1 回転の合成による証明
以下は、120°の回転の合成を用いる初等幾何の証明です。
定理 1.1.U=Vとし、rU,rVをそれぞれU,Vを中心とする同じ向きの120°回転とする。UVを一辺とする二つの正三角形の第三頂点をP,Qとし、rU(P)=QとなるようにP,Qを定める。このときrV∘rUはPを中心とする反対向きの120°回転である。
証明.UVPとUVQはUVを共有して互いに反対側にある正三角形であるから、rU(P)=Qであり、同じ向きの回転についてrV(Q)=Pである。したがって(rV∘rU)(P)=Pとなる。
rUとrVは距離と角を保ち、各有向線分の向きをそれぞれ120°だけ変える。よって合成rV∘rUは距離を保ち、各有向線分の向きを240°、すなわち反対向きに120°だけ変える。しかもPを固定するので、任意の点Tの像は、Pからの距離がPTに等しく、有向角が反対向きの120°となる唯一の点である。ゆえにrV∘rUはPを中心とする反対向きの120°回転である。▨
証明.A,B,Cが反時計回りに並ぶように向きを選ぶ。外向き正三角形の中心X,Y,Zのまわりの反時計回り120°回転をそれぞれrX,rY,rZとする。正三角形では重心と外心が一致するため、各回転は頂点を巡回させる。外向きという選択から
rX(C)=B,rY(A)=C,rZ(B)=Aとなる。
まずX=Yを示す。X=Yと仮定すると、rX∘rYはXを中心とする反対向きの120°回転であり、AをBへ送る。一方、rZ−1も反対向きの120°回転でAをBへ送る。回転角と一つの点の像は回転中心を一意に定めるから、X=Zとなる。すると同じ中心の反時計回り120°回転がA↦C↦B↦Aと三頂点を巡回させるので、ABCは正三角形であり、共通中心はその中心である。しかし、辺BC上の外向き正三角形の中心はAと直線BCの反対側にあり、ABCの中心はAと同じ側にある。この二つは両立しない。したがってX=Yである。
定理 1.1を中心Y,Xの順に適用する。YXを一辺とする正三角形の適切な第三頂点をPとすると、rX∘rYはPを中心とする時計回り120°回転である。また
(rX∘rY)(A)=rX(C)=Bである。rZ−1も時計回り120°回転であり、rZ−1(A)=Bを満たす。回転角とAの像Bから回転中心は一意に定まるのでP=Zである。したがってY,X,Zは正三角形の三頂点であり、△XYZは非退化な正三角形である。
三つの正三角形を内向きに作る場合には、上の三つの回転方向をすべて反転すると同じ合成が得られる。中心三点が一致するなら、同じ中心の120°回転がA,B,Cを巡回させるのでABCは正三角形である。逆にABCが正三角形なら、三つの内向き正三角形はいずれもABC自身であるから、その中心は一致する。したがってABCが正三角形でない場合には中心三点が非退化な正三角形をなし、その向きは外向きの場合と反対になる。▨
2 三つの外接円による証明
以下は、回転を用いず、円周角と垂直二等分線から組み立てる証明です。示すのは定理 1のうち外向きの配置についての主張です。
補題 2.1.定理 1の外向きの配置において、頂点A,B,Cがこの順に反時計回りに並ぶとする。辺BC,CA,AB上の外向き正三角形を、それぞれ△BCA′、△CAB′、△ABC′とする。ここでA′は直線BCについてAと反対側に、B′は直線CAについてBと反対側に、C′は直線ABについてCと反対側にある。このとき次が成り立つ。
- ∠XBC=∠XCB=∠YCA=∠YAC=∠ZAB=∠ZBA=30°である。
- 半直線CYから半直線CXまで反時計回りに測った角は∠BCA+60°に等しく、半直線AZから半直線AYまで反時計回りに測った角は∠BAC+60°に等しく、半直線BXから半直線BZまで反時計回りに測った角は∠ABC+60°に等しい。
- 三点X,C,Yが同一直線上にあることと∠BCA=120°であることは同値である。三点Y,A,Zが同一直線上にあることと∠BAC=120°であること、三点Z,B,Xが同一直線上にあることと∠ABC=120°であることも、それぞれ同値である。
証明. 正三角形の中心は各頂点の内角の二等分線上にあり、正三角形の内角は60°であるから、(1)の六つの角はいずれも30°である。中心は正三角形の内部にあるので、Xは直線BCについてAと反対側に、Yは直線CAについてBと反対側に、Zは直線ABについてCと反対側にある。Xは正三角形△BCA′の内部にあるのでBともCとも異なり、Yは正三角形△CAB′の内部にあるのでCともAとも異なり、Zは正三角形△ABC′の内部にあるのでAともBとも異なる。したがって、以下に現れる半直線CX、CY、AZ、AY、BX、BZはいずれも定まる。
頂点Cを考える。A,B,Cがこの順に反時計回りに並ぶので、半直線CAから半直線CBまで反時計回りに測った角は∠BCAであり、0°より大きく180°より小さい。したがって、直線CAについてBを含む側にあるCを端点とする半直線は、半直線CAを反時計回りに0°より大きく180°より小さい角だけ回して得られるものであり、直線CBについてAを含む側にあるCを端点とする半直線は、半直線CBを時計回りに0°より大きく180°より小さい角だけ回して得られるものである。Yは直線CAについてBと反対側にあり∠YCA=30°であるから、半直線CYは半直線CAを時計回りに30°回した半直線である。Xは直線BCについてAと反対側にあり∠XCB=30°であるから、半直線CXは半直線CBを反時計回りに30°回した半直線である。よって半直線CYから半直線CXまで反時計回りに測った角は30°+∠BCA+30°である。
頂点Aでは、半直線ABから半直線ACまで反時計回りに測った角が∠BACである。Zは直線ABについてCと反対側にあり∠ZAB=30°であるから、半直線AZは半直線ABを時計回りに30°回した半直線である。Yは直線CAについてBと反対側にあり∠YAC=30°であるから、半直線AYは半直線ACを反時計回りに30°回した半直線である。よって半直線AZから半直線AYまで反時計回りに測った角は30°+∠BAC+30°である。
頂点Bでは、半直線BCから半直線BAまで反時計回りに測った角が∠ABCである。Xは直線BCについてAと反対側にあり∠XBC=30°であるから、半直線BXは半直線BCを時計回りに30°回した半直線である。Zは直線ABについてCと反対側にあり∠ZBA=30°であるから、半直線BZは半直線BAを反時計回りに30°回した半直線である。よって半直線BXから半直線BZまで反時計回りに測った角は30°+∠ABC+30°である。これで(2)が示された。
三点X,C,Yが同一直線上にあることは、半直線CXと半直線CYが同じ向きであるか反対向きであること、すなわち(2)の角が0°または180°であることと同値である。0°<∠BCA<180°から60°<∠BCA+60°<240°であり、この範囲でその角が0°になることはなく、180°になるのは∠BCA=120°のときに限る。頂点Aでは(2)の角が∠BAC+60°で同じ範囲にあるから、Y,A,Zが同一直線上にあることは∠BAC=120°と同値であり、頂点Bでは(2)の角が∠ABC+60°で同じ範囲にあるから、Z,B,Xが同一直線上にあることは∠ABC=120°と同値である。▨
補題 2.2.定理 1の外向きの配置において、辺BC,CA,AB上の外向き正三角形の外接円を、それぞれωX,ωY,ωZとする。このとき、AがωX上にあることと∠BAC=120°であることは同値である。同様に、BがωY上にあることと∠ABC=120°であること、CがωZ上にあることと∠BCA=120°であることも、それぞれ同値である。
証明. 辺BC上の外向き正三角形を△BCA′とすると、ωXはB,C,A′を通るただ一つの円である。AとA′はどちらも直線BC上になく、直線BCについて反対側にある。§A5.6 系 4.3により、四点B,C,A,A′が同一円周上にあることと∠BAC+∠BA′C=180°であることは同値である。△BCA′は正三角形であるから∠BA′C=60°であり、この条件は∠BAC=120°と同値である。四点が同一円周上にあるとき、その円はB,C,A′を通るただ一つの円ωXであるから、四点が同一円周上にあることはA∈ωXと同値である。
辺CA上の外向き正三角形を△CAB′とすると、BとB′はどちらも直線CA上になく、直線CAについて反対側にある。∠CB′A=60°であるから、同じ判定によりB∈ωYと∠ABC=120°は同値である。辺AB上の外向き正三角形を△ABC′とすると、CとC′はどちらも直線AB上になく、直線ABについて反対側にある。∠AC′B=60°であるから、同じ判定によりC∈ωZと∠BCA=120°は同値である。▨
補題 2.3.定理 1の外向きの配置において、頂点A,B,Cがこの順に反時計回りに並ぶとし、辺BC,CA,AB上の外向き正三角形の外接円を、それぞれωX,ωY,ωZとする。△ABCのどの内角も120°に等しくないとする。このとき、三つの中心X,Y,Zは相異なる。さらに、A,B,Cのいずれとも異なり、三つの円ωX,ωY,ωZのすべてに属する点Fが存在し、三直線FA,FB,FCは相異なり、どの二つのなす角の大きさも60°である。
証明. 辺BC,CA,AB上の外向き正三角形を、それぞれ△BCA′、△CAB′、△ABC′とする。X=Yとすると、ωXとωYはともにCを通り中心が同じであるから一致し、A∈ωY=ωXとなる。補題 2.2により∠BAC=120°となって仮定に反するので、X=Yである。Y=Zとすると、ωYとωZはともにAを通り中心が同じであるから一致し、B∈ωZ=ωYとなる。同じ補題により∠ABC=120°となって仮定に反するので、Y=Zである。Z=Xとすると、ωZとωXはともにBを通り中心が同じであるから一致し、C∈ωX=ωZとなる。同じ補題により∠BCA=120°となって仮定に反するので、Z=Xである。
∠BCA=120°であるから、補題 2.1 (3)によりX,C,Yは同一直線上になく、Cは直線XY上にない。Cの直線XYに関する鏡映をFとする。鏡映は距離を保ちXとYを動かさないからXF=XCかつYF=YCであり、FはωXとωYの共有点である。Cが直線XY上にないのでF=Cである。F=AとするとA∈ωXとなり、補題 2.2により∠BAC=120°となって仮定に反するからF=Aである。F=BとするとB∈ωYとなり、同じ補題により∠ABC=120°となって仮定に反するからF=Bである。
三点の並びが反時計回りか時計回りかは、三点目が最初の二点を通る直線のどちら側にあるかで決まる。B,C,Aはこの順に反時計回りに並び、A′は直線BCについてAと反対側にあるから、B,C,A′はこの順に時計回りに、すなわちA′,C,Bはこの順に反時計回りに並ぶ。よって、頂点A′において半直線A′Cから半直線A′Bまで反時計回りに測った角は∠CA′B=60°である。同じ理由で、頂点B′において半直線B′Aから半直線B′Cまで、頂点C′において半直線C′Bから半直線C′Aまで反時計回りに測った角も60°である。§C2.4 定義 3の向きをもつ角では、これは
∠(A′B,A′C)=∠(B′C,B′A)=∠(C′A,C′B)=−60°(mod180°)を意味する。
FはωX上にあってB,Cとは異なるから、Fが直線BC上にあれば直線BCが円ωXと三点で交わることになるが、直線と円の共有点は高々二つである。よってF,B,Cは同一直線上になく、FがωY上にあってC,Aと異なることから、同じ理由でF,C,Aも同一直線上にない。F=A′ならば∠(FB,FC)と∠(A′B,A′C)は同じ角である。F=A′ならば、B=CでありFとA′はどちらも直線BC上にないから、円ωX上の四点F,B,C,A′へ§C2.4 補題 5を適用して∠(FB,FC)=∠(A′B,A′C)を得る。いずれの場合も∠(FB,FC)=−60°である。同じく、F=B′ならば∠(FC,FA)と∠(B′C,B′A)は同じ角であり、F=B′ならば、C=AでありFとB′はどちらも直線CA上にないから、円ωY上の四点F,C,A,B′へ§C2.4 補題 5を適用して∠(FC,FA)=∠(B′C,B′A)を得る。いずれの場合も∠(FC,FA)=−60°である。
§C2.4 補題 4により
∠(FB,FA)=∠(FB,FC)+∠(FC,FA)=−120°=60°(mod180°)である。この値は0°ではないからF,A,Bは同一直線上になく、△ABC′が正三角形であることからA,B,C′も同一直線上にない。§C2.4 補題 4により∠(C′B,C′A)=−∠(C′A,C′B)=60°であるから、F=C′ならばFはωZ上にあり、F=C′ならば、B=AでありFとC′はどちらも直線AB上になく∠(FB,FA)=∠(C′B,C′A)を満たすので、§C2.4 補題 5により四点F,B,A,C′は同一円周上にある。その円はA,B,C′を通るただ一つの円ωZであるから、いずれの場合もF∈ωZである。
最後に∠(FB,FC)=∠(FC,FA)=−60°であり、§C2.4 補題 4により∠(FA,FB)=−∠(FB,FA)=−60°である。三つの値はいずれも0°ではないから三直線FA,FB,FCは相異なり、向きをもつ角が−60°である二直線のなす角の大きさは60°である。▨
証明. 以下は定理 1のうち、外向きの配置についての主張の証明である。必要ならBとCを入れ替えて、A,B,Cがこの順に反時計回りに並ぶとしてよい。この入れ替えは辺BCを保ち、辺CAと辺ABを交換するので、三つの中心の組{X,Y,Z}を変えず、示すべき主張も変えない。辺BC,CA,AB上の外向き正三角形の外接円を、それぞれωX,ωY,ωZとする。
まず、△ABCのどの内角も120°に等しくない場合を扱う。補題 2.3により、A,B,Cのいずれとも異なる点Fが三つの円のすべてに属する。
同じ補題によりX,Y,Zは相異なり、FはA,B,Cのいずれとも異なる。CとFはともにωX上にあるのでXC=XFであり、ともにωY上にあるのでYC=YFである。F=Cであるから、§A5.8 補題 8.1によりXとYはともに線分CFの垂直二等分線上にあり、X=Yであるからその垂直二等分線は直線XYである。よって直線XYは直線CFに垂直である。
AとFはともにωY上にもωZ上にもあるのでYA=YFかつZA=ZFであり、F=AとY=Zから、直線YZは線分AFの垂直二等分線であって直線AFに垂直である。BとFはともにωZ上にもωX上にもあるのでZB=ZFかつXB=XFであり、F=BとZ=Xから、直線ZXは線分BFの垂直二等分線であって直線BFに垂直である。
X,Y,Zが同一直線上にあるとすると、直線XY、YZ、ZXは同一の直線であり、それに垂直な三直線CF、AF、BFは互いに平行である。この三直線はいずれもFを通るから一致し、A,B,Cは同一直線上に並ぶことになって、△ABCが非退化であることに反する。よって△XYZは非退化な三角形である。
二直線をそれぞれ同じ向きに90°回して得られる二直線のなす角は、もとの二直線のなす角に等しい。直線YXは直線FCに、直線YZは直線FAに垂直であるから、直線YXと直線YZのなす角の大きさは直線FCと直線FAのなす角の大きさに等しく、補題 2.3によりそれは60°である。内角∠XYZを挟む二直線のなす角の大きさが60°であるから、∠XYZは60°または120°である。同じ議論により、∠YZXは直線FAと直線FBのなす角から、∠ZXYは直線FBと直線FCのなす角から、それぞれ60°または120°である。三角形の内角の和は180°であり、60°と120°から三つ選んで和が180°になるのは三つとも60°の場合だけであるから、△XYZの三つの内角はいずれも60°である。内角がすべて等しい三角形は三辺も等しいので、△XYZは非退化な正三角形である。
次に、△ABCのある内角が120°に等しい場合を扱う。二つの内角がともに120°であれば内角の和が180°を超えるので、120°に等しい内角はちょうど一つである。頂点の巡回的な付け替え(A,B,C)↦(B,C,A)は反時計回りの順序と各辺の外向き正三角形を保ち、中心を(X,Y,Z)↦(Y,Z,X)へ移すので、∠BAC=120°としてよい。
補題 2.1 (2)により、半直線AZから半直線AYまで反時計回りに測った角は∠BAC+60°=180°である。したがって半直線AZと半直線AYは反対向きであり、Z,A,Yはこの順に同一直線上に並ぶ。とくにY=Zであり、直線YZは半直線AYと半直線AZをともに含む。
補題 2.2によりA∈ωXである。AとCはともにωX上にあるのでXA=XCであり、ともにωY上にあるのでYA=YCである。A=Cであるから、§A5.8 補題 8.1によりXとYは線分ACの垂直二等分線上にある。X=YとするとωXとωYはCを通る中心の等しい円として一致し、B∈ωX=ωYから補題 2.2により∠ABC=120°となって、120°に等しい内角がちょうど一つであることに反する。よってX=Yであり、直線XYは線分ACの垂直二等分線であって直線ACに垂直である。同様に、AとBはともにωX上にもωZ上にもあるのでXとZは線分ABの垂直二等分線上にあり、X=ZとするとC∈ωX=ωZから補題 2.2により∠BCA=120°となって同じ矛盾を得るので、X=Zであり直線XZは直線ABに垂直である。
補題 2.1 (1)により∠YAC=30°であり、直線YZは半直線AYを含むから、直線YZと直線ACのなす角の大きさは30°である。直線XYは直線ACに垂直であるから、直線XYと直線YZのなす角の大きさは90°−30°=60°である。同じく∠ZAB=30°であり、直線YZは半直線AZを含むから、直線YZと直線ABのなす角の大きさは30°であり、直線XZが直線ABに垂直であることから、直線XZと直線YZのなす角の大きさは60°である。さらに、直線XYと直線XZのなす角の大きさは、それぞれに垂直な直線ACと直線ABのなす角の大きさに等しく、∠BAC=120°であるからこれも60°である。
直線XYと直線YZのなす角の大きさが60°であって0°ではないから、この二直線は相異なり、Xは直線YZ上にない。よって△XYZは非退化な三角形であり、その三つの内角はそれぞれ60°または120°である。和が180°であることから三つとも60°であり、△XYZは非退化な正三角形である。▨
3 複素数による別証明
証明.A,B,Cが反時計回りに並ぶものとし、その複素数座標をa,b,cとする。時計回り60°回転を表す複素数をω=e−πi/3と置く。辺AB上の外向き正三角形の第三頂点はa+ω(b−a)であるから、正三角形の中心Zは三頂点の重心として
Z=3(2−ω)a+(1+ω)bと表される。同様に
X=3(2−ω)b+(1+ω)c,Y=3(2−ω)c+(1+ω)aとなる。
∣ω∣=1とω2−ω+1=0を用いて差を整理すると
Y−XZ−Y=−2−ω1+ω=−21+23iを得る。右辺は絶対値1で偏角120°であるから、∣Z−Y∣=∣Y−X∣であり、二つの有向線分のなす角は120°である。右辺をλと置くと∣1+λ∣=1でもあるので
∣X−Z∣=∣(Y−X)+(Z−Y)∣=∣1+λ∣∣Y−X∣=∣Y−X∣となる。したがって三辺が等しく、XYZは正三角形である。
内向きの場合はωをωに替える。Y=Xの場合には同じ計算で差の比が偏角−120°となるため、中心三角形の向きが反転する。Y=Xの場合は回転の合成による証明で示したとおり、元の三角形が正三角形であり、三中心が一点に一致する。▨
4 確認問題
問題 4.1. 外向きの配置で、rX(C)=B,rY(A)=C,rZ(B)=Aから、YX上に作る正三角形の第三頂点PがZに一致することを示せ。
解答.
定理 1.1によりrX∘rYはPを中心とする時計回り120°回転である。また(rX∘rY)(A)=Bである。rZ−1も時計回り120°回転でAをBへ送る。角度と一つの点の像が回転中心を一意に定めるため、P=Zである。▨
問題 4.2.A=(0,3),B=(−1,0),C=(1,0)とする。辺BC,CAには外向き正三角形を作り、辺ABにだけ内向き正三角形を作る。三つの中心を求め、中心三角形が正三角形でないことを確かめよ。
解答.
辺BC,CA,AB上の正三角形の中心を順にX,Y,Zとすると
X=(0,−33),Y=(1,323),Z=(0,33)となる。したがって
XY=2,YZ=ZX=32であり、中心三角形は正三角形でない。一辺だけ回転方向を変えたため、三つの中心回転を同じ向きで合成する対応が失われている。▨