1 連続関数は可積分
有界閉区間上の連続関数がリーマン可積分であることは、前項の§D1.17 定理 2.5で証明しています。
2 単調関数も可積分
定理 2.1.a<bとする。[a,b]上の単調増加関数または単調減少関数fは、リーマン可積分である。
証明. 単調性により、fの値は端点の値f(a)とf(b)の間にあるので、fは有界である。任意のε>0をとる。§D1.4 系 2.2により、
n(b−a)∣f(b)−f(a)∣<εとなる正の整数nをとることができる。[a,b]をn等分する分割をP:a=x0<x1<⋯<xn=bとし、Δ=(b−a)/nとおく。
fが単調増加する場合、各小区間[xi−1,xi]においてMi=f(xi)、mi=f(xi−1)である。したがって、望遠鏡和により
U(f,P)−L(f,P)=Δi=1∑n(f(xi)−f(xi−1))=Δ(f(b)−f(a))=n(b−a)∣f(b)−f(a)∣<εとなる。
fが単調減少する場合には、各小区間における端点の役割が反対になり、Mi=f(xi−1)、mi=f(xi)である。この場合も
U(f,P)−L(f,P)=Δi=1∑n(f(xi−1)−f(xi))=Δ(f(a)−f(b))=n(b−a)∣f(b)−f(a)∣<εとなる。いずれの場合も§D1.17 定理 2.4の条件を満たすので、fはリーマン可積分である。▨
3 ディリクレ関数は可積分でない
例 3.1 (可積分でない関数). ディリクレ関数D:[0,1]→Rを
D(x)={10(x∈Q),(x∈/Q)によって定める。この関数は[0,1]でリーマン可積分ではない。
証明. 任意の分割P:0=x0<x1<⋯<xn=1をとる。各小区間[xi−1,xi]は空でない開区間(xi−1,xi)を含む。有理数の稠密性(§D1.4 系 2.2)と無理数の稠密性(§D1.4 補題 2.3)により、(xi−1,xi)には有理数と無理数が少なくとも一つずつ存在する。したがって、各小区間におけるDの上限はMi=1、下限はmi=0である。よって
U(D,P)=i=1∑n1⋅(xi−xi−1)=1,L(D,P)=i=1∑n0⋅(xi−xi−1)=0となる。この等式はすべての分割Pについて成り立つので、上積分は1、下積分は0である。両者は一致しないため、§D1.17 定義 2.1によりDはリーマン可積分ではない。▨