§E8.14絶対 Galois 群

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体KKの有限分離拡大を一つずつ列挙する代わりに、分離閉包KsK^{\mathrm{s}}上の自己同型群の有限連続作用を調べることができる。有限エタールKK-代数は有限分離拡大の空でない有限直積を許すため、推移的とは限らない空でない有限作用集合と対応する。本記事は、対象だけでなく射も具体的に構成し、この対応が反変な圏同値であることを証明する。

1 分離閉包と絶対 Galois 群

定義 1.1.KKの代数閉包K‾\overline Kの中で、KK上分離的な元全体からなる中間体をKsK^{\mathrm{s}}と書く。KsK^{\mathrm{s}}をKKの分離閉包 (separable closure) という。Krull 位相を入れた群

GK=Gal⁡(Ks/K)G_K=\operatorname{Gal}(K^{\mathrm{s}}/K)

をKKの絶対 Galois 群 (absolute Galois group) という。

Ks/KK^{\mathrm{s}}/Kは分離的かつ正規である。実際、KK上分離的な元の任意のKK-共役もKK上分離的であるから、任意のKK-埋め込みはKsK^{\mathrm{s}}を保つ。またKsK^{\mathrm{s}}は分離的な非自明代数拡大をもたないので、分離閉体である。

定義 1.2.XXを空でない有限集合とし、離散位相を入れる。GKG_KのXXへの左作用が連続であるとき、XXを有限連続GKG_K-集合 (finite continuousGKG_K-set) という。有限連続GKG_K-集合の射 (morphism of finite continuousGKG_K-sets) とは、GKG_Kの作用と可換する写像である。

空でない有限集合XXへの作用が連続であることは、各x∈Xx\in Xの安定化群

(GK)x={g∈GK∣gx=x}(G_K)_x=\{g\in G_K\mid gx=x\}

が開部分群であることと同値である。したがって各軌道はある開部分群HHによるGK/HG_K/Hの形である。

2 二つの反変関手

有限エタール代数を有限分離拡大の有限直積として定める§E8.8 定義 3.1に従い、本記事では直積の因子が一つ以上ある場合を扱う。

定義 2.1.AAを有限エタールKK-代数とする。有限エタール代数の Galois 集合 (Galois set of a finite etale algebra) を

XA=Hom⁡K-alg(A,Ks)X_A=\operatorname{Hom}_{K\text{-alg}}(A,K^{\mathrm{s}})

と置き、

(gφ)(a)=g(φ(a))(g∈GK, φ∈XA, a∈A)(g\varphi)(a)=g(\varphi(a)) \qquad(g\in G_K,\ \varphi\in X_A,\ a\in A)

によってGKG_Kを作用させる。

KK-代数準同型f ⁣:A→Bf\colon A\to Bに対し、

Xf ⁣:XB⟶XA,ψ⟼ψ∘fX_f\colon X_B\longrightarrow X_A,\qquad \psi\longmapsto\psi\circ f

と定める。

A=∏i=1rLiA=\prod_{i=1}^rL_i(r≥1r\ge1)を有限分離拡大の直積とする。体への単位的準同型は、直交冪等元(1,0,…,0),…,(0,…,1)(1,0,\ldots,0),\ldots,(0,\ldots,1)のうち一つだけを11へ写す。したがって

XA=∐i=1rHom⁡K(Li,Ks)X_A=\coprod_{i=1}^r\operatorname{Hom}_K(L_i,K^{\mathrm{s}})

である。§E8.8 定理 2.3により各集合の要素数は[Li:K]≥1[L_i:K]\ge1であり、各点の安定化群は有限拡大の固定化群なので開である。ゆえにXAX_Aは有限連続GKG_K-集合である。合成の結合則からA↦XAA\mapsto X_Aとf↦Xff\mapsto X_fは反変関手を定める。

逆向きの構成では、値に Galois 作用を課した関数を取る。

定義 2.2.XXを空でない有限連続GKG_K-集合とする。点ごとの演算によるKK-代数

AX=Map⁡GK(X,Ks)={a ⁣:X→Ks∣a(gx)=g(a(x))}A_X=\operatorname{Map}_{G_K}(X,K^{\mathrm{s}}) =\{a\colon X\to K^{\mathrm{s}}\mid a(gx)=g(a(x))\}

をGalois 集合の有限エタール代数 (finite etale algebra of a Galois set) と定める。GKG_K-写像u ⁣:X→Yu\colon X\to Yに対し、

Au ⁣:AY⟶AX,b⟼b∘uA_u\colon A_Y\longrightarrow A_X,\qquad b\longmapsto b\circ u

と定める。

定数関数によってKKはAXA_Xに含まれる。写像の合成からX↦AXX\mapsto A_Xとu↦Auu\mapsto A_uは反変関手を定める。

命題 2.3.XXを空でない有限連続GKG_K-集合とし、軌道分解を

X=∐i=1rGK/Hi(r≥1)X=\coprod_{i=1}^rG_K/H_i\qquad(r\ge1)

とする。各HiH_iは開部分群であり、

AX≅∏i=1r(Ks)HiA_X\cong\prod_{i=1}^r(K^{\mathrm{s}})^{H_i}

が成り立つ。とくにAXA_Xは有限エタールKK-代数である。

証明. 各軌道で代表点xix_iを選び、その安定化群をHiH_iとする。GKG_K-同変写像a ⁣:GK/Hi→Ksa\colon G_K/H_i\to K^{\mathrm{s}}はa(Hi)a(H_i)によって一意に決まり、同変性からa(Hi)∈(Ks)Hia(H_i)\in(K^{\mathrm{s}})^{H_i}である。逆にc∈(Ks)Hic\in(K^{\mathrm{s}})^{H_i}に対して

a(gHi)=g(c)a(gH_i)=g(c)

と置けば、代表元の選択に依存しない同変写像を得る。したがってAGK/Hi≅(Ks)HiA_{G_K/H_i}\cong(K^{\mathrm{s}})^{H_i}である。互いに素な軌道上の関数は独立に選べるので、直積表示を得る。HiH_iは開部分群であるから、§E8.13 定理 4.1により(Ks)Hi/K(K^{\mathrm{s}})^{H_i}/Kは有限分離拡大である。したがってAXA_Xは有限分離拡大の有限直積、すなわち有限エタールKK-代数である。▨

3 評価写像と反変同値

二つの反変関手を二回適用すると、元または点を評価する写像が得られる。

命題 3.1.AAを有限エタールKK-代数とする。写像

ηA ⁣:A⟶AXA,a⟼(φ↦φ(a))\eta_A\colon A\longrightarrow A_{X_A},\qquad a\longmapsto\bigl(\varphi\mapsto\varphi(a)\bigr)

はKK-代数同型であり、AAについて自然である。

証明. まずA=LA=Lが有限分離体拡大である場合を考える。埋め込みι ⁣:L↪Ks\iota\colon L\hookrightarrow K^{\mathrm{s}}を一つ固定し、

H=Gal⁡(Ks/ι(L))H=\operatorname{Gal}(K^{\mathrm{s}}/\iota(L))

と置く。代数拡大への埋め込みを代数閉体まで延長する§E8.11 定理 2.1と分離性により、GKG_KはXLX_Lへ推移的に作用し、gH↦g∘ιgH\mapsto g\circ\iotaはGK/H≅XLG_K/H\cong X_Lを与える。命題 2.3により

AXL≅(Ks)H=ι(L).A_{X_L}\cong(K^{\mathrm{s}})^H=\iota(L).

この同型のもとでηL\eta_Lはι ⁣:L→ι(L)\iota\colon L\to\iota(L)そのものであるから同型である。

一般にA=∏iLiA=\prod_iL_iと書くと、XA=∐iXLiX_A=\coprod_iX_{L_i}であり、軌道ごとの計算からAXA≅∏iLi=AA_{X_A}\cong\prod_iL_i=Aとなる。この同型は各元をすべての埋め込みで評価するηA\eta_Aと一致する。

KK-代数準同型f ⁣:A→Bf\colon A\to B、a∈Aa\in A、ψ∈XB\psi\in X_Bに対して

(AXf(ηA(a)))(ψ)=ηA(a)(ψ∘f)=ψ(f(a))=ηB(f(a))(ψ)\bigl(A_{X_f}(\eta_A(a))\bigr)(\psi) =\eta_A(a)(\psi\circ f)=\psi(f(a))=\eta_B(f(a))(\psi)

である。したがってAXf∘ηA=ηB∘fA_{X_f}\circ\eta_A=\eta_B\circ fであり、自然性が成り立つ。▨

命題 3.2.XXを空でない有限連続GKG_K-集合とする。写像

εX ⁣:X⟶XAX,x⟼ev⁡x,ev⁡x(a)=a(x)\varepsilon_X\colon X\longrightarrow X_{A_X},\qquad x\longmapsto\operatorname{ev}_x,\qquad \operatorname{ev}_x(a)=a(x)

はGKG_K-集合の同型であり、XXについて自然である。

証明.a∈AXa\in A_Xに対して

ev⁡gx(a)=a(gx)=g(a(x))=(gev⁡x)(a)\operatorname{ev}_{gx}(a)=a(gx)=g(a(x))=(g\operatorname{ev}_x)(a)

であるから、εX\varepsilon_XはGKG_K-同変である。

X=GK/HX=G_K/Hが一つの軌道である場合、命題 2.3によりAX=(Ks)HA_X=(K^{\mathrm{s}})^Hと同一視できる。gHgHにおける評価は、固定体の埋め込み

(Ks)H⟶Ks,c⟼g(c)(K^{\mathrm{s}})^H\longrightarrow K^{\mathrm{s}},\qquad c\longmapsto g(c)

である。有限分離拡大のすべてのKK-埋め込みはこの形であり、二つの剰余類が同じ埋め込みを与えることはそれらが等しいことと同値である。したがってεX\varepsilon_Xは全単射である。

一般の空でない有限集合XXを軌道の直和に分解すると、AXA_Xは対応する固定体の直積になり、体への準同型は直積のちょうど一つの成分を選ぶ。したがって軌道ごとの全単射を合わせれば、一般の場合にもεX\varepsilon_Xは全単射である。

GKG_K-写像u ⁣:X→Yu\colon X\to Yに対し、x∈Xx\in Xとb∈AYb\in A_Yについて

XAu(ev⁡x)(b)=ev⁡x(b∘u)=b(u(x))=ev⁡u(x)(b)X_{A_u}(\operatorname{ev}_x)(b)=\operatorname{ev}_x(b\circ u)=b(u(x)) =\operatorname{ev}_{u(x)}(b)

である。ゆえにXAu∘εX=εY∘uX_{A_u}\circ\varepsilon_X=\varepsilon_Y\circ uとなり、自然性が成り立つ。▨

定理 3.3. 対応

A⟼XA=Hom⁡K-alg(A,Ks),X⟼AX=Map⁡GK(X,Ks)A\longmapsto X_A=\operatorname{Hom}_{K\text{-alg}}(A,K^{\mathrm{s}}),\qquad X\longmapsto A_X=\operatorname{Map}_{G_K}(X,K^{\mathrm{s}})

は、有限エタールKK-代数の圏と空でない有限連続GKG_K-集合の圏との反変同値を与える。とくに、有限エタールKK-代数A,BA,Bに対して自然な全単射

Hom⁡K-alg(A,B)≅Hom⁡GK(XB,XA)\operatorname{Hom}_{K\text{-alg}}(A,B) \cong\operatorname{Hom}_{G_K}(X_B,X_A)

が成り立つ。

証明.命題 3.1と命題 3.2は、二つの反変関手を合成した共変関手が、それぞれの圏の恒等関手と自然同型であることを示す。したがって二つの反変関手は反変同値である。

全忠実性を写像として確認する。f ⁣:A→Bf\colon A\to BはXf ⁣:XB→XAX_f\colon X_B\to X_Aを与える。逆にGKG_K-写像u ⁣:XB→XAu\colon X_B\to X_Aに対し、

fu=ηB−1∘Au∘ηA ⁣:A⟶Bf_u=\eta_B^{-1}\circ A_u\circ\eta_A\colon A\longrightarrow B

と置く。ψ∈XB\psi\in X_Bとa∈Aa\in Aに対して、評価同型の自然性から

ψ(fu(a))=u(ψ)(a)\psi(f_u(a))=u(\psi)(a)

が成り立つ。したがってXfu=uX_{f_u}=uである。逆にu=Xfu=X_fから作るfuf_uはηB∘f=AXf∘ηA\eta_B\circ f=A_{X_f}\circ\eta_Aによりffに等しい。よって二つの構成は互いに逆であり、表示した全単射が成り立つ。▨

例 3.4 (実数体上の有限エタール代数).K=RK=\mathbb R、Ks=CK^{\mathrm{s}}=\mathbb Cとすると、GK={1,c}G_K=\{1,c\}であり、ccは複素共役である。一点からなる自明なGKG_K-集合はR\mathbb Rに対応する。二点をccが交換する推移的なGKG_K-集合はC\mathbb Cに対応する。したがって、一点軌道二つと二点軌道一つの直和はR×R×C\mathbb R\times\mathbb R\times\mathbb Cに対応する。

4 純非分離拡大が検出されないこと

絶対 Galois 群は分離拡大だけを記録する。正標数における代数閉包と分離閉包の差は純非分離拡大である。

定理 4.1.KKを体、K‾\overline Kを代数閉包、Ks⊆K‾K^{\mathrm{s}}\subseteq\overline Kを分離閉包とする。

  1. KKの標数が00ならK‾=Ks\overline K=K^{\mathrm{s}}であり、KKの標数がp>0p>0ならK‾/Ks\overline K/K^{\mathrm{s}}は純非分離拡大である。いずれの場合にも、制限写像 Aut⁡K(K‾)⟶GK\operatorname{Aut}_K(\overline K)\longrightarrow G_K は同型である。
  2. KKの標数をp>0p>0とする。K′/KK'/Kが代数的な純非分離拡大なら、整合する分離閉包を選んだとき、制限によって GK′≅GKG_{K'}\cong G_K となる。したがって有限エタール代数の反変分類は、純非分離拡大の方向を検出しない。

証明.KKの標数が00なら、すべての代数拡大が分離的であるためKs=K‾K^{\mathrm{s}}=\overline Kである。この場合の制限写像は同じ体の自己同型群の間の恒等写像であり、(1)が成り立つ。

KKの標数をp>0p>0とする。代数拡大K‾/K\overline K/Kに§E8.12 命題 1.4を適用すると、その最大分離部分体はKsK^{\mathrm{s}}であるから、K‾/Ks\overline K/K^{\mathrm{s}}は純非分離拡大である。

K‾\overline KのKK-自己同型τ\tauはKK上分離的な元を保つため、KsK^{\mathrm{s}}を保つ。したがって制限写像が定まる。制限が恒等写像なら、任意のα∈K‾\alpha\in\overline Kに対してτ(α)pr=τ(αpr)=αpr\tau(\alpha)^{p^r}=\tau(\alpha^{p^r})=\alpha^{p^r}となる。Xpr−αprX^{p^r}-\alpha^{p^r}は一つの根しかもたないのでτ(α)=α\tau(\alpha)=\alphaであり、制限写像は単射である。

g∈GKg\in G_Kを取る。α∈K‾\alpha\in\overline Kに対し、αpr∈Ks\alpha^{p^r}\in K^{\mathrm{s}}となるrrを選び、g~(α)\widetilde g(\alpha)を

Xpr−g(αpr)X^{p^r}-g(\alpha^{p^r})

の一意な根と定める。より大きいrrを選んでも一意性により同じ根を得る。prp^r乗を取って比較すれば、g~\widetilde gが加法と乗法を保つことが分かる。同じ構成をg−1g^{-1}に適用して逆写像を得るので、g~∈Aut⁡K(K‾)\widetilde g\in\operatorname{Aut}_K(\overline K)である。よって制限写像は全射であり、(1)が従う。

K′/KK'/Kを代数的な純非分離拡大とする。K′K'を含む代数閉包Ω\Omegaを固定し、Ω\Omegaの中のKKの分離閉包をKsK^{\mathrm{s}}とする。任意のg∈Aut⁡K(Ω)g\in\operatorname{Aut}_K(\Omega)とx∈K′x\in K'に対し、あるrrが存在してxpr∈Kx^{p^r}\in Kとなる。したがって

g(x)pr=g(xpr)=xprg(x)^{p^r}=g(x^{p^r})=x^{p^r}

であり、一意な根の性質からg(x)=xg(x)=xである。ゆえにAut⁡K(Ω)\operatorname{Aut}_K(\Omega)とAut⁡K′(Ω)\operatorname{Aut}_{K'}(\Omega)は同じ部分群である。(1)によって両者をそれぞれの絶対 Galois 群と同一視すれば、抽象群としてGK′≅GKG_{K'}\cong G_Kを得る。

得られた群同型が Krull 位相も保つことを確認する。分離性は基礎体を拡大しても保たれるため、K′Ks/K′K'K^{\mathrm{s}}/K'は分離拡大である。前段で示したΩ/Ks\Omega/K^{\mathrm{s}}の純非分離性から、Ω/K′Ks\Omega/K'K^{\mathrm{s}}の純非分離性も従う。したがってK′KsK'K^{\mathrm{s}}はK′K'の分離閉包である。KsK^{\mathrm{s}}の有限部分集合を固定する部分群は、K′KsK'K^{\mathrm{s}}に関する Krull 位相でも開である。逆にK′KsK'K^{\mathrm{s}}の一つの元は、K′K'の有限個の元とKsK^{\mathrm{s}}の有限個の元による体演算で表される。群の各元はK′K'を固定するため、その元の固定化群はKsK^{\mathrm{s}}の有限個の元を固定する開部分群を含む。したがって二つの Krull 位相は一致する。反変同値定理 3.3により、両体の有限エタール代数は同じ空でない有限連続作用集合によって分類される。▨

5 演習

問題 5.1 (問題). 次の各問に答えよ。

  1. 空でない有限連続GKG_K-集合X=GK/H1⨿GK/H2X=G_K/H_1\amalg G_K/H_2に対応する有限エタール代数を求めよ。
  2. K=RK=\mathbb Rとする。自明な二点GKG_K-集合と、複素共役が二点を交換するGKG_K-集合に対応するR\mathbb R-代数をそれぞれ求めよ。
  3. KKの標数をp>0p>0とし、K′=K(a1/p)K'=K(a^{1/p})を純非分離拡大とする。代数閉包K‾\overline Kの任意のKK-自己同型がa1/pa^{1/p}を固定することを直接証明せよ。
  4. A=K×KA=K\times KおよびB=KB=Kとする。KK-代数準同型A→BA\to Bをすべて求め、対応する写像XB→XAX_B\to X_Aを明示せよ。これにより Hom⁡K-alg(A,B)≅Hom⁡GK(XB,XA)\operatorname{Hom}_{K\text{-alg}}(A,B) \cong\operatorname{Hom}_{G_K}(X_B,X_A) と、射の向きが反転することを直接確認せよ。
解答 (解答).
  1. 軌道ごとの固定体を取るので AX=(Ks)H1×(Ks)H2A_X=(K^{\mathrm{s}})^{H_1}\times(K^{\mathrm{s}})^{H_2} である。
  2. 自明な各点に対応する代数はR\mathbb Rなので、自明な二点集合にはR×R\mathbb R\times\mathbb Rが対応する。二点を交換する推移的集合にはC\mathbb Cが対応する。
  3. b=a1/pb=a^{1/p}とし、ggを代数閉包のKK-自己同型とする。g(b)p=g(bp)=g(a)=a=bpg(b)^p=g(b^p)=g(a)=a=b^pである。Xp−a=(X−b)pX^p-a=(X-b)^pは代数閉包で一つの根しかもたないため、g(b)=bg(b)=bである。
  4. AAの二つの直交冪等元(1,0)(1,0)と(0,1)(0,1)の像は、B=KB=Kの冪等元0,10,1のうち一方ずつであり、和が11になる。したがってKK-代数準同型A→BA\to Bは二つの射影 π1(a1,a2)=a1,π2(a1,a2)=a2\pi_1(a_1,a_2)=a_1, \qquad \pi_2(a_1,a_2)=a_2 だけである。包含をι ⁣:K↪Ks\iota\colon K\hookrightarrow K^{\mathrm{s}}と書くと、XA={ι∘π1,ι∘π2}X_A=\{\iota\circ\pi_1,\iota\circ\pi_2\}は自明な二点GKG_K-集合であり、XB={ι}X_B=\{\iota\}は自明な一点集合である。反変関手は Xπi(ι)=ι∘πi(i=1,2)X_{\pi_i}(\iota) =\iota\circ\pi_i \qquad(i=1,2) と定める。したがって二つの代数準同型は、一点集合から二点集合への二つのGKG_K-写像と一対一に対応し、 Hom 集合の全単射と射の向きの反転が確認される。

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参考文献

  1. James S. Milne, Étale Cohomology, Princeton Mathematical Series 33, Princeton University Press, 1980.有限エタール代数と有限 Galois 集合の対応を参考にした。
  2. Tamás Szamuely, Galois Groups and Fundamental Groups, Cambridge University Press, Cambridge, 2009.絶対 Galois 群と Galois 圏の記述を参考にした。

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