§B4.5余事象・独立試行・反復試行

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直接数えにくい事象は余事象へ置き換え、複数の試行を組み合わせるときは独立性を確かめます。

1 余事象

定義 1.1 (余事象). 標本空間をΩ\Omegaとし、事象A⊆ΩA\subseteq\Omegaに対して、AAが起こらない事象Ω∖A\Omega\setminus AをAAの余事象といいます。

公式 1.2 (余事象の確率).

P(Ω∖A)=1−P(A).P(\Omega\setminus A)=1-P(A).

証明.AAとΩ∖A\Omega\setminus Aは排反であり、その和集合はΩ\Omegaです。したがって

P(A)+P(Ω∖A)=P(Ω)=1P(A)+P(\Omega\setminus A)=P(\Omega)=1

が成り立ちます。▨

例 1.3 (少なくとも一回の成功). 成功確率がppである独立な試行をnn回行います。少なくとも一回成功する事象の余事象は、すべて失敗する事象です。したがって確率は

1−(1−p)n1-(1-p)^n

です。

2 独立性

独立性は、二つの事象の積の等式として定義します。原因と結果についての主張ではありません。

定義 2.1 (二事象の独立性). 事象A,BA,Bが独立であるとは、

P(A∩B)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)P(B)

が成り立つことをいいます。

注意 2.2 (排反と独立の違い).A∩B=∅A\cap B=\varnothingであることを排反といいます。P(A)>0P(A)>0かつP(B)>0P(B)>0の排反な二事象は、

P(A∩B)=0≠P(A)P(B)P(A\cap B)=0\ne P(A)P(B)

なので独立ではありません。

3 反復試行

公式 3.1 (反復試行の確率). 各回の成功確率がppであり、各回が互いに独立である試行をnn回行います。ちょうどrr回成功する確率は

nCrpr(1−p)n−r{}_nC_r p^r(1-p)^{n-r}

です。ただし0≤r≤n0\le r\le nとします。

証明. 成功するrr回の選び方はnCr{}_nC_r通りです。各選び方について、独立性から成功と失敗が指定どおり起こる確率はpr(1−p)n−rp^r(1-p)^{n-r}です。これらの事象は排反なので、確率を足すと公式を得ます。▨

4 誕生日問題のモデル

例 4.1 (誕生日が重なる確率). うるう日を除く365日を考え、各人の誕生日が365日のいずれにも同じ確率で属し、異なる人の誕生日が互いに独立であると仮定します。m≤365m\le365人の誕生日がすべて異なる確率は

365365⋅364365⋯365−m+1365\frac{365}{365}\cdot\frac{364}{365}\cdots\frac{365-m+1}{365}

です。したがって、少なくとも二人の誕生日が一致する確率は、この積を1から引いた値です。

注意 4.2 (誕生日モデルの限界). 現実の出生数は季節によって変化し、双子などの誕生日は独立ではありません。上の計算は、一様性と個人間の独立性を仮定した教材用モデルの結論であり、現実の集団へそのまま適用することはできません。

5 演習

  1. 公平なサイコロを4回投げるとき、少なくとも一回6が出る確率を求めます。
  2. 公平な硬貨を5回投げるとき、表がちょうど2回出る確率を求めます。
  3. 正の確率をもつ二事象が排反ならば独立でないことを、独立性の定義から説明します。

答えは順に1−(5/6)41-(5/6)^4、5C2/25=5/16{}_5C_2/2^5=5/16です。3では、積P(A)P(B)P(A)P(B)は正ですが、排反性からP(A∩B)=0P(A\cap B)=0なので独立性の等式が成り立ちません。

例題

条件と何を求めるかを確認してから、式と答えの対応を見比べてください。

次の確率を求めよ。

解法の型反復試行の確率 == C(n,k) pkp^k (1−p)^{n−k}

  1. 例題 1

    硬貨を 4 回投げるとき、表がちょうど 0 回出る確率\text{硬貨を } 4 \text{ 回投げるとき、表がちょうど } 0 \text{ 回出る確率}

解法の型余事象『1回も起こらない』の確率を1から引く

  1. 例題 1

    さいころを 3 回投げるとき、少なくとも1回は6の目が出る確率\text{さいころを } 3 \text{ 回投げるとき、少なくとも1回は6の目が出る確率}

演習

問題を解いてから「解答・解説」を開けます。

次の確率を求めよ。

演習を読み込み中…

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