§A5.11中線定理

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中線定理とは、三角形の1頂点から対辺の中点へ引いた中線の長さを、2辺と底辺の長さで表す定理である。

定理 1 (中線定理). 三角形△ABC\triangle ABCでMMをBCBCの中点とし、AB=c, AC=b, BC=a, AM=mAB=c,\ AC=b,\ BC=a,\ AM=mとする。このとき

m2=b2+c22−a24.m^2=\frac{b^2+c^2}{2}-\frac{a^2}{4}.

証明の方針。 中点を原点に置くと、BBとCCの位置ベクトルは反対になる。2つの二乗距離を足すと交差項が消える。

証明.MMを原点とし、MA⃗=v\vec{MA}=\mathbf v、MB⃗=u\vec{MB}=\mathbf uと置く。MMはBCBCの中点なのでMC⃗=−u\vec{MC}=-\mathbf uであり、

m2=∣v∣2,c2=∣v−u∣2,b2=∣v+u∣2,a2=∣2u∣2.m^2=|\mathbf v|^2,\quad c^2=|\mathbf v-\mathbf u|^2,\quad b^2=|\mathbf v+\mathbf u|^2,\quad a^2=|2\mathbf u|^2.

よって

b2+c2=∣v+u∣2+∣v−u∣2=2∣v∣2+2∣u∣2=2m2+a22.b^2+c^2 =|\mathbf v+\mathbf u|^2+|\mathbf v-\mathbf u|^2 =2|\mathbf v|^2+2|\mathbf u|^2 =2m^2+\frac{a^2}{2}.

整理してm2=(b2+c2)/2−a2/4m^2=(b^2+c^2)/2-a^2/4を得る。▨

a>0a>0の非退化三角形を仮定した。退化配置でもベクトル恒等式自体は残るが、三角形の定理としては通常除外する。

1 つまずいたら

  • MMはBCBCの中点なので、MC⃗=−MB⃗\vec{MC}=-\vec{MB}と置く。
  • aaは中線ではなく底辺BCBCの長さである。
  • 2乗を展開すると内積の項が符号反対で消える。

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