§D1.22関数列の一様収束

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関数の列f1,f2,…f_1, f_2, \dotsが関数ffへ近づくという言い方には、意味の異なる二つの読み方があります。各点ごとに数列として近づくという読み方と、区間全体で一斉に近づくという読み方です。この二つを分けるのは、本単元がこれまで扱ってきた量化子の順序です。

区別する必要があるのは、極限の関数がもとの関数列の性質を受け継ぐかどうかが、この二つで変わるからです。本記事は、一様に収束する場合について、連続性が保たれること、極限と積分を入れ替えてよいこと、および導関数の列が一様に収束すれば項ごとに微分してよいことを証明します。あわせて、関数項級数が一様に収束することを、各項を上から押さえる数列の級数によって判定する方法を扱います。

1 二つの収束

定義 1.1 (各点収束と一様収束).I⊆RI \subseteq \mathbb{R}とし、fn:I→Rf_n : I \to \mathbb{R}(n=1,2,…n=1,2,\dots)およびf:I→Rf : I \to \mathbb{R}とする。

関数列{fn}\{f_n\}がII上でffへ各点収束 (pointwise convergence) するとは

∀x∈I, ∀ε>0, ∃N∈N, ∀n≥N, ∣fn(x)−f(x)∣<ε\forall x \in I,\ \forall \varepsilon>0,\ \exists N \in \mathbb{N},\ \forall n \ge N,\ |f_n(x)-f(x)|<\varepsilon

が成り立つことをいう。

関数列{fn}\{f_n\}がII上でffへ一様収束 (uniform convergence) するとは

∀ε>0, ∃N∈N, ∀n≥N, ∀x∈I, ∣fn(x)−f(x)∣<ε\forall \varepsilon>0,\ \exists N \in \mathbb{N},\ \forall n \ge N,\ \forall x \in I,\ |f_n(x)-f(x)|<\varepsilon

が成り立つことをいう。

二つの定義の違いは、∃N\exists Nと∀x\forall xの順序だけです。各点収束ではxxが先に与えられるので、NNはxxに依存してよく、点ごとに別のNNを取ることができます。一様収束ではNNを先に一つ決めるので、そのNNは区間のすべての点で通用しなければなりません。連続であることと一様連続であることの違い(§D1.15 定義 1.1)がδ\deltaの依存先の違いであったのと、同じ形です。

一様収束すれば各点収束することは、定義から直ちに従います。逆が成り立たないことを、次の例で確かめます。

判定に使いやすい形へ言い換えておきます。

命題 1.2 (上限による一様収束の判定).I⊆RI\subseteq\mathbb{R}を空でない集合とし、fn,f:I→Rf_n, f : I \to \mathbb{R}とする。{fn}\{f_n\}がII上でffへ一様収束するための必要十分条件は、次の二つがともに成り立つことである。

  1. ある番号N0N_0が存在して、n≥N0n \ge N_0を満たすすべてのnnについて、関数x↦∣fn(x)−f(x)∣x \mapsto |f_n(x)-f(x)|がII上で上に有界である。
  2. そのnnについてMn=sup⁡x∈I∣fn(x)−f(x)∣M_n = \sup_{x\in I}|f_n(x)-f(x)|とおくと、Mn→0M_n \to 0が成り立つ。

証明. 必要性を示す。{fn}\{f_n\}が一様収束するとし、ε>0\varepsilon>0を与える。定義のε\varepsilonをε2\frac\varepsilon2として番号NNを取ると、n≥Nn\ge Nを満たすすべてのnnとすべてのx∈Ix \in Iに対して∣fn(x)−f(x)∣<ε2|f_n(x)-f(x)|<\frac\varepsilon2が成り立つ。したがって集合{∣fn(x)−f(x)∣:x∈I}\{|f_n(x)-f(x)| : x \in I\}はε2\frac\varepsilon2を上界としてもち、空でないので上限公理によりMnM_nが存在してMn≤ε2<εM_n \le \frac\varepsilon2 < \varepsilonとなる。ε\varepsilonは任意であるから、条件 (a)はε=1\varepsilon=1に対するNNをN0N_0とすれば満たされ、条件 (b)も成り立つ。

十分性を示す。条件 (a)と条件 (b)を仮定し、ε>0\varepsilon>0を与える。Mn→0M_n \to 0より、ある番号N≥N0N \ge N_0について、n≥Nn\ge NならばMn<εM_n<\varepsilonとなる。上限の定義から、すべてのx∈Ix \in Iに対して∣fn(x)−f(x)∣≤Mn<ε|f_n(x)-f(x)| \le M_n < \varepsilonである。これは一様収束の定義そのものである。▨

例 1.3 (各点収束するが一様収束しない関数列).I=[0,1]I=[0,1]とし、fn(x)=xnf_n(x)=x^nとおく。

各点収束すること.0≤x<10\le x<1のときxn→0x^n \to 0であり、x=1x=1のときfn(1)=1f_n(1)=1は定数列である。したがって{fn}\{f_n\}は

f(x)={0(0≤x<1)1(x=1)f(x)=\begin{cases}0 & (0\le x<1)\\ 1 & (x=1)\end{cases}

へ各点収束する。

一様収束しないこと.x=1x=1では∣fn(1)−f(1)∣=0|f_n(1)-f(1)|=0であり、0≤x<10\le x<1では∣fn(x)−f(x)∣=xn|f_n(x)-f(x)|=x^nである。x→1−0x \to 1-0とするとxnx^nは11にいくらでも近づくから、Mn=sup⁡x∈[0,1]∣fn(x)−f(x)∣=1M_n=\sup_{x\in[0,1]}|f_n(x)-f(x)|=1である。MnM_nは00へ収束しないので、命題 1.2により一様収束しない。

各fnf_nは[0,1][0,1]で連続であるが、極限の関数ffはx=1x=1で連続ではない。

2 一様収束は連続性を保つ

各点収束では連続性が保たれないことを、例 1.3が示しました。一様収束を仮定すると結論が変わります。

定理 2.1 (一様収束する連続関数列の極限は連続である).I⊆RI \subseteq \mathbb{R}とする。各nnについてfn:I→Rf_n : I \to \mathbb{R}がII上連続であり、{fn}\{f_n\}がII上でffへ一様収束するならば、ffはII上連続である。

証明.a∈Ia \in Iを固定し、ε>0\varepsilon>0を与える。

一様収束の定義により、ある番号NNが存在して、n≥Nn \ge Nを満たすすべてのnnとすべてのx∈Ix \in Iに対して∣fn(x)−f(x)∣<ε3|f_n(x)-f(x)|<\frac\varepsilon3が成り立つ。以下、n=Nn=Nを固定して用いる。

fNf_Nはaaで連続であるから(§D1.11 定義 1.2)、あるδ>0\delta>0が存在して、x∈Ix \in Iかつ∣x−a∣<δ|x-a|<\deltaならば∣fN(x)−fN(a)∣<ε3|f_N(x)-f_N(a)|<\frac\varepsilon3となる。

このとき、x∈Ix \in Iかつ∣x−a∣<δ|x-a|<\deltaを満たすxxに対して

∣f(x)−f(a)∣≤∣f(x)−fN(x)∣+∣fN(x)−fN(a)∣+∣fN(a)−f(a)∣<ε3+ε3+ε3=ε|f(x)-f(a)| \le |f(x)-f_N(x)|+|f_N(x)-f_N(a)|+|f_N(a)-f(a)| < \frac\varepsilon3+\frac\varepsilon3+\frac\varepsilon3=\varepsilon

が成り立つ。ε\varepsilonは任意であるから、ffはaaで連続である。a∈Ia \in Iは任意であるから、ffはII上連続である。▨

3 一様収束のもとで極限と積分を入れ替えることができる

定理 3.1 (一様収束と積分の交換).a<ba<bとする。各nnについてfn:[a,b]→Rf_n:[a,b]\to\mathbb{R}がリーマン可積分であり、{fn}\{f_n\}が[a,b][a,b]上でffへ一様収束するとする。このときffは[a,b][a,b]でリーマン可積分であり、

lim⁡n→∞∫abfn(x) dx=∫abf(x) dx\lim_{n\to\infty}\int_a^b f_n(x)\,dx=\int_a^b f(x)\,dx

が成り立つ。

証明.命題 1.2により、ある番号から先のnnについてMn=sup⁡x∈[a,b]∣fn(x)−f(x)∣M_n=\sup_{x\in[a,b]}|f_n(x)-f(x)|が定まり、Mn→0M_n \to 0となる。以下ではこの範囲のnnだけを考える。

fnf_nは可積分であるから有界である。∣f(x)∣≤∣fn(x)∣+Mn|f(x)| \le |f_n(x)|+M_nよりffも有界である。

ε>0\varepsilon>0を与え、η=ε4(b−a)\eta=\dfrac{\varepsilon}{4(b-a)}とおく。Mn→0M_n \to 0より、MN≤ηM_N \le \etaとなる番号NNを取る。分割P:a=x0<x1<⋯<xm=bP: a=x_0<x_1<\cdots<x_m=bを任意に取り、小区間[xi−1,xi][x_{i-1},x_i]におけるffとfNf_Nの上限をそれぞれMi(f)M_i(f)、Mi(fN)M_i(f_N)、下限をmi(f)m_i(f)、mi(fN)m_i(f_N)と書く。この小区間の各点ttでf(t)≤fN(t)+η≤Mi(fN)+ηf(t) \le f_N(t)+\eta \le M_i(f_N)+\etaであるから、Mi(f)≤Mi(fN)+ηM_i(f) \le M_i(f_N)+\etaである。同様にmi(f)≥mi(fN)−ηm_i(f) \ge m_i(f_N)-\etaである。したがって

U(f,P)−L(f,P)≤(U(fN,P)−L(fN,P))+2η(b−a)=(U(fN,P)−L(fN,P))+ε2.U(f,P)-L(f,P) \le \bigl(U(f_N,P)-L(f_N,P)\bigr)+2\eta(b-a) =\bigl(U(f_N,P)-L(f_N,P)\bigr)+\frac\varepsilon2 .

fNf_Nは可積分であるから、§D1.17 定理 2.4によりU(fN,P)−L(fN,P)<ε2U(f_N,P)-L(f_N,P)<\frac\varepsilon2となる分割PPが存在する。そのPPに対してU(f,P)−L(f,P)<εU(f,P)-L(f,P)<\varepsilonとなるので、ふたたび§D1.17 定理 2.4によりffは可積分である。

§D1.17 定理 3.2によりfn−ff_n-fはリーマン可積分であり、

∫abfn(x) dx−∫abf(x) dx=∫ab(fn(x)−f(x)) dx\int_a^b f_n(x)\,dx-\int_a^b f(x)\,dx =\int_a^b\bigl(f_n(x)-f(x)\bigr)\,dx

が成り立つ。すべてのx∈[a,b]x\in[a,b]に対して∣fn(x)−f(x)∣≤Mn|f_n(x)-f(x)|\leq M_nであるから、§D1.17 命題 3.9により

∣∫abfn(x) dx−∫abf(x) dx∣≤Mn(b−a)\left|\int_a^b f_n(x)\,dx-\int_a^b f(x)\,dx\right|\leq M_n(b-a)

である。Mn→0M_n\to0であるから、右辺は00へ収束する。▨

この定理が仮定しているのは一様収束です。仮定を各点収束まで弱めると結論は成り立たなくなり、lim⁡∫fn\lim\int f_nと∫lim⁡fn\int \lim f_nが異なる例が現れます。その例は展望の「リーマン積分の限界」で扱います。

4 一様収束は微分を保たない

積分とは異なり、微分は一様収束によって保たれません。

例 4.1 (一様収束しても導関数の列が収束しない).fn(x)=sin⁡(nx)nf_n(x)=\dfrac{\sin (nx)}{\sqrt n}とおく。すべてのx∈Rx \in \mathbb{R}で∣fn(x)∣≤1n|f_n(x)| \le \dfrac1{\sqrt n}であるから、{fn}\{f_n\}はR\mathbb{R}上で定数関数00へ一様収束する(命題 1.2)。

一方fn′(x)=n cos⁡(nx)f_n'(x)=\sqrt n\,\cos(nx)であるから、x=0x=0ではfn′(0)=nf_n'(0)=\sqrt nとなり、この数列は収束しない。極限の関数f=0f=0の導関数はf′(0)=0f'(0)=0であるから、fn′(0)→f′(0)f_n'(0) \to f'(0)は成り立たない。

そこで、関数列そのものではなく導関数の列が一様収束することを仮定します。

定理 4.2 (項ごとの微分).a<ba<bとする。各nnについてfn:[a,b]→Rf_n:[a,b]\to\Rは[a,b][a,b]上連続かつ(a,b)(a,b)上微分可能であり、(a,b)(a,b)上の導関数が[a,b][a,b]上の連続関数へ延長されるとする。その延長もfn′f_n'と書く。さらに次の二つを仮定する。

  1. 導関数の列{fn′}\{f_n'\}が[a,b][a,b]上で関数ggへ一様収束する。
  2. ある点x0∈[a,b]x_0 \in [a,b]について、数列{fn(x0)}\{f_n(x_0)\}が収束する。

このとき{fn}\{f_n\}は[a,b][a,b]上のある関数ffへ一様収束し、ffは(a,b)(a,b)で微分可能であり、f′(x)=g(x)f'(x)=g(x)がすべてのx∈(a,b)x\in(a,b)で成り立つ。さらに、ffのaaにおける右微分係数とbbにおける左微分係数は、それぞれg(a)g(a)とg(b)g(b)に等しい。

証明.α=lim⁡n→∞fn(x0)\alpha=\lim_{n\to\infty}f_n(x_0)とおく。

各fn′f_n'は連続であるから、定理 2.1によりggは[a,b][a,b]上連続である。また各fn′f_n'は連続であるから可積分である(§D1.17 定理 2.5)。fnf_nはfn′f_n'の原始関数であるから、§D1.19 定理 2.1と§D1.17 定義 3.7により、xxとx0x_0の大小にかかわらず、すべてのx∈[a,b]x \in [a,b]について

fn(x)=fn(x0)+∫x0xfn′(t) dtf_n(x)=f_n(x_0)+\int_{x_0}^{x} f_n'(t)\,dt

が成り立つ。そこで

f(x)=α+∫x0xg(t) dt(x∈[a,b])f(x)=\alpha+\int_{x_0}^{x} g(t)\,dt \qquad (x \in [a,b])

とおく。ggは連続であるからこの積分は定まる。

Mn=sup⁡t∈[a,b]∣fn′(t)−g(t)∣M_n=\sup_{t\in[a,b]}|f_n'(t)-g(t)|とおくと、条件 (a)と命題 1.2によりMn→0M_n \to 0である。§D1.17 定義 3.7と§D1.17 系 3.3により、xxとx0x_0の大小にかかわらず

∫x0xfn′(t) dt−∫x0xg(t) dt=∫x0x(fn′(t)−g(t)) dt\int_{x_0}^{x}f_n'(t)\,dt-\int_{x_0}^{x}g(t)\,dt =\int_{x_0}^{x}\bigl(f_n'(t)-g(t)\bigr)\,dt

が成り立つ。また、すべてのt∈[a,b]t\in[a,b]に対して∣fn′(t)−g(t)∣≤Mn|f_n'(t)-g(t)|\leq M_nであるから、§D1.17 命題 3.9により

∣∫x0x(fn′(t)−g(t)) dt∣≤(b−a)Mn\left|\int_{x_0}^{x}\bigl(f_n'(t)-g(t)\bigr)\,dt\right| \le (b-a)M_n

が成り立つ。fn(x)−f(x)f_n(x)-f(x)はこの積分とfn(x0)−αf_n(x_0)-\alphaの和に等しいので、

∣fn(x)−f(x)∣≤∣fn(x0)−α∣+(b−a)Mn|f_n(x)-f(x)| \le |f_n(x_0)-\alpha|+(b-a)M_n

である。右辺はxxに依らず00へ収束するから、{fn}\{f_n\}はffへ一様収束する。

§D1.17 命題 3.8により、すべてのx∈[a,b]x\in[a,b]について

∫x0xg(t) dt=∫axg(t) dt−∫ax0g(t) dt\int_{x_0}^{x}g(t)\,dt=\int_a^x g(t)\,dt-\int_a^{x_0}g(t)\,dt

が成り立つ。ggは[a,b][a,b]で連続であるから、§D1.19 定理 1.1をx↦∫axg(t) dtx\mapsto\int_a^x g(t)\,dtに適用すると、この関数は(a,b)(a,b)で微分可能で導関数がggに等しく、aaでの右微分係数がg(a)g(a)に、bbでの左微分係数がg(b)g(b)に等しい。したがって、この関数に定数α−∫ax0g(t) dt\alpha-\int_a^{x_0}g(t)\,dtを加えたffも同じ微分係数をもつ。▨

導関数の連続性を仮定しない形については、本記事は述べません。次の記事で扱うべき級数では、部分和が多項式なので導関数はつねに連続であり、この定理をそのまま適用することができます。

5 各項を上から押さえる数列による判定

関数項級数∑n=1∞un(x)\sum_{n=1}^\infty u_n(x)の一様収束を、部分和の列sN(x)=∑n=1Nun(x)s_N(x)=\sum_{n=1}^{N}u_n(x)の一様収束として扱います。極限の関数を先に求めずに判定するために、数列のコーシー列に対応する条件を用意します。

補題 5.1 (一様収束のコーシー条件).fn:I→Rf_n : I \to \mathbb{R}(n=1,2,…n=1,2,\dots)について、次の二条件を考える。

  1. {fn}\{f_n\}はII上のある関数へ一様収束する。
  2. 次の条件が成り立つ。 ∀ε>0, ∃N∈N, ∀m,n≥N, ∀x∈I, ∣fn(x)−fm(x)∣<ε\forall\varepsilon>0,\ \exists N \in \mathbb{N},\ \forall m,n\ge N,\ \forall x \in I,\ |f_n(x)-f_m(x)|<\varepsilon

(1)⇔\Leftrightarrow(2)が成り立つ。

証明.(1)⇒\Rightarrow(2)を示す。ffへ一様収束するとし、ε>0\varepsilon>0を与える。ε2\frac\varepsilon2に対する番号NNを取ると、m,n≥Nm,n\ge Nとすべてのx∈Ix \in Iについて∣fn(x)−fm(x)∣≤∣fn(x)−f(x)∣+∣f(x)−fm(x)∣<ε|f_n(x)-f_m(x)| \le |f_n(x)-f(x)|+|f(x)-f_m(x)|<\varepsilonが成り立つ。

(2)⇒\Rightarrow(1)を示す。条件を仮定する。各x∈Ix \in Iを固定すると、数列{fn(x)}\{f_n(x)\}はコーシー列であるから、実数の完備性(§D1.10 定理 1.1)により収束する。その極限をf(x)f(x)とおく。

ε>0\varepsilon>0を与え、ε2\frac\varepsilon2に対する番号NNを取る。n≥Nn \ge Nとx∈Ix \in Iを固定すると、m≥Nm \ge Nを満たすすべてのmmについて∣fn(x)−fm(x)∣<ε2|f_n(x)-f_m(x)|<\frac\varepsilon2である。m→∞m \to \inftyとすると、極限は不等式の向きを保つので∣fn(x)−f(x)∣≤ε2<ε|f_n(x)-f(x)| \le \frac\varepsilon2<\varepsilonとなる。NNはxxに依らずに取ったので、これは一様収束の定義を満たす。▨

定理 5.2 (各項を上から押さえる数列による判定).un:I→Ru_n : I \to \mathbb{R}(n=1,2,…n=1,2,\dots)とし、非負の数列{Mn}\{M_n\}が

∣un(x)∣≤Mn(すべての n と、すべての x∈I)|u_n(x)| \le M_n \qquad (\text{すべての } n \text{ と、すべての } x \in I)

を満たすとする。級数∑n=1∞Mn\sum_{n=1}^\infty M_nが収束するならば、部分和の列sN(x)=∑n=1Nun(x)s_N(x)=\sum_{n=1}^{N}u_n(x)はII上で一様収束する。

証明.ε>0\varepsilon>0を与える。∑Mn\sum M_nは収束するので、その部分和TN=∑n=1NMnT_N=\sum_{n=1}^{N}M_nはコーシー列である(§D1.10 定理 1.1)。したがって、ある番号N1N_1が存在して、N,M≥N1N,M\geq N_1ならば∣TM−TN∣<ε|T_M-T_N|<\varepsilonとなる。

任意のN,M≥N1N,M\geq N_1とx∈Ix\in Iをとる。N=MN=Mならば∣sM(x)−sN(x)∣=0<ε|s_M(x)-s_N(x)|=0<\varepsilonである。N<MN<Mならば

∣sM(x)−sN(x)∣=∣∑n=N+1Mun(x)∣≤∑n=N+1M∣un(x)∣≤∑n=N+1MMn<ε|s_M(x)-s_N(x)|=\left|\sum_{n=N+1}^{M}u_n(x)\right| \le \sum_{n=N+1}^{M}|u_n(x)| \le \sum_{n=N+1}^{M}M_n<\varepsilon

が成り立つ。M<NM<Nならば、N<MN<Mの場合の評価でNNとMMを入れ替え、絶対値の対称性を用いると∣sM(x)−sN(x)∣=∣sN(x)−sM(x)∣<ε|s_M(x)-s_N(x)|=|s_N(x)-s_M(x)|<\varepsilonとなる。よって{sN}\{s_N\}は補題 5.1の条件を満たし、II上で一様収束する。▨

例 5.3 (判定法の適用). 級数∑n=1∞sin⁡(nx)n2\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{\sin (nx)}{n^2}はR\mathbb{R}全体で一様収束する。すべてのxxについて∣sin⁡(nx)n2∣≤1n2\left|\dfrac{\sin(nx)}{n^2}\right| \le \dfrac1{n^2}であり、∑1n2\sum \dfrac1{n^2}は収束するからである(§D1.21 例 4.2)。

各部分和は連続関数であるから、定理 2.1により、この級数の和はR\mathbb{R}上の連続関数である。

参考文献

  1. 杉浦光夫『解析入門 I』基礎数学 2, 東京大学出版会, 1980.
  2. Walter Rudin, Principles of Mathematical Analysis, 3rd ed., International Series in Pure and Applied Mathematics, McGraw Hill, 1976.

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