§E18.21胞体ホモロジーと特異ホモロジーの一致

最終更新

胞体鎖複体は特異鎖複体よりも小さいが、CW 複体のホモロジーを失わない。本記事では、骨格対の長完全列だけを用いて比較同型を構成する。無限 CW 複体については、特異単体のコンパクト性によって各計算を有限部分複体へ帰着する。

1 骨格のホモロジー

補題 1.1. CW 複体XXのmm骨格について

Hk(Xm)=0(k>m)H_k(X^m)=0\qquad(k>m)

である。また、包含Xm−1↪XmX^{m-1}\hookrightarrow X^mはk<m−1k<m-1でHkH_kの同型を、k=m−1k=m-1で全射を誘導する。

証明.m=0m=0ではX0X^0が離散空間なので正しい。m>0m>0とし、§E18.20 命題 1.1と対(Xm,Xm−1)(X^m,X^{m-1})の長完全列を用いる。相対群は次数mm以外で零である。したがってk>mk>mでは

Hk(Xm−1)⟶Hk(Xm)H_k(X^{m-1})\longrightarrow H_k(X^m)

が同型であり、帰納法から両群は零である。k<m−1k<m-1では、長完全列でHk+1(Xm,Xm−1)H_{k+1}(X^m,X^{m-1})とHk(Xm,Xm−1)H_k(X^m,X^{m-1})がともに零なので、包含が同型を誘導する。k=m−1k=m-1では右側の相対群が零なので包含が全射を誘導する。▨

2 胞体比較定理

胞体鎖複体の輪体と境界を

Zncell=ker⁡dncell,Bncell=im⁡dn+1cellZ_n^{\mathrm{cell}}=\ker d_n^{\mathrm{cell}}, \qquad B_n^{\mathrm{cell}}=\operatorname{im}d_{n+1}^{\mathrm{cell}}

と書く。

定理 2.1 (胞体ホモロジー定理). 任意の CW 複体XXと任意の非負整数nnについて、自然な同型

Hn(C∗cell(X))≅Hnsing(X)H_n(C_*^{\mathrm{cell}}(X))\cong H_n^{\mathrm{sing}}(X)

が存在する。

証明方針は三段階からなる。最初にZncellZ_n^{\mathrm{cell}}をHn(Xn)H_n(X^n)と同一視する。次にBncellB_n^{\mathrm{cell}}が(n+1)(n+1)胞体を接着したときに零になる類と一致することを示す。最後に、より高次元の胞体がHnH_nを変えないことと、無限 CW 複体の特異鎖が有限部分複体に入ることを用いる。

証明.n=0n=0を先に扱う。X−1=∅X^{-1}=\varnothingなので

C0cell(X)=H0(X0),d0cell=0C_0^{\mathrm{cell}}(X)=H_0(X^0) , \qquad d_0^{\mathrm{cell}}=0

であり、Z0cell=C0cell(X)Z_0^{\mathrm{cell}}=C_0^{\mathrm{cell}}(X)である。対(X1,X0)(X^1,X^0)の長完全列と§E18.20 命題 1.1から

C1cell(X)→δ1H0(X0)⟶H0(X1)⟶H0(X1,X0)=0C_1^{\mathrm{cell}}(X) \xrightarrow{\delta_1}H_0(X^0) \longrightarrow H_0(X^1) \longrightarrow H_0(X^1,X^0)=0

が完全である。H0(X0)=C0cell(X)H_0(X^0)=C_0^{\mathrm{cell}}(X)の同一視のもとでδ1=d1cell\delta_1=d_1^{\mathrm{cell}}なので、

H0(C∗cell(X))=C0cell(X)im⁡d1cell≅H0(X1)H_0(C_*^{\mathrm{cell}}(X)) =\frac{C_0^{\mathrm{cell}}(X)}{\operatorname{im}d_1^{\mathrm{cell}}} \cong H_0(X^1)

を得る。m≥2m\geq2ではH1(Xm,Xm−1)H_1(X^m,X^{m-1})とH0(Xm,Xm−1)H_0(X^m,X^{m-1})がともに零なので、H0(Xm−1)→H0(Xm)H_0(X^{m-1})\to H_0(X^m)は同型である。無限 CW 複体の場合も、零次輪体とそれを結ぶ一次鎖は有限個の特異単体からなるため有限部分複体へ入り、後段と同じ有限部分複体の議論によってH0(X1)≅H0(X)H_0(X^1)\cong H_0(X)となる。これでn=0n=0の比較同型を得る。

n≥1n\geq1とする。対(Xn,Xn−1)(X^n,X^{n-1})の長完全列の一部は

Hn(Xn−1)⟶Hn(Xn)→jnCncell(X)→δnHn−1(Xn−1)H_n(X^{n-1})\longrightarrow H_n(X^n) \xrightarrow{j_n} C_n^{\mathrm{cell}}(X) \xrightarrow{\delta_n}H_{n-1}(X^{n-1})

である。補題 1.1によりHn(Xn−1)=0H_n(X^{n-1})=0なので、jnj_nは単射であり、その像はker⁡δn\ker\delta_nである。一方、

dncell=jn−1δnd_n^{\mathrm{cell}}=j_{n-1}\delta_n

である。対(Xn−1,Xn−2)(X^{n-1},X^{n-2})の長完全列とHn−1(Xn−2)=0H_{n-1}(X^{n-2})=0からjn−1j_{n-1}も単射である。したがって

Zncell=ker⁡dncell=ker⁡δn=im⁡jnZ_n^{\mathrm{cell}}=\ker d_n^{\mathrm{cell}} =\ker\delta_n=\operatorname{im}j_n

であり、jnj_nは自然な同型

Hn(Xn)→≅ZncellH_n(X^n)\xrightarrow{\cong}Z_n^{\mathrm{cell}}

を与える。

次に、対(Xn+1,Xn)(X^{n+1},X^n)の長完全列の一部

Cn+1cell(X)→δn+1Hn(Xn)⟶Hn(Xn+1)⟶Hn(Xn+1,Xn)=0C_{n+1}^{\mathrm{cell}}(X) \xrightarrow{\delta_{n+1}}H_n(X^n) \longrightarrow H_n(X^{n+1}) \longrightarrow H_n(X^{n+1},X^n)=0

を用いる。jnδn+1=dn+1cellj_n\delta_{n+1}=d_{n+1}^{\mathrm{cell}}なので、上の同型Hn(Xn)≅ZncellH_n(X^n)\cong Z_n^{\mathrm{cell}}のもとでim⁡δn+1\operatorname{im}\delta_{n+1}はBncellB_n^{\mathrm{cell}}に対応する。よって

Hn(C∗cell(X))=ZncellBncell≅Hn(Xn)im⁡δn+1≅Hn(Xn+1)H_n(C_*^{\mathrm{cell}}(X)) =\frac{Z_n^{\mathrm{cell}}}{B_n^{\mathrm{cell}}} \cong \frac{H_n(X^n)}{\operatorname{im}\delta_{n+1}} \cong H_n(X^{n+1})

となる。

m>n+1m>n+1なら、対(Xm,Xm−1)(X^m,X^{m-1})の相対群は次数nnとn+1n+1でともに零である。長完全列から

Hn(Xm−1)→≅Hn(Xm)H_n(X^{m-1})\xrightarrow{\cong}H_n(X^m)

を得る。したがって骨格の第nnホモロジーはXn+1X^{n+1}以後変化しない。

最後にXXが無限個の胞体をもつ場合を扱う。有限個の特異単体からなる鎖の像はコンパクトであり、§E18.19 定理 2.2によってある有限部分複体に含まれる。したがってXXの任意の特異輪体はある有限部分複体、特にある有限骨格の中にある。また、その輪体がXXで境界なら、境界を与える有限鎖もある有限部分複体に含まれる。ゆえに自然な写像

lim→⁡mHn(Xm)⟶Hn(X)\varinjlim_m H_n(X^m)\longrightarrow H_n(X)

は全射かつ単射である。左辺はm=n+1m=n+1以後安定しているのでHn(Xn+1)≅Hn(X)H_n(X^{n+1})\cong H_n(X)となる。以上の同型を合成すると所要の比較同型を得る。

連続な胞体写像が骨格を保つ場合、すべての長完全列と連結準同型に関する図式が可換であるから、構成した同型も自然である。一般の連続写像については右辺の特異ホモロジーを通じて誘導準同型を定めれば、同じ自然性を得る。▨

無限 CW 複体の箇所で必要なのは「各骨格が有限である」という仮定ではない。各特異鎖と、それを境界にする鎖が有限個の特異単体からなり、その像が有限部分複体に入るという事実である。したがって各次元に無限個の胞体がある場合にも比較定理は成り立つ。

3 Δ 複体との比較

Δ 複体の各開単体を開胞体とみなすと CW 複体が得られる。各単体の閉包に現れる面は有限個であり、Δ 複体の位相の定義は特性写像に関する弱位相そのものである。

定理 3.1. Δ 複体XXについて、向きづけられた各単体をその特性写像で特異単体へ送る鎖写像

C∗Δ(X)⟶C∗sing(X)C_*^\Delta(X)\longrightarrow C_*^{\mathrm{sing}}(X)

はすべての次数で同型

HnΔ(X)→≅Hnsing(X)H_n^\Delta(X)\xrightarrow{\cong}H_n^{\mathrm{sing}}(X)

を誘導する。

証明.§E18.10 定義 1.1の面写像は頂点順序を保つので、向きづけられたnn単体[v0,…,vn][v_0,\ldots,v_n]の各面は誘導された向きとともに(n−1)(n-1)単体になる。胞体境界の次数公式§E18.20 定理 3.1をこの CW 構造へ適用すると、第ii面への写像の次数は(−1)i(-1)^iである。同じ面が貼り合わせによって複数回現れる場合には、それらの次数を加える。したがって胞体境界は

dncell[v0,…,vn]=∑i=0n(−1)i[v0,…,v^i,…,vn]d_n^{\mathrm{cell}}[v_0,\ldots,v_n] =\sum_{i=0}^n(-1)^i[v_0,\ldots,\widehat v_i,\ldots,v_n]

となり、§E18.10 定義 1.1で定めた単体的境界と一致する。よって

(C∗Δ(X),∂∗Δ)≅(C∗cell(X),d∗cell)(C_*^\Delta(X),\partial_*^\Delta) \cong(C_*^{\mathrm{cell}}(X),d_*^{\mathrm{cell}})

である。

この同型は、各単体の相対基本類を対応する胞体の相対基本類へ送る。定理 2.1の比較写像を構成した長完全列上で見ると、単体の特性写像を特異単体として読む鎖写像と一致する。したがってこの鎖写像はホモロジー同型を誘導する。無限 Δ 複体の場合にも、各特異鎖は有限部分複体に含まれるので同じ帰着が成り立つ。▨

この定理により、Δ 複体の境界行列による円環面、Klein の壺および実射影平面の計算と、胞体鎖複体による計算が同じ特異ホモロジー群を与えることが分かる。二つの分解で鎖群の階数が異なる場合でも、比較後のホモロジー群は一致する。

4 射影空間の計算

定理 4.1.m≥1m\geq1とする。整数係数では

Hk(RPm;Z)≅{Z,k=0,Z,k=m かつ m が奇数,Z/2Z,0<k<m かつ k が奇数,0,それ以外H_k(\mathbb{RP}^m;\mathbb Z)\cong \begin{cases} \mathbb Z,&k=0,\\ \mathbb Z,&k=m\text{ かつ }m\text{ が奇数},\\ \mathbb Z/2\mathbb Z,&0<k<m\text{ かつ }k\text{ が奇数},\\ 0,&\text{それ以外} \end{cases}

である。二元体係数では

Hk(RPm;F2)≅{F2,0≤k≤m,0,それ以外H_k(\mathbb{RP}^m;\mathbb F_2)\cong \begin{cases} \mathbb F_2,&0\leq k\leq m,\\ 0,&\text{それ以外} \end{cases}

である。

証明.§E18.20 命題 4.1により、整数係数の胞体鎖群は次数00からmmまで各次数でZ\mathbb Zであり、境界dkd_kは正の偶数次数で二倍写像、奇数次数で零写像である。0<k<m0<k<mが奇数ならker⁡dk=Z\ker d_k=\mathbb Zかつim⁡dk+1=2Z\operatorname{im}d_{k+1}=2\mathbb ZなのでHk≅Z/2ZH_k\cong\mathbb Z/2\mathbb Zである。0<k<m0<k<mが偶数ならdkd_kが単射なのでHk=0H_k=0である。最上次数では、mmが奇数ならdm=0d_m=0なのでHm≅ZH_m\cong\mathbb Z、mmが偶数ならdmd_mが単射なのでHm=0H_m=0である。次数零ではd1=0d_1=0かつ空間が弧状連結なのでH0≅ZH_0\cong\mathbb Zとなる。

係数をF2\mathbb F_2に替えると、二倍写像は零写像になる。奇数次数の境界も最初から零なので、すべての胞体境界が零になる。各次数の鎖群はF2\mathbb F_2一個であるから、表示した結果を得る。普遍係数定理は用いていない。▨

定理 4.2.m≥0m\geq0とする。整数係数では

Hk(CPm;Z)≅{Z,k=0,2,4,…,2m,0,それ以外H_k(\mathbb{CP}^m;\mathbb Z)\cong \begin{cases} \mathbb Z,&k=0,2,4,\ldots,2m,\\ 0,&\text{それ以外} \end{cases}

である。

証明.§E18.19 例 5.1の胞体分解では、0,2,…,2m0,2,\ldots,2m次元に一つずつ胞体があり、奇数次元の胞体はない。したがって

C2jcell(CPm)≅Z(0≤j≤m),C2j+1cell(CPm)=0C_{2j}^{\mathrm{cell}}(\mathbb{CP}^m)\cong\mathbb Z \quad(0\leq j\leq m), \qquad C_{2j+1}^{\mathrm{cell}}(\mathbb{CP}^m)=0

である。各境界作用素は、定義域または値域の一方が零群なので零である。よって各偶数次元の鎖群がそのままホモロジーになり、奇数次元では零になる。▨

5 閉曲面の計算

定理 5.1. 向きづけ可能な種数g≥0g\geq0の閉曲面Σg\Sigma_gについて

H0(Σg;Z)≅Z,H1(Σg;Z)≅Z2g,H2(Σg;Z)≅ZH_0(\Sigma_g;\mathbb Z)\cong\mathbb Z, \qquad H_1(\Sigma_g;\mathbb Z)\cong\mathbb Z^{2g}, \qquad H_2(\Sigma_g;\mathbb Z)\cong\mathbb Z

であり、他の次数では零である。

向きづけ不可能な種数h≥1h\geq1の閉曲面NhN_hについて

H0(Nh;Z)≅Z,H1(Nh;Z)≅Zh−1⊕Z/2Z,H2(Nh;Z)=0H_0(N_h;\mathbb Z)\cong\mathbb Z, \qquad H_1(N_h;\mathbb Z)\cong\mathbb Z^{h-1}\oplus\mathbb Z/2\mathbb Z, \qquad H_2(N_h;\mathbb Z)=0

であり、他の次数では零である。

証明.§E18.20 命題 5.1により、Σg\Sigma_gの胞体鎖複体は

0⟶Z→0Z2g→0Z⟶00\longrightarrow\mathbb Z \xrightarrow{0}\mathbb Z^{2g} \xrightarrow{0}\mathbb Z\longrightarrow0

である。したがって各鎖群がそのまま対応するホモロジー群になる。

NhN_hの胞体鎖複体は

0⟶Z→d2Zh→0Z⟶0,d2(1)=2(a1+⋯+ah)0\longrightarrow\mathbb Z \xrightarrow{d_2}\mathbb Z^h \xrightarrow{0}\mathbb Z\longrightarrow0, \qquad d_2(1)=2(a_1+\cdots+a_h)

である。a1+⋯+aha_1+\cdots+a_hはZh\mathbb Z^hの原始元である。実際、基底を

a1,…,ah−1, a1+⋯+aha_1,\ldots,a_{h-1},\ a_1+\cdots+a_h

へ取り替える行列の行列式は11である。この基底に関してd2(1)d_2(1)は最後の基底元の二倍である。したがってd2d_2は単射であり、

Zh/im⁡d2≅Zh−1⊕Z/2Z\mathbb Z^h/\operatorname{im}d_2 \cong\mathbb Z^{h-1}\oplus\mathbb Z/2\mathbb Z

となる。これがH1(Nh;Z)H_1(N_h;\mathbb Z)であり、H2(Nh;Z)=ker⁡d2=0H_2(N_h;\mathbb Z)=\ker d_2=0である。▨

6 胞体数による階数評価

系 6.1.XXのnn次元胞体の個数cnc_nが有限なら

rank⁡ZHn(X;Z)≤cn\operatorname{rank}_{\mathbb Z}H_n(X;\mathbb Z)\leq c_n

である。体KKを係数とする場合には

dim⁡KHn(X;K)≤cn\dim_K H_n(X;K)\leq c_n

である。

証明.Cncell(X;Z)≅ZcnC_n^{\mathrm{cell}}(X;\mathbb Z)\cong\mathbb Z^{c_n}であり、

Hn(X;Z)≅ker⁡dn/im⁡dn+1H_n(X;\mathbb Z) \cong\ker d_n/\operatorname{im}d_{n+1}

である。商を取る操作は自由部分の階数を増やさず、ker⁡dn\ker d_nはZcn\mathbb Z^{c_n}の部分加群なので階数は高々cnc_nである。体係数ではHnH_nはCn≅KcnC_n\cong K^{c_n}の部分空間の商であるから、次元は高々cnc_nである。▨

この評価は胞体分解に依存する上界である。同じ空間へ細かい胞体分解を入れるとcnc_nは増えることがあるが、ホモロジー群は定理 2.1によって変わらない。

7 演習

問題 7.1.

  1. RP3\mathbb{RP}^3の整数係数と二元体係数の胞体鎖複体を書き、両係数における全ホモロジー群を求めよ。
  2. 一つの零胞体、一つの一胞体および一つの二胞体をもち、二胞体の接着語がara^rである CW 複体XrX_rを考える。整数r≠0r\neq0のときのホモロジー群を求め、系 6.1を確かめよ。
  3. Δ 複体の単体を重心細分して鎖群の階数が増えても、特異ホモロジーが変わらない理由を定理 3.1から説明せよ。
解答 (解答).

(1)の整数係数鎖複体は

0⟶Z→0Z→2Z→0Z⟶00\longrightarrow\mathbb Z \xrightarrow{0}\mathbb Z \xrightarrow{2}\mathbb Z \xrightarrow{0}\mathbb Z\longrightarrow0

である。したがってH0≅ZH_0\cong\mathbb Z、H1≅Z/2ZH_1\cong\mathbb Z/2\mathbb Z、H2=0H_2=0、H3≅ZH_3\cong\mathbb Zとなる。二元体係数ではすべての境界が零なので、次数0,1,2,30,1,2,3の各ホモロジー群がF2\mathbb F_2になる。

(2)ではd2:Z→Zd_2:\mathbb Z\to\mathbb Zがrr倍写像であり、d1=0d_1=0である。r≠0r\neq0ならd2d_2は単射なので、H2=0H_2=0、H1≅Z/rZH_1\cong\mathbb Z/r\mathbb Z、H0≅ZH_0\cong\mathbb Zである。各次数の自由部分の階数は対応する胞体数以下である。

(3)では、細分前と細分後の単体的鎖複体が、それぞれ定理 3.1によって同じ空間の特異ホモロジーへ同型に写る。したがって鎖群の基底数が増えても、追加された生成元は新しい境界と輪体の関係によって相殺され、ホモロジー群は変わらない。▨

参考文献

  1. Allen Hatcher, Algebraic Topology, Cambridge University Press, 2002.単体的・胞体的ホモロジーと特異ホモロジーの比較、および射影空間と閉曲面の計算を参考にした。

前提記事