§A5.14複比とその射影不変性

最終更新

複比とは、同一直線上の相異なる四点について、二つの有向線分比の商として定まる量であり、直線の外にある一点からの射影で四点を別の直線上へ写しても変わらない量です。

一点からの射影とは、二直線のどちらの上にもない点O\mathrm{O}を選び、一方の直線上の点X\mathrm{X}を、直線OX\mathrm{OX}ともう一方の直線との交点X′\mathrm{X}'へ移す操作です。この操作では、線分の長さは変わり、二つの線分の長さの比も変わります。それでも、四点から作った一つの量だけは変わりません。この記事は、その量を有向線分比(§A5.9 定義 2.1)によって定義し、変わらないことをメネラウスの定理(§A5.9 定理 6.2)によって証明します。

主定理を述べるために、まず複比を定義します。

定義 1 (四点の複比). 同一直線上の相異なる四点A,B,C,D\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D}について、二つの有向線分比の商

(A,B;C,D):=AC‾/CB‾AD‾/DB‾(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\mathrm{D}) :=\frac{\overline{\mathrm{AC}}/\overline{\mathrm{CB}}} {\overline{\mathrm{AD}}/\overline{\mathrm{DB}}}

を、この四点の複比という。直線に一つの向きを定め、その向きに増加する座標によってA,B,C,D\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D}の座標をそれぞれa,b,c,da,b,c,dと書くと

(A,B;C,D)=(c−a)(d−b)(c−b)(d−a)(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\mathrm{D}) =\frac{(c-a)(d-b)}{(c-b)(d-a)}

である。記号のセミコロンの左側(A,B)(\mathrm{A},\mathrm{B})と右側(C,D)(\mathrm{C},\mathrm{D})は、どちらも順序を含む。

四点が相異なるので、c−bc-bとd−ad-aはどちらも00ではなく、複比の値は定まります。分子のc−ac-aとd−bd-bも00ではないので、複比は00ではありません。さらに

(c−a)(d−b)−(c−b)(d−a)=(a−b)(c−d)(c-a)(d-b)-(c-b)(d-a)=(a-b)(c-d)

という恒等式が、両辺を展開することによって確かめられます。四点が相異なるので右辺は00ではなく、したがって複比は11でもありません。

定理 2 (複比の射影不変性(主定理)). 相異なる二直線ℓ,ℓ′\ell,\ell'と、ℓ\ell上にもℓ′\ell'上にもない点O\mathrm{O}をとる。ℓ\ell上の相異なる四点A,B,C,D\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D}について、四本の直線OA,OB,OC,OD\mathrm{OA},\mathrm{OB},\mathrm{OC},\mathrm{OD}がいずれもℓ′\ell'と交わるとし、その交点をそれぞれA′,B′,C′,D′\mathrm{A}',\mathrm{B}',\mathrm{C}',\mathrm{D}'とする。

このときA′,B′,C′,D′\mathrm{A}',\mathrm{B}',\mathrm{C}',\mathrm{D}'はℓ′\ell'上の相異なる四点であり、

(A,B;C,D)=(A′,B′;C′,D′)(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\mathrm{D}) =(\mathrm{A}',\mathrm{B}';\mathrm{C}',\mathrm{D}')

が成り立つ。

下の図は、この配置を一つ描いたものです。D\mathrm{D}をℓ\ellに沿って動かすことができます。

図で確かめることができるのは、有限個の位置について値が一致することだけです。図を動かして値が一致して見えることは、すべての配置について複比が保たれることの証明ではありません。すべての配置についての証明は、以下で与えます。

1 複比は直線上の座標の取り方によらない

定義では直線に座標を入れましたが、複比の値はその座標の選び方に依存しません。この事実は、以下の証明でℓ\ellとℓ′\ell'にそれぞれ都合のよい原点を置くために用います。

定理 1.1 (複比は座標の取り替えで変わらない). 一直線上の相異なる四点の座標をa,b,c,da,b,c,dとする。u≠0u\ne0と実数vvに対して座標をx↦ux+vx\mapsto ux+vで取り替えても、複比の値は変わらない。

証明. 新しい座標をa′=ua+va'=ua+v、b′=ub+vb'=ub+v、c′=uc+vc'=uc+v、d′=ud+vd'=ud+vとする。任意の二点について

c′−a′=u(c−a),c′−b′=u(c−b),d′−b′=u(d−b),d′−a′=u(d−a)c'-a'=u(c-a),\qquad c'-b'=u(c-b),\qquad d'-b'=u(d-b),\qquad d'-a'=u(d-a)

である。複比の分子と分母には、この形の差が二つずつ現れるので、

u(c−a)⋅u(d−b)u(c−b)⋅u(d−a)=(c−a)(d−b)(c−b)(d−a)\frac{u(c-a)\cdot u(d-b)}{u(c-b)\cdot u(d-a)} =\frac{(c-a)(d-b)}{(c-b)(d-a)}

となる。よって原点の位置と単位の長さ、および向きの選び方によらない。▨

2 証明の方針

出発点。二直線ℓ,ℓ′\ell,\ell'が交わる場合と平行な場合とで、証明の道具が変わります。平行な場合は、射影がO\mathrm{O}を中心とする相似の写像になるので、すべての有向線分が同じ倍率で変わり、複比の分子と分母で倍率が消えます。以下では、交わる場合を主に扱います。

中間目標。ℓ\ellとℓ′\ell'の交点をP\mathrm{P}とします。P\mathrm{P}を原点とする座標をℓ\ellとℓ′\ell'のそれぞれに入れ、ℓ\ell上の点X\mathrm{X}の座標xxと、その像X′\mathrm{X}'の座標x′x'を結ぶ一つの関係式を作ります。この関係式が、四点すべてに同じ形で成り立つことが中間目標です。

本質的な一手。関係式は、三角形△PRR′\triangle\mathrm{PRR}'にメネラウスの定理を用いて得ます。ここでR\mathrm{R}はℓ\ell上の基準となる点、R′\mathrm{R}'はその像です。この三角形の三辺を含む直線は、ℓ\ell、ℓ′\ell'、そしてO\mathrm{O}を通る直線RR′\mathrm{RR}'の三本です。X\mathrm{X}とX′\mathrm{X}'を結ぶ直線はO\mathrm{O}を通るので、この三本すべてと交わり、三角形を横切る直線になります。点X\mathrm{X}を取り替えるたびにメネラウスの定理を用いるので、定理は四点に対して繰り返し使われます。

片づけておくこと。四点のうちの一つがP\mathrm{P}に一致する場合には、その点を通る直線OP\mathrm{OP}がℓ′\ell'とP\mathrm{P}で交わるので、像もP\mathrm{P}です。この場合は三角形の頂点と重なるためメネラウスの定理を使うことができないので、関係式が成り立つことを別に確かめます。

3 一点からの射影が与える関係式

ℓ\ellとℓ′\ell'が交わる場合を扱います。以下、P\mathrm{P}をℓ\ellとℓ′\ell'の交点とします。

ℓ\ell上の点X\mathrm{X}に対して、直線OX\mathrm{OX}がℓ′\ell'と交わるとき、その交点をX′\mathrm{X}'と書き、X′\mathrm{X}'をX\mathrm{X}の像と呼びます。まず、像を取る操作が点を区別することを確かめます。

定理 3.1 (像は点を区別する).O\mathrm{O}をℓ\ell上にもℓ′\ell'上にもない点とする。ℓ\ell上の相異なる二点が像をもつならば、二つの像も相異なる。また、ℓ\ell上の点X\mathrm{X}の像がP\mathrm{P}であることと、X=P\mathrm{X}=\mathrm{P}であることは同値である。

証明.ℓ\ell上の相異なる二点X,Y\mathrm{X},\mathrm{Y}の像が一致したとする。その共通の像をZ\mathrm{Z}とおくと、Z\mathrm{Z}は直線OX\mathrm{OX}上にも直線OY\mathrm{OY}上にもある。X≠Y\mathrm{X}\ne\mathrm{Y}でO\mathrm{O}がℓ\ell上にないので、OX\mathrm{OX}とOY\mathrm{OY}は相異なる二直線であり、共有点はO\mathrm{O}だけである。したがってZ=O\mathrm{Z}=\mathrm{O}となるが、Z\mathrm{Z}はℓ′\ell'上にあり、O\mathrm{O}はℓ′\ell'上にないので矛盾する。

次に、X=P\mathrm{X}=\mathrm{P}ならば直線OP\mathrm{OP}とℓ′\ell'の交点はP\mathrm{P}であり(P\mathrm{P}はℓ′\ell'上にある)、像はP\mathrm{P}である。逆にX\mathrm{X}の像がP\mathrm{P}でX≠P\mathrm{X}\ne\mathrm{P}とすると、直線OX\mathrm{OX}はX\mathrm{X}とP\mathrm{P}というℓ\ell上の相異なる二点を含むのでℓ\ellに一致し、O\mathrm{O}がℓ\ell上にあることになって仮定に反する。▨

次が、証明の中心になる関係式です。

定理 3.2 (一点からの射影が座標に与える関係式).ℓ\ellとℓ′\ell'が点P\mathrm{P}で交わり、O\mathrm{O}はℓ\ell上にもℓ′\ell'上にもないとする。ℓ\ell上にP\mathrm{P}と異なり像をもつ点R\mathrm{R}を一つとり、その像をR′\mathrm{R}'とする。ℓ\ellとℓ′\ell'のそれぞれにP\mathrm{P}を原点とする座標を入れ、R\mathrm{R}の座標をrr、R′\mathrm{R}'の座標をr′r'とし、

k=RO‾OR′‾k=\frac{\overline{\mathrm{RO}}}{\overline{\mathrm{OR}'}}

とおく。このときr≠0r\ne0、r′≠0r'\ne0、k≠0k\ne0であり、ℓ\ell上の像をもつ任意の点X\mathrm{X}について、X\mathrm{X}の座標xxとその像X′\mathrm{X}'の座標x′x'は

(k+1)x−r≠0,x′=kr′x(k+1)x−r(k+1)x-r\ne0,\qquad x'=\frac{kr'x}{(k+1)x-r}

を満たす。

証明.R≠P\mathrm{R}\ne\mathrm{P}からr≠0r\ne0であり、定理 3.1によりR′≠P\mathrm{R}'\ne\mathrm{P}なのでr′≠0r'\ne0である。O\mathrm{O}はℓ\ell上にないのでO≠R\mathrm{O}\ne\mathrm{R}であり、RO‾≠0\overline{\mathrm{RO}}\ne0、したがってk≠0k\ne0である。

三点P,R,R′\mathrm{P},\mathrm{R},\mathrm{R}'は三角形をなす。実際、P\mathrm{P}とR\mathrm{R}はℓ\ell上の相異なる二点であり、R′\mathrm{R}'はℓ′\ell'上にあってP\mathrm{P}と異なるので、R′\mathrm{R}'はℓ\ell上にない。よって三点は一直線上にない。この三角形の三辺を含む直線は、辺PR\mathrm{PR}がℓ\ell、辺PR′\mathrm{PR}'がℓ′\ell'、辺RR′\mathrm{RR}'がO\mathrm{O}を通る直線である。

第1段(X≠P,R\mathrm{X}\ne\mathrm{P},\mathrm{R}の場合)。X\mathrm{X}の像をX′\mathrm{X}'とすると、直線XX′\mathrm{XX}'はO\mathrm{O}を通る。この直線は、辺PR\mathrm{PR}を含むℓ\ellとX\mathrm{X}で、辺RR′\mathrm{RR}'とO\mathrm{O}で、辺PR′\mathrm{PR}'を含むℓ′\ell'とX′\mathrm{X}'で交わる。三つの交点はいずれも三角形の頂点と異なる。X≠P,R\mathrm{X}\ne\mathrm{P},\mathrm{R}であり、O\mathrm{O}はℓ\ell上にもℓ′\ell'上にもないのでO≠R,R′\mathrm{O}\ne\mathrm{R},\mathrm{R}'であり、定理 3.1によりX′≠P,R′\mathrm{X}'\ne\mathrm{P},\mathrm{R}'である。したがって△PRR′\triangle\mathrm{PRR}'にメネラウスの定理(§A5.9 定理 6.2)を用いて

RO‾OR′‾R′X′‾X′P‾PX‾XR‾=−1\frac{\overline{\mathrm{RO}}}{\overline{\mathrm{OR}'}} \frac{\overline{\mathrm{R}'\mathrm{X}'}}{\overline{\mathrm{X}'\mathrm{P}}} \frac{\overline{\mathrm{PX}}}{\overline{\mathrm{XR}}}=-1

を得る。座標で書くとPX‾/XR‾=x/(r−x)\overline{\mathrm{PX}}/\overline{\mathrm{XR}}=x/(r-x)であり、R′X′‾/X′P‾=(x′−r′)/(−x′)\overline{\mathrm{R}'\mathrm{X}'}/\overline{\mathrm{X}'\mathrm{P}}=(x'-r')/(-x')である。X≠P\mathrm{X}\ne\mathrm{P}からx≠0x\ne0、X′≠P\mathrm{X}'\ne\mathrm{P}からx′≠0x'\ne0なので、これらを代入して

k⋅r′−x′x′⋅xr−x=−1k\cdot\frac{r'-x'}{x'}\cdot\frac{x}{r-x}=-1

となる。両辺にx′(r−x)/xx'(r-x)/xを掛けると(x≠0x\ne0であり、X≠R\mathrm{X}\ne\mathrm{R}からr−x≠0r-x\ne0)

k(r′−x′)=−(r−x)x′x,すなわちr′x′=1−r−xkx=(k+1)x−rkxk(r'-x')=-\frac{(r-x)x'}{x}, \qquad\text{すなわち}\qquad \frac{r'}{x'}=1-\frac{r-x}{kx}=\frac{(k+1)x-r}{kx}

を得る。左辺は00でないので(k+1)x−r≠0(k+1)x-r\ne0であり、逆数をとって整理するとx′=kr′x/((k+1)x−r)x'=kr'x/((k+1)x-r)となる。

第2段(X=P\mathrm{X}=\mathrm{P}の場合)。定理 3.1により像はP\mathrm{P}であるからx=x′=0x=x'=0である。このとき(k+1)⋅0−r=−r≠0(k+1)\cdot0-r=-r\ne0であり、公式の右辺も00になるので、関係式は成り立つ。

第3段(X=R\mathrm{X}=\mathrm{R}の場合)。x=rx=r、x′=r′x'=r'である。(k+1)r−r=kr≠0(k+1)r-r=kr\ne0であり、公式の右辺はkr′r/(kr)=r′kr'r/(kr)=r'となるので、関係式は成り立つ。▨

この関係式は、xxの一次式をxxの一次式で割った形をしています。長さの比が保たれるのであればx′x'はxxの一次式になるはずですが、分母にxxが現れるので、そうはなりません。次の節で、この分母が四点の複比では消えることを示します。

4 主定理の証明

証明 (複比の射影不変性の証明). まず、像が相異なることを確かめる。A,B,C,D\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D}は相異なり、いずれも像をもつので、定理 3.1によりA′,B′,C′,D′\mathrm{A}',\mathrm{B}',\mathrm{C}',\mathrm{D}'も相異なる。したがって右辺の複比も定まる。

第1の場合(ℓ\ellとℓ′\ell'が交わる場合)。交点をP\mathrm{P}とする。四点は相異なるので、P\mathrm{P}と一致するものは多くとも一つである。そこで四点のうちP\mathrm{P}と異なるものを一つ選び、それを定理 3.2のR\mathrm{R}として用いる。ℓ\ellとℓ′\ell'のそれぞれにP\mathrm{P}を原点とする座標を入れ、A,B,C,D\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D}の座標をa,b,c,da,b,c,d、その像の座標をa′,b′,c′,d′a',b',c',d'とする。

定理 3.2により、これらの座標は

x′=kr′x(k+1)x−rx'=\frac{kr'x}{(k+1)x-r}

を満たす。x,yx,yをℓ\ell上の像をもつ二点の座標とし、D(x)=(k+1)x−rD(x)=(k+1)x-rとおくと、D(x)≠0D(x)\ne0、D(y)≠0D(y)\ne0であり

x′−y′=kr′(xD(x)−yD(y))=kr′⋅xD(y)−yD(x)D(x)D(y)=kr′⋅x{(k+1)y−r}−y{(k+1)x−r}D(x)D(y)=−krr′(x−y)D(x)D(y)\begin{aligned} x'-y' &=kr'\left(\frac{x}{D(x)}-\frac{y}{D(y)}\right) =kr'\cdot\frac{xD(y)-yD(x)}{D(x)D(y)}\\ &=kr'\cdot\frac{x\{(k+1)y-r\}-y\{(k+1)x-r\}}{D(x)D(y)} =\frac{-krr'(x-y)}{D(x)D(y)} \end{aligned}

となる。μ=−krr′\mu=-krr'とおくとμ≠0\mu\ne0であり、任意の二点について

x′−y′=μ(x−y)D(x)D(y)x'-y'=\frac{\mu(x-y)}{D(x)D(y)}

が成り立つ。この式を複比の四つの差へ適用すると

(A′,B′;C′,D′)=(c′−a′)(d′−b′)(c′−b′)(d′−a′)=μ(c−a)D(c)D(a)⋅μ(d−b)D(d)D(b)μ(c−b)D(c)D(b)⋅μ(d−a)D(d)D(a)(\mathrm{A}',\mathrm{B}';\mathrm{C}',\mathrm{D}') =\frac{(c'-a')(d'-b')}{(c'-b')(d'-a')} =\frac{\dfrac{\mu(c-a)}{D(c)D(a)}\cdot\dfrac{\mu(d-b)}{D(d)D(b)}} {\dfrac{\mu(c-b)}{D(c)D(b)}\cdot\dfrac{\mu(d-a)}{D(d)D(a)}}

となる。分子と分母の両方にμ2\mu^2とD(a)D(b)D(c)D(d)D(a)D(b)D(c)D(d)がちょうど一度ずつ現れるので、これらはすべて約分で消え、

(A′,B′;C′,D′)=(c−a)(d−b)(c−b)(d−a)=(A,B;C,D)(\mathrm{A}',\mathrm{B}';\mathrm{C}',\mathrm{D}') =\frac{(c-a)(d-b)}{(c-b)(d-a)} =(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\mathrm{D})

を得る。ここで用いた座標はP\mathrm{P}を原点とする特別なものであるが、複比の値は座標の取り方によらない(定理 1.1)ので、この等式は座標の選び方に依存しない。

第2の場合(ℓ\ellとℓ′\ell'が平行な場合)。ℓ\ell上の点X\mathrm{X}に対して、直線OX\mathrm{OX}はℓ\ellと交わるのでℓ\ellと平行でなく、したがってℓ′\ell'とも平行でない。よってℓ\ell上のすべての点が像をもつ。

ℓ\ell上に基準の点X0\mathrm{X}_0を一つ固定し、その像をX0′\mathrm{X}_0'とする。ℓ\ell上のX0\mathrm{X}_0と異なる点X\mathrm{X}とその像X′\mathrm{X}'をとると、X0X\mathrm{X}_0\mathrm{X}はℓ\ellに含まれ、X0′X′\mathrm{X}_0'\mathrm{X}'はℓ′\ell'に含まれるので、この二直線は平行である。平行線が作る角として∠OX0X=∠OX0′X′\angle\mathrm{OX}_0\mathrm{X}=\angle\mathrm{OX}_0'\mathrm{X}'が成り立ち、∠X0OX\angle\mathrm{X}_0\mathrm{OX}と∠X0′OX′\angle\mathrm{X}_0'\mathrm{OX}'は、同じ角であるか対頂角であるかのいずれかなので等しい。よって二組の角がそれぞれ等しく、相似条件(§A5.1 定理 3.1)により△OX0X∼△OX0′X′\triangle\mathrm{OX}_0\mathrm{X}\sim\triangle\mathrm{OX}_0'\mathrm{X}'である。

対応する辺の比をとると

OX′OX=OX0′OX0=X0′X′X0X\frac{\mathrm{OX}'}{\mathrm{OX}}=\frac{\mathrm{OX}_0'}{\mathrm{OX}_0} =\frac{\mathrm{X}_0'\mathrm{X}'}{\mathrm{X}_0\mathrm{X}}

となる。中央の値はX\mathrm{X}に依存しないので、これをttとおくとt>0t>0であり、ℓ\ell上のどの二点X,Y\mathrm{X},\mathrm{Y}についても、同じ議論をX0=X\mathrm{X}_0=\mathrm{X}として行うことによってX′Y′=t⋅XY\mathrm{X}'\mathrm{Y}'=t\cdot\mathrm{XY}が成り立つ。

長さがすべてtt倍になるので、点の並ぶ順序も保たれる。実際、Y\mathrm{Y}が線分XZ\mathrm{XZ}の内部にあればXY+YZ=XZ\mathrm{XY}+\mathrm{YZ}=\mathrm{XZ}であり、両辺をtt倍してX′Y′+Y′Z′=X′Z′\mathrm{X}'\mathrm{Y}'+\mathrm{Y}'\mathrm{Z}'=\mathrm{X}'\mathrm{Z}'となるので、Y′\mathrm{Y}'は線分X′Z′\mathrm{X}'\mathrm{Z}'の内部にある。したがってℓ′\ell'の向きを適切に選べば、ℓ\ell上の任意の二点について

X′Y′‾=t XY‾\overline{\mathrm{X}'\mathrm{Y}'}=t\,\overline{\mathrm{XY}}

が成り立つ。ℓ\ellとℓ′\ell'にこの向きの座標を入れると、四点の座標の差はすべてtt倍になる。複比の分子と分母には差が二つずつ現れるので、t2t^2が約分で消え、複比は変わらない。▨

長さの比が変わることは、次の例で確かめることができます。

例 4.1 (長さの比は変わり、複比は変わらない). 座標平面でℓ\ellをxx軸、ℓ′\ell'をyy軸、O\mathrm{O}を点(1,1)(1,1)とする。O\mathrm{O}はどちらの直線上にもない。ℓ\ell上の点(x,0)(x,0)(ただしx≠1x\ne1)に対して、直線O(x,0)\mathrm{O}(x,0)とyy軸の交点のyy座標はx/(x−1)x/(x-1)である。

ℓ\ell上にA(−1,0)\mathrm{A}(-1,0)、B(0,0)\mathrm{B}(0,0)、C(2,0)\mathrm{C}(2,0)、D(3,0)\mathrm{D}(3,0)をとると、像のyy座標はそれぞれ12\tfrac12、00、22、32\tfrac32である。xx座標とyy座標をそれぞれℓ\ellとℓ′\ell'の座標として用いると

(A,B;C,D)=(2+1)(3−0)(2−0)(3+1)=98,(A′,B′;C′,D′)=(2−12)(32−0)(2−0)(32−12)=98(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\mathrm{D})=\frac{(2+1)(3-0)}{(2-0)(3+1)}=\frac98, \qquad (\mathrm{A}',\mathrm{B}';\mathrm{C}',\mathrm{D}') =\frac{\left(2-\tfrac12\right)\left(\tfrac32-0\right)} {(2-0)\left(\tfrac32-\tfrac12\right)}=\frac98

となって一致する。一方、三点だけから作る有向線分比は

AB‾BC‾=0−(−1)2−0=12,A′B′‾B′C′‾=0−122−0=−14\frac{\overline{\mathrm{AB}}}{\overline{\mathrm{BC}}}=\frac{0-(-1)}{2-0}=\frac12, \qquad \frac{\overline{\mathrm{A}'\mathrm{B}'}}{\overline{\mathrm{B}'\mathrm{C}'}} =\frac{0-\tfrac12}{2-0}=-\frac14

であり、一致しない。この配置ではB\mathrm{B}が二直線の交点に一致しており、その像はB\mathrm{B}自身である。

5 点の順序を変えたとき

複比の記号は四点の名前を並べた順序を含みます。λ=(A,B;C,D)\lambda=(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\mathrm{D})とおくと、並べ替えて得られる値は次の六つです。

順序値(A,B;C,D)λ(A,B;D,C)1/λ(A,C;B,D)1−λ(A,C;D,B)1/(1−λ)(A,D;B,C)(λ−1)/λ(A,D;C,B)λ/(λ−1)\begin{array}{c|c} \text{順序} & \text{値}\\ \hline (\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\mathrm{D}) & \lambda\\ (\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{D},\mathrm{C}) & 1/\lambda\\ (\mathrm{A},\mathrm{C};\mathrm{B},\mathrm{D}) & 1-\lambda\\ (\mathrm{A},\mathrm{C};\mathrm{D},\mathrm{B}) & 1/(1-\lambda)\\ (\mathrm{A},\mathrm{D};\mathrm{B},\mathrm{C}) & (\lambda-1)/\lambda\\ (\mathrm{A},\mathrm{D};\mathrm{C},\mathrm{B}) & \lambda/(\lambda-1) \end{array}

定理 5.1 (複比の順序交換). 相異なる四点に対して、複比の四つの引数を任意に並べ替えて得られる値は、上の表の六つの値のいずれかである。とくに、記号の第1成分と第2成分を交換しても、第3成分と第4成分を交換しても値は1/λ1/\lambdaになり、第2成分と第3成分を交換すると値は1−λ1-\lambdaになる。

証明. 座標をa,b,c,da,b,c,dとし、λ=(c−a)(d−b)/{(c−b)(d−a)}\lambda=(c-a)(d-b)/\{(c-b)(d-a)\}とする。

第3成分と第4成分の交換では、ccとddを入れ替えるので

(A,B;D,C)=(d−a)(c−b)(d−b)(c−a)=1λ(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{D},\mathrm{C})=\frac{(d-a)(c-b)}{(d-b)(c-a)}=\frac1\lambda

となる。第1成分と第2成分の交換では、aaとbbを入れ替えるので、同じく(B,A;C,D)=1/λ(\mathrm{B},\mathrm{A};\mathrm{C},\mathrm{D})=1/\lambdaである。

第2成分と第3成分の交換では、bbとccを入れ替えるので

(A,C;B,D)=(b−a)(d−c)(b−c)(d−a)=(a−b)(d−c)(c−b)(d−a)(\mathrm{A},\mathrm{C};\mathrm{B},\mathrm{D})=\frac{(b-a)(d-c)}{(b-c)(d-a)} =\frac{(a-b)(d-c)}{(c-b)(d-a)}

である。一方、この記事の冒頭で確かめた恒等式(c−a)(d−b)−(c−b)(d−a)=(a−b)(c−d)(c-a)(d-b)-(c-b)(d-a)=(a-b)(c-d)の両辺に−1-1を掛けた形により

1−λ=(c−b)(d−a)−(c−a)(d−b)(c−b)(d−a)=(a−b)(d−c)(c−b)(d−a)1-\lambda=\frac{(c-b)(d-a)-(c-a)(d-b)}{(c-b)(d-a)} =\frac{(a-b)(d-c)}{(c-b)(d-a)}

であるから、(A,C;B,D)=1−λ(\mathrm{A},\mathrm{C};\mathrm{B},\mathrm{D})=1-\lambdaである。

四つの成分の任意の並べ替えは、隣り合う成分の交換を繰り返して得られる。いま示したとおり、隣り合う成分の交換はλ↦1/λ\lambda\mapsto1/\lambdaまたはλ↦1−λ\lambda\mapsto1-\lambdaのいずれかを起こす。この二つの操作を繰り返してλ\lambdaから得られる値は

λ,1λ,1−λ,11−λ,λ−1λ,λλ−1\lambda,\quad\frac1\lambda,\quad1-\lambda,\quad\frac1{1-\lambda}, \quad\frac{\lambda-1}{\lambda},\quad\frac{\lambda}{\lambda-1}

の六つであり、この六つの集合は二つの操作のどちらでも自分自身へ移る。実際、λ↦1/λ\lambda\mapsto1/\lambdaは第1と第2、第3と第4、第5と第6を入れ替え、λ↦1−λ\lambda\mapsto1-\lambdaは第1と第3、第2と第5、第4と第6を入れ替える。よって並べ替えて得られる値は表の六つに尽きる。▨

同じ四点でも、順序を変えれば値は変わります。例えばλ=4/3\lambda=4/3のとき(A,C;B,D)=−1/3(\mathrm{A},\mathrm{C};\mathrm{B},\mathrm{D})=-1/3です。問題文の複比の順序をそのまま写し、途中で点を並べ替えたときは、表のどの行を使ったのかを記録してください。

6 別の見方:同次座標と行列による証明

上の証明は、四点がすべて有限の位置にあり、しかも四本の直線OX\mathrm{OX}がいずれもℓ′\ell'と交わることを仮定しています。この仮定を外すには、直線に「無限に遠い点」を一つ加えて、ℓ′\ell'と平行になる場合も一つの点への対応として扱う必要があります。ここでは、そのための道具として同次座標と行列を導入し、複比の不変性をもう一度、今度は場合分けなしに証明します。この節の内容は主証明の代わりではなく、主証明の後に置く別の見方です。

定義 6.1 (実射影直線).R2\mathbb{R}^2の00でないベクトルを、00でない実数倍の違いだけ同一視して得られる集合

P1(R)={[x:y]∣(x,y)≠(0,0), [x:y]=[λx:λy] (λ≠0)}\mathbb{P}^{1}(\mathbb{R}) =\{[x:y]\mid(x,y)\ne(0,0),\ [x:y]=[\lambda x:\lambda y]\ (\lambda\ne0)\}

を実射影直線という。y≠0y\ne0の点[x:y][x:y]を、座標x/yx/yをもつ直線上の点と同一視し、[1:0][1:0]を無限遠点と呼んで∞\inftyと書く。二点P=[xP:yP]P=[x_P:y_P]、Q=[xQ:yQ]Q=[x_Q:y_Q]に対して

[P,Q]:=xPyQ−yPxQ[P,Q]:=x_Py_Q-y_Px_Q

と書く。この値は代表ベクトルの選び方によって定数倍だけ変わる。

定義 6.2 (実射影直線上の複比). 実射影直線上の相異なる四点P,Q,R,SP,Q,R,Sに対して

(P,Q;R,S):=[R,P][S,Q][R,Q][S,P](P,Q;R,S):=\frac{[R,P][S,Q]}{[R,Q][S,P]}

と定める。四点が相異なるとき分母は00でないので、この値は定まる。また、分子と分母には各点の代表ベクトルがちょうど一度ずつ現れるので、値は代表ベクトルの選び方によらない。

代表ベクトルを[x:1][x:1]と選ぶと[P,Q]=xP−xQ[P,Q]=x_P-x_Qです。したがって四点が有限の座標a,b,c,da,b,c,dをもつときは

(A,B;C,D)=[C,A][D,B][C,B][D,A]=(c−a)(d−b)(c−b)(d−a)(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\mathrm{D}) =\frac{[\mathrm{C},\mathrm{A}][\mathrm{D},\mathrm{B}]} {[\mathrm{C},\mathrm{B}][\mathrm{D},\mathrm{A}]} =\frac{(c-a)(d-b)}{(c-b)(d-a)}

となり、定義 1と同じ値になります。無限遠点を含む場合は、無限大を代入するのではなく、この行列式の形の定義をそのまま使います。例えば他の三点が有限の座標a,b,ca,b,cをもつときは、∞=[1:0]\infty=[1:0]を代入して

(A,B;C,∞)=c−ac−b(\mathrm{A},\mathrm{B};\mathrm{C},\infty)=\frac{c-a}{c-b}

が得られます。

定義 6.3 (実射影直線の射影変換). 可逆な実2×22\times2行列MMに対して

TM([p])=[Mp]T_M([p])=[Mp]

と定める写像を、実射影直線の射影変換という。M=(αβγδ)M=\begin{pmatrix}\alpha&\beta\\\gamma&\delta\end{pmatrix}のとき、有限の座標xxはγx+δ≠0\gamma x+\delta\ne0ならば

x⟼αx+βγx+δx\longmapsto\frac{\alpha x+\beta}{\gamma x+\delta}

へ移り、γx+δ=0\gamma x+\delta=0ならば無限遠点へ移る。

主証明で得た関係式x′=kr′x/{(k+1)x−r}x'=kr'x/\{(k+1)x-r\}は、まさにこの形をしています。対応する行列は

M=(kr′0k+1−r),det⁡M=−kr′r≠0M=\begin{pmatrix}kr'&0\\k+1&-r\end{pmatrix}, \qquad \det M=-kr'r\ne0

です。つまり、一点からの射影は、二直線にP\mathrm{P}を原点とする座標を入れると、可逆な2×22\times2行列が定める射影変換として表されます。次の定理は、この形の写像が複比を保つことを、無限遠点を含めて一度に示します。

定理 6.4 (複比の射影不変性(行列による別証明)). 相異なる四点P,Q,R,S∈P1(R)P,Q,R,S\in\mathbb{P}^{1}(\mathbb{R})と可逆な実2×22\times2行列MMに対して

(TM(P),TM(Q);TM(R),TM(S))=(P,Q;R,S)(T_M(P),T_M(Q);T_M(R),T_M(S))=(P,Q;R,S)

が成り立つ。有限の点が無限遠点へ移る場合も、この等式に含まれる。

証明. 各点の00でない代表ベクトルをp,q,r,sp,q,r,sとする。MMは可逆なので、Mp,Mq,Mr,MsMp,Mq,Mr,Msはいずれも00でなく、相異なる四点を表す。実際、[Mp]=[Mq][Mp]=[Mq]ならMpMpとMqMqが比例し、M−1M^{-1}を掛けてppとqqが比例するので[p]=[q][p]=[q]となる。

二つの列ベクトルを並べた2×22\times2行列の行列式について、積の行列式の性質から

[Mr,Mp]=det⁡(MrMp)=det⁡M⋅det⁡(rp)=det⁡M⋅[R,P][Mr,Mp]=\det\begin{pmatrix}Mr&Mp\end{pmatrix} =\det M\cdot\det\begin{pmatrix}r&p\end{pmatrix}=\det M\cdot[R,P]

が成り立つ。同様に[Ms,Mq]=det⁡M⋅[S,Q][Ms,Mq]=\det M\cdot[S,Q]、[Mr,Mq]=det⁡M⋅[R,Q][Mr,Mq]=\det M\cdot[R,Q]、[Ms,Mp]=det⁡M⋅[S,P][Ms,Mp]=\det M\cdot[S,P]である。したがって

(TM(P),TM(Q);TM(R),TM(S))=det⁡M⋅[R,P]⋅det⁡M⋅[S,Q]det⁡M⋅[R,Q]⋅det⁡M⋅[S,P]=[R,P][S,Q][R,Q][S,P](T_M(P),T_M(Q);T_M(R),T_M(S)) =\frac{\det M\cdot[R,P]\cdot\det M\cdot[S,Q]} {\det M\cdot[R,Q]\cdot\det M\cdot[S,P]} =\frac{[R,P][S,Q]}{[R,Q][S,P]}

となり、右辺は(P,Q;R,S)(P,Q;R,S)である。この計算は有限の座標を一度も仮定していないので、四点や像のどれかが∞=[1:0]\infty=[1:0]である場合もそのまま含む。▨

この別の見方によって、主定理では除いていた配置、すなわち直線OX\mathrm{OX}がℓ′\ell'と平行になる配置も扱うことができます。その配置ではX\mathrm{X}の像をℓ′\ell'の無限遠点と定めればよく、上の等式がそのまま成り立ちます。

7 退化する配置

複比と射影不変性は、次の配置では成り立たないか、または定義されません。どの配置が除かれているかを確かめてから使ってください。

注意 7.1 (複比が定まらない配置と、除いた配置). 第一に、四点のうちに一致するものがあると、複比の分子または分母が00になり、値は実数として定まりません。有限の座標でa=ba=b、c=dc=d、a=da=d、b=cb=cのいずれかが成り立つ場合に、式を機械的に約分して値を与えてはいけません。

第二に、中心O\mathrm{O}がℓ\ell上またはℓ′\ell'上にあると、一点からの射影は定まりません。O\mathrm{O}がℓ\ell上にあれば直線OX\mathrm{OX}がX\mathrm{X}によらずℓ\ellになり、O\mathrm{O}がℓ′\ell'上にあればℓ\ell上のすべての点の像がO\mathrm{O}になります。

第三に、直線OX\mathrm{OX}がℓ′\ell'と平行であると、X\mathrm{X}の像は有限の位置にありません。主定理はこの配置を仮定から除いています。前節の同次座標による扱いでは、この場合の像を無限遠点と定めることによって、除かずに扱うことができます。

一方、四点のうちの一つがℓ\ellとℓ′\ell'の交点P\mathrm{P}に一致する配置と、ℓ\ellとℓ′\ell'が平行である配置は、退化ではありません。前者は像もP\mathrm{P}であり、後者は射影が相似の写像になります。どちらも主定理の証明の中で扱いました。

参考文献

  1. H. S. M. Coxeter, Projective Geometry, 2nd ed., Springer, New York, 1987.

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