline{\bigcup_{\iota\in J}S_\iota}=\bigcup_{\iota\in J}\overline{S_\iota}

が成り立つ。とくに、局所有限な閉集合の族の合併は閉集合である。

証明. 各ι\iotaについてSι⊆⋃κSκS_\iota\subseteq\bigcup_{\kappa}S_\kappaであるからSι‾⊆⋃κSκ‾\overline{S_\iota}\subseteq\overline{\bigcup_{\kappa}S_\kappa}であり、右辺の包含が従う。

逆を示す。x∉⋃ιSι‾x\notin\bigcup_{\iota}\overline{S_\iota}とする。局所有限性により、xxを含む開集合OOであってO∩Sι≠∅O\cap S_\iota\ne\varnothingとなるι\iotaが有限個ι1,…,ιk\iota_1,\dots,\iota_kしかないものが存在する。

O′=O∖(Sι1‾∪⋯∪Sιk‾)O'=O\setminus\bigl(\overline{S_{\iota_1}}\cup\cdots\cup\overline{S_{\iota_k}}\bigr)

と置くと、有限個の閉集合の合併は閉集合であるからO′O'は開集合であり、仮定によりx∈O′x\in O'である。ι∉{ι1,…,ιk}\iota\notin\{\iota_1,\dots,\iota_k\}ならばO∩Sι=∅O\cap S_\iota=\varnothingであるからO′∩Sι=∅O'\cap S_\iota=\varnothingであり、ι=ιm\iota=\iota_mならばO′∩Sιm⊆O′∩Sιm‾=∅O'\cap S_{\iota_m}\subseteq O'\cap\overline{S_{\iota_m}}=\varnothingである。よってO′O'は⋃ιSι\bigcup_{\iota}S_\iotaと交わらず、x∉⋃ιSι‾x\notin\overline{\bigcup_{\iota}S_\iota}である。▨

補題 3.3.MMをC∞C^\infty多様体、{fι}ι∈J\{f_\iota\}_{\iota\in J}をMM上のC∞C^\infty関数の族であって、族{supp⁡fι}ι∈J\{\operatorname{supp}f_\iota\}_{\iota\in J}が局所有限であるものとする。このとき各点でfι(x)≠0f_\iota(x)\ne 0となるι\iotaは有限個であり、

f(x)=∑ι∈Jfι(x)f(x)=\sum_{\iota\in J}f_\iota(x)

は有限和として定まり、ffはMM上のC∞C^\infty関数である。

証明.x∈Mx\in Mを取り、局所有限性により、xxを含む開集合OOでO∩supp⁡fι≠∅O\cap\operatorname{supp}f_\iota\ne\varnothingとなるι\iotaが有限個ι1,…,ιk\iota_1,\dots,\iota_kしかないものを取る。ι∉{ι1,…,ιk}\iota\notin\{\iota_1,\dots,\iota_k\}ならばfιf_\iotaはOOの上で恒等的に00である。したがってOOの上で

f=fι1+⋯+fιkf=f_{\iota_1}+\cdots+f_{\iota_k}

であり、右辺は有限個のC∞C^\infty関数の和であるからOO上でC∞C^\inftyである。xxは任意であるから、§E17.1 命題 4.2によりffはMM上のC∞C^\infty関数である。▨

4 滑らかな1の分割

定義 4.1.MMをC∞C^\infty多様体、{Uα}α∈A\{U_\alpha\}_{\alpha\in A}をMMの開被覆とする。C∞C^\infty関数の族{ψα}α∈A\{\psi_\alpha\}_{\alpha\in A}、ψα ⁣:M→[0,1]\psi_\alpha\colon M\to[0,1]が{Uα}α∈A\{U_\alpha\}_{\alpha\in A}に従属する滑らかな1の分割 (subordinate smooth partition of unity) であるとは、次の三つが成り立つことをいう。

  1. すべてのα∈A\alpha\in Aに対してsupp⁡ψα⊆Uα\operatorname{supp}\psi_\alpha\subseteq U_\alphaである。
  2. 族{supp⁡ψα}α∈A\{\operatorname{supp}\psi_\alpha\}_{\alpha\in A}は局所有限である。
  3. すべてのp∈Mp\in Mに対して∑α∈Aψα(p)=1\sum_{\alpha\in A}\psi_\alpha(p)=1である。条件 (b)により左辺は各点で有限和である。

定理 4.2.MMをC∞C^\infty多様体、{Uα}α∈A\{U_\alpha\}_{\alpha\in A}をMMの任意の開被覆とする。このとき{Uα}α∈A\{U_\alpha\}_{\alpha\in A}に従属する滑らかな1の分割が存在する。

証明は次の順に進む。第一に、命題 2.4のコンパクト集合の増大列から、コンパクトな殻DjD_jと、それを含む開集合WjW_jであって族{Wj}\{W_j\}が局所有限であるものを作る。第二に、各DjD_jをコンパクト性によって有限個の山型関数で覆い、それらを全部集めて可算な族{χι}\{\chi_\iota\}を得る。台がそれぞれ一つのWjW_jに含まれるので、この族の台は局所有限である。第三に、和σ=∑ιχι\sigma=\sum_\iota\chi_\iotaが各点で11以上であることを確かめてχι/σ\chi_\iota/\sigmaを取り、最後に添字をAAへ集約する。

証明.命題 2.4により、コンパクト集合の列K1⊆K2⊆⋯K_1\subseteq K_2\subseteq\cdotsでKj⊆int⁡(Kj+1)K_j\subseteq\tpint{K_{j+1}}かつ⋃jKj=M\bigcup_jK_j=Mを満たすものを取る。K0=K−1=∅K_0=K_{-1}=\varnothingと約束する。正の整数jjに対して

Dj=Kj∖int⁡(Kj−1),Wj=int⁡(Kj+1)∖Kj−2D_j=K_j\setminus\tpint{K_{j-1}}, \qquad W_j=\tpint{K_{j+1}}\setminus K_{j-2}

と置く。DjD_jはコンパクト集合KjK_jの閉部分集合であるからコンパクトであり、WjW_jは開集合である。

まずDj⊆WjD_j\subseteq W_jを示す。x∈Djx\in D_jならばx∈Kj⊆int⁡(Kj+1)x\in K_j\subseteq\tpint{K_{j+1}}であり、Kj−2⊆int⁡(Kj−1)K_{j-2}\subseteq\tpint{K_{j-1}}かつx∉int⁡(Kj−1)x\notin\tpint{K_{j-1}}であるからx∉Kj−2x\notin K_{j-2}である。

次に⋃jDj=M\bigcup_jD_j=Mを示す。x∈Mx\in Mに対してx∈Kjx\in K_jを満たす最小の正の整数jjを取る。j=1j=1ならばint⁡(K0)=∅\tpint{K_0}=\varnothingであるからx∈D1x\in D_1である。j≥2j\ge 2ならば最小性によりx∉Kj−1⊇int⁡(Kj−1)x\notin K_{j-1}\supseteq\tpint{K_{j-1}}であるからx∈Djx\in D_jである。

さらに{Wj}j≥1\{W_j\}_{j\ge 1}が局所有限であることを示す。x∈Mx\in Mに対してx∈KNx\in K_Nを満たす正の整数NNを取ると、KN⊆int⁡(KN+1)K_N\subseteq\tpint{K_{N+1}}であるからint⁡(KN+1)\tpint{K_{N+1}}はxxを含む開集合である。j≥N+3j\ge N+3ならばKN+1⊆Kj−2K_{N+1}\subseteq K_{j-2}でありWj∩Kj−2=∅W_j\cap K_{j-2}=\varnothingであるからWj∩int⁡(KN+1)=∅W_j\cap\tpint{K_{N+1}}=\varnothingである。よってint⁡(KN+1)\tpint{K_{N+1}}と交わるWjW_jはj≤N+2j\le N+2を満たすものに限られ、有限個である。

各jjについて次の操作を行う。x∈Djx\in D_jを取る。{Uα}\{U_\alpha\}はMMの被覆であるからx∈Uαx\in U_{\alpha}を満たすα∈A\alpha\in Aが存在する。一つ選んでα(x)\alpha(x)と書く。Uα(x)∩WjU_{\alpha(x)}\cap W_jはxxを含む開集合であるから、命題 1.5によりC∞C^\infty関数χ(x) ⁣:M→[0,1]\chi^{(x)}\colon M\to[0,1]で、xxを含むある開集合OxO_xの上でχ(x)≡1\chi^{(x)}\equiv 1であり、supp⁡χ(x)\operatorname{supp}\chi^{(x)}がコンパクトかつsupp⁡χ(x)⊆Uα(x)∩Wj\operatorname{supp}\chi^{(x)}\subseteq U_{\alpha(x)}\cap W_jを満たすものが存在する。{Ox}x∈Dj\{O_x\}_{x\in D_j}はDjD_jの開被覆であるから、§E2.19 定義 2.1により有限個の点xj,1,…,xj,mj∈Djx_{j,1},\dots,x_{j,m_j}\in D_jが存在してDj⊆Oxj,1∪⋯∪Oxj,mjD_j\subseteq O_{x_{j,1}}\cup\cdots\cup O_{x_{j,m_j}}となる。

添字集合をJ={(j,l)∣j≥1, 1≤l≤mj}J=\{(j,l)\mid j\ge 1,\ 1\le l\le m_j\}とする。JJは可算である。ι=(j,l)∈J\iota=(j,l)\in Jに対してχι=χ(xj,l)\chi_\iota=\chi^{(x_{j,l})}、α(ι)=α(xj,l)\alpha(\iota)=\alpha(x_{j,l})、j(ι)=jj(\iota)=jと書く。構成により

supp⁡χι⊆Uα(ι)∩Wj(ι)\operatorname{supp}\chi_\iota\subseteq U_{\alpha(\iota)}\cap W_{j(\iota)}

である。

族{supp⁡χι}ι∈J\{\operatorname{supp}\chi_\iota\}_{\iota\in J}は局所有限である。実際、x∈Mx\in Mに対して上で取った開集合int⁡(KN+1)\tpint{K_{N+1}}は有限個のWjW_jとしか交わらず、各jjに対してj(ι)=jj(\iota)=jを満たすι\iotaはmjm_j個しかないからである。

補題 3.3によりσ=∑ι∈Jχι\sigma=\sum_{\iota\in J}\chi_\iotaはMM上のC∞C^\infty関数である。x∈Mx\in Mを取ると、上で示したようにあるjjでx∈Djx\in D_jであり、被覆の取り方によりあるllでx∈Oxj,lx\in O_{x_{j,l}}であるからχ(j,l)(x)=1\chi_{(j,l)}(x)=1である。他の項は非負であるからσ(x)≥1\sigma(x)\ge 1である。とくにσ\sigmaは零点を持たない。

ψ~ι=χι/σ\tilde\psi_\iota=\chi_\iota/\sigmaと置く。ψ~ι\tilde\psi_\iotaはC∞C^\inftyであり0≤ψ~ι≤10\le\tilde\psi_\iota\le 1、supp⁡ψ~ι=supp⁡χι\operatorname{supp}\tilde\psi_\iota=\operatorname{supp}\chi_\iota、∑ι∈Jψ~ι=1\sum_{\iota\in J}\tilde\psi_\iota=1である。

最後に添字を集約する。α∈A\alpha\in Aに対してJα={ι∈J∣α(ι)=α}J_\alpha=\{\iota\in J\mid\alpha(\iota)=\alpha\}と置き、

ψα=∑ι∈Jαψ~ι\psi_\alpha=\sum_{\iota\in J_\alpha}\tilde\psi_\iota

と定める(Jα=∅J_\alpha=\varnothingのときはψα=0\psi_\alpha=0と読む)。{supp⁡ψ~ι}ι∈Jα\{\operatorname{supp}\tilde\psi_\iota\}_{\iota\in J_\alpha}は局所有限な族の部分族であるから局所有限であり、補題 3.3によりψα\psi_\alphaはC∞C^\inftyである。値域は[0,1][0,1]に含まれる。

台について、{ψα≠0}⊆⋃ι∈Jα{ψ~ι≠0}\{\psi_\alpha\ne 0\}\subseteq\bigcup_{\iota\in J_\alpha}\{\tilde\psi_\iota\ne 0\}であるから、補題 3.2により

supp⁡ψα⊆⋃ι∈Jα{ψ~ι≠0}‾=⋃ι∈Jαsupp⁡ψ~ι⊆Uα\operatorname{supp}\psi_\alpha\subseteq\overline{\bigcup_{\iota\in J_\alpha}\{\tilde\psi_\iota\ne0\}} =\bigcup_{\iota\in J_\alpha}\operatorname{supp}\tilde\psi_\iota\subseteq U_\alpha

である。ここで最後の包含はsupp⁡χι⊆Uα(ι)=Uα\operatorname{supp}\chi_\iota\subseteq U_{\alpha(\iota)}=U_\alphaによる。

族{supp⁡ψα}α∈A\{\operatorname{supp}\psi_\alpha\}_{\alpha\in A}の局所有限性を示す。x∈Mx\in Mに対して、{supp⁡ψ~ι}ι∈J\{\operatorname{supp}\tilde\psi_\iota\}_{\iota\in J}の局所有限性から得られる開集合O∋xO\ni xを取る。O∩supp⁡ψα≠∅O\cap\operatorname{supp}\psi_\alpha\ne\varnothingならば、上の等式によりO∩supp⁡ψ~ι≠∅O\cap\operatorname{supp}\tilde\psi_\iota\ne\varnothingを満たすι∈Jα\iota\in J_\alphaが存在する。そのようなι\iotaは有限個しかないので、対応するα=α(ι)\alpha=\alpha(\iota)も有限個しかない。

和について、x∈Mx\in Mの近くでは有限個のψ~ι\tilde\psi_\iotaだけが00でないので、

∑α∈Aψα(x)=∑α∈A∑ι∈Jαψ~ι(x)=∑ι∈Jψ~ι(x)=1\sum_{\alpha\in A}\psi_\alpha(x)=\sum_{\alpha\in A}\sum_{\iota\in J_\alpha}\tilde\psi_\iota(x)=\sum_{\iota\in J}\tilde\psi_\iota(x)=1

が成り立つ。ここで二番目の等号は、JJが{Jα}α∈A\{J_\alpha\}_{\alpha\in A}に分割されることと、xxにおいて00でない項が有限個であることによる。よって{ψα}α∈A\{\psi_\alpha\}_{\alpha\in A}は{Uα}α∈A\{U_\alpha\}_{\alpha\in A}に従属する滑らかな1の分割である。▨

5 応用1: 閉集合の近傍からの拡張

定理 5.1.MMをC∞C^\infty多様体、A⊆MA\subseteq Mを閉集合、OOをAAを含む開集合、f∈C∞(O)f\in C^\infty(O)とする。このときf~∈C∞(M)\tilde f\in C^\infty(M)であって、AAを含むある開集合の上でf~=f\tilde f=fとなるものが存在する。さらにsupp⁡f~⊆O\operatorname{supp}\tilde f\subseteq Oと取ることができる。

証明.{O, M∖A}\{O,\ M\setminus A\}はMMの開被覆である。定理 4.2により、この被覆に従属する滑らかな1の分割{ψ1,ψ2}\{\psi_1,\psi_2\}を取る。ここでsupp⁡ψ1⊆O\operatorname{supp}\psi_1\subseteq O、supp⁡ψ2⊆M∖A\operatorname{supp}\psi_2\subseteq M\setminus A、ψ1+ψ2=1\psi_1+\psi_2=1である。

f~\tilde fを、OOの上ではf~=ψ1f\tilde f=\psi_1f、M∖supp⁡ψ1M\setminus\operatorname{supp}\psi_1の上ではf~=0\tilde f=0と定める。supp⁡ψ1⊆O\operatorname{supp}\psi_1\subseteq Oであるから二つの開集合の合併はMMであり、重なりO∖supp⁡ψ1O\setminus\operatorname{supp}\psi_1の上ではψ1=0\psi_1=0であるから二つの定義は一致する。それぞれの開集合の上でf~\tilde fはC∞C^\inftyであるから、f~∈C∞(M)\tilde f\in C^\infty(M)である。{f~≠0}⊆supp⁡ψ1\{\tilde f\ne0\}\subseteq\operatorname{supp}\psi_1でありsupp⁡ψ1\operatorname{supp}\psi_1は閉集合であるからsupp⁡f~⊆supp⁡ψ1⊆O\operatorname{supp}\tilde f\subseteq\operatorname{supp}\psi_1\subseteq Oである。

W=M∖supp⁡ψ2W=M\setminus\operatorname{supp}\psi_2と置く。supp⁡ψ2\operatorname{supp}\psi_2は閉集合であるからWWは開集合であり、supp⁡ψ2⊆M∖A\operatorname{supp}\psi_2\subseteq M\setminus AであるからA⊆WA\subseteq Wである。WWの上ではψ2=0\psi_2=0したがってψ1=1\psi_1=1であり、W⊆M∖supp⁡ψ2W\subseteq M\setminus\operatorname{supp}\psi_2かつA⊆OA\subseteq Oであることから、W∩OW\cap Oの上でf~=f\tilde f=fである。さらにW⊆OW\subseteq Oである。実際、q∈Wq\in Wならばψ1(q)=1≠0\psi_1(q)=1\ne 0であるからq∈supp⁡ψ1⊆Oq\in\operatorname{supp}\psi_1\subseteq Oである。よってWWはAAを含む開集合であり、その上でf~=f\tilde f=fが成り立つ。▨

6 応用2: 閉集合の零点集合表示

この応用は、可算無限個の関数の和としてffを作る。和が局所有限にならないので、級数の各階の微分が一様収束することを確かめる必要がある。そのための道具を二つ先に置く。

補題 6.1.Ω⊆Rn\Omega\subseteq\mathbb{R}^nを開集合、u ⁣:Ω→Ru\colon\Omega\to\mathbb{R}とする。すべての多重指数γ\gammaに対して反復偏導関数∂γu\partial^{\gamma}uがΩ\Omega上で存在して連続であるならば、uuはC∞C^\infty級である。

証明. 正の整数kkに関する帰納法で、uuがCkC^{k}級であることを示す。

k=1k=1の場合。仮定により一階偏導関数∂1u,…,∂nu\partial_1u,\dots,\partial_nuはΩ\Omega上で存在して連続である。§E4.2 定理 2.1によりuuはΩ\Omegaの各点で全微分可能であり、DuDuは偏導関数を成分に持つ Jacobi 行列である。成分が連続であるからDuDuは作用素ノルムに関して連続であり(有限次元では作用素ノルムは成分の連続関数で上から抑えられる)、§E4.2 定義 1.7によりuuはC1C^{1}級である。

uuがCkC^{k}級であることが、仮定を満たす任意の関数について示されたとする。uuを仮定を満たす関数とすると、各∂iu\partial_iuもまた仮定を満たすので、帰納法の仮定により∂iu\partial_iuはCkC^{k}級である。DuDuは成分が∂1u,…,∂nu\partial_1u,\dots,\partial_nuである写像Ω→L(Rn;R)\Omega\to\mathcal{L}(\mathbb{R}^n;\mathbb{R})であるからCkC^{k}級である。§E4.4 定義 1.4の定義により、Dj+1uD^{j+1}uはDj(Du)D^{j}(Du)を標準的な同一視で読み替えたものであるから、j≤kj\le kの範囲でDj(Du)D^{j}(Du)が存在して連続であることはDj+1uD^{j+1}uが存在して連続であることと同値である。よってuuはCk+1C^{k+1}級である。

すべての正の整数kkについてuuがCkC^{k}級であるから、uuはC∞C^\infty級である。▨

補題 6.2.Ω⊆Rn\Omega\subseteq\mathbb{R}^nを開集合、uj∈C∞(Ω)u_j\in C^\infty(\Omega)(jjは正の整数)とする。すべての多重指数γ\gammaに対して級数∑j≥1∂γuj\sum_{j\ge 1}\partial^{\gamma}u_jがΩ\Omega上で一様収束するならば、u=∑j≥1uju=\sum_{j\ge 1}u_jはC∞C^\infty級であり、すべてのγ\gammaに対して∂γu=∑j≥1∂γuj\partial^{\gamma}u=\sum_{j\ge 1}\partial^{\gamma}u_jが成り立つ。

証明. 多重指数γ\gammaに対してwγ=∑j≥1∂γujw_\gamma=\sum_{j\ge 1}\partial^{\gamma}u_jと置く。各項は連続であり級数は一様収束するのでwγw_\gammaは連続である。w0=uw_0=uである。

∂iwγ=wγ+ei\partial_iw_\gamma=w_{\gamma+e_i}を示す。ここでeie_iは第ii成分だけが11の多重指数である。x∈Ωx\in\Omegaを取り、Br(x)⊆ΩB_r(x)\subseteq\Omegaを満たすr>0r>0を取る。∣s∣<r|s|<rに対して、線分{x+τei∣τ は 0 と s の間}\{x+\tau e_i\mid \tau\text{ は }0\text{ と }s\text{ の間}\}はΩ\Omegaに含まれる。一変数の微積分学の基本定理により、各jjについて

∂γuj(x+sei)−∂γuj(x)=∫0s∂γ+eiuj(x+τei) dτ\partial^{\gamma}u_j(x+se_i)-\partial^{\gamma}u_j(x)=\int_0^{s}\partial^{\gamma+e_i}u_j(x+\tau e_i)\,d\tau

が成り立つ。右辺の級数∑j≥1∂γ+eiuj\sum_{j\ge 1}\partial^{\gamma+e_i}u_jは一様収束するので、部分和と極限の差の絶対値の上限をεN\varepsilon_Nと書くと、NN項までの部分和に対する積分とwγ+eiw_{\gamma+e_i}の積分の差は∣s∣εN|s|\varepsilon_N以下である。εN→0\varepsilon_N\to 0であるから、jjについて和を取ると

wγ(x+sei)−wγ(x)=∫0swγ+ei(x+τei) dτw_\gamma(x+se_i)-w_\gamma(x)=\int_0^{s}w_{\gamma+e_i}(x+\tau e_i)\,d\tau

を得る。wγ+eiw_{\gamma+e_i}は連続であるから、微積分学の基本定理により右辺はssについて微分可能で、s=0s=0における微分係数はwγ+ei(x)w_{\gamma+e_i}(x)である。よって∂iwγ(x)=wγ+ei(x)\partial_iw_\gamma(x)=w_{\gamma+e_i}(x)である。

この等式を繰り返し用いると、u=w0u=w_0のすべての反復偏導関数が存在して∂γu=wγ\partial^{\gamma}u=w_\gammaとなり、いずれも連続である。補題 6.1によりuuはC∞C^\infty級である。▨

定理 6.3.MMをC∞C^\infty多様体、A⊆MA\subseteq Mを閉集合とする。このときC∞C^\infty関数f ⁣:M→[0,∞)f\colon M\to[0,\infty)であってf−1(0)=Af^{-1}(0)=Aとなるものが存在する。

証明では、M∖AM\setminus Aを可算個の正則座標球で覆い、各球の上でだけ正になる滑らかな関数を作って、係数を十分小さく取って足し合わせる。係数は、あらかじめ固定した可算個の正則座標球の上での有限個の偏導関数の上限に対して決める。台がAAの境界に集積するので、和は局所有限にならず、級数としての収束を確かめる必要がある。

証明.A=MA=Mのときはf=0f=0と取ればよいので、以下A≠MA\ne Mとする。

第一段。補題 2.3 (4)により、MMの正則座標球の全体は基底をなす。MMは第二可算であるから§E2.21 命題 1.6により Lindelöf であり、正則座標球によるMMの被覆から可算な部分被覆を取ることができる。それを{Ok}k≥1\{O_k\}_{k\ge 1}とし、OkO_kの外側のチャートを(O^k,ϕ^k,rk)(\hat O_k,\hat\phi_k,r_k)、ϕk=ϕ^k∣Ok\phi_k=\hat\phi_k|_{O_k}と書く。

第二段。U=M∖AU=M\setminus Aは空でない開集合であるから、§E17.1 命題 7.1によりC∞C^\infty多様体であり、とくに第二可算である。補題 2.3 (4)をMMの開集合UUに対して用いると、B‾⊆U\overline{B}\subseteq Uを満たす正則座標球BBの全体はUUを覆う。ふたたび Lindelöf 性により可算な部分被覆{Bj}j≥1\{B_j\}_{j\ge 1}を取る。BjB_jの外側のチャートを(B^j,ψ^j,sj)(\hat B_j,\hat\psi_j,s_j)と書く。

各jjについて、補題 1.3のρ\rhoを用いて

gj(q)={ρ(ψ^j(q)/sj)(q∈B^j)0(q∈M∖ψ^j−1(Bsj(0)‾))g_j(q)=\begin{cases}\rho\bigl(\hat\psi_j(q)/s_j\bigr)&(q\in\hat B_j)\\ 0&\bigl(q\in M\setminus\hat\psi_j^{-1}(\overline{B_{s_j}(0)})\bigr)\end{cases}

と定める。ψ^j−1(Bsj(0)‾)\hat\psi_j^{-1}(\overline{B_{s_j}(0)})はコンパクトでありMMは Hausdorff であるから閉集合であり、二つの開集合の合併はMMである。重なりの上では∥ψ^j(q)∥>sj\lVert\hat\psi_j(q)\rVert>s_jであるからρ(ψ^j(q)/sj)=0\rho(\hat\psi_j(q)/s_j)=0であり、二つの定義は一致する。よってgj∈C∞(M)g_j\in C^\infty(M)である。補題 1.3 (2)により

{q∈M∣gj(q)>0}=ψ^j−1(Bsj(0))=Bj\{q\in M\mid g_j(q)>0\}=\hat\psi_j^{-1}\bigl(B_{s_j}(0)\bigr)=B_j

であり、gj≥0g_j\ge 0である。

第三段。各jjに対して

mj=max⁡{ sup⁡ϕk(Ok)∣∂γ(gj∘ϕk−1)∣ ∣ 1≤k≤j, ∣γ∣≤j }m_j=\max\Bigl\{\ \sup_{\phi_k(O_k)}\bigl|\partial^{\gamma}\bigl(g_j\circ\phi_k^{-1}\bigr)\bigr|\ \Bigm|\ 1\le k\le j,\ |\gamma|\le j\ \Bigr\}

と置く。これは有限個の値の最大値であり、補題 2.3 (3)により各値は有限である。cj>0c_j>0をcj(mj+1)≤2−jc_j(m_j+1)\le 2^{-j}となるように取る。

第四段。f=∑j≥1cjgjf=\sum_{j\ge 1}c_jg_jがMM上のC∞C^\infty関数であることを示す。kkを固定する。ϕk(Ok)\phi_k(O_k)の上でuj=cj (gj∘ϕk−1)u_j=c_j\,(g_j\circ\phi_k^{-1})と置く。多重指数γ\gammaを固定し、N=max⁡(k,∣γ∣)N=\max(k,|\gamma|)と置く。j≥Nj\ge Nならばk≤jk\le jかつ∣γ∣≤j|\gamma|\le jであるから、mjm_jの定義とcjc_jの取り方により

sup⁡ϕk(Ok)∣∂γuj∣≤cjmj≤2−j\sup_{\phi_k(O_k)}\bigl|\partial^{\gamma}u_j\bigr|\le c_jm_j\le 2^{-j}

である。したがって級数∑j≥1∂γuj\sum_{j\ge 1}\partial^{\gamma}u_jは、j≥Nj\ge Nの部分が等比級数で一様に抑えられ、残りは有限個であるから、ϕk(Ok)\phi_k(O_k)上で一様収束する。γ\gammaは任意であるから補題 6.2により∑j≥1uj\sum_{j\ge 1}u_jはϕk(Ok)\phi_k(O_k)上でC∞C^\inftyである。(Ok,ϕk)(O_k,\phi_k)はMMのチャートであるから、ffはOkO_kの上でC∞C^\inftyである。{Ok}\{O_k\}はMMを覆うので、§E17.1 命題 4.2によりf∈C∞(M)f\in C^\infty(M)である。

第五段。cj>0c_j>0かつgj≥0g_j\ge 0であるからf≥0f\ge 0である。q∈Aq\in Aならば、すべてのjjについてq∉Bj⊆Uq\notin B_j\subseteq Uであるからgj(q)=0g_j(q)=0でありf(q)=0f(q)=0である。q∈Uq\in Uならば、{Bj}\{B_j\}がUUを覆うのであるjjでq∈Bjq\in B_jとなりgj(q)>0g_j(q)>0であるからf(q)≥cjgj(q)>0f(q)\ge c_jg_j(q)>0である。よってf−1(0)=Af^{-1}(0)=Aである。▨

7 応用3: コンパクトな多様体をユークリッド空間へ写す

コンパクトな多様体は有限個のチャートで覆うことができる。その有限開被覆に従属する1の分割を取り、各チャートの座標に分割の関数を掛けて並べると、多様体全体で定義されたRN\mathbb{R}^N値の写像が得られる。次の主張は、その写像が単射であり、各チャート表示の Jacobi 行列の階数が至るところ最大であり、像への同相写像になることを述べる。

ここで「階数」を各チャート表示の Jacobi 行列の階数として述べるのは、接空間のあいだの線形写像dFpdF_pをまだ持っていないためである。この条件が座標のとり方に依らないことと、その条件を持つ写像を「はめ込み」、さらに像への同相を与えるものを「埋め込み」と呼ぶことは、「部分多様体・はめ込み・埋め込み」が扱う。本記事はそれらの語を用いない。

定理 7.1.MMをコンパクトなnn次元C∞C^\infty多様体とする。このとき正の整数NNとC∞C^\infty写像F ⁣:M→RNF\colon M\to\mathbb{R}^Nであって、次をすべて満たすものが存在する。

  1. FFは単射である。
  2. MMの極大アトラスに属する任意のチャート(U,φ)(U,\varphi)に対して、F∘φ−1 ⁣:φ(U)→RNF\circ\varphi^{-1}\colon\varphi(U)\to\mathbb{R}^Nの Jacobi 行列の階数はφ(U)\varphi(U)の各点でnnに等しい。
  3. FFはMMから像F(M)F(M)(RN\mathbb{R}^Nからの部分空間位相を与える)への同相写像である。

証明. 各p∈Mp\in Mに対してppを含むチャート(Up,φp)(U_p,\varphi_p)を取る。{Up}p∈M\{U_p\}_{p\in M}はMMの開被覆であるから、コンパクト性により有限個の点p1,…,pmp_1,\dots,p_mでM=Up1∪⋯∪UpmM=U_{p_1}\cup\cdots\cup U_{p_m}となる。Ui=UpiU_i=U_{p_i}、φi=φpi\varphi_i=\varphi_{p_i}と書く。定理 4.2をこの有限開被覆へ適用し、従属する滑らかな1の分割{ψ1,…,ψm}\{\psi_1,\dots,\psi_m\}を取る。すなわちψi ⁣:M→[0,1]\psi_i\colon M\to[0,1]はC∞C^\inftyであり、supp⁡ψi⊆Ui\operatorname{supp}\psi_i\subseteq U_iかつ∑i=1mψi=1\sum_{i=1}^{m}\psi_i=1である。

各iiに対してRn\mathbb{R}^nに値を持つ写像Gi ⁣:M→RnG_i\colon M\to\mathbb{R}^nを、UiU_iの上ではGi=ψiφiG_i=\psi_i\varphi_i、M∖supp⁡ψiM\setminus\operatorname{supp}\psi_iの上ではGi=0G_i=0と定める。supp⁡ψi\operatorname{supp}\psi_iは閉集合でありUiU_iに含まれるから二つの開集合の合併はMMであり、重なりの上ではψi=0\psi_i=0であるから定義は一致する。よってGiG_iはC∞C^\inftyである。

N=mn+mN=mn+mと置き、

F=(G1,…,Gm,ψ1,…,ψm) ⁣:M⟶RNF=(G_1,\dots,G_m,\psi_1,\dots,\psi_m)\colon M\longrightarrow\mathbb{R}^{N}

と定める。成分がすべてC∞C^\inftyであるからFFはC∞C^\inftyである。

(1)を示す。F(q)=F(q′)F(q)=F(q')とする。∑i=1mψi(q)=1\sum_{i=1}^{m}\psi_i(q)=1であるからψi(q)>0\psi_i(q)>0を満たすiiが存在する。FFの最後のmm成分の一致からψi(q′)=ψi(q)>0\psi_i(q')=\psi_i(q)>0であり、とくにq,q′∈supp⁡ψi⊆Uiq,q'\in\operatorname{supp}\psi_i\subseteq U_iである。GiG_iに対応する成分の一致からψi(q)φi(q)=ψi(q′)φi(q′)\psi_i(q)\varphi_i(q)=\psi_i(q')\varphi_i(q')であり、ψi(q)=ψi(q′)≠0\psi_i(q)=\psi_i(q')\ne 0で割るとφi(q)=φi(q′)\varphi_i(q)=\varphi_i(q')を得る。φi\varphi_iは単射であるからq=q′q=q'である。

(2)を示す。まず一つのチャートについて示す。q∈Mq\in Mを取り、ψi(q)>0\psi_i(q)>0を満たすiiを選び、V=Ui∩{ψi>0}V=U_i\cap\{\psi_i>0\}と置く。VVはqqを含む開集合であり、(V,φi∣V)(V,\varphi_i|_V)はチャートである。x∈φi(V)x\in\varphi_i(V)に対してc(x)=ψi(φi−1(x))>0c(x)=\psi_i(\varphi_i^{-1}(x))>0と書くと、FFの第ii組の成分と最後の第ii成分をまとめた写像の座標表示は

x⟼(c(x) x, c(x))∈Rn×Rx\longmapsto\bigl(c(x)\,x,\ c(x)\bigr)\in\mathbb{R}^{n}\times\mathbb{R}

である。その Jacobi 行列をv∈Rnv\in\mathbb{R}^nに施すと、上のnn行からはc(x)v+(Dc(x)v)xc(x)v+\bigl(Dc(x)v\bigr)x、最後の1行からはDc(x)vDc(x)vが得られる。両方が00であるとすると、後者からDc(x)v=0Dc(x)v=0であり、これを前者へ代入してc(x)v=0c(x)v=0を得る。c(x)>0c(x)>0であるからv=0v=0である。よってこれらのn+1n+1行だけで階数はnnであり、F∘(φi∣V)−1F\circ(\varphi_i|_V)^{-1}の Jacobi 行列の階数はnnである(N×nN\times n行列の階数はnnを超えない)。

次に、任意のチャート(U,φ)(U,\varphi)とx∈φ(U)x\in\varphi(U)を取る。q=φ−1(x)q=\varphi^{-1}(x)とし、上で取ったVVとiiを用いる。U∩VU\cap Vの上で

F∘φ−1=(F∘(φi∣V)−1)∘(φi∘φ−1)F\circ\varphi^{-1}=\bigl(F\circ(\varphi_i|_{V})^{-1}\bigr)\circ\bigl(\varphi_i\circ\varphi^{-1}\bigr)

が成り立つ。§E4.3 定理 1.1により、xxにおける Jacobi 行列は右辺の二つの Jacobi 行列の積である。φi∘φ−1\varphi_i\circ\varphi^{-1}はC∞C^\infty微分同相であり、その逆写像との合成に連鎖律を適用すると Jacobi 行列は可逆である。可逆行列を掛けても階数は変わらないので、F∘φ−1F\circ\varphi^{-1}のxxにおける Jacobi 行列の階数はnnである。

(3)を示す。FFは連続かつ単射であるから、MMからF(M)F(M)への連続な全単射である。C⊆MC\subseteq Mを閉集合とすると、MMはコンパクトであるからCCはコンパクトであり、F(C)F(C)はコンパクトである。RN\mathbb{R}^Nは Hausdorff であるからコンパクト集合は閉集合であり、F(C)F(C)はRN\mathbb{R}^Nの閉集合、したがってF(M)F(M)の閉集合である。よってF ⁣:M→F(M)F\colon M\to F(M)は閉写像であり、連続な全単射かつ閉写像であるから逆写像も連続である。すなわちFFは同相写像である。▨

注意 7.2 (次元を下げることは扱わない).定理 7.1が与えるN=mn+mN=mn+mは、被覆に用いたチャートの枚数mmに依存する。この次元を2n+12n+1まで下げることができるという主張が Whitney の埋め込み定理であり、その証明には、次元の小さい多様体からの像が測度零であることを用いて射影の方向を選ぶ議論が要る。本単元はこれを扱わず、「微分位相幾何」が扱う。

8 演習

問題 8.1 (1の分割の構成の確認). 次の各問に答えよ。

  1. 補題 1.1の帰納法の段で、命題 (a) と (b) を同時に立てる必要がある理由を述べよ。lim⁡t→0+h(k)(t)=0\lim_{t\to 0^{+}}h^{(k)}(t)=0だけからはh(k)(0)=0h^{(k)}(0)=0が従わないことを、h(k)h^{(k)}の定義に立ち返って説明せよ。さらにP1P_1、P2P_2、P3P_3を具体的に求めよ。
  2. 補題 1.2のHHについて、分母が正であることの証明を再現せよ。またHHが広義単調増加であることは本文では用いていないが、H′≥0H'\ge 0が成り立つかどうかを、hhの符号と商の微分法から判定せよ。
  3. 命題 2.4の証明で、§E2.25 命題 1.3が与える列LjL_jをそのまま結論の列として用いることができない理由を述べよ。X=RX=\mathbb{R}において、Lj⊆Lj+1L_j\subseteq L_{j+1}と⋃jLj=R\bigcup_jL_j=\mathbb{R}を満たすがLj⊆int⁡(Lj+1)L_j\subseteq\tpint{L_{j+1}}を満たさないコンパクト集合の列を一つ挙げよ。
  4. 定理 4.2の証明で定めたWj=int⁡(Kj+1)∖Kj−2W_j=\tpint{K_{j+1}}\setminus K_{j-2}について、添字の差を22ではなく11としたWj′=int⁡(Kj+1)∖Kj−1W_j'=\tpint{K_{j+1}}\setminus K_{j-1}を用いると証明のどこが成り立たなくなるかを述べよ。
  5. 補題 3.2の証明を再現せよ。さらに、局所有限でない族に対してこの等式が成り立たない例を、X=RX=\mathbb{R}とSj={1/j}S_j=\{1/j\}(jjは正の整数)によって示せ。
  6. 定理 5.1の証明で、W=M∖supp⁡ψ2W=M\setminus\operatorname{supp}\psi_2がOOに含まれることを示した議論を再現せよ。ψ1+ψ2=1\psi_1+\psi_2=1をどこで用いたかを明示せよ。
  7. 定理 6.3の証明の第三段で、係数cjc_jを定めるためにk≤jk\le jかつ∣γ∣≤j|\gamma|\le jという制限を置いた理由を述べよ。制限を外して「すべてのkkとすべてのγ\gamma」とすると何が成り立たなくなるかを説明せよ。
  8. 定理 7.1の写像FFから最後のmm個の成分ψ1,…,ψm\psi_1,\dots,\psi_mを取り除くと、単射性の証明のどこが成り立たなくなるかを述べよ。とくに、φi(q)=0\varphi_i(q)=0を満たす点qqについてGi(q)G_i(q)の値が何になるかを求め、その値だけからはqqをsupp⁡ψi\operatorname{supp}\psi_iの外の点と区別することができないことを確かめよ。
解答 (演習の解答).

(1)h(k+1)(0)h^{(k+1)}(0)は差商(h(k)(t)−h(k)(0))/t\bigl(h^{(k)}(t)-h^{(k)}(0)\bigr)/tのt→0t\to 0における極限として定義される。この差商を書くにはh(k)(0)h^{(k)}(0)の値が必要であり、それを与えるのが命題 (b) である。また、h(k)h^{(k)}が00で連続であること(すなわちlim⁡t→0+h(k)(t)=h(k)(0)\lim_{t\to0^{+}}h^{(k)}(t)=h^{(k)}(0))は、h(k)h^{(k)}が00で微分可能であることを含意しない。差商の極限を別に評価する必要がある。漸化式Pk+1(u)=u2(Pk(u)−Pk′(u))P_{k+1}(u)=u^{2}(P_k(u)-P_k'(u))とP0=1P_0=1からP1(u)=u2P_1(u)=u^{2}、P2(u)=u2(u2−2u)=u4−2u3P_2(u)=u^{2}(u^{2}-2u)=u^{4}-2u^{3}、P3(u)=u2((u4−2u3)−(4u3−6u2))=u6−6u5+6u4P_3(u)=u^{2}\bigl((u^{4}-2u^{3})-(4u^{3}-6u^{2})\bigr)=u^{6}-6u^{5}+6u^{4}を得る。(2)t≤0t\le 0のときは1−t≥11-t\ge 1であるからh(1−t)=e−1/(1−t)>0h(1-t)=e^{-1/(1-t)}>0であり、t>0t>0のときはh(t)=e−1/t>0h(t)=e^{-1/t}>0である。いずれの場合も和は正である。商の微分法により

H′=h′(t)(h(t)+h(1−t))−h(t)(h′(t)−h′(1−t))(h(t)+h(1−t))2=h′(t)h(1−t)+h(t)h′(1−t)(h(t)+h(1−t))2H'=\frac{h'(t)\bigl(h(t)+h(1-t)\bigr)-h(t)\bigl(h'(t)-h'(1-t)\bigr)}{\bigl(h(t)+h(1-t)\bigr)^{2}} =\frac{h'(t)h(1-t)+h(t)h'(1-t)}{\bigl(h(t)+h(1-t)\bigr)^{2}}

である。h≥0h\ge 0であり、h′(t)=t−2e−1/t≥0h'(t)=t^{-2}e^{-1/t}\ge 0(t>0t>0)かつh′(t)=0h'(t)=0(t≤0t\le 0)であるから分子は非負である。よってH′≥0H'\ge 0でありHHは広義単調増加である。(3)§E2.25 命題 1.3が与えるのはLj⊆Lj+1L_j\subseteq L_{j+1}と⋃jLj=X\bigcup_jL_j=Xだけであり、内部への包含Lj⊆int⁡(Lj+1)L_j\subseteq\tpint{L_{j+1}}は含まれない。1の分割の構成では、殻DjD_jを含む開集合WjW_jを作るために内部への包含を用いる。例としてX=RX=\mathbb{R}、Lj=[−j,j]∪{j+1}L_j=[-j,j]\cup\{j+1\}と取る。各LjL_jは有界閉集合であるからコンパクトであり、j+1∈[−(j+1),j+1]⊆Lj+1j+1\in[-(j+1),j+1]\subseteq L_{j+1}であるからLj⊆Lj+1L_j\subseteq L_{j+1}であり、⋃j[−j,j]=R\bigcup_j[-j,j]=\mathbb{R}であるから⋃jLj=R\bigcup_jL_j=\mathbb{R}である。一方int⁡(Lj+1)=(−(j+1),j+1)\tpint{L_{j+1}}=(-(j+1),j+1)であり(孤立点j+2j+2は内点を持たない)、j+1∈Ljj+1\in L_jはこの開区間に属さない。よってLj⊆int⁡(Lj+1)L_j\subseteq\tpint{L_{j+1}}は成り立たない。(4)Wj′W_j'を用いるとDj⊆Wj′D_j\subseteq W_j'が成り立たない。実際、x∈Djx\in D_jはx∉int⁡(Kj−1)x\notin\tpint{K_{j-1}}を満たすがx∈Kj−1x\in K_{j-1}である可能性があり、そのときx∉Wj′x\notin W_j'となる。Wj=int⁡(Kj+1)∖Kj−2W_j=\tpint{K_{j+1}}\setminus K_{j-2}では、Kj−2⊆int⁡(Kj−1)K_{j-2}\subseteq\tpint{K_{j-1}}であることからx∉int⁡(Kj−1)x\notin\tpint{K_{j-1}}がx∉Kj−2x\notin K_{j-2}を導く。(5)証明は本文のとおりである。X=RX=\mathbb{R}、Sj={1/j}S_j=\{1/j\}とすると、各SjS_jは閉集合であるから⋃jSj‾={1/j∣j≥1}\bigcup_j\overline{S_j}=\{1/j\mid j\ge 1\}である。一方⋃jSj‾={0}∪{1/j∣j≥1}\overline{\bigcup_jS_j}=\{0\}\cup\{1/j\mid j\ge 1\}であり、両者は一致しない。この族は00の任意の近傍が無限個のSjS_jと交わるので局所有限でない。(6)q∈Wq\in Wとするとψ2(q)=0\psi_2(q)=0であり、ψ1+ψ2=1\psi_1+\psi_2=1からψ1(q)=1\psi_1(q)=1である。したがってq∈{ψ1≠0}⊆supp⁡ψ1⊆Oq\in\{\psi_1\ne0\}\subseteq\operatorname{supp}\psi_1\subseteq Oである。ψ1+ψ2=1\psi_1+\psi_2=1は、ψ2\psi_2が消える点でψ1\psi_1が11になることを言うために用いた。(7)mjm_jの定義に現れる上限は、kkとγ\gammaが無限に動くと無限個の値の最大値になり、有限とは限らない。k≤jk\le jかつ∣γ∣≤j|\gamma|\le jに制限すると有限個の値の最大値になり、各値は補題 2.3 (3)により有限である。それでも、任意に固定したkkとγ\gammaに対しては、j≥max⁡(k,∣γ∣)j\ge\max(k,|\gamma|)を満たすすべてのjjでsup⁡ϕk(Ok)∣∂γ(cjgj∘ϕk−1)∣≤2−j\sup_{\phi_k(O_k)}|\partial^{\gamma}(c_jg_j\circ\phi_k^{-1})|\le 2^{-j}が成り立つので、有限個の項を除いて等比級数で抑えることができ、一様収束を示すには十分である。(8)単射性の証明では、最後のmm成分の一致によってψi(q′)=ψi(q)>0\psi_i(q')=\psi_i(q)>0を導き、そこからq′∈supp⁡ψi⊆Uiq'\in\operatorname{supp}\psi_i\subseteq U_iを得たうえで、ψi(q)=ψi(q′)≠0\psi_i(q)=\psi_i(q')\ne 0で割った。この段が失われると、φi(q′)\varphi_i(q')が定義されているかどうかも、共通の正の因子で割ってよいかも分からない。実際、φi(q)=0\varphi_i(q)=0を満たす点qqではGi(q)=ψi(q)φi(q)=0G_i(q)=\psi_i(q)\varphi_i(q)=0であり、これはsupp⁡ψi\operatorname{supp}\psi_iの外にあるすべての点におけるGiG_iの値と同じである。したがって第ii組の成分だけでは、qqをそれらの点と区別することができない。最後のmm成分は、どのチャートの上で座標の比較を行ってよいかを指定し、比較に用いる正の因子を与える役割を持つ。▨

9 仮定と後続記事の境界

定理 4.2の証明は、Hausdorff 性、第二可算性および局所コンパクト性のすべてを用いる。第二可算性はコンパクト集合の増大列と可算な細分に、局所コンパクト性は増大列の各段で内部を確保することに、Hausdorff 性はコンパクト集合が閉集合であることに用いる。§E17.1 命題 3.2と§E17.1 命題 3.3は、これらの仮定が局所的な条件から従わないことを示している。

本記事はパラコンパクト性を用いない。局所有限な細分の存在を一般の位相空間の性質として述べる枠組みは「一般位相空間論」が扱うが、本単元より後にある。したがって局所有限性の定義を本記事で置き、必要な細分をコンパクト集合の増大列から直接構成した。

命題 1.5は、次の記事「接空間と微分写像」で導分の局所性を証明するために用いる。導分はC∞(M)C^\infty(M)の上の作用素として定義されるので、チャートの定義域の上でしか定義されていない座標関数へ直接適用することができない。山型関数を掛けてMM全体の関数へ延長する操作が、その橋渡しを行う。

定理 7.1 (2)は、チャート表示の Jacobi 行列の階数として述べてある。この条件を接空間のあいだの線形写像dFpdF_pの単射性として述べ直すこと、およびそれを「はめ込み」と呼ぶことは「部分多様体・はめ込み・埋め込み」が扱う。本記事の結果を、その記事が前提として引用することはない。

参考文献

  1. John M. Lee, Introduction to Smooth Manifolds, 2nd ed., Graduate Texts in Mathematics 218, Springer, New York, 2013.山型関数、コンパクト枯渇列、正則座標球および1の分割の構成の順序と、閉集合の零点集合表示の主張の形を参考にした。
  2. Frank W. Warner, Foundations of Differentiable Manifolds and Lie Groups, Graduate Texts in Mathematics 94, Springer, 1983, originally published 1971.コンパクトな多様体をユークリッド空間へ写す写像を、有限個のチャートに従属する1の分割から作る構成を参考にした。
  3. Loring W. Tu, An Introduction to Manifolds, 2nd ed., Universitext, Springer, New York, 2011.原点で平坦な関数から切断関数と山型関数を作る順序を参考にした。

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