§E19.12曲面論の基本定理

最終更新

曲線論の基本定理は、曲率と捩率という二つの関数が曲線を合同変換を除いて決めることを述べていた(§E19.2 定理 5.3)。曲面についても同じ問いを立てることができる。二つの基本形式は曲面を決めるか、そして、どのような形式の組が実際に曲面から現れるか、という問いである。

曲線の場合と違い、二つの形式を勝手に与えることはできない。曲率と捩率は開区間の上の任意の関数でよかったが、二つの基本形式の成分はたがいに独立ではない。前の記事が証明した Gauss 方程式が、その最初の制約である。第一基本形式だけから決まる Gauss 曲率が、二つの基本形式の行列式の比に等しくなければならない。本記事は、標構の微分から得られるもう一組の制約、すなわち Codazzi–Mainardi 方程式を導き、この二組を合わせた条件が局所的には十分でもあることを証明する。

本記事が実際に示すのは次の四つである。第一に、Codazzi–Mainardi 方程式である。第二に、Gauss 方程式と合わせた適合条件の定式化と、実際のはめ込みがそれを満たすことである。第三に、単連結な領域の上で線形な全微分方程式系が大域解を持つことである。第四に、曲面論の基本定理、すなわち適合条件を満たす二つの形式に対して、それらを基本形式に持つはめ込みが存在し、向きを保つ合同変換を除いて一意であることである。

本定理は局所定理である。領域が単連結であるという仮定を外すこと、大域的な曲面を作ること、およびC∞C^\inftyより低い正則性へ広げることは扱わない。

以下、R3\mathbb{R}^3の標準内積を⟨ , ⟩\langle\ ,\ \rangle、ベクトル積を×\times(§E19.2 定義 1.1)、ノルムを∥ ∥\lVert\ \rVertと書く。R2\mathbb{R}^2の開集合の座標を(u,v)(u,v)と書き、座標基底を∂1=∂/∂u\partial_1=\partial/\partial u、∂2=∂/∂v\partial_2=\partial/\partial vと書く。

1 Codazzi–Mainardi 方程式

定理 1.1 (Codazzi–Mainardi 方程式).M⊆R3M\subseteq\mathbb{R}^3を向きづけられた正則曲面、U⊆MU\subseteq Mを開集合、(e1,e2,e3)(e_1,e_2,e_3)をUU上の適合標構(§E19.10 定義 1.2)とする。このときUUの上で

dω13=ω12∧ω23,dω23=ω21∧ω13=−ω12∧ω13d\omega_{13}=\omega_{12}\wedge\omega_{23},\qquad d\omega_{23}=\omega_{21}\wedge\omega_{13}=-\omega_{12}\wedge\omega_{13}

が成り立つ。

証明.X,YX,YをUU上の接ベクトル場とする。§E19.10 命題 2.2 (4)と§E19.10 命題 2.2 (3)により

DXe1=ω12(X)e2+ω13(X)e3,DXe2=−ω12(X)e1+ω23(X)e3,D_Xe_1=\omega_{12}(X)e_2+\omega_{13}(X)e_3,\qquad D_Xe_2=-\omega_{12}(X)e_1+\omega_{23}(X)e_3,DXe3=−ω13(X)e1−ω23(X)e2D_Xe_3=-\omega_{13}(X)e_1-\omega_{23}(X)e_2

である。

第一の式を示す。(e1,e2,e3)(e_1,e_2,e_3)は各点で正規直交基底であるから

⟨DYe1,DXe3⟩=⟨ ω12(Y)e2+ω13(Y)e3,  −ω13(X)e1−ω23(X)e2 ⟩=−ω12(Y) ω23(X)\langle D_Ye_1,D_Xe_3\rangle =\bigl\langle\ \omega_{12}(Y)e_2+\omega_{13}(Y)e_3,\ \ -\omega_{13}(X)e_1-\omega_{23}(X)e_2\ \bigr\rangle =-\omega_{12}(Y)\,\omega_{23}(X)

である。XXとYYを入れ替えると⟨DXe1,DYe3⟩=−ω12(X) ω23(Y)\langle D_Xe_1,D_Ye_3\rangle=-\omega_{12}(X)\,\omega_{23}(Y)である。§E19.10 補題 5.2を(i,j)=(1,3)(i,j)=(1,3)に適用すると

dω13(X,Y)=−ω12(Y)ω23(X)+ω12(X)ω23(Y)=(ω12∧ω23)(X,Y)d\omega_{13}(X,Y)=-\omega_{12}(Y)\omega_{23}(X)+\omega_{12}(X)\omega_{23}(Y) =\bigl(\omega_{12}\wedge\omega_{23}\bigr)(X,Y)

を得る。

第二の式を示す。同様に

⟨DYe2,DXe3⟩=⟨ −ω12(Y)e1+ω23(Y)e3,  −ω13(X)e1−ω23(X)e2 ⟩=ω12(Y) ω13(X)\langle D_Ye_2,D_Xe_3\rangle =\bigl\langle\ -\omega_{12}(Y)e_1+\omega_{23}(Y)e_3,\ \ -\omega_{13}(X)e_1-\omega_{23}(X)e_2\ \bigr\rangle =\omega_{12}(Y)\,\omega_{13}(X)

であり、XXとYYを入れ替えると⟨DXe2,DYe3⟩=ω12(X) ω13(Y)\langle D_Xe_2,D_Ye_3\rangle=\omega_{12}(X)\,\omega_{13}(Y)である。§E19.10 補題 5.2を(i,j)=(2,3)(i,j)=(2,3)に適用すると

dω23(X,Y)=ω12(Y)ω13(X)−ω12(X)ω13(Y)=−(ω12∧ω13)(X,Y)d\omega_{23}(X,Y)=\omega_{12}(Y)\omega_{13}(X)-\omega_{12}(X)\omega_{13}(Y) =-\bigl(\omega_{12}\wedge\omega_{13}\bigr)(X,Y)

を得る。ω21=−ω12\omega_{21}=-\omega_{12}であるから、右辺はω21∧ω13\omega_{21}\wedge\omega_{13}に等しい。▨

2 適合条件

ここからは、曲面が与えられていない状態から出発する。平面の開集合の上に二つの対称二次形式を与え、それらが曲面の二つの基本形式でありうるための条件を書き下す。

定義 2.1.V⊆R2V\subseteq\mathbb{R}^2を開集合、x ⁣:V→R3\boldsymbol{x}\colon V\to\mathbb{R}^3をC∞C^\inftyのはめ込みとする。§E19.3 補題 1.4によりxu×xv≠0\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_v\ne0であるから

N=xu×xv∥xu×xv∥N=\frac{\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_v}{\lVert\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_v\rVert}

はVV上のC∞C^\infty写像である。

E=⟨xu,xu⟩,F=⟨xu,xv⟩,G=⟨xv,xv⟩,E=\langle\boldsymbol{x}_u,\boldsymbol{x}_u\rangle,\quad F=\langle\boldsymbol{x}_u,\boldsymbol{x}_v\rangle,\quad G=\langle\boldsymbol{x}_v,\boldsymbol{x}_v\rangle,e=⟨N,xuu⟩,f=⟨N,xuv⟩,g=⟨N,xvv⟩e=\langle N,\boldsymbol{x}_{uu}\rangle,\quad f=\langle N,\boldsymbol{x}_{uv}\rangle,\quad g=\langle N,\boldsymbol{x}_{vv}\rangle

と置き、(E,F,G)(E,F,G)をx\boldsymbol{x}の第一基本形式の成分 (components of the first fundamental form)、(e,f,g)(e,f,g)を第二基本形式の成分 (components of the second fundamental form) という。

x\boldsymbol{x}が正則パラメータ表示(§E19.3 定義 1.3)であるとき、これらは§E19.4 定義 1.3と§E19.5 命題 3.2の成分に一致する。ただし第二基本形式については、像の向きをNNで与えた場合である。

定義 2.2.V⊆R2V\subseteq\mathbb{R}^2を開集合とし、VV上のC∞C^\infty関数の組(E,F,G)(E,F,G)と(e,f,g)(e,f,g)が

E>0,EG−F2>0E>0,\qquad EG-F^2>0

をVVの各点で満たすとする。各点の接空間の上の対称双線形形式であって座標基底に関する成分が(E,F,G)(E,F,G)、(e,f,g)(e,f,g)であるものを、それぞれI\mathrm{I}、II\mathrm{II}と書く。I\mathrm{I}は各点で正定値であるから、(V,I)(V,\mathrm{I})は抽象曲面である(§E19.7 定義 5.1)。

この組に対して次を定める。

  1. 標構と余標構。§E19.10 命題 1.3の式を座標基底へ適用して e1=∂1E,e2=E ∂2−F ∂1EEG−F2,e_1=\frac{\partial_1}{\sqrt{E}},\qquad e_2=\frac{E\,\partial_2-F\,\partial_1}{\sqrt{E}\sqrt{EG-F^2}}, ω1=E du+FE dv,ω2=EG−F2E dv\omega_1=\sqrt{E}\,du+\frac{F}{\sqrt{E}}\,dv,\qquad \omega_2=\frac{\sqrt{EG-F^2}}{\sqrt{E}}\,dv と定める。(e1,e2)(e_1,e_2)は(V,I)(V,\mathrm{I})の正規直交接標構であり、(ω1,ω2)(\omega_1,\omega_2)はその余標構である(§E19.10 注意 6.1)。
  2. 接続形式。ω12\omega_{12}を、dω1=ω12∧ω2d\omega_1=\omega_{12}\wedge\omega_2とdω2=−ω12∧ω1d\omega_2=-\omega_{12}\wedge\omega_1をともに満たすただ一つの一次微分形式とする(§E19.10 定理 3.2)。ω21=−ω12\omega_{21}=-\omega_{12}と書く。
  3. 法線方向の形式。hij=II(ei,ej)h_{ij}=\mathrm{II}(e_i,e_j)(i,j∈{1,2}i,j\in\{1,2\})と置き ω13=h11 ω1+h12 ω2,ω23=h12 ω1+h22 ω2\omega_{13}=h_{11}\,\omega_1+h_{12}\,\omega_2,\qquad \omega_{23}=h_{12}\,\omega_1+h_{22}\,\omega_2 と定める。ω31=−ω13\omega_{31}=-\omega_{13}、ω32=−ω23\omega_{32}=-\omega_{23}、ω11=ω22=ω33=0\omega_{11}=\omega_{22}=\omega_{33}=0と書く。

上の 3 で置いたω13\omega_{13}、ω23\omega_{23}は、はめ込みが与えられている場合の法線方向の接続形式(§E19.10 命題 5.3)と同じ形をしている。実際、次が成り立つ。

命題 2.3.定義 2.2の記号のもとで、次が成り立つ。

  1. h12=h21h_{12}=h_{21}である。
  2. VVの各点のすべての接ベクトルXXについてω13(X)=II(X,e1)\omega_{13}(X)=\mathrm{II}(X,e_1)かつω23(X)=II(X,e2)\omega_{23}(X)=\mathrm{II}(X,e_2)が成り立つ。

証明.(1)を示す。II\mathrm{II}は各点で対称双線形形式であるからh12=II(e1,e2)=II(e2,e1)=h21h_{12}=\mathrm{II}(e_1,e_2)=\mathrm{II}(e_2,e_1)=h_{21}である。

(2)を示す。(ω1,ω2)(\omega_1,\omega_2)は(e1,e2)(e_1,e_2)の双対余標構であるからωi(ej)=δij\omega_i(e_j)=\delta_{ij}であり、各接ベクトルはX=ω1(X) e1+ω2(X) e2X=\omega_1(X)\,e_1+\omega_2(X)\,e_2と書かれる。II\mathrm{II}の双線形性と(1)により

II(X,e1)=ω1(X) h11+ω2(X) h21=h11 ω1(X)+h12 ω2(X)=ω13(X)\mathrm{II}(X,e_1)=\omega_1(X)\,h_{11}+\omega_2(X)\,h_{21}=h_{11}\,\omega_1(X)+h_{12}\,\omega_2(X)=\omega_{13}(X)

であり、同様に

II(X,e2)=ω1(X) h12+ω2(X) h22=ω23(X)\mathrm{II}(X,e_2)=\omega_1(X)\,h_{12}+\omega_2(X)\,h_{22}=\omega_{23}(X)

である。▨

定義 2.4.定義 2.2の記号のもとで、組(I,II)(\mathrm{I},\mathrm{II})が適合条件 (compatibility conditions) を満たすとは、VVの上で次の二つがともに成り立つことをいう。

  1. Gauss 方程式。dω12=−ω13∧ω23d\omega_{12}=-\omega_{13}\wedge\omega_{23}である。
  2. Codazzi–Mainardi 方程式。dω13=ω12∧ω23d\omega_{13}=\omega_{12}\wedge\omega_{23}かつdω23=ω21∧ω13d\omega_{23}=\omega_{21}\wedge\omega_{13}である。

条件 (a)は、「Gauss 方程式と Gauss の驚異の定理」が証明した Gauss 方程式(§E19.11 定理 1.1)と第二構造方程式(§E19.10 定理 5.4)を合わせた形であり、条件 (b)は定理 1.1の形である。

命題 2.5.定義 2.2の記号のもとで、KIK_{\mathrm{I}}を抽象曲面(V,I)(V,\mathrm{I})の Gauss 曲率(§E19.11 定理 2.1)とする。次の二つは同値である。

  1. dω12=−ω13∧ω23d\omega_{12}=-\omega_{13}\wedge\omega_{23}である。
  2. VVの上で KI=eg−f2EG−F2K_{\mathrm{I}}=\frac{eg-f^2}{EG-F^2} が成り立つ。

証明.§E19.11 定理 1.1の証明の最初の計算は、ω13\omega_{13}とω23\omega_{23}の定義 2.2における定義だけを用いており、曲面の存在を用いていない。同じ計算により

ω13∧ω23=(h11h22−h122) ω1∧ω2\omega_{13}\wedge\omega_{23}=\bigl(h_{11}h_{22}-h_{12}^2\bigr)\,\omega_1\wedge\omega_2

である。

h11h22−h122h_{11}h_{22}-h_{12}^2を成分で表す。ei=∑k=12aki∂ke_i=\sum_{k=1}^{2}a_{ki}\partial_kと書き、A=(aki)A=(a_{ki})と置く。座標基底に関する成分行列を

[I]=(EFFG),[II]=(effg)[\mathrm{I}]=\begin{pmatrix}E&F\\F&G\end{pmatrix},\qquad [\mathrm{II}]=\begin{pmatrix}e&f\\f&g\end{pmatrix}

と書くと、(e1,e2)(e_1,e_2)がI\mathrm{I}について正規直交であることはAT[I]AA^{\mathsf T}[\mathrm{I}]Aが単位行列であることと同値である。行列式を取ると(det⁡A)2(EG−F2)=1(\det A)^2(EG-F^2)=1である。また(hij)=AT[II]A(h_{ij})=A^{\mathsf T}[\mathrm{II}]Aであるから

h11h22−h122=(det⁡A)2(eg−f2)=eg−f2EG−F2h_{11}h_{22}-h_{12}^2=(\det A)^2\bigl(eg-f^2\bigr)=\frac{eg-f^2}{EG-F^2}

である。

一方、§E19.11 定理 2.1 (1)によりdω12=−KI ω1∧ω2d\omega_{12}=-K_{\mathrm{I}}\,\omega_1\wedge\omega_2である。(ω1∧ω2)(e1,e2)=1(\omega_1\wedge\omega_2)(e_1,e_2)=1であるからω1∧ω2\omega_1\wedge\omega_2は各点で消えない。したがって(1)は

KI ω1∧ω2=(h11h22−h122) ω1∧ω2K_{\mathrm{I}}\,\omega_1\wedge\omega_2=\bigl(h_{11}h_{22}-h_{12}^2\bigr)\,\omega_1\wedge\omega_2

と同値であり、これは(2)と同値である。▨

次の命題は、はめ込みが与えられているときに、そこから作られるR3\mathbb{R}^3に値を持つ標構と、定義 2.2が形式の組だけから作った一次微分形式との対応を与える。適合条件の必要性と、基本定理の一意性の両方がこの対応を用いる。

命題 2.6.V⊆R2V\subseteq\mathbb{R}^2を開集合、x ⁣:V→R3\boldsymbol{x}\colon V\to\mathbb{R}^3をC∞C^\inftyのはめ込みとし、(E,F,G)(E,F,G)、(e,f,g)(e,f,g)、NNを定義 2.1のとおりとする。ω1,ω2,ωij\omega_1,\omega_2,\omega_{ij}を、この成分の組に対する定義 2.2の形式とする。

a1=xuE,a2=E xv−F xuEEG−F2,a3=Na_1=\frac{\boldsymbol{x}_u}{\sqrt{E}},\qquad a_2=\frac{E\,\boldsymbol{x}_v-F\,\boldsymbol{x}_u}{\sqrt{E}\sqrt{EG-F^2}},\qquad a_3=N

と置く。このとき次が成り立つ。

  1. (a1,a2,a3)(a_1,a_2,a_3)はVVの各点でR3\mathbb{R}^3の正の向きの正規直交基底であり、a3=a1×a2a_3=a_1\times a_2である。
  2. k∈{1,2}k\in\{1,2\}について∂kx=ω1(∂k) a1+ω2(∂k) a2\partial_k\boldsymbol{x}=\omega_1(\partial_k)\,a_1+\omega_2(\partial_k)\,a_2である。
  3. i,j∈{1,2,3}i,j\in\{1,2,3\}とk∈{1,2}k\in\{1,2\}について⟨∂kai, aj⟩=ωij(∂k)\langle\partial_ka_i,\ a_j\rangle=\omega_{ij}(\partial_k)である。したがって ∂kai=∑j=13ωij(∂k) aj\partial_ka_i=\sum_{j=1}^{3}\omega_{ij}(\partial_k)\,a_j である。

証明.(1)を示す。a1,a2a_1,a_2は§E19.10 命題 1.3の式であり、同命題の計算がそのまま成り立つので(a1,a2)(a_1,a_2)は正規直交であり

a1×a2=xu×xvEG−F2=N=a3a_1\times a_2=\frac{\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_v}{\sqrt{EG-F^2}}=N=a_3

である(∥xu×xv∥=EG−F2\lVert\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_v\rVert=\sqrt{EG-F^2}は§E19.4 補題 1.5による)。§E19.2 補題 1.2 (3)により(a1,a2,a3)(a_1,a_2,a_3)は正の向きの正規直交基底である。

(2)を示す。∂kx\partial_k\boldsymbol{x}はa1,a2a_1,a_2の張る平面に属するから∂kx=⟨∂kx,a1⟩a1+⟨∂kx,a2⟩a2\partial_k\boldsymbol{x}=\langle\partial_k\boldsymbol{x},a_1\rangle a_1+\langle\partial_k\boldsymbol{x},a_2\rangle a_2である。直接に計算すると

⟨xu,a1⟩=EE=E,⟨xv,a1⟩=FE,\langle\boldsymbol{x}_u,a_1\rangle=\frac{E}{\sqrt{E}}=\sqrt{E},\qquad \langle\boldsymbol{x}_v,a_1\rangle=\frac{F}{\sqrt{E}},⟨xu,a2⟩=EF−FEEEG−F2=0,⟨xv,a2⟩=EG−F2EEG−F2=EG−F2E\langle\boldsymbol{x}_u,a_2\rangle=\frac{EF-FE}{\sqrt{E}\sqrt{EG-F^2}}=0,\qquad \langle\boldsymbol{x}_v,a_2\rangle=\frac{EG-F^2}{\sqrt{E}\sqrt{EG-F^2}}=\frac{\sqrt{EG-F^2}}{\sqrt{E}}

である。これらは定義 2.2 (1)のω1,ω2\omega_1,\omega_2の座標基底に対する値に一致する。

(3)を示す。主張はVVの各点における等式であるから、各点の近傍で示せば足りる。q0∈Vq_0\in Vを取る。§E19.3 補題 1.5により、q0q_0の開近傍V1⊆VV_1\subseteq Vを取ってx∣V1\boldsymbol{x}|_{V_1}を単射かつ像への同相にすることができる。したがってx∣V1\boldsymbol{x}|_{V_1}は正則パラメータ表示であり(§E19.3 定義 1.3)、§E19.3 定理 1.6によりM1=x(V1)M_1=\boldsymbol{x}(V_1)は正則曲面である。M1M_1にNNが与える向きを入れ、Φ=x∣V1 ⁣:V1→M1\Phi=\boldsymbol{x}|_{V_1}\colon V_1\to M_1と書く。Φ\Phiは微分同相である(§E19.3 命題 1.7)。

M1M_1の上で§E19.10 命題 1.3の適合標構(eˉ1,eˉ2,eˉ3)(\bar e_1,\bar e_2,\bar e_3)を取る。定義からeˉi∘Φ=ai\bar e_i\circ\Phi=a_iである。その余標構と接続形式をωˉ1,ωˉ2,ωˉij\bar\omega_1,\bar\omega_2,\bar\omega_{ij}と書く。

まずωi=Φ∗ωˉi\omega_i=\Phi^{*}\bar\omega_i(i=1,2i=1,2)である。実際、dΦ(∂k)=∂kxd\Phi(\partial_k)=\partial_k\boldsymbol{x}であり、ωˉi(X)=⟨X,eˉi⟩\bar\omega_i(X)=\langle X,\bar e_i\rangle(§E19.10 定義 1.2)であるから、2 の証明で計算した内積により

(Φ∗ωˉi)(∂k)=ωˉi(∂kx)=⟨∂kx, ai⟩=ωi(∂k)\bigl(\Phi^{*}\bar\omega_i\bigr)(\partial_k)=\bar\omega_i\bigl(\partial_k\boldsymbol{x}\bigr) =\langle\partial_k\boldsymbol{x},\ a_i\rangle=\omega_i(\partial_k)

である。

次に、i,j∈{1,2,3}i,j\in\{1,2,3\}について

(Φ∗ωˉij)(∂k)=ωˉij(dΦ(∂k))=⟨DdΦ(∂k)eˉi, eˉj⟩=⟨∂k(eˉi∘Φ), eˉj∘Φ⟩=⟨∂kai, aj⟩\bigl(\Phi^{*}\bar\omega_{ij}\bigr)(\partial_k)=\bar\omega_{ij}\bigl(d\Phi(\partial_k)\bigr) =\bigl\langle D_{d\Phi(\partial_k)}\bar e_i,\ \bar e_j\bigr\rangle =\bigl\langle\partial_k(\bar e_i\circ\Phi),\ \bar e_j\circ\Phi\bigr\rangle =\langle\partial_ka_i,\ a_j\rangle

である。ここで第三の等号は、方向微分の定義(§E19.7 定義 1.3)と連鎖律による。すなわち、曲線t↦Φ(q+tek)t\mapsto\Phi(q+te_k)を用いるとDdΦ(∂k)eˉi=∂k(eˉi∘Φ)D_{d\Phi(\partial_k)}\bar e_i=\partial_k(\bar e_i\circ\Phi)である。

最後に、Φ∗ωˉij\Phi^{*}\bar\omega_{ij}が定義 2.2のωij\omega_{ij}に一致することを見る。(i,j)=(1,3),(2,3)(i,j)=(1,3),(2,3)については、§E19.10 命題 5.3によりωˉi3(X)=II‾(X,eˉi)\bar\omega_{i3}(X)=\overline{\mathrm{II}}(X,\bar e_i)であり、定義 2.1によりII‾\overline{\mathrm{II}}の成分は(e,f,g)(e,f,g)であるからhˉij=hij\bar h_{ij}=h_{ij}であり、Φ∗ωˉi3=hi1ω1+hi2ω2=ωi3\Phi^{*}\bar\omega_{i3}=h_{i1}\omega_1+h_{i2}\omega_2=\omega_{i3}である。(i,j)=(1,2)(i,j)=(1,2)については、引き戻しが外微分および外積と可換であること(「多様体入門」の§E17.11 命題 3.1と§E17.10 定理 5.3)と§E19.10 定理 3.1により

dω1=Φ∗dωˉ1=(Φ∗ωˉ12)∧ω2,dω2=−(Φ∗ωˉ12)∧ω1d\omega_1=\Phi^{*}d\bar\omega_1=\bigl(\Phi^{*}\bar\omega_{12}\bigr)\wedge\omega_2,\qquad d\omega_2=-\bigl(\Phi^{*}\bar\omega_{12}\bigr)\wedge\omega_1

が成り立つので、§E19.10 定理 3.2によりΦ∗ωˉ12=ω12\Phi^{*}\bar\omega_{12}=\omega_{12}である。残る添字は交代性ωˉji=−ωˉij\bar\omega_{ji}=-\bar\omega_{ij}とωji=−ωij\omega_{ji}=-\omega_{ij}から従う。

以上によりV1V_1の上で⟨∂kai,aj⟩=ωij(∂k)\langle\partial_ka_i,a_j\rangle=\omega_{ij}(\partial_k)が成り立つ。q0q_0は任意であったからVVの全体で成り立つ。最後の等式は、(a1,a2,a3)(a_1,a_2,a_3)が各点で正規直交基底であることから

∂kai=∑j=13⟨∂kai,aj⟩ aj\partial_ka_i=\sum_{j=1}^{3}\langle\partial_ka_i,a_j\rangle\,a_j

と書かれることによる。▨

命題 2.7.V⊆R2V\subseteq\mathbb{R}^2を開集合、x ⁣:V→R3\boldsymbol{x}\colon V\to\mathbb{R}^3をC∞C^\inftyのはめ込みとし、(E,F,G)(E,F,G)と(e,f,g)(e,f,g)を定義 2.1の成分とする。このとき組(I,II)(\mathrm{I},\mathrm{II})は適合条件(定義 2.4)を満たす。

証明. 適合条件はVVの各点における微分形式の等式であるから、各点の近傍で確かめれば足りる。命題 2.6 (3)の証明で取ったV1V_1、M1M_1、Φ\Phiをそのまま用いる。同証明により、V1V_1の上でωij=Φ∗ωˉij\omega_{ij}=\Phi^{*}\bar\omega_{ij}が成り立つ。

M1M_1の上では、§E19.10 定理 5.4によりdωˉ12=−ωˉ13∧ωˉ23d\bar\omega_{12}=-\bar\omega_{13}\wedge\bar\omega_{23}が、定理 1.1によりdωˉ13=ωˉ12∧ωˉ23d\bar\omega_{13}=\bar\omega_{12}\wedge\bar\omega_{23}とdωˉ23=ωˉ21∧ωˉ13d\bar\omega_{23}=\bar\omega_{21}\wedge\bar\omega_{13}が成り立つ。引き戻しは外微分および外積と可換であるから、三つの等式をΦ\Phiで引き戻すと、V1V_1の上の等式として適合条件が得られる。▨

3 単連結な領域における全微分方程式系

曲面を復元する手続きは、標構と位置ベクトルを未知数とする一階の全微分方程式系を解くことである。「多様体入門」の§E17.13 定理 5.3は、可積分条件が満たされるとき各点の近傍で解が存在することを与える。本節は、領域が単連結であればその局所解が領域全体へ広がることを証明する。

以下、mmを正の整数とし、開集合V⊆RnV\subseteq\mathbb{R}^nの上のmm次正方行列に値を持つC∞C^\infty一次微分形式A\mathcal{A}(§E17.13 定義 5.1)と、C∞C^\infty写像Y ⁣:V→RmY\colon V\to\mathbb{R}^mについての方程式

dY=A YdY=\mathcal{A}\,Y

を考える。座標表示A=∑i=1nAi dxi\mathcal{A}=\sum_{i=1}^{n}\mathcal{A}_i\,dx^i(§E17.13 命題 5.2)を用いると、この方程式は∂Y/∂xi=AiY\partial Y/\partial x^i=\mathcal{A}_iY(i=1,…,ni=1,\dots,n)と同値である。

補題 3.1.V⊆RnV\subseteq\mathbb{R}^nを連結開集合、A\mathcal{A}を上のとおりとする。C∞C^\infty写像Y1,Y2 ⁣:V→RmY_1,Y_2\colon V\to\mathbb{R}^mがともにdY=AYdY=\mathcal{A}Yを満たし、ある一点p0∈Vp_0\in VでY1(p0)=Y2(p0)Y_1(p_0)=Y_2(p_0)が成り立つならば、VVの全体でY1=Y2Y_1=Y_2である。

証明.Z=Y1−Y2Z=Y_1-Y_2と置くとZZはC∞C^\inftyでありdZ=AZdZ=\mathcal{A}Z、Z(p0)=0Z(p_0)=0を満たす。

S={p∈V:Z(p)=0}S=\{p\in V:Z(p)=0\}

と置く。ZZは連続であるからSSはVVの閉集合であり、p0∈Sp_0\in Sであるから空でない。

SSが開であることを示す。q∈Sq\in Sを取り、B={p:∥p−q∥<r}⊆VB=\{p:\lVert p-q\rVert<r\}\subseteq Vを開球とする。y∈By\in Bを取り、c(t)=q+t(y−q)c(t)=q+t(y-q)と置く。y≠qy\ne qのとき、∣t∣<r/∥y−q∥\lvert t\rvert<r/\lVert y-q\rVertならばc(t)∈Bc(t)\in Bであり、r/∥y−q∥>1r/\lVert y-q\rVert>1であるから、開区間J=(−1, r/∥y−q∥)J=\bigl(-1,\ r/\lVert y-q\rVert\bigr)は[0,1][0,1]を含みc(J)⊆Bc(J)\subseteq Bを満たす(y=qy=qのときはJ=RJ=\mathbb{R}と取る)。W(t)=Z(c(t))W(t)=Z(c(t))と置くと、連鎖律により

W′(t)=dZc(t)(y−q)=Ac(t)(y−q) Z(c(t))=Ac(t)(y−q) W(t)W'(t)=dZ_{c(t)}(y-q)=\mathcal{A}_{c(t)}(y-q)\,Z(c(t))=\mathcal{A}_{c(t)}(y-q)\,W(t)

である。t↦Ac(t)(y−q)t\mapsto\mathcal{A}_{c(t)}(y-q)はJJ上の連続な行列値関数であるから、「常微分方程式」の§E10.7 系 1.2により、初期値W(0)=Z(q)=0W(0)=Z(q)=0を満たす解はJJの全体でただ一つである。恒等的に00である写像はこの初期値問題の解であるからW≡0W\equiv0であり、とくにZ(y)=W(1)=0Z(y)=W(1)=0である。y∈By\in Bは任意であったからB⊆SB\subseteq Sである。

SSはVVの空でない開かつ閉な部分集合であり、VVは連結であるからS=VS=Vである。▨

補題 3.2.V⊆RnV\subseteq\mathbb{R}^nを開集合、A\mathcal{A}を上のとおりとし、VVの上でdA−A∧A=0d\mathcal{A}-\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}=0が成り立つとする。このとき各q∈Vq\in Vに対して、qqを中心とする開球B⊆VB\subseteq Vであって次を満たすものが存在する。

すべてのy∈By\in Bとすべてのη∈Rm\eta\in\mathbb{R}^mに対して、dY=AYdY=\mathcal{A}YとY(y)=ηY(y)=\etaを満たすC∞C^\infty写像Y ⁣:B→RmY\colon B\to\mathbb{R}^mがちょうど一つ存在する。

この性質を満たす開球を、以下では良い球という。良い球に含まれる開球は、ふたたび良い球である。

証明.§E17.13 定理 5.3を適用すると、qqの開近傍W⊆VW\subseteq VとC∞C^\infty写像Y ⁣:W→Mm(R)\mathcal{Y}\colon W\to M_m(\mathbb{R})であってdY=AYd\mathcal{Y}=\mathcal{A}\mathcal{Y}とY(q)=I\mathcal{Y}(q)=I(単位行列)を満たすものが存在する。B⊆WB\subseteq Wをqqを中心とする開球とする。

η∈Rm\eta\in\mathbb{R}^mに対してY=YηY=\mathcal{Y}\etaと置くと、dY=(dY)η=AYη=AYdY=(d\mathcal{Y})\eta=\mathcal{A}\mathcal{Y}\eta=\mathcal{A}YでありY(q)=ηY(q)=\etaである。すなわち、qqにおける値を任意に指定した解がBBの上に存在する。

BBの上の解の全体をSol(B)\mathrm{Sol}(B)と書くと、これは実線形空間である。BBは連結であるから、補題 3.1により評価写像

evq ⁣:Sol(B)→Rm,Y↦Y(q)\mathrm{ev}_q\colon\mathrm{Sol}(B)\to\mathbb{R}^m,\qquad Y\mapsto Y(q)

は単射であり、前段により全射である。したがってSol(B)\mathrm{Sol}(B)の次元はmmである。y∈By\in Bを取ると、同じ理由でevy\mathrm{ev}_yは単射な線形写像であり、mm次元空間からmm次元空間への単射であるから全単射である。すなわち、yyにおける値を任意に指定した解がBBの上にちょうど一つ存在する。

最後の主張を示す。B′⊆BB'\subseteq Bを開球とし、y∈B′y\in B'、η∈Rm\eta\in\mathbb{R}^mとする。BBの上の解をB′B'へ制限すれば存在が従い、B′B'は連結であるから補題 3.1により一意性が従う。▨

定理 3.3.V⊆RnV\subseteq\mathbb{R}^nを単連結な開集合(「位相幾何入門」の§E18.4 定義 3.4)とし、A\mathcal{A}をVV上のmm次正方行列に値を持つC∞C^\infty一次微分形式であってdA−A∧A=0d\mathcal{A}-\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}=0を満たすものとする。p0∈Vp_0\in Vとη0∈Rm\eta_0\in\mathbb{R}^mを取る。このとき

dY=A Y,Y(p0)=η0dY=\mathcal{A}\,Y,\qquad Y(p_0)=\eta_0

を満たすC∞C^\infty写像Y ⁣:V→RmY\colon V\to\mathbb{R}^mがちょうど一つ存在する。

証明の方針を述べる。§E17.13 定理 5.3が与えるのは各点の近傍における解であり、それだけでは領域全体の解は得られない。局所解を貼り合わせようとすると、貼り合わせが道の取り方に依存するかどうかという問題が生じる。この問題は被覆空間の言葉で扱うのが最も短い。すなわち、集合V×RmV\times\mathbb{R}^mに、局所解のグラフを基本開集合とする位相を入れると、第一成分への射影が被覆写像になる。単連結性は、恒等写像がこの被覆へ持ち上がることを保証し、その持ち上げが求める解のグラフを与える。

証明. 一意性を示す。単連結性の定義(§E18.4 定義 3.4)は弧状連結性を含み、弧状連結な空間は連結である。したがって補題 3.1が一意性を与える。

良い球が位相の基底をなすことを確かめる。補題 3.2により、VVの各点は良い球の中心である。また、良い球に含まれる開球は良い球である。VVの開集合OOとq∈Oq\in Oに対して、qqを中心とする良い球BBを取り、B∩OB\cap Oに含まれるqq中心の開球を取れば、それは良い球であってOOに含まれる。したがって良い球の全体はVVの位相の基底である。

被覆空間を作る。集合としてE=V×Rm\mathcal{E}=V\times\mathbb{R}^mと置く。良い球BBとBBの上の解YYに対して

G(B,Y)={ (y,Y(y)) : y∈B }⊆EG(B,Y)=\bigl\{\,(y,Y(y))\ :\ y\in B\,\bigr\}\subseteq\mathcal{E}

と置く。このような集合の全体がE\mathcal{E}の位相の基底の条件を満たすことを示す。第一に、(q,η)∈E(q,\eta)\in\mathcal{E}に対し、qqを中心とする良い球BBとY(q)=ηY(q)=\etaを満たすBB上の解YYを取れば(q,η)∈G(B,Y)(q,\eta)\in G(B,Y)である。第二に、(q,η)∈G(B,Y)∩G(B′,Y′)(q,\eta)\in G(B,Y)\cap G(B',Y')とするとq∈B∩B′q\in B\cap B'かつY(q)=η=Y′(q)Y(q)=\eta=Y'(q)である。qqを中心としてB∩B′B\cap B'に含まれる良い球B′′B''を取ると、B′′B''は連結でありYYとY′Y'の制限はともにB′′B''上の解であってqqで一致するから、補題 3.1によりB′′B''の上で一致する。したがって

(q,η)∈G(B′′,Y∣B′′)⊆G(B,Y)∩G(B′,Y′)(q,\eta)\in G\bigl(B'',Y|_{B''}\bigr)\subseteq G(B,Y)\cap G(B',Y')

である。よって基底の条件が満たされる。この基底が生成する位相をE\mathcal{E}に入れる。

P ⁣:E→VP\colon\mathcal{E}\to Vを第一成分への射影とする。PPは全射である。PPが連続であることを示す。O⊆VO\subseteq Vを開集合、(q,η)∈P−1(O)(q,\eta)\in P^{-1}(O)とすると、qqを中心としてOOに含まれる良い球BBと、Y(q)=ηY(q)=\etaを満たすBB上の解YYを取ることができる。G(B,Y)⊆P−1(O)G(B,Y)\subseteq P^{-1}(O)かつ(q,η)∈G(B,Y)(q,\eta)\in G(B,Y)であるからP−1(O)P^{-1}(O)は開である。

良い球が均等被覆近傍であることを示す。BBを良い球とする。y∈By\in Bとη∈Rm\eta\in\mathbb{R}^mに対してY(y)=ηY(y)=\etaを満たすBB上の解YYがちょうど一つ存在するから

P−1(B)=⋃Y∈Sol(B)G(B,Y)P^{-1}(B)=\bigcup_{Y\in\mathrm{Sol}(B)}G(B,Y)

である。二つの相異なる解Y≠Y′Y\ne Y'に対してG(B,Y)∩G(B,Y′)=∅G(B,Y)\cap G(B,Y')=\varnothingである。実際、共通の点があればYYとY′Y'は一点で一致し、BBは連結であるから補題 3.1によりY=Y′Y=Y'となる。各G(B,Y)G(B,Y)は基底の元であるから開である。PPのG(B,Y)G(B,Y)への制限はBBへの全単射であり、連続である。さらに開写像である。実際、G(B,Y)G(B,Y)に含まれる基底の元G(B′′,Y′′)G(B'',Y'')の像はB′′B''であって開である。したがってP∣G(B,Y)P|_{G(B,Y)}は同相写像である。以上によりPPは被覆写像である(§E18.5 定義 1.1)。

持ち上げを取る。VVはRn\mathbb{R}^nの開集合であるから局所弧状連結である(§E18.5 定義 4.1。各点は弧状連結な開球からなる近傍系を持つ)。また単連結であるから連結であり、π1(V,p0)\pi_1(V,p_0)は自明群である。e0=(p0,η0)∈Ee_0=(p_0,\eta_0)\in\mathcal{E}と置き、恒等写像id ⁣:(V,p0)→(V,p0)\mathrm{id}\colon(V,p_0)\to(V,p_0)に「位相幾何入門」の§E18.5 定理 4.2を適用する。π1(V,p0)\pi_1(V,p_0)が自明であるから像の包含条件は自動的に満たされ、連続写像s ⁣:V→Es\colon V\to\mathcal{E}であってP∘s=idP\circ s=\mathrm{id}とs(p0)=e0s(p_0)=e_0を満たすものが存在する。

持ち上げが解を与えることを示す。P∘s=idP\circ s=\mathrm{id}であるから、s(y)=(y,Y(y))s(y)=(y,Y(y))の形に書いて写像Y ⁣:V→RmY\colon V\to\mathbb{R}^mを定めることができる。q∈Vq\in Vを取り、qqを中心とする良い球BBと、Yq(q)=Y(q)Y_q(q)=Y(q)を満たすBB上の解YqY_qを取る。s(q)∈G(B,Yq)s(q)\in G(B,Y_q)でありG(B,Yq)G(B,Y_q)は開であるから、O=s−1(G(B,Yq))O=s^{-1}\bigl(G(B,Y_q)\bigr)はqqを含むVVの開集合である。y∈Oy\in Oに対してs(y)∈G(B,Yq)s(y)\in G(B,Y_q)でありP(s(y))=yP(s(y))=yであるからs(y)=(y,Yq(y))s(y)=(y,Y_q(y))、すなわちY(y)=Yq(y)Y(y)=Y_q(y)である。したがってYYはOOの上でC∞C^\inftyでありdY=AYdY=\mathcal{A}Yを満たす。qqは任意であったから、YYはVVの上でC∞C^\inftyでありdY=AYdY=\mathcal{A}Yを満たす。Y(p0)=η0Y(p_0)=\eta_0である。▨

注意 3.4 (単連結性を落とすことができないこと).定理 3.3の証明で単連結性を用いたのは、持ち上げの存在を保証する一箇所だけである。単連結でない領域では、可積分条件が満たされていても大域解が存在するとは限らない。

n=2n=2、m=1m=1、V=R2∖{(0,0)}V=\mathbb{R}^2\setminus\{(0,0)\}とし

A=−v du+u dvu2+v2\mathcal{A}=\frac{-v\,du+u\,dv}{u^2+v^2}

と置く。m=1m=1であるからA∧A=0\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}=0であり、直接の計算によりdA=0d\mathcal{A}=0であるから可積分条件は成り立つ。VVの全体でdY=AYdY=\mathcal{A}YとY(1,0)=1Y(1,0)=1を満たすC∞C^\infty関数YYが存在したとする。補題 3.1により、恒等的に00でない解は消えないからYYは消えない。VVは連結であるからYYは符号が一定であり、Y(1,0)=1>0Y(1,0)=1>0よりY>0Y>0である。するとd(log⁡Y)=Y−1dY=Ad(\log Y)=Y^{-1}dY=\mathcal{A}となる。単位円周γ(t)=(cos⁡t,sin⁡t)\gamma(t)=(\cos t,\sin t)(0≤t≤2π0\le t\le2\pi)に沿って線積分を取ると、左辺はlog⁡Y(γ(2π))−log⁡Y(γ(0))=0\log Y(\gamma(2\pi))-\log Y(\gamma(0))=0であるのに対し、右辺は

∫02π−sin⁡t⋅(−sin⁡t)+cos⁡t⋅cos⁡t1 dt=2π\int_0^{2\pi}\frac{-\sin t\cdot(-\sin t)+\cos t\cdot\cos t}{1}\,dt=2\pi

であり、矛盾する。したがって大域解は存在しない。

4 曲面論の基本定理

定理 4.1 (曲面論の基本定理).V⊆R2V\subseteq\mathbb{R}^2を単連結な開集合とし、VV上のC∞C^\infty関数の組(E,F,G)(E,F,G)と(e,f,g)(e,f,g)が各点でE>0E>0、EG−F2>0EG-F^2>0を満たすとする。I\mathrm{I}、II\mathrm{II}と付随する形式を定義 2.2のとおりとする。

  1. 存在。組(I,II)(\mathrm{I},\mathrm{II})が適合条件(定義 2.4)を満たすならば、C∞C^\inftyのはめ込みx ⁣:V→R3\boldsymbol{x}\colon V\to\mathbb{R}^3であって、定義 2.1の意味で第一基本形式の成分が(E,F,G)(E,F,G)、第二基本形式の成分が(e,f,g)(e,f,g)であるものが存在する。
  2. 一意性。x,x~ ⁣:V→R3\boldsymbol{x},\tilde{\boldsymbol{x}}\colon V\to\mathbb{R}^3をともにC∞C^\inftyのはめ込みとし、定義 2.1の二組の成分がいずれも一致するとする。このとき、det⁡R=1\det R=1を満たす直交行列RRとb∈R3b\in\mathbb{R}^3が存在して、VVの全体で x~=R x+b\tilde{\boldsymbol{x}}=R\,\boldsymbol{x}+b が成り立つ。すなわちx\boldsymbol{x}は、R3\mathbb{R}^3の向きを保つ合同変換を除いて一意である。
  3. 適合条件は、そのようなはめ込みが存在するための必要条件でもある(命題 2.7)。

証明の方針を述べる。求めるx\boldsymbol{x}が存在したとすると、命題 2.6により、付随する標構(a1,a2,a3)(a_1,a_2,a_3)と位置ベクトルx\boldsymbol{x}は、接続形式を係数とする一階の全微分方程式系

dai=∑j=13ωij aj,dx=ω1 a1+ω2 a2da_i=\sum_{j=1}^{3}\omega_{ij}\,a_j,\qquad d\boldsymbol{x}=\omega_1\,a_1+\omega_2\,a_2

を満たす。逆に、この系を未知数(a1,a2,a3,x)(a_1,a_2,a_3,\boldsymbol{x})について解けば曲面が得られる。二つの式をまとめると、44次正方行列に値を持つ一次微分形式を係数とする線形な全微分方程式系になる。その可積分条件dA−A∧A=0d\mathcal{A}-\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}=0を成分ごとに書き下すと、第一構造方程式、第二基本形式の対称性、Gauss 方程式および Codazzi–Mainardi 方程式が現れる。前二者は形式の作り方から自動的に成り立ち、後二者が適合条件である。単連結性により定理 3.3がVV全体の解を与える。標構が正規直交であり続けることは、(ωij)(\omega_{ij})が交代行列であることと解の一意性から従い、そこからx\boldsymbol{x}の二つの基本形式が所与の形式に一致することが計算で確かめられる。一意性は、解に右から定数行列を掛けたものがふたたび解であることと、解の一意性による。

証明. 係数行列を作る。定義 2.2のω1,ω2,ωij\omega_1,\omega_2,\omega_{ij}を用いて、VV上の44次正方行列に値を持つC∞C^\infty一次微分形式A\mathcal{A}を

A=(0ω12ω130ω210ω230ω31ω3200ω1ω200)\mathcal{A}= \begin{pmatrix} 0&\omega_{12}&\omega_{13}&0\\ \omega_{21}&0&\omega_{23}&0\\ \omega_{31}&\omega_{32}&0&0\\ \omega_1&\omega_2&0&0 \end{pmatrix}

と定める。左上の33次小行列をΩ=(ωij)i,j≤3\Omega=(\omega_{ij})_{i,j\le3}と書くと、Ω\Omegaは交代行列である。

可積分条件を成分で書く。(A∧A)αβ=∑γ=14Aαγ∧Aγβ\bigl(\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}\bigr)_{\alpha\beta}=\sum_{\gamma=1}^{4}\mathcal{A}_{\alpha\gamma}\wedge\mathcal{A}_{\gamma\beta}である(§E17.13 定義 5.1)。A\mathcal{A}の第44列は00であるから、β=4\beta=4の成分はすべて00であり、dAα4=0d\mathcal{A}_{\alpha4}=0と合わせて条件は自動的に成り立つ。

α≤3\alpha\le3かつβ≤3\beta\le3のときはAα4=0\mathcal{A}_{\alpha4}=0により

(A∧A)αβ=∑γ=13ωαγ∧ωγβ\bigl(\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}\bigr)_{\alpha\beta}=\sum_{\gamma=1}^{3}\omega_{\alpha\gamma}\wedge\omega_{\gamma\beta}

である。α=β\alpha=\betaのときはωαγ∧ωγα=−ωαγ∧ωαγ=0\omega_{\alpha\gamma}\wedge\omega_{\gamma\alpha}=-\omega_{\alpha\gamma}\wedge\omega_{\alpha\gamma}=0でありdωαα=0d\omega_{\alpha\alpha}=0であるから条件は成り立つ。α≠β\alpha\ne\betaのときは、Ω\Omegaが交代行列であることから

∑γ=13ωβγ∧ωγα=∑γ=13(−ωγβ)∧(−ωαγ)=−∑γ=13ωαγ∧ωγβ\sum_{\gamma=1}^{3}\omega_{\beta\gamma}\wedge\omega_{\gamma\alpha} =\sum_{\gamma=1}^{3}(-\omega_{\gamma\beta})\wedge(-\omega_{\alpha\gamma}) =-\sum_{\gamma=1}^{3}\omega_{\alpha\gamma}\wedge\omega_{\gamma\beta}

でありdωβα=−dωαβd\omega_{\beta\alpha}=-d\omega_{\alpha\beta}であるから、(α,β)(\alpha,\beta)の条件と(β,α)(\beta,\alpha)の条件は同値である。したがって(1,2)(1,2)、(1,3)(1,3)、(2,3)(2,3)を調べれば足りる。それぞれ

dω12=ω13∧ω32=−ω13∧ω23,dω13=ω12∧ω23,dω23=ω21∧ω13d\omega_{12}=\omega_{13}\wedge\omega_{32}=-\omega_{13}\wedge\omega_{23},\qquad d\omega_{13}=\omega_{12}\wedge\omega_{23},\qquad d\omega_{23}=\omega_{21}\wedge\omega_{13}

であり、これらはちょうど適合条件(定義 2.4)である。

α=4\alpha=4かつβ≤3\beta\le3のときは、A41=ω1\mathcal{A}_{41}=\omega_1、A42=ω2\mathcal{A}_{42}=\omega_2、A43=A44=0\mathcal{A}_{43}=\mathcal{A}_{44}=0であるから

(A∧A)4β=ω1∧ω1β+ω2∧ω2β\bigl(\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}\bigr)_{4\beta}=\omega_1\wedge\omega_{1\beta}+\omega_2\wedge\omega_{2\beta}

である。β=1\beta=1ではω2∧ω21=−ω2∧ω12=ω12∧ω2\omega_2\wedge\omega_{21}=-\omega_2\wedge\omega_{12}=\omega_{12}\wedge\omega_2であるから、条件はdω1=ω12∧ω2d\omega_1=\omega_{12}\wedge\omega_2である。β=2\beta=2ではω1∧ω12=−ω12∧ω1\omega_1\wedge\omega_{12}=-\omega_{12}\wedge\omega_1であるから、条件はdω2=−ω12∧ω1d\omega_2=-\omega_{12}\wedge\omega_1である。この二つはω12\omega_{12}の定義(定義 2.2 (2))そのものである。β=3\beta=3ではdA43=0d\mathcal{A}_{43}=0であり

ω1∧ω13+ω2∧ω23=ω1∧(h11ω1+h12ω2)+ω2∧(h12ω1+h22ω2)=h12 ω1∧ω2+h12 ω2∧ω1=0\omega_1\wedge\omega_{13}+\omega_2\wedge\omega_{23} =\omega_1\wedge\bigl(h_{11}\omega_1+h_{12}\omega_2\bigr)+\omega_2\wedge\bigl(h_{12}\omega_1+h_{22}\omega_2\bigr) =h_{12}\,\omega_1\wedge\omega_2+h_{12}\,\omega_2\wedge\omega_1=0

であるから、条件はh12=h21h_{12}=h_{21}、すなわちII\mathrm{II}が対称であることによって自動的に成り立つ。

以上により、適合条件が成り立つこととdA−A∧A=0d\mathcal{A}-\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}=0が成り立つことは同値である。

(1)を示す。適合条件を仮定する。p0∈Vp_0\in Vを取る。定理 3.3を、初期値としてR4\mathbb{R}^4の標準基底の四つのベクトルに順に適用し、得られた四つの解を列に並べてC∞C^\infty写像Y ⁣:V→M4(R)Y\colon V\to M_4(\mathbb{R})を作る。列ごとにdY=AYdY=\mathcal{A}Yが成り立ち、Y(p0)Y(p_0)は44次単位行列である。

YYの第44列をwwと書くと、wwはdw=Awdw=\mathcal{A}wとw(p0)=(0,0,0,1)Tw(p_0)=(0,0,0,1)^{\mathsf T}を満たす。定数写像w0≡(0,0,0,1)Tw_0\equiv(0,0,0,1)^{\mathsf T}は、A\mathcal{A}の第44列が00であることから同じ方程式と同じ初期値を満たすので、補題 3.1によりw≡w0w\equiv w_0である。

i∈{1,2,3}i\in\{1,2,3\}に対してai=(Yi1,Yi2,Yi3)∈R3a_i=(Y_{i1},Y_{i2},Y_{i3})\in\mathbb{R}^3、x=(Y41,Y42,Y43)∈R3\boldsymbol{x}=(Y_{41},Y_{42},Y_{43})\in\mathbb{R}^3と置く。dY=AYdY=\mathcal{A}Yを成分で書くと、k≤3k\le3について

dYik=∑j=13ωij Yjk  (i≤3),dY4k=ω1 Y1k+ω2 Y2kdY_{ik}=\sum_{j=1}^{3}\omega_{ij}\,Y_{jk}\ \ (i\le3),\qquad dY_{4k}=\omega_1\,Y_{1k}+\omega_2\,Y_{2k}

である(Ai4=0\mathcal{A}_{i4}=0による)。すなわち

dai=∑j=13ωij aj  (i≤3),dx=ω1 a1+ω2 a2da_i=\sum_{j=1}^{3}\omega_{ij}\,a_j\ \ (i\le3),\qquad d\boldsymbol{x}=\omega_1\,a_1+\omega_2\,a_2

である。

標構が正規直交であることを示す。PPを、a1,a2,a3a_1,a_2,a_3を行に並べた33次正方行列とすると、上の式はdP=ΩPdP=\Omega Pを意味する。S=PPTS=PP^{\mathsf T}と置くと、積の微分法により

dS=(dP)PT+P(dP)T=ΩS+SΩT=ΩS−SΩdS=(dP)P^{\mathsf T}+P(dP)^{\mathsf T}=\Omega S+S\Omega^{\mathsf T}=\Omega S-S\Omega

である。右辺はSSの99個の成分について線形であり、係数は一次微分形式であるから、SSをR9\mathbb{R}^9に値を持つ写像とみると、この式はdS=BSdS=\mathcal{B}Sの形の方程式である(B\mathcal{B}は99次正方行列に値を持つC∞C^\infty一次微分形式)。定数写像S0≡IS_0\equiv I(33次単位行列)はΩI−IΩ=0\Omega I-I\Omega=0を満たすので同じ方程式の解であり、S(p0)=I=S0(p0)S(p_0)=I=S_0(p_0)である。VVは連結であるから補題 3.1によりS≡IS\equiv I、すなわち(a1,a2,a3)(a_1,a_2,a_3)は各点でR3\mathbb{R}^3の正規直交基底である。

さらにdet⁡P\det Pは連続で値が{1,−1}\{1,-1\}に含まれ、det⁡P(p0)=1\det P(p_0)=1でありVVは連結であるからdet⁡P≡1\det P\equiv1である。§E19.2 補題 1.2 (3)によりa3=a1×a2a_3=a_1\times a_2である。

基本形式を確かめる。dx=ω1a1+ω2a2d\boldsymbol{x}=\omega_1a_1+\omega_2a_2を座標基底に適用すると、定義 2.2 (1)により

xu=E a1,xv=FE a1+EG−F2E a2\boldsymbol{x}_u=\sqrt{E}\,a_1,\qquad \boldsymbol{x}_v=\frac{F}{\sqrt{E}}\,a_1+\frac{\sqrt{EG-F^2}}{\sqrt{E}}\,a_2

である。(a1,a2)(a_1,a_2)は正規直交であるから

⟨xu,xu⟩=E,⟨xu,xv⟩=F,⟨xv,xv⟩=F2E+EG−F2E=G\langle\boldsymbol{x}_u,\boldsymbol{x}_u\rangle=E,\qquad \langle\boldsymbol{x}_u,\boldsymbol{x}_v\rangle=F,\qquad \langle\boldsymbol{x}_v,\boldsymbol{x}_v\rangle=\frac{F^2}{E}+\frac{EG-F^2}{E}=G

である。また§E19.2 補題 1.2 (2)により

xu×xv=E⋅EG−F2E (a1×a2)=EG−F2 a3\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_v=\sqrt{E}\cdot\frac{\sqrt{EG-F^2}}{\sqrt{E}}\,(a_1\times a_2)=\sqrt{EG-F^2}\ a_3

であり、これは消えない。したがってxu\boldsymbol{x}_uとxv\boldsymbol{x}_vは一次独立であり、x\boldsymbol{x}ははめ込みである。∥xu×xv∥=EG−F2\lVert\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_v\rVert=\sqrt{EG-F^2}であるから、定義 2.1の単位法線はN=a3N=a_3である。

第二基本形式の成分を計算する。∂jx=∑a=12ωa(∂j) aa\partial_j\boldsymbol{x}=\sum_{a=1}^{2}\omega_a(\partial_j)\,a_aであるから

∂i∂jx=∑a=12(∂i(ωa(∂j)) aa+ωa(∂j) ∂iaa)\partial_i\partial_j\boldsymbol{x} =\sum_{a=1}^{2}\Bigl(\partial_i\bigl(\omega_a(\partial_j)\bigr)\,a_a+\omega_a(\partial_j)\,\partial_ia_a\Bigr)

である。⟨a3,aa⟩=0\langle a_3,a_a\rangle=0(a≤2a\le2)であり、∂iaa=∑b=13ωab(∂i)ab\partial_ia_a=\sum_{b=1}^{3}\omega_{ab}(\partial_i)a_bから⟨a3,∂iaa⟩=ωa3(∂i)\langle a_3,\partial_ia_a\rangle=\omega_{a3}(\partial_i)であるから

⟨N,∂i∂jx⟩=∑a=12ωa(∂j) ωa3(∂i)=∑a,b=12hab ωb(∂i) ωa(∂j)\langle N,\partial_i\partial_j\boldsymbol{x}\rangle =\sum_{a=1}^{2}\omega_a(\partial_j)\,\omega_{a3}(\partial_i) =\sum_{a,b=1}^{2}h_{ab}\,\omega_b(\partial_i)\,\omega_a(\partial_j)

である。ここで定義 2.2 (3)のωa3=∑bhabωb\omega_{a3}=\sum_bh_{ab}\omega_bを用いた。一方、∂i=∑b=12ωb(∂i) eb\partial_i=\sum_{b=1}^{2}\omega_b(\partial_i)\,e_bであるから

II(∂i,∂j)=∑a,b=12ωb(∂i) ωa(∂j) II(eb,ea)=∑a,b=12hba ωb(∂i) ωa(∂j)\mathrm{II}(\partial_i,\partial_j)=\sum_{a,b=1}^{2}\omega_b(\partial_i)\,\omega_a(\partial_j)\,\mathrm{II}(e_b,e_a) =\sum_{a,b=1}^{2}h_{ba}\,\omega_b(\partial_i)\,\omega_a(\partial_j)

である。hab=hbah_{ab}=h_{ba}であるから二つの式は一致し、⟨N,∂i∂jx⟩=II(∂i,∂j)\langle N,\partial_i\partial_j\boldsymbol{x}\rangle=\mathrm{II}(\partial_i,\partial_j)である。(i,j)=(1,1),(1,2),(2,2)(i,j)=(1,1),(1,2),(2,2)と取ると、第二基本形式の成分がそれぞれe,f,ge,f,gであることが従う。

(2)を示す。x\boldsymbol{x}とx~\tilde{\boldsymbol{x}}に対して命題 2.6の標構をそれぞれ(a1,a2,a3)(a_1,a_2,a_3)、(a~1,a~2,a~3)(\tilde a_1,\tilde a_2,\tilde a_3)と書く。二組の成分が一致するので、定義 2.2が作るω1,ω2,ωij\omega_1,\omega_2,\omega_{ij}は両者で共通であり、上で作ったA\mathcal{A}も共通である。

YYを、a1,a2,a3a_1,a_2,a_3を第11行から第33行の最初の三成分に置き、x\boldsymbol{x}を第44行の最初の三成分に置き、第44列を(0,0,0,1)T(0,0,0,1)^{\mathsf T}とした44次正方行列とする。命題 2.6 (2)と命題 2.6 (3)によりdY=AYdY=\mathcal{A}Yが成り立つ。x~\tilde{\boldsymbol{x}}から同じ手続きで作るY~\tilde YについてもdY~=AY~d\tilde Y=\mathcal{A}\tilde Yが成り立つ。

Y(p0)Y(p_0)は

Y(p0)=(P00x(p0)T1)Y(p_0)=\begin{pmatrix}P_0&0\\ \boldsymbol{x}(p_0)^{\mathsf T}&1\end{pmatrix}

の形であり、P0P_0は行に正規直交基底を並べた行列であるから直交行列であり、命題 2.6 (1)によりdet⁡P0=1\det P_0=1である。とくにY(p0)Y(p_0)は可逆である。C=Y(p0)−1Y~(p0)C=Y(p_0)^{-1}\tilde Y(p_0)と置くと、YCYCはd(YC)=(dY)C=A YCd(YC)=(dY)C=\mathcal{A}\,YCを満たすので同じ方程式の解であり、p0p_0でY~(p0)\tilde Y(p_0)に一致する。VVは連結であるから、補題 3.1を各列に適用してY~=YC\tilde Y=YCを得る。

CCの形を調べる。

Y(p0)−1=(P0T0−x(p0)TP0T1),C=(P0TP~00x~(p0)T−x(p0)TP0TP~01)Y(p_0)^{-1}=\begin{pmatrix}P_0^{\mathsf T}&0\\ -\boldsymbol{x}(p_0)^{\mathsf T}P_0^{\mathsf T}&1\end{pmatrix},\qquad C=\begin{pmatrix}P_0^{\mathsf T}\tilde P_0&0\\ \tilde{\boldsymbol{x}}(p_0)^{\mathsf T}-\boldsymbol{x}(p_0)^{\mathsf T}P_0^{\mathsf T}\tilde P_0&1\end{pmatrix}

である。RT=P0TP~0R^{\mathsf T}=P_0^{\mathsf T}\tilde P_0、bT=x~(p0)T−x(p0)TRTb^{\mathsf T}=\tilde{\boldsymbol{x}}(p_0)^{\mathsf T}-\boldsymbol{x}(p_0)^{\mathsf T}R^{\mathsf T}と置く。P0P_0とP~0\tilde P_0はともに行列式が11の直交行列であるから、RTR^{\mathsf T}とその転置RRも行列式が11の直交行列である。

Y~=YC\tilde Y=YCの第44行の最初の三成分を読むと

x~T=xTRT+bT,すなわちx~=R x+b\tilde{\boldsymbol{x}}^{\mathsf T}=\boldsymbol{x}^{\mathsf T}R^{\mathsf T}+b^{\mathsf T}, \qquad\text{すなわち}\qquad \tilde{\boldsymbol{x}}=R\,\boldsymbol{x}+b

である。▨

注意 4.2 (本定理が主張していないこと).定理 4.1が与えるx\boldsymbol{x}は、はめ込みであって単射とは限らない。したがって像が正則曲面であるとは限らない。像が正則曲面になるのは、VVを各点のまわりで十分小さく取り直した場合である(§E19.3 補題 1.5)。

また、単連結でない領域や、一つの座標近傍で覆われない大域的な曲面については何も述べていない。大域的な問題では、局所的に得られたはめ込みを貼り合わせる段階で、合同変換を除く一意性がそのまま貼り合わせの整合性を与えるとは限らない。本単元はこの問題を扱わない。

C∞C^\inftyより低い正則性も扱わない。定理 3.3はC∞C^\inftyの係数に対して述べており、証明で用いた§E17.13 定理 5.3もC∞C^\inftyの設定である。

例 4.3 (球面の二つの基本形式は適合条件を満たす).V=(0,π)×(0,2π)V=(0,\pi)\times(0,2\pi)とし、r>0r>0に対して

E=r2,F=0,G=r2sin⁡2u,e=−r,f=0,g=−rsin⁡2uE=r^2,\quad F=0,\quad G=r^2\sin^2u,\qquad e=-r,\quad f=0,\quad g=-r\sin^2u

と置く。E>0E>0かつEG−F2=r4sin⁡2u>0EG-F^2=r^4\sin^2u>0である。これは§E19.4 例 6.2のパラメータ表示

x(u,v)=r(sin⁡ucos⁡v, sin⁡usin⁡v, cos⁡u)\boldsymbol{x}(u,v)=r(\sin u\cos v,\ \sin u\sin v,\ \cos u)

に対する定義 2.1の成分である。実際、この表示のxu×xv\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_vが定める単位法線はN=x/rN=\boldsymbol{x}/r(外向き)であり、xuu=−x\boldsymbol{x}_{uu}=-\boldsymbol{x}、xvv=−rsin⁡u(cos⁡v,sin⁡v,0)\boldsymbol{x}_{vv}=-r\sin u(\cos v,\sin v,0)であるから

e=⟨N,xuu⟩=−∥x∥2r=−r,g=⟨N,xvv⟩=−rsin⁡2ue=\langle N,\boldsymbol{x}_{uu}\rangle=-\frac{\lVert\boldsymbol{x}\rVert^2}{r}=-r,\qquad g=\langle N,\boldsymbol{x}_{vv}\rangle=-r\sin^2u

であり、xuv=rcos⁡u(−sin⁡v,cos⁡v,0)\boldsymbol{x}_{uv}=r\cos u(-\sin v,\cos v,0)との内積は00であるからf=0f=0である。

Gauss 方程式。命題 2.5により、条件は

KI=eg−f2EG−F2=r2sin⁡2ur4sin⁡2u=1r2K_{\mathrm{I}}=\frac{eg-f^2}{EG-F^2}=\frac{r^2\sin^2u}{r^4\sin^2u}=\frac{1}{r^2}

である。§E19.11 例 4.2により(V,I)(V,\mathrm{I})の Gauss 曲率は1/r21/r^2であるから、Gauss 方程式が成り立つ。

付随する形式を書き下す。定義 2.2により

e1=∂1r,e2=∂2rsin⁡u,ω1=r du,ω2=rsin⁡u dve_1=\frac{\partial_1}{r},\qquad e_2=\frac{\partial_2}{r\sin u},\qquad \omega_1=r\,du,\qquad \omega_2=r\sin u\,dv

である。dω1=0d\omega_1=0、dω2=rcos⁡u du∧dvd\omega_2=r\cos u\,du\wedge dvであるから、ω12=P du+Q dv\omega_{12}=P\,du+Q\,dvと置くと

0=dω1=ω12∧ω2=P rsin⁡u du∧dv,0=d\omega_1=\omega_{12}\wedge\omega_2=P\,r\sin u\,du\wedge dv,rcos⁡u du∧dv=dω2=−ω12∧ω1=−Q r dv∧du=Q r du∧dvr\cos u\,du\wedge dv=d\omega_2=-\omega_{12}\wedge\omega_1=-Q\,r\,dv\wedge du=Q\,r\,du\wedge dv

よりP=0P=0、Q=cos⁡uQ=\cos u、すなわちω12=cos⁡u dv\omega_{12}=\cos u\,dvである。これは§E19.10 例 7.4のω12=f′ dθ\omega_{12}=f'\,d\thetaにf(t)=rsin⁡(t/r)f(t)=r\sin(t/r)、t=rut=ru、θ=v\theta=vを代入したものと一致する。h11=e/E=−1/rh_{11}=e/E=-1/r、h12=0h_{12}=0、h22=g/G=−1/rh_{22}=g/G=-1/rであるから

ω13=−1r ω1=−du,ω23=−1r ω2=−sin⁡u dv\omega_{13}=-\frac1r\,\omega_1=-du,\qquad \omega_{23}=-\frac1r\,\omega_2=-\sin u\,dv

である。

Gauss 方程式を形式で確かめる。dω12=−sin⁡u du∧dvd\omega_{12}=-\sin u\,du\wedge dvであり

−ω13∧ω23=−(−du)∧(−sin⁡u dv)=−sin⁡u du∧dv-\omega_{13}\wedge\omega_{23}=-(-du)\wedge(-\sin u\,dv)=-\sin u\,du\wedge dv

であるから一致する。

Codazzi–Mainardi 方程式を確かめる。dω13=d(−du)=0d\omega_{13}=d(-du)=0であり、ω12∧ω23=(cos⁡u dv)∧(−sin⁡u dv)=0\omega_{12}\wedge\omega_{23}=(\cos u\,dv)\wedge(-\sin u\,dv)=0であるから第一の式が成り立つ。dω23=−cos⁡u du∧dvd\omega_{23}=-\cos u\,du\wedge dvであり

ω21∧ω13=(−cos⁡u dv)∧(−du)=cos⁡u dv∧du=−cos⁡u du∧dv\omega_{21}\wedge\omega_{13}=(-\cos u\,dv)\wedge(-du)=\cos u\,dv\wedge du=-\cos u\,du\wedge dv

であるから第二の式も成り立つ。

符号の約束を崩してはならないこと。定義 2.1は単位法線をxu×xv\boldsymbol{x}_u\times\boldsymbol{x}_vの向きに固定している。本単元は有界領域を囲む閉曲面に内向きの単位法線を取る(§E19.3 定義 4.2)ので、球面の第二基本形式の成分を内向きの法線で書けば(e,f,g)=(r,0,rsin⁡2u)(e,f,g)=(r,0,r\sin^2u)になる。その場合はω13,ω23\omega_{13},\omega_{23}の符号が反転するが、ω13∧ω23\omega_{13}\wedge\omega_{23}は不変であるから Gauss 方程式は保たれ、Codazzi–Mainardi 方程式は両辺の符号がともに反転するので保たれる。一方、定義 2.2が定めるω1,ω2\omega_1,\omega_2の順序を入れ替えるとω12\omega_{12}の符号が変わる(§E19.10 定理 4.1)ので、ω12\omega_{12}だけを別の順序の標構から借りてくると適合条件の両辺が食い違う。二つの約束はどちらも崩してはならない。

5 演習

問題 5.1.

  1. 定理 1.1の証明を、§E19.10 補題 5.2を用いずに、ω13\omega_{13}の外微分の不変表示から直接書き下す形で再現する。どの段階で§E19.10 補題 5.1が必要になるかを特定する。
  2. 命題 2.6 (3)の証明では、はめ込みを局所的に正則パラメータ表示へ直してから引き戻しを取った。x\boldsymbol{x}が単射でない場合に、この局所化を省いてM1=x(V)M_1=\boldsymbol{x}(V)を正則曲面として扱おうとすると、どこが成り立たなくなるかを述べる。
  3. 命題 2.5の証明のうち、(det⁡A)2(EG−F2)=1(\det A)^2(EG-F^2)=1を導いた部分を再現する。(e1,e2)(e_1,e_2)が正規直交でない標構であるときに、この関係がどう変わるかを述べる。
  4. 補題 3.1の証明では、線分に沿う制限によって常微分方程式へ帰着させた。定義域が球でなく一般の開集合であるときに、同じ議論を各点の近傍でしか行うことができない理由を述べる。次に、連結性を用いた箇所を特定する。
  5. 補題 3.2の証明では、解の空間の次元を数えることによって、初期値を与える点をqqから任意のy∈By\in Bへ移した。この次元の議論を用いずにY(y)\mathcal{Y}(y)が可逆であることを直接示す方針を考え、そのために何を追加で証明する必要があるかを述べる。
  6. 定理 3.3の証明で、G(B,Y)G(B,Y)の全体が基底の条件を満たすことを示した部分を再現する。良い球に含まれる開球が良い球であるという事実を用いた箇所を特定する。
  7. 定理 3.3の証明で、VVが局所弧状連結であることを用いた。§E18.5 定理 4.2からこの仮定を外すことができない理由を、同記事の反例に即して述べる。
  8. 定理 4.1の可積分条件の計算を(α,β)=(2,3)(\alpha,\beta)=(2,3)の成分について最初から書き下し、Codazzi–Mainardi 方程式の第二の式が現れることを確かめる。
  9. 定理 4.1の証明で、標構の正規直交性をS=PPTS=PP^{\mathsf T}の満たす方程式から導いた。Ω\Omegaが交代行列でなければS≡IS\equiv Iが解でなくなることを確かめ、交代性がどこから来ているかを定義 2.2に即して述べる。
  10. 定理 4.1の一意性の証明では、解に右から定数行列を掛けた。左から掛ける操作では同じ議論が通らない理由を、d(CY)d(CY)を計算して述べる。
  11. 注意 3.4の反例について、dA=0d\mathcal{A}=0を計算で確かめる。次に、このA\mathcal{A}をV={(u,v):u>0}V=\{(u,v):u>0\}へ制限すると大域解が存在することを、原始関数を書き下して確かめる。

6 境界と次

局所定理であること。定理 4.1は、単連結な平面領域の上の局所的な主張である。得られるのははめ込みであって、埋め込みでも、像が正則曲面であることでもない(注意 4.2)。単連結性を落とすと、注意 3.4のとおり大域解が存在するとは限らない。局所的に与えられた形式の組から大域的な曲面を作る問題は本単元では扱わない。

曲線論の基本定理との違い。§E19.2 定理 5.3では、曲率と捩率を開区間の上の関数として自由に与えることができた。曲面では、二つの基本形式を自由に与えることができず、適合条件という偏微分方程式系を満たす必要がある。違いの原因は、独立変数が二つになったことによって可積分条件が現れることである。曲線の場合は独立変数が一つであるから、行列に値を持つ一次微分形式に対する可積分条件は二次形式の消滅として自動的に成り立つ。

適合条件が非線形の方程式になること。適合条件は、二つの基本形式の成分についての一階の偏微分方程式系である。Gauss 曲率が負の定数であるという条件を課して漸近方向に沿う座標を選ぶと、この系が一つの未知関数についての非線形の偏微分方程式に帰着する。その場合は「負曲率曲面と sine–Gordon 方程式」が扱う。同記事では、本記事の定理 1.1が恒等的に満たされ、Gauss 方程式だけが残る。

接続の一般論へ広げないこと。定理 4.1の証明で現れた条件dA−A∧A=0d\mathcal{A}-\mathcal{A}\wedge\mathcal{A}=0は、行列に値を持つ一次微分形式から作られる二次形式が消えるという形をしている。この形の量を一般のベクトル束の上の接続の曲率として扱う枠組みは「ベクトル束と接続」が、一般次元の部分多様体に対する Gauss、Codazzi および Ricci の方程式は「Riemann 幾何 I」が扱う。

次の記事へ渡すもの。定理 1.1と定義 2.4は、負曲率曲面の解析で用いられる。定理 3.3は本単元の他の記事では用いないが、標構の微分方程式の可積分性という観点は、同じ「負曲率曲面と sine–Gordon 方程式」で零曲率表示として再び現れる。

参考文献

  1. Manfredo P. do Carmo, Differential Geometry of Curves and Surfaces, revised and updated second ed., Dover Publications, Mineola, N.Y., 2016.適合条件の定式化と、Bonnet による曲面論の基本定理の主張および証明の流れを参考にした。
  2. Barrett O'Neill, Elementary Differential Geometry, 2 (revised) ed., Academic Press, 2006.標構の微分方程式による Codazzi–Mainardi 方程式の導出を参考にした。
  3. Shoshichi Kobayashi and Katsumi Nomizu, Foundations of Differential Geometry, Wiley Classics Library, vol. 2, Wiley, New York, 1996, originally published 1969.適合条件を満たす形式の組から超曲面を復元する定理の、単連結性の仮定を含む定式化を参考にした。

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