1 ε-δ 文を読む
定義 1.1 (連続性).X⊆R、f:X→R、a∈Xとする。fが点aで連続 (continuous) であるとは、
∀ε>0, ∃δ>0, ∀x∈X, (∣x−a∣<δ⇒∣f(x)−f(a)∣<ε)が成り立つことをいう。
2 否定を作る
証明.(1)⇔(2)を示す。A(x,δ)を∣x−a∣<δ、B(x,ε)を∣f(x)−f(a)∣<εとおく。量化域を保ったまま¬∀=∃¬、¬∃=∀¬、¬(A⇒B)=A∧¬Bを順に適用すると、
¬(∀ε>0, ∃δ>0, ∀x∈X, (A(x,δ)⇒B(x,ε)))=∃ε>0, ¬(∃δ>0, ∀x∈X, (A(x,δ)⇒B(x,ε)))=∃ε>0, ∀δ>0, ¬(∀x∈X, (A(x,δ)⇒B(x,ε)))=∃ε>0, ∀δ>0, ∃x∈X, (A(x,δ)∧¬B(x,ε)).実数の大小関係について¬(∣f(x)−f(a)∣<ε)は∣f(x)−f(a)∣≥εと同値である。したがって、最後の論理式は(2)と一致する。▨
例 2.2 (否定文を使って不連続を証明する). 関数f:R→Rを
f(x)={1−1(x≥0),(x<0)で定める。この関数は0で連続でない。
証明.ε=1とおく。δ>0を任意にとり、x=−δ/2∈Rとおく。このとき、
∣x−0∣=2δ<δ,∣f(x)−f(0)∣=∣−1−1∣=2≥1=εが成り立つ。したがって命題 2.1 (2)が成り立つため、命題 2.1によりfは0で連続でない。▨
3 否定形から反例を構成する
証明.a∈(0,1)とε>0を任意にとり、
δ=min{2a,2εa2}>0とおく。x∈(0,1)が∣x−a∣<δを満たすとする。δ≤a/2からx>a/2であり、
x1−a1=ax∣x−a∣<a(a/2)δ=a22δ≤εが成り立つ。したがってfは任意のa∈(0,1)で連続である。
一様連続性は
∀ε>0, ∃δ>0, ∀x,y∈(0,1), (∣x−y∣<δ⇒∣f(x)−f(y)∣<ε)である。上で用いた三つの否定規則をこの論理式に適用すると、その否定は
∃ε>0, ∀δ>0, ∃x,y∈(0,1), (∣x−y∣<δ ∧ ∣f(x)−f(y)∣≥ε)となる。ε=1とおき、δ>0を任意にとる。t=min{δ/2,1/2}、x=t/2、y=tとおく。0<x<y≤1/2<1であるからx,y∈(0,1)である。また、
∣x−y∣=2t≤4δ<δ,∣f(x)−f(y)∣=t2−t1=t1≥2≥1=εが成り立つ。したがって一様連続性の否定形が成り立つため、fは(0,1)上で一様連続でない。▨