§E12.20Gelfand 双対

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前の記事では、可換 C* 環AAが Gelfand 変換によって指標空間Δ(A)\Delta(A)の上の関数環C0(Δ(A))C_0(\Delta(A))へ等長に *-同型であることを証明した。この対応は環と空間そのものを結ぶ主張にとどまっており、空間のあいだの連続写像と環のあいだの *-準同型がどのように対応するかは、まだ定まっていない。実際、局所コンパクト Hausdorff 空間のあいだの連続写像f:X→Yf:X\to Yによる合成g↦g∘fg\mapsto g\circ fは、C0(Y)C_0(Y)の元をC0(X)C_0(X)の元へ写すとは限らない。

この不足を補うのが、YYのコンパクト集合の逆像が常にコンパクトであるという条件であり、これを満たす連続写像を proper 写像と呼ぶ。本記事は、引き戻しf∗(g)=g∘ff^*(g)=g\circ fが proper 写像と非退化な *-準同型のあいだに一対一の対応を与えること、および各点での評価がXXからΔ(C0(X))\Delta(C_0(X))への同相写像であることを証明する。これにより、局所コンパクト Hausdorff 空間と可換 C* 環の対応は写像の水準まで及び、本単元の可換 C* 環の理論はここで一区切りを迎える。

1 proper 写像と非退化な *-準同型

定義 1.1.XXとYYを位相空間とする。連続写像f:X→Yf:X\to Yがproper 写像 (proper map) であるとは、YYの任意のコンパクト部分集合KKに対してf−1(K)f^{-1}(K)がXXのコンパクト部分集合であることをいう。

補題 1.2.XXをコンパクトな位相空間、YYを Hausdorff 空間とし、f:X→Yf:X\to Yを連続写像とする。このときffは proper 写像である。

証明.K⊆YK\subseteq Yをコンパクト部分集合とする。YYは Hausdorff であるから、§E2.19 命題 6.4によりKKはYYの閉集合である。ffは連続であるから、§E2.12 命題 1.6 (2)によりf−1(K)f^{-1}(K)はXXの閉集合である。XXはコンパクトであるから、§E2.19 命題 4.1によりf−1(K)f^{-1}(K)はコンパクトである。したがって定義 1.1によりffは proper 写像である。▨

定義 1.3.XXとYYを局所コンパクト Hausdorff 空間とし、π:C0(Y)→C0(X)\pi:C_0(Y)\to C_0(X)(§E12.16 定義 1.1)を *-準同型(§E12.15 定義 1.5)とする。π\piが非退化 (nondegenerate) であるとは、各x∈Xx\in Xに対してπ(g)(x)≠0\pi(g)(x)\neq0を満たすg∈C0(Y)g\in C_0(Y)が存在することをいう。

命題 1.4.XXとYYを局所コンパクト Hausdorff 空間とし、f:X→Yf:X\to Yを proper 写像とする。g∈C0(Y)g\in C_0(Y)に対してf∗(g):=g∘ff^*(g):=g\circ fとおくと、次が成り立つ。

  1. すべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)についてf∗(g)∈C0(X)f^*(g)\in C_0(X)であり、∥f∗(g)∥∞≤∥g∥∞\|f^*(g)\|_\infty\leq\|g\|_\inftyである。
  2. f∗:C0(Y)→C0(X)f^*:C_0(Y)\to C_0(X)は線形かつ乗法的であり、対合を保つ。すなわちf∗f^*は *-準同型である。
  3. f∗f^*は非退化である。

証明.(1)を示す。g∈C0(Y)g\in C_0(Y)とする。ffとggは連続であるから、§E2.12 命題 1.10によりg∘fg\circ fは連続である。ε>0\varepsilon>0に対して、∣g(f(x))∣≥ε|g(f(x))|\geq\varepsilonであることとf(x)∈{y∈Y:∣g(y)∣≥ε}f(x)\in\{y\in Y:|g(y)|\geq\varepsilon\}であることは同値であるから

{x∈X:∣(g∘f)(x)∣≥ε}=f−1({y∈Y:∣g(y)∣≥ε})\{x\in X:|(g\circ f)(x)|\geq\varepsilon\} =f^{-1}(\{y\in Y:|g(y)|\geq\varepsilon\})

である。§E12.16 定義 1.1により{y∈Y:∣g(y)∣≥ε}\{y\in Y:|g(y)|\geq\varepsilon\}はYYのコンパクト部分集合であるから、定義 1.1によりそのffによる逆像はコンパクトである。ε>0\varepsilon>0は任意であったからg∘f∈C0(X)g\circ f\in C_0(X)である。また、任意のx∈Xx\in Xについて∣g(f(x))∣≤sup⁡y∈Y∣g(y)∣=∥g∥∞|g(f(x))|\leq\sup_{y\in Y}|g(y)|=\|g\|_\inftyであるから、上限をとると∥f∗(g)∥∞≤∥g∥∞\|f^*(g)\|_\infty\leq\|g\|_\inftyである。

(2)を示す。g,h∈C0(Y)g,h\in C_0(Y)、λ∈C\lambda\in\mathbb Cとする。各x∈Xx\in Xについて

(g+λh)(f(x))=g(f(x))+λh(f(x)),(gh)(f(x))=g(f(x)) h(f(x))(g+\lambda h)(f(x))=g(f(x))+\lambda h(f(x)), \qquad (gh)(f(x))=g(f(x))\,h(f(x))

であるからf∗(g+λh)=f∗(g)+λf∗(h)f^*(g+\lambda h)=f^*(g)+\lambda f^*(h)かつf∗(gh)=f∗(g)f∗(h)f^*(gh)=f^*(g)f^*(h)である。§E12.16 定理 2.1によりC0(Y)C_0(Y)とC0(X)C_0(X)の対合はいずれも複素共役であり、各x∈Xx\in Xについてg‾(f(x))=g(f(x))‾\overline{g}(f(x))=\overline{g(f(x))}であるからf∗(g∗)=f∗(g)∗f^*(g^*)=f^*(g)^*である。

(3)を示す。x∈Xx\in Xをとる。一点集合{f(x)}\{f(x)\}はコンパクトであるから、§E12.16 補題 3.3をYY、コンパクト部分集合{f(x)}\{f(x)\}、開部分集合W=YW=Yに適用すると、g∈C0(Y)g\in C_0(Y)であってg(f(x))=1g(f(x))=1を満たすものが存在する。f∗(g)(x)=g(f(x))=1≠0f^*(g)(x)=g(f(x))=1\neq0であるから、定義 1.3によりf∗f^*は非退化である。▨

命題 1.5.XX、YY、ZZを局所コンパクト Hausdorff 空間とする。

  1. f:X→Yf:X\to Yとh:Y→Zh:Y\to Zが proper 写像ならばh∘f:X→Zh\circ f:X\to Zは proper 写像であり、(h∘f)∗=f∗∘h∗(h\circ f)^*=f^*\circ h^*である。
  2. 恒等写像id⁡X:X→X\operatorname{id}_X:X\to Xは proper 写像であり、(id⁡X)∗(\operatorname{id}_X)^*はC0(X)C_0(X)の恒等写像である。

証明.(1)を示す。§E2.12 命題 1.10によりh∘fh\circ fは連続である。K⊆ZK\subseteq Zをコンパクト部分集合とすると、定義 1.1によりh−1(K)h^{-1}(K)はYYのコンパクト部分集合であり、ふたたび定義 1.1によりf−1(h−1(K))f^{-1}(h^{-1}(K))はXXのコンパクト部分集合である。(h∘f)−1(K)=f−1(h−1(K))(h\circ f)^{-1}(K)=f^{-1}(h^{-1}(K))であるからh∘fh\circ fは proper 写像である。g∈C0(Z)g\in C_0(Z)とx∈Xx\in Xに対して

(h∘f)∗(g)(x)=g(h(f(x)))=h∗(g)(f(x))=f∗(h∗(g))(x)(h\circ f)^*(g)(x)=g(h(f(x)))=h^*(g)(f(x))=f^*(h^*(g))(x)

であるから(h∘f)∗=f∗∘h∗(h\circ f)^*=f^*\circ h^*である。

(2)を示す。id⁡X\operatorname{id}_Xは連続であり、K⊆XK\subseteq Xがコンパクトならばid⁡X−1(K)=K\operatorname{id}_X^{-1}(K)=Kはコンパクトであるから、id⁡X\operatorname{id}_Xは proper 写像である。g∈C0(X)g\in C_0(X)に対して(id⁡X)∗(g)=g∘id⁡X=g(\operatorname{id}_X)^*(g)=g\circ\operatorname{id}_X=gである。▨

2 空間の復元

補題 2.1.AAを可換 Banach 環、ZZを位相空間とし、Ψ:Z→Δ(A)\Psi:Z\to\Delta(A)を写像とする。すべてのa∈Aa\in Aについて写像z↦Ψ(z)(a)z\mapsto\Psi(z)(a)がZZからC\mathbb Cへの連続写像であるならば、Ψ\Psiは Gelfand 位相(§E12.14 定義 5.1)について連続である。

証明.GGをΔ(A)\Delta(A)の開集合とし、z0∈Ψ−1(G)z_0\in\Psi^{-1}(G)をとる。§E12.14 定義 5.1と§E2.12 定義 4.1により、A∗A^*の弱星開集合VVが存在してG=V∩Δ(A)G=V\cap\Delta(A)である。Ψ(z0)∈V\Psi(z_0)\in Vであるから、§E12.5 定義 2.1の基本近傍の形により、a1,…,am∈Aa_1,\ldots,a_m\in Aとε>0\varepsilon>0が存在して

V(Ψ(z0);a1,…,am;ε)⊆VV(\Psi(z_0);a_1,\ldots,a_m;\varepsilon)\subseteq V

である。各jjについてhj(z):=Ψ(z)(aj)h_j(z):=\Psi(z)(a_j)は仮定により連続であるから、

W:=⋂j=1mhj−1({μ∈C:∣μ−hj(z0)∣<ε})W:=\bigcap_{j=1}^{m}h_j^{-1}(\{\mu\in\mathbb C:|\mu-h_j(z_0)|<\varepsilon\})

は有限個の開集合の共通部分としてZZの開集合であり、z0∈Wz_0\in Wである。z∈Wz\in Wならば、すべてのjjについて∣Ψ(z)(aj)−Ψ(z0)(aj)∣<ε|\Psi(z)(a_j)-\Psi(z_0)(a_j)|<\varepsilonであるからΨ(z)∈V(Ψ(z0);a1,…,am;ε)⊆V\Psi(z)\in V(\Psi(z_0);a_1,\ldots,a_m;\varepsilon)\subseteq Vであり、Ψ(z)∈Δ(A)\Psi(z)\in\Delta(A)とあわせてΨ(z)∈G\Psi(z)\in Gである。したがってz0∈W⊆Ψ−1(G)z_0\in W\subseteq\Psi^{-1}(G)である。

Ψ−1(G)\Psi^{-1}(G)の各点がこのような開集合をもつから、Ψ−1(G)\Psi^{-1}(G)はそれらの和集合として開集合である。GGは任意であったから、§E2.12 定義 1.1によりΨ\Psiは連続である。▨

補題 2.2.KKをコンパクト Hausdorff 空間とし、φ∈Δ(C(K))\varphi\in\Delta(C(K))とする。このとき、すべてのg∈C(K)g\in C(K)についてφ(g)=g(p)\varphi(g)=g(p)を満たすp∈Kp\in Kがただ一つ存在する。

証明.KKはコンパクト Hausdorff であるから、§E2.24 例 5.1 (1)により局所コンパクトであり、§E12.16 命題 4.1 (1)によりC0(K)=C(K)C_0(K)=C(K)であって定数関数1\mathbf1が単位元である。§E12.14 定義 4.4によりφ\varphiは零写像でないからC(K)≠{0}C(K)\neq\{0\}である。K=∅K=\emptysetならばKK上の写像は空写像だけでありC(K)={0}C(K)=\{0\}となるから、K≠∅K\neq\emptysetである。したがって、ふたたび§E12.16 命題 4.1 (1)によりC(K)C(K)は単位的可換 Banach 環である。

存在を示す。すべてのp∈Kp\in Kに対してg(p)≠0g(p)\neq0を満たすg∈ker⁡φg\in\ker\varphiが存在すると仮定する。各p∈Kp\in Kについてそのようなgp∈ker⁡φg_p\in\ker\varphiをとり、up:=gpgp‾∈C(K)u_p:=g_p\overline{g_p}\in C(K)とおく。φ\varphiは乗法的でありφ(gp)=0\varphi(g_p)=0であるからφ(up)=φ(gp)φ(gp‾)=0\varphi(u_p)=\varphi(g_p)\varphi(\overline{g_p})=0であり、up∈ker⁡φu_p\in\ker\varphiである。各x∈Kx\in Kについてup(x)=∣gp(x)∣2≥0u_p(x)=|g_p(x)|^2\geq0であり、up(p)=∣gp(p)∣2>0u_p(p)=|g_p(p)|^2>0である。Vp:={x∈K:up(x)>0}V_p:=\{x\in K:u_p(x)>0\}は連続写像upu_pによる開集合{μ∈C:Re⁡μ>0}\{\mu\in\mathbb C:\operatorname{Re}\mu>0\}の逆像であるからKKの開集合であり、p∈Vpp\in V_pである。

{Vp}p∈K\{V_p\}_{p\in K}はKKの開被覆であるから、§E2.19 定義 2.1により有限個の点p1,…,pn∈Kp_1,\ldots,p_n\in Kが存在してK=Vp1∪⋯∪VpnK=V_{p_1}\cup\cdots\cup V_{p_n}となる。K≠∅K\neq\emptysetであるからn≥1n\geq1である。u:=up1+⋯+upnu:=u_{p_1}+\cdots+u_{p_n}とおくと、ker⁡φ\ker\varphiは加法について閉じているからu∈ker⁡φu\in\ker\varphiである。各x∈Kx\in KはあるVpiV_{p_i}に属し、他の項が非負であるからu(x)≥upi(x)>0u(x)\geq u_{p_i}(x)>0である。したがってx↦1/u(x)x\mapsto1/u(x)はKK上の連続写像でありC(K)C(K)に属し、u⋅(1/u)=1u\cdot(1/u)=\mathbf1である。φ\varphiは乗法的であり、§E12.14 命題 4.5 (2)によりφ(1)=1\varphi(\mathbf1)=1であるから

1=φ(1)=φ(u) φ(1/u)=0⋅φ(1/u)=01=\varphi(\mathbf1)=\varphi(u)\,\varphi(1/u)=0\cdot\varphi(1/u)=0

となり矛盾する。したがって仮定は誤りであり、あるp∈Kp\in Kが存在して、すべてのg∈ker⁡φg\in\ker\varphiについてg(p)=0g(p)=0である。g∈C(K)g\in C(K)をとるとφ(g−φ(g)1)=φ(g)−φ(g)φ(1)=0\varphi(g-\varphi(g)\mathbf1)=\varphi(g)-\varphi(g)\varphi(\mathbf1)=0であるからg−φ(g)1∈ker⁡φg-\varphi(g)\mathbf1\in\ker\varphiであり、ppで評価するとg(p)−φ(g)=0g(p)-\varphi(g)=0、すなわちφ(g)=g(p)\varphi(g)=g(p)である。

一意性を示す。p,q∈Kp,q\in Kがともにこの性質をもち、p≠qp\neq qであると仮定する。KKは Hausdorff であるから§E2.15 定理 1.11 (4)により T1 であり、§E2.15 命題 1.5により{q}\{q\}はKKの閉集合である。W:=K∖{q}W:=K\setminus\{q\}は開集合でありp∈Wp\in Wである。一点集合{p}\{p\}はコンパクトであるから、§E12.16 補題 3.3を局所コンパクト Hausdorff 空間KK、コンパクト部分集合{p}\{p\}、開部分集合WWに適用すると、g∈C0(K)=C(K)g\in C_0(K)=C(K)であってg(p)=1g(p)=1を満たしK∖W={q}K\setminus W=\{q\}の上で00をとるものが存在する。このときφ(g)=g(p)=1\varphi(g)=g(p)=1とφ(g)=g(q)=0\varphi(g)=g(q)=0が同時に成り立ち矛盾する。したがってp=qp=qである。▨

補題 2.3.KKをコンパクト Hausdorff 空間とする。各p∈Kp\in Kに対してεK(p):C(K)→C\varepsilon_K(p):C(K)\to\mathbb CをεK(p)(g):=g(p)\varepsilon_K(p)(g):=g(p)で定めると、εK(p)∈Δ(C(K))\varepsilon_K(p)\in\Delta(C(K))であり、εK:K→Δ(C(K))\varepsilon_K:K\to\Delta(C(K))は Gelfand 位相について同相写像である。

証明.p∈Kp\in Kをとる。εK(p)\varepsilon_K(p)は各点ごとの演算により線形かつ乗法的であり、定数関数1\mathbf1についてεK(p)(1)=1≠0\varepsilon_K(p)(\mathbf1)=1\neq0であるから零写像でない。したがって§E12.14 定義 4.4によりεK(p)∈Δ(C(K))\varepsilon_K(p)\in\Delta(C(K))である。

補題 2.2の存在の主張により、Δ(C(K))\Delta(C(K))の各元はあるεK(p)\varepsilon_K(p)に等しいからεK\varepsilon_Kは全射であり、一意性の主張によりεK(p)=εK(q)\varepsilon_K(p)=\varepsilon_K(q)ならばp=qp=qであるからεK\varepsilon_Kは単射である。

各g∈C(K)g\in C(K)について、p↦εK(p)(g)=g(p)p\mapsto\varepsilon_K(p)(g)=g(p)はgg自身であり連続である。KKはコンパクト Hausdorff であるから§E2.24 例 5.1 (1)により局所コンパクトであり、§E12.16 命題 4.1 (1)によりC(K)=C0(K)C(K)=C_0(K)は可換 Banach 環である。したがって補題 2.1によりεK\varepsilon_Kは連続である。

§E12.14 補題 5.2によりC(K)∗C(K)^*は弱星位相について Hausdorff であり、§E2.15 問題 6.2によりその部分空間であるΔ(C(K))\Delta(C(K))も Hausdorff である。KKはコンパクトであるから、§E2.19 定理 6.8により連続な全単射εK\varepsilon_Kは同相写像である。▨

定理 2.4.XXを局所コンパクト Hausdorff 空間とする。各x∈Xx\in Xに対してεX(x):C0(X)→C\varepsilon_X(x):C_0(X)\to\mathbb CをεX(x)(g):=g(x)\varepsilon_X(x)(g):=g(x)で定めると、εX(x)∈Δ(C0(X))\varepsilon_X(x)\in\Delta(C_0(X))であり、εX:X→Δ(C0(X))\varepsilon_X:X\to\Delta(C_0(X))は Gelfand 位相について同相写像である。

証明.XXがコンパクトであるとする。§E12.16 命題 4.1 (1)によりC0(X)=C(X)C_0(X)=C(X)であるから、補題 2.3をK=XK=Xに適用すると主張が従う。

XXがコンパクトでないとする。A:=C0(X)A:=C_0(X)とおく。§E12.16 定理 2.1によりAAは可換 C* 環であり、§E12.16 命題 4.1 (2)により単位元をもたない。§E12.17 定義 1.1により単位化A+A^+が定まり、§E12.18 補題 4.1によりA+A^+は§E12.17 定理 2.2のノルムについて単位的可換 C* 環であるから、§E12.15 定義 1.2と§E12.15 定義 1.1により可換 Banach 環である。§E12.17 命題 1.3によりA+A^+は1=(0,1)1=(0,1)を単位元にもち、§E12.17 定義 1.1により(f,λ)=f+λ1(f,\lambda)=f+\lambda1である。

§E2.24 定義 2.1の一点コンパクト化位相を入れたαX=X∪{∞}\alpha X=X\cup\{\infty\}を考える。§E2.24 命題 2.2 (3)によりαX\alpha Xはコンパクト Hausdorff 空間であり、§E2.24 命題 2.2 (1)によりXXはαX\alpha Xの開部分空間であって、αX\alpha XからXXに入る部分空間位相はもとの位相に一致する。§E12.17 定理 3.2により

Φ:A+⟶C(αX),Φ(f,λ)=f++λ1\Phi:A^+\longrightarrow C(\alpha X), \qquad \Phi(f,\lambda)=f^++\lambda\mathbf1

は等長な *-同型である。ここでf+f^+は§E12.17 補題 3.1の延長であり、f+(∞)=0f^+(\infty)=0かつf+∣X=ff^+|_X=fである。

ψ∈Δ(C(αX))\psi\in\Delta(C(\alpha X))に対してR(ψ):=ψ∘ΦR(\psi):=\psi\circ\Phiとおく。Φ\Phiは線形かつ乗法的であるからR(ψ)R(\psi)は線形かつ乗法的であり、Φ\Phiは全射であってψ\psiは零写像でないからR(ψ)R(\psi)も零写像でない。したがって§E12.14 定義 4.4によりR(ψ)∈Δ(A+)R(\psi)\in\Delta(A^+)である。同じ理由でχ↦χ∘Φ−1\chi\mapsto\chi\circ\Phi^{-1}はΔ(A+)\Delta(A^+)からΔ(C(αX))\Delta(C(\alpha X))への写像であり、RRとの合成は両向きとも恒等写像であるから、R:Δ(C(αX))→Δ(A+)R:\Delta(C(\alpha X))\to\Delta(A^+)は全単射である。

Θ:=R∘εαX\Theta:=R\circ\varepsilon_{\alpha X}とおく。補題 2.3をK=αXK=\alpha Xに適用するとεαX\varepsilon_{\alpha X}は全単射であるから、Θ:αX→Δ(A+)\Theta:\alpha X\to\Delta(A^+)は全単射である。定義から、z∈αXz\in\alpha Xと(f,λ)∈A+(f,\lambda)\in A^+に対して

Θ(z)(f,λ)=εαX(z)(Φ(f,λ))=Φ(f,λ)(z)=f+(z)+λ\Theta(z)(f,\lambda)=\varepsilon_{\alpha X}(z)(\Phi(f,\lambda))=\Phi(f,\lambda)(z)=f^+(z)+\lambda

である。各(f,λ)∈A+(f,\lambda)\in A^+についてz↦Θ(z)(f,λ)=Φ(f,λ)(z)z\mapsto\Theta(z)(f,\lambda)=\Phi(f,\lambda)(z)はC(αX)C(\alpha X)の元であるから連続である。したがって補題 2.1を可換 Banach 環A+A^+と位相空間αX\alpha Xに適用するとΘ\Thetaは連続である。§E12.14 補題 5.2により(A+)∗(A^+)^*は弱星位相について Hausdorff であり、§E2.15 問題 6.2によりΔ(A+)\Delta(A^+)も Hausdorff である。αX\alpha Xはコンパクトであるから、§E2.19 定理 6.8によりΘ\Thetaは同相写像である。

f+(∞)=0f^+(\infty)=0であるからΘ(∞)(f,λ)=λ\Theta(\infty)(f,\lambda)=\lambdaであり、これは§E12.18 命題 4.2のφ∞\varphi_\inftyに等しい。Θ\Thetaは全単射であるから、Θ\ThetaはX=αX∖{∞}X=\alpha X\setminus\{\infty\}をΔ(A+)∖{φ∞}\Delta(A^+)\setminus\{\varphi_\infty\}の上へ全単射に写す。§E2.12 定義 4.2の包含写像ιX:X→αX\iota_X:X\to\alpha Xは§E2.12 定理 4.4 (1)により連続であり、§E2.12 命題 1.10によりΘ∘ιX:X→Δ(A+)\Theta\circ\iota_X:X\to\Delta(A^+)は連続であるから、§E2.12 定理 4.4 (3)を部分集合Δ(A+)∖{φ∞}⊆Δ(A+)\Delta(A^+)\setminus\{\varphi_\infty\}\subseteq\Delta(A^+)に適用すると、制限Θ∣X:X→Δ(A+)∖{φ∞}\Theta|_X:X\to\Delta(A^+)\setminus\{\varphi_\infty\}は部分空間位相について連続である。同じ議論をΘ−1\Theta^{-1}、包含写像Δ(A+)∖{φ∞}→Δ(A+)\Delta(A^+)\setminus\{\varphi_\infty\}\to\Delta(A^+)および部分集合X⊆αXX\subseteq\alpha Xに適用すると(Θ∣X)−1(\Theta|_X)^{-1}も連続である。したがってΘ∣X\Theta|_Xは同相写像である。

x∈Xx\in Xをとる。Θ(x)∈Δ(A+)∖{φ∞}\Theta(x)\in\Delta(A^+)\setminus\{\varphi_\infty\}であり、§E12.18 命題 4.2によりj(φ):=φ+j(\varphi):=\varphi^+はΔ(A)\Delta(A)からΔ(A+)∖{φ∞}\Delta(A^+)\setminus\{\varphi_\infty\}への同相写像であるから、φ+=Θ(x)\varphi^+=\Theta(x)を満たすφ∈Δ(A)\varphi\in\Delta(A)がただ一つ存在する。(f,0)(f,0)で評価すると、φ+(f,0)=φ(f)\varphi^+(f,0)=\varphi(f)とΘ(x)(f,0)=f+(x)=f(x)\Theta(x)(f,0)=f^+(x)=f(x)から、すべてのf∈Af\in Aについてφ(f)=f(x)\varphi(f)=f(x)である。すなわちφ=εX(x)\varphi=\varepsilon_X(x)であり、とくにεX(x)∈Δ(A)\varepsilon_X(x)\in\Delta(A)かつj(εX(x))=Θ(x)j(\varepsilon_X(x))=\Theta(x)である。

したがってΘ∣X=j∘εX\Theta|_X=j\circ\varepsilon_Xであり、εX=j−1∘Θ∣X\varepsilon_X=j^{-1}\circ\Theta|_Xである。j−1j^{-1}とΘ∣X\Theta|_Xはいずれも同相写像であるから、その合成であるεX\varepsilon_XはXXからΔ(C0(X))\Delta(C_0(X))への同相写像である。▨

系 2.5. 次が成り立つ。

  1. XXを局所コンパクト Hausdorff 空間とすると、Δ(C0(X))\Delta(C_0(X))はXXへ同相であり、XXがコンパクトであることとC0(X)C_0(X)が単位元をもつことは同値である。
  2. AAを可換 C* 環とすると、Δ(A)\Delta(A)は局所コンパクト Hausdorff 空間であり、Gelfand 変換Γ:A→C0(Δ(A))\Gamma:A\to C_0(\Delta(A))は等長な *-同型である。AAが単位的であるとき、Δ(A)\Delta(A)はコンパクトである。

証明.(1)を示す。定理 2.4によりεX\varepsilon_XはXXからΔ(C0(X))\Delta(C_0(X))への同相写像である。XXがコンパクトであることとC0(X)C_0(X)が単位元をもつことの同値性は§E12.16 命題 4.1 (1)と§E12.16 命題 4.1 (2)による。

(2)を示す。§E12.19 補題 1.1 (1)によりΔ(A)\Delta(A)は局所コンパクト Hausdorff 空間であり、AAが単位的である場合にはΔ(A)\Delta(A)はコンパクトである。§E12.19 定理 1.3によりΓ\GammaはAAからC0(Δ(A))C_0(\Delta(A))への等長な *-同型である。▨

系 2.6.XXとYYを局所コンパクト Hausdorff 空間とし、f,h:X→Yf,h:X\to Yを写像とする。すべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)とすべてのx∈Xx\in Xについてg(f(x))=g(h(x))g(f(x))=g(h(x))が成り立つならば、f=hf=hである。

証明.x∈Xx\in Xをとる。仮定により、すべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)についてεY(f(x))(g)=g(f(x))=g(h(x))=εY(h(x))(g)\varepsilon_Y(f(x))(g)=g(f(x))=g(h(x))=\varepsilon_Y(h(x))(g)であるから、εY(f(x))=εY(h(x))\varepsilon_Y(f(x))=\varepsilon_Y(h(x))である。定理 2.4によりεY\varepsilon_Yは単射であるからf(x)=h(x)f(x)=h(x)である。x∈Xx\in Xは任意であったからf=hf=hである。▨

命題 2.7.XXとYYを局所コンパクト Hausdorff 空間とし、π:C0(Y)→C0(X)\pi:C_0(Y)\to C_0(X)を非退化な *-準同型とする。このとき、すべてのx∈Xx\in Xとすべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)について

π(g)(x)=g(f(x))\pi(g)(x)=g(f(x))

を満たす連続写像f:X→Yf:X\to Yがただ一つ存在する。

証明.x∈Xx\in Xをとり、φx:C0(Y)→C\varphi_x:C_0(Y)\to\mathbb Cをφx(g):=π(g)(x)\varphi_x(g):=\pi(g)(x)で定める。π\piは線形であり各点における評価も線形であるからφx\varphi_xは線形である。g,h∈C0(Y)g,h\in C_0(Y)に対してφx(gh)=π(gh)(x)=(π(g)π(h))(x)=φx(g)φx(h)\varphi_x(gh)=\pi(gh)(x)=(\pi(g)\pi(h))(x)=\varphi_x(g)\varphi_x(h)であるからφx\varphi_xは乗法的である。定義 1.3によりπ(g)(x)≠0\pi(g)(x)\neq0を満たすg∈C0(Y)g\in C_0(Y)が存在するからφx\varphi_xは零写像でない。したがって§E12.14 定義 4.4によりφx∈Δ(C0(Y))\varphi_x\in\Delta(C_0(Y))である。

定理 2.4をYYに適用するとεY:Y→Δ(C0(Y))\varepsilon_Y:Y\to\Delta(C_0(Y))は同相写像であり、とくに全単射である。f(x):=εY−1(φx)f(x):=\varepsilon_Y^{-1}(\varphi_x)と定めると、すべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)についてg(f(x))=εY(f(x))(g)=φx(g)=π(g)(x)g(f(x))=\varepsilon_Y(f(x))(g)=\varphi_x(g)=\pi(g)(x)である。

ffの連続性を示す。Ψ:X→Δ(C0(Y))\Psi:X\to\Delta(C_0(Y))をΨ(x):=φx\Psi(x):=\varphi_xで定める。各g∈C0(Y)g\in C_0(Y)についてx↦Ψ(x)(g)=π(g)(x)x\mapsto\Psi(x)(g)=\pi(g)(x)はπ(g)∈C0(X)\pi(g)\in C_0(X)自身であるから連続である。§E12.16 定理 2.1と§E12.15 定義 1.2、§E12.15 定義 1.1によりC0(Y)C_0(Y)は可換 Banach 環であるから、補題 2.1によりΨ\Psiは連続である。f=εY−1∘Ψf=\varepsilon_Y^{-1}\circ\PsiでありεY−1\varepsilon_Y^{-1}は連続であるから、§E2.12 命題 1.10によりffは連続である。

一意性を示す。f1,f2:X→Yf_1,f_2:X\to Yがともに条件を満たすとすると、すべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)とx∈Xx\in Xについてg(f1(x))=π(g)(x)=g(f2(x))g(f_1(x))=\pi(g)(x)=g(f_2(x))であるから、系 2.6によりf1=f2f_1=f_2である。▨

3 単位的な場合の双対

定理 3.1.XXとYYをコンパクト Hausdorff 空間とする。連続写像f:X→Yf:X\to Yに対してf∗(g):=g∘ff^*(g):=g\circ f(g∈C(Y)g\in C(Y))とおくと、f∗f^*はC(Y)C(Y)からC(X)C(X)への単位元を保つ *-準同型であり、対応

f⟼f∗f\longmapsto f^*

はXXからYYへの連続写像の全体から、C(Y)C(Y)からC(X)C(X)への単位元を保つ *-準同型の全体への全単射である。

証明.XXとYYはコンパクト Hausdorff であるから、§E2.24 例 5.1 (1)により局所コンパクト Hausdorff であり、§E12.16 命題 4.1 (1)によりC0(X)=C(X)C_0(X)=C(X)、C0(Y)=C(Y)C_0(Y)=C(Y)であって、それぞれ定数関数1\mathbf1を単位元にもつ。

対応が定まることを示す。f:X→Yf:X\to Yを連続写像とすると、XXがコンパクトでYYが Hausdorff であるから補題 1.2によりffは proper 写像である。命題 1.4 (1)と命題 1.4 (2)によりf∗f^*はC(Y)C(Y)からC(X)C(X)への *-準同型である。各x∈Xx\in Xについてf∗(1)(x)=1(f(x))=1f^*(\mathbf1)(x)=\mathbf1(f(x))=1であるからf∗(1)=1f^*(\mathbf1)=\mathbf1であり、f∗f^*は単位元を保つ。

単射性を示す。連続写像f,h:X→Yf,h:X\to Yがf∗=h∗f^*=h^*を満たすとすると、すべてのg∈C(Y)g\in C(Y)とx∈Xx\in Xについてg(f(x))=f∗(g)(x)=h∗(g)(x)=g(h(x))g(f(x))=f^*(g)(x)=h^*(g)(x)=g(h(x))であるから、系 2.6によりf=hf=hである。

全射性を示す。π:C(Y)→C(X)\pi:C(Y)\to C(X)を単位元を保つ *-準同型とする。各x∈Xx\in Xについてπ(1)(x)=1(x)=1≠0\pi(\mathbf1)(x)=\mathbf1(x)=1\neq0であるから、定義 1.3によりπ\piは非退化である。命題 2.7により、すべてのx∈Xx\in Xとg∈C(Y)g\in C(Y)についてπ(g)(x)=g(f(x))\pi(g)(x)=g(f(x))を満たす連続写像f:X→Yf:X\to Yが存在する。このffについてf∗(g)=g∘f=π(g)f^*(g)=g\circ f=\pi(g)であるからf∗=πf^*=\piである。▨

系 3.2.XXとYYをコンパクト Hausdorff 空間とする。XXとYYが同相であることと、C(Y)C(Y)からC(X)C(X)への単位元を保つ *-同型が存在することは同値である。

証明.f:X→Yf:X\to Yを同相写像とする。ffとf−1f^{-1}はいずれも連続であり、補題 1.2によりいずれも proper 写像である。命題 1.5 (1)と命題 1.5 (2)により

f∗∘(f−1)∗=(f−1∘f)∗=(id⁡X)∗=id⁡C(X),(f−1)∗∘f∗=(f∘f−1)∗=(id⁡Y)∗=id⁡C(Y)f^*\circ(f^{-1})^*=(f^{-1}\circ f)^*=(\operatorname{id}_X)^*=\operatorname{id}_{C(X)}, \qquad (f^{-1})^*\circ f^*=(f\circ f^{-1})^*=(\operatorname{id}_Y)^*=\operatorname{id}_{C(Y)}

である。定理 3.1によりf∗f^*は単位元を保つ *-準同型であり、上の二つの等式により全単射であるから、f∗f^*はC(Y)C(Y)からC(X)C(X)への単位元を保つ *-同型である。

逆に、π:C(Y)→C(X)\pi:C(Y)\to C(X)を単位元を保つ *-同型とする。π−1:C(X)→C(Y)\pi^{-1}:C(X)\to C(Y)は、π\piが全単射な *-準同型であることから線形かつ乗法的であって対合を保ち、π(1)=1\pi(\mathbf1)=\mathbf1から単位元を保つ。定理 3.1の全射性により、連続写像f:X→Yf:X\to Yとh:Y→Xh:Y\to Xが存在してf∗=πf^*=\piかつh∗=π−1h^*=\pi^{-1}である。補題 1.2によりffとhhは proper 写像であるから、命題 1.5 (1)により

(h∘f)∗=f∗∘h∗=π∘π−1=id⁡C(X)=(id⁡X)∗,(f∘h)∗=h∗∘f∗=π−1∘π=id⁡C(Y)=(id⁡Y)∗(h\circ f)^*=f^*\circ h^*=\pi\circ\pi^{-1}=\operatorname{id}_{C(X)}=(\operatorname{id}_X)^*, \qquad (f\circ h)^*=h^*\circ f^*=\pi^{-1}\circ\pi=\operatorname{id}_{C(Y)}=(\operatorname{id}_Y)^*

である。定理 3.1の単射性によりh∘f=id⁡Xh\circ f=\operatorname{id}_Xかつf∘h=id⁡Yf\circ h=\operatorname{id}_Yであるから、ffは全単射であってf−1=hf^{-1}=hは連続である。よってffは同相写像であり、XXとYYは同相である。▨

4 単位元をもたない場合の双対

定理 4.1.XXとYYを局所コンパクト Hausdorff 空間とする。proper 写像f:X→Yf:X\to Yに対して命題 1.4のf∗f^*を対応させると、対応

f⟼f∗f\longmapsto f^*

はXXからYYへの proper 写像の全体から、C0(Y)C_0(Y)からC0(X)C_0(X)への非退化な *-準同型の全体への全単射である。

証明. 対応が定まることは命題 1.4による。

単射性を示す。proper 写像f,h:X→Yf,h:X\to Yがf∗=h∗f^*=h^*を満たすとすると、すべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)とx∈Xx\in Xについてg(f(x))=f∗(g)(x)=h∗(g)(x)=g(h(x))g(f(x))=f^*(g)(x)=h^*(g)(x)=g(h(x))であるから、系 2.6によりf=hf=hである。

全射性を示す。π:C0(Y)→C0(X)\pi:C_0(Y)\to C_0(X)を非退化な *-準同型とする。命題 2.7により、すべてのx∈Xx\in Xとg∈C0(Y)g\in C_0(Y)についてπ(g)(x)=g(f(x))\pi(g)(x)=g(f(x))を満たす連続写像f:X→Yf:X\to Yが存在する。

ffが proper 写像であることを示す。K⊆YK\subseteq Yをコンパクト部分集合とする。§E12.16 補題 3.3をYY、コンパクト部分集合KK、開部分集合W=YW=Yに適用すると、g∈C0(Y)g\in C_0(Y)であって、すべてのy∈Ky\in Kについてg(y)=1g(y)=1を満たすものが存在する。x∈f−1(K)x\in f^{-1}(K)ならばf(x)∈Kf(x)\in Kであるからπ(g)(x)=g(f(x))=1\pi(g)(x)=g(f(x))=1であり、

f−1(K)⊆{x∈X:∣π(g)(x)∣≥1}f^{-1}(K)\subseteq\{x\in X:|\pi(g)(x)|\geq1\}

が成り立つ。π(g)∈C0(X)\pi(g)\in C_0(X)であるから、§E12.16 定義 1.1により右辺はコンパクトである。YYは Hausdorff であるから§E2.19 命題 6.4によりKKはYYの閉集合であり、ffは連続であるから§E2.12 命題 1.6 (2)によりf−1(K)f^{-1}(K)はXXの閉集合である。§E12.16 補題 1.4によりf−1(K)f^{-1}(K)はコンパクトである。KKは任意であったから、定義 1.1によりffは proper 写像である。

このffについて、すべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)に対してf∗(g)=g∘f=π(g)f^*(g)=g\circ f=\pi(g)であるからf∗=πf^*=\piである。したがって対応は全射である。▨

例 4.2.XXとYYを局所コンパクト Hausdorff 空間とし、X≠∅X\neq\emptysetとする。π0:C0(Y)→C0(X)\pi_0:C_0(Y)\to C_0(X)をπ0(g):=0\pi_0(g):=0で定めると、π0\pi_0は線形かつ乗法的であって対合を保つから *-準同型である。しかしx∈Xx\in Xをとると、すべてのg∈C0(Y)g\in C_0(Y)についてπ0(g)(x)=0\pi_0(g)(x)=0であるから、定義 1.3によりπ0\pi_0は非退化でない。命題 1.4 (3)によりすべての proper 写像f:X→Yf:X\to Yについてf∗f^*は非退化であるから、π0\pi_0はいかなる proper 写像のf∗f^*とも異なる。したがって定理 4.1の対応の終域を *-準同型の全体へ広げると、その対応は全射でなくなる。

例 4.3.Y=RY=\mathbb Rに通常の位相を入れ、X=(0,1)X=(0,1)にR\mathbb Rからの部分空間位相を入れる。ι:X→Y\iota:X\to Yを包含写像(§E2.12 定義 4.2)とする。

XXは局所コンパクト Hausdorff 空間である。実際、§E2.1 命題 2.2と§E2.12 命題 4.8によりXXの部分空間位相はR\mathbb Rの Euclid 距離の制限が生じる位相であり、§E2.15 定理 3.2により Hausdorff である。x∈Xx\in Xに対して0<a<x<b<10<a<x<b<1を満たすa,ba,bをとると、(a,b)(a,b)はXXの開集合でありx∈(a,b)⊆[a,b]⊆Xx\in(a,b)\subseteq[a,b]\subseteq Xである。§E2.9 定理 4.3により[a,b][a,b]はR\mathbb Rのコンパクト部分集合であり、§E2.12 定義 4.1によりXXから[a,b][a,b]に入る部分空間位相はR\mathbb Rから入るものに一致するから、[a,b][a,b]はXXのコンパクト部分集合である。したがって§E2.24 定義 1.2の条件が満たされる。Y=RY=\mathbb Rが局所コンパクト Hausdorff であることは§E2.24 例 5.1 (3)による。

ι\iotaは§E2.12 定理 4.4 (1)により連続である。しかしι\iotaは proper 写像でない。実際、[0,1][0,1]は有界な閉集合であるから§E2.9 定理 4.3によりR\mathbb Rのコンパクト部分集合であるが、ι−1([0,1])=(0,1)\iota^{-1}([0,1])=(0,1)については、1/n∈(0,1)1/n\in(0,1)(n≥2n\geq2)が0∉(0,1)0\notin(0,1)に収束するので(0,1)(0,1)はR\mathbb Rの閉集合でなく、ふたたび§E2.9 定理 4.3により(0,1)(0,1)はコンパクトでない。

g(t):=1/(1+t2)g(t):=1/(1+t^2)とおくと、§E12.16 例 1.2によりg∈C0(R)g\in C_0(\mathbb R)である。t∈(0,1)t\in(0,1)のとき1+t2<21+t^2<2であるからg(t)>1/2g(t)>1/2であり、

{t∈(0,1):∣(g∘ι)(t)∣≥1/2}=(0,1)\{t\in(0,1):|(g\circ\iota)(t)|\geq1/2\}=(0,1)

である。この集合はコンパクトでないから、§E12.16 定義 1.1によりg∘ι∉C0((0,1))g\circ\iota\notin C_0((0,1))である。したがって、proper でない連続写像に対しては、合成による引き戻しがC0C_0の間の写像を定めないことがある。

注意 4.4.系 2.5、定理 3.1および定理 4.1は、空間と可換 C* 環の対応を、対象の間の対応と写像の間の全単射として述べたものである。この対応を圏と関手の言葉で述べ直し、両者の合成がもとの対象へ戻ることを自然同値として定式化することは「圏論 I」が扱う。

5 演習

問題 5.1.XXとYYをコンパクト Hausdorff 空間とし、f:X→Yf:X\to Yを連続写像とする。f∗:C(Y)→C(X)f^*:C(Y)\to C(X)が単射であることとffが全射であることが同値であることを証明せよ。

解答.

ffが全射であるとする。g∈C(Y)g\in C(Y)がf∗(g)=0f^*(g)=0を満たすとすると、すべてのx∈Xx\in Xについてg(f(x))=0g(f(x))=0である。y∈Yy\in Yをとると、ffの全射性によりy=f(x)y=f(x)を満たすx∈Xx\in Xが存在し、g(y)=g(f(x))=0g(y)=g(f(x))=0である。したがってg=0g=0である。定理 3.1によりf∗f^*は線形であるから、核が{0}\{0\}であることによりf∗f^*は単射である。

ffが全射でないとする。XXはコンパクトであるから§E2.19 定理 4.2によりf(X)f(X)はYYのコンパクト部分集合であり、YYは Hausdorff であるから§E2.19 命題 6.4によりf(X)f(X)はYYの閉集合である。W:=Y∖f(X)W:=Y\setminus f(X)は開集合であり、ffが全射でないことからy0∈Wy_0\in Wを満たすy0y_0が存在する。一点集合{y0}\{y_0\}はコンパクトであり、YYは§E2.24 例 5.1 (1)により局所コンパクト Hausdorff であるから、§E12.16 補題 3.3をYY、コンパクト部分集合{y0}\{y_0\}、開部分集合WWに適用すると、g∈C0(Y)=C(Y)g\in C_0(Y)=C(Y)(§E12.16 命題 4.1 (1))であってg(y0)=1g(y_0)=1を満たしY∖W=f(X)Y\setminus W=f(X)の上で00をとるものが存在する。g(y0)=1≠0g(y_0)=1\neq0であるからg≠0g\neq0であり、すべてのx∈Xx\in Xについてf∗(g)(x)=g(f(x))=0f^*(g)(x)=g(f(x))=0であるからf∗(g)=0f^*(g)=0である。したがってf∗f^*は単射でない。▨

問題 5.2.Z≥0\mathbb Z_{\geq0}に離散位相を入れる。写像f:Z≥0→Z≥0f:\mathbb Z_{\geq0}\to\mathbb Z_{\geq0}が proper 写像であることと、すべてのn∈Z≥0n\in\mathbb Z_{\geq0}についてf−1({n})f^{-1}(\{n\})が有限集合であることが同値であることを証明せよ。また、f(n)=n+1f(n)=n+1が proper 写像であり、値00をとる定数写像が proper 写像でないことを確かめよ。

解答.

§E12.16 例 1.3により、離散位相のもとでは任意の写像が連続であり、離散空間の部分集合がコンパクトであることと有限集合であることは同値である。

ffが proper 写像であるとする。n∈Z≥0n\in\mathbb Z_{\geq0}に対して{n}\{n\}は有限集合であるからコンパクトであり、定義 1.1によりf−1({n})f^{-1}(\{n\})はコンパクト、すなわち有限集合である。

逆に、すべてのnnについてf−1({n})f^{-1}(\{n\})が有限であるとする。K⊆Z≥0K\subseteq\mathbb Z_{\geq0}がコンパクトならばKKは有限集合{n1,…,nk}\{n_1,\ldots,n_k\}(k∈Z≥0k\in\mathbb Z_{\geq0})である。k=0k=0のときK=∅K=\emptysetでありf−1(K)=∅f^{-1}(K)=\emptysetは有限である。k≥1k\geq1のとき

f−1(K)=f−1({n1})∪⋯∪f−1({nk})f^{-1}(K)=f^{-1}(\{n_1\})\cup\cdots\cup f^{-1}(\{n_k\})

は有限個の有限集合の和集合として有限である。いずれの場合もf−1(K)f^{-1}(K)は有限集合であるからコンパクトであり、したがってffは proper 写像である。

f(n)=n+1f(n)=n+1については、f−1({n})f^{-1}(\{n\})はn=0n=0のとき空集合、n≥1n\geq1のとき{n−1}\{n-1\}であり、いずれも有限であるからffは proper 写像である。値00をとる定数写像ccについてはc−1({0})=Z≥0c^{-1}(\{0\})=\mathbb Z_{\geq0}が無限集合であるから、ccは proper 写像でない。▨

問題 5.3.XXとYYを局所コンパクト Hausdorff 空間とし、f:X→Yf:X\to Yを proper 写像とする。f∗:C0(Y)→C0(X)f^*:C_0(Y)\to C_0(X)が全単射であることとffが同相写像であることが同値であることを証明せよ。

解答.

ffが同相写像であるとする。K⊆XK\subseteq Xがコンパクトならば、§E2.19 定理 4.2により(f−1)−1(K)=f(K)(f^{-1})^{-1}(K)=f(K)はコンパクトであるから、f−1f^{-1}は proper 写像である。命題 1.5 (1)と命題 1.5 (2)により

f∗∘(f−1)∗=(f−1∘f)∗=(id⁡X)∗=id⁡C0(X),(f−1)∗∘f∗=(f∘f−1)∗=(id⁡Y)∗=id⁡C0(Y)f^*\circ(f^{-1})^*=(f^{-1}\circ f)^*=(\operatorname{id}_X)^*=\operatorname{id}_{C_0(X)}, \qquad (f^{-1})^*\circ f^*=(f\circ f^{-1})^*=(\operatorname{id}_Y)^*=\operatorname{id}_{C_0(Y)}

であるからf∗f^*は全単射である。

逆にf∗f^*が全単射であるとし、π:=(f∗)−1:C0(X)→C0(Y)\pi:=(f^*)^{-1}:C_0(X)\to C_0(Y)とおく。f∗f^*は命題 1.4 (2)により *-準同型であり全単射であるから、π\piも線形かつ乗法的であって対合を保つ。π\piが非退化であることを示す。y∈Yy\in Yをとる。一点集合{y}\{y\}はコンパクトであるから、§E12.16 補題 3.3をYY、コンパクト部分集合{y}\{y\}、開部分集合W=YW=Yに適用すると、g∈C0(Y)g\in C_0(Y)であってg(y)=1g(y)=1を満たすものが存在する。u:=f∗(g)∈C0(X)u:=f^*(g)\in C_0(X)とおくとπ(u)=g\pi(u)=gでありπ(u)(y)=1≠0\pi(u)(y)=1\neq0であるから、定義 1.3によりπ\piは非退化である。

定理 4.1の全射性により、proper 写像h:Y→Xh:Y\to Xが存在してh∗=πh^*=\piである。命題 1.5 (1)と命題 1.5 (2)により

(h∘f)∗=f∗∘h∗=f∗∘π=id⁡C0(X)=(id⁡X)∗,(f∘h)∗=h∗∘f∗=π∘f∗=id⁡C0(Y)=(id⁡Y)∗(h\circ f)^*=f^*\circ h^*=f^*\circ\pi=\operatorname{id}_{C_0(X)}=(\operatorname{id}_X)^*, \qquad (f\circ h)^*=h^*\circ f^*=\pi\circ f^*=\operatorname{id}_{C_0(Y)}=(\operatorname{id}_Y)^*

である。h∘fh\circ fとid⁡X\operatorname{id}_Xはいずれも proper 写像であるから、定理 4.1の単射性によりh∘f=id⁡Xh\circ f=\operatorname{id}_Xであり、同様にf∘h=id⁡Yf\circ h=\operatorname{id}_Yである。したがってffは全単射であってf−1=hf^{-1}=hは連続であるから、ffは同相写像である。▨

参考文献

  1. Gerard J. Murphy, C*-Algebras and Operator Theory, Academic Press, 1990.可換 C* 環と局所コンパクト Hausdorff 空間の対応、および proper な連続写像と非退化な *-準同型の対応を参考にした。
  2. Walter Rudin, Functional Analysis, 2nd ed., International Series in Pure and Applied Mathematics, McGraw Hill, 1991.指標空間と一点における評価の関係を参考にした。
  3. Gerald B. Folland, A Course in Abstract Harmonic Analysis, 2nd ed., CRC Press, 2016.局所コンパクト空間の上の関数環から空間を復元する標準的な扱いを参考にした。

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