§C2.4ミケルの点

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三角形の各辺またはその延長上に一点ずつ取ると、各頂点と隣り合う二点を通る円が三つ定まります。最初の二円の第二交点は、残る円にも属します。本記事は、三円の共通点を与えるミケルの定理を、辺の延長上の配置も含めて扱います。

定理 1 (ミケルの定理). 非退化三角形△ABC\triangle ABCの直線BCBC、直線CACA、直線ABABの上に、頂点とは異なる点DD、EE、FFをそれぞれ取る。円(AEF)(AEF)と円(BFD)(BFD)がFFで接しない、すなわち二円の共有点がFFだけではないとする。このとき、この二円のFFでない交点MMは円(CDE)(CDE)の上にもあり、三円はMMを共有する。

補題 2. 非退化三角形△ABC\triangle ABCの直線BCBC、直線CACA、直線ABABの上に、頂点とは異なる点DD、EE、FFをそれぞれ取る。このとき三点組A,E,FA,E,F、B,F,DB,F,D、C,D,EC,D,Eはいずれも同一直線上になく、これらを通る円(AEF)(AEF)、(BFD)(BFD)、(CDE)(CDE)がそれぞれただ一つ定まる。さらに円(AEF)(AEF)と円(BFD)(BFD)は相異なる。

証明.EEは直線CACAの上にありAAと異なるから、二点AA、EEを通る直線は直線CACAである。同様にFFは直線ABABの上にありAAと異なるから、二点AA、FFを通る直線は直線ABABである。三角形ABCABCは非退化なので直線CACAと直線ABABは相異なり、FFは直線CACAの上にない。よって三点AA、EE、FFは相異なり、同一直線上にない。BB、FF、DDとCC、DD、EEについても、頂点をBB、CCに取り替えて同じ議論が成り立つ。

同一直線上にない相異なる三点に対して、§A5.8 定理 8.2により、その三点を頂点とする三角形の三辺の垂直二等分線はただ一点で交わり、その点を中心とする円が三点を通る。三点を通る円の中心は三本の垂直二等分線のいずれの上にもなければならないから、中心はこの一点に限り、円もただ一つに限る。よって円(AEF)(AEF)、(BFD)(BFD)、(CDE)(CDE)がそれぞれただ一つ定まる。

円と直線が相異なる三点を共有することはない。実際、円の中心から直線へ下ろした垂線の足をHHとすると、直線上の点XXに対する中心とXXの距離はHHとXXの距離だけで定まり、半径に等しい距離を与える点はHHの両側にそれぞれ高々一つだからである。AA、FF、BBは直線ABABの上の相異なる三点であり、円(AEF)(AEF)はAAとFFを、円(BFD)(BFD)はBBとFFを通る。二円が一致すればその円がAA、FF、BBを共有することになるので、二円は相異なる。▨

定義 3 (向きをもつ角). 平面の二直線ℓ\ell、mmに対し、ℓ\ellをmmに平行な直線へ重ねる回転を考える。この回転の角を反時計回りを正として測ると180°180°の整数倍だけの不定性をもつので、180°180°を法とする値がただ一つ定まる。この値は回転の中心の取り方によらない。この値をℓ\ellからmmへの向きをもつ角 (directed angle)(有向角)と呼び、∠(ℓ,m)\angle(\ell,m)と書く。相異なる二点PP、QQを通る直線をPQPQと書き、∠(PQ,PR)\angle(PQ,PR)のように用いる。∠(ℓ,m)\angle(\ell,m)を含む等式は、すべて180°180°を法とする等式である。

補題 4. 平面の三直線ℓ\ell、mm、nnに対して

∠(ℓ,m)+∠(m,n)=∠(ℓ,n)(mod180°)\angle(\ell,m)+\angle(m,n)=\angle(\ell,n)\pmod{180°}

が成り立ち、とくに∠(m,ℓ)=−∠(ℓ,m)(mod180°)\angle(m,\ell)=-\angle(\ell,m) \pmod{180°}である。

証明. 平面の一点OOを固定し、以下では回転をすべてOOを中心とするものに取る。直線の向きは平行移動で変わらないから、三つの角のいずれもこの中心の回転の角として測ることができる。ℓ\ellをmmに平行な直線へ重ねる回転の角をθ\theta、mmをnnに平行な直線へ重ねる回転の角をφ\varphiとする。角θ\thetaの回転でℓ\ellはmmに平行な直線へ移り、続けて角φ\varphiの回転を行うとその直線はnnに平行な直線へ移る。中心が同じ二つの回転の合成は角θ+φ\theta+\varphiの回転であるから、θ+φ\theta+\varphiはℓ\ellをnnに平行な直線へ重ねる回転の角であり、第一の等式を得る。この等式でnnをℓ\ellに取ると、∠(ℓ,ℓ)=0\angle(\ell,\ell)=0により∠(ℓ,m)+∠(m,ℓ)=0\angle(\ell,m)+\angle(m,\ell)=0となり、∠(m,ℓ)=−∠(ℓ,m)\angle(m,\ell)=-\angle(\ell,m)を得る。▨

補題 5 (向きをもつ角による四点共円の判定). 相異なる二点QQ、RRと、直線QRQRの上にない相異なる二点PP、SSを取る。四点PP、QQ、RR、SSが同一円周上にあるための必要十分条件は

∠(PQ,PR)=∠(SQ,SR)(mod180°)\angle(PQ,PR)=\angle(SQ,SR)\pmod{180°}

である。

証明. 直線QRQRの上にない点XXを取る。点XXのまわりに半直線XQXQを反時計回りにθX∈(−180°,180°)\theta_X\in(-180°,180°)だけ回して半直線XRXRへ重ねることができ、∣θX∣\lvert\theta_X\rvertは通常の角∠QXR\angle QXRに等しい。この回転は直線XQXQを直線XRXRへ重ねるから∠(XQ,XR)=θX(mod180°)\angle(XQ,XR)=\theta_X \pmod{180°}である。XXが直線QRQRの上にないのでθX≠0\theta_X\neq 0である。θX>0\theta_X>0であることは、RRが有向直線X→QX\to Qの左にあること、すなわち三角形XQRXQRが反時計回りであることと同値である。三角形の向きは頂点を巡回的に入れ替えても変わらないから、これはXXが有向直線Q→RQ\to Rの左にあることと同値である。よってθX\theta_Xの符号は、XXが直線QRQRのどちら側にあるかだけで決まる。

PPとSSが直線QRQRの同じ側にある場合、θP\theta_PとθS\theta_Sは同符号であり、差θP−θS\theta_P-\theta_Sは−180°-180°より大きく180°180°より小さい。したがってθP=θS(mod180°)\theta_P=\theta_S \pmod{180°}はθP=θS\theta_P=\theta_Sと同値であり、絶対値を取れば∠QPR=∠QSR\angle QPR=\angle QSRと同値である。

PPとSSが直線QRQRの反対側にある場合、θP\theta_PとθS\theta_Sは異符号である。PPとSSを入れ替えてθP>0>θS\theta_P>0>\theta_Sとしてよい。差θP−θS\theta_P-\theta_Sは0°0°より大きく360°360°より小さいから、θP=θS(mod180°)\theta_P=\theta_S \pmod{180°}はθP−θS=180°\theta_P-\theta_S=180°と同値であり、θP=∠QPR\theta_P=\angle QPRとθS=−∠QSR\theta_S=-\angle QSRを代入すれば∠QPR+∠QSR=180°\angle QPR+\angle QSR=180°と同値である。

いずれの場合も得られた条件は、§A5.6 系 4.3が四点PP、QQ、RR、SSの共円性と同値であるとした条件である。▨

以下は定理 1の証明である。

証明. 円(AEF)(AEF)と円(BFD)(BFD)は補題 2により相異なる。相異なる二円が三点を共有することはない。実際、三つの共有点があるとすると、円と直線の共有点は高々二個であるからその三点は同一直線上になく、§A5.8 定理 8.2により同一直線上にない三点を通る円はただ一つであるから、二円は一致することになる。よって二円の共有点は高々二個である。仮定により共有点はFFだけではないから、共有点はちょうど二個であり、そのFFでない方をMMとする。

MMがCC、DD、EEのいずれかに一致する場合、MMは円(CDE)(CDE)の上にある。以下ではMMがCC、DD、EEのいずれとも異なるとする。円と直線の共有点は高々二個であり、BBとFFはともに直線ABABの上にあって円(BFD)(BFD)の上にあるから、直線ABABと円(BFD)(BFD)の共有点はBBとFFだけである。AAはそのどちらとも異なるのでAAは円(BFD)(BFD)の上になく、MMは円(BFD)(BFD)の上にあるからM≠AM\neq Aである。同じ理由でBBは円(AEF)(AEF)の上になく、M≠BM\neq Bである。

四点AA、EE、FF、MMは円(AEF)(AEF)の上にある。補題 2によりAAは直線EFEFの上になく、また円(AEF)(AEF)と直線EFEFの共有点はEEとFFだけでMMはそのどちらとも異なるからMMも直線EFEFの上にない。よって補題 5を四点MM、EE、FF、AAに適用することができる。AA、EE、CCは直線CACAの上に、AA、FF、BBは直線ABABの上にあるから、直線AEAEは直線CECEに、直線AFAFは直線BABAに一致する。よって

∠(ME,MF)=∠(AE,AF)=∠(CE,BA)(mod180°)\angle(ME,MF)=\angle(AE,AF)=\angle(CE,BA)\pmod{180°}

である。

円(BFD)(BFD)に対して同じ議論を行う。BBは補題 2により直線FDFDの上になく、円(BFD)(BFD)と直線FDFDの共有点はFFとDDだけでMMはそのどちらとも異なるからMMも直線FDFDの上にない。補題 5を四点MM、FF、DD、BBに適用すると∠(MF,MD)=∠(BF,BD)\angle(MF,MD)=\angle(BF,BD)を得る。BB、FF、AAは直線ABABの上に、BB、DD、CCは直線BCBCの上にあるから

∠(MF,MD)=∠(BF,BD)=∠(BA,CD)(mod180°)\angle(MF,MD)=\angle(BF,BD)=\angle(BA,CD)\pmod{180°}

である。

二つの等式を加え、補題 4を用いると

∠(ME,MD)=∠(CE,BA)+∠(BA,CD)=∠(CE,CD)(mod180°)\angle(ME,MD)=\angle(CE,BA)+\angle(BA,CD)=\angle(CE,CD)\pmod{180°}

となる。CC、DD、EEは同一直線上にないので∠(CE,CD)≠0\angle(CE,CD)\neq 0であり、したがって∠(ME,MD)≠0\angle(ME,MD)\neq 0である。MMが直線DEDEの上にあれば直線MEMEと直線MDMDはともに直線DEDEに一致して∠(ME,MD)=0\angle(ME,MD)=0となるから、MMは直線DEDEの上にない。CCも直線DEDEの上になく、MMとCCは相異なる。よって補題 5を四点MM、EE、DD、CCに適用することができ、CC、EE、DD、MMは同一円周上にある。補題 2により相異なる三点CC、DD、EEを通る円は円(CDE)(CDE)だけであるから、MMは円(CDE)(CDE)の上にある。▨

注意 6. 円(AEF)(AEF)と円(BFD)(BFD)がFFで接する配置では、二円の共有点はFFだけであり、FFと異なる交点MMを取ることができない。この配置を仮定から除いている。DD、EE、FFのいずれかが頂点に一致する配置も除いている。たとえばE=CE=Cのときは円(CDE)(CDE)を定める三点のうち二点が一致し、三点から円が定まらない。

1 別証明:内接四角形の対角の和による証明

DD、EE、FFが三辺の内部にあり、さらにMMが三角形DEFDEFの内部にある配置に限れば、向きをもつ角を用いずに、通常の角と内接四角形の対角の和だけで同じ結論を導くことができます。この配置の制限は、上の証明では必要としません。

証明.DD、EE、FFをそれぞれ線分BCBC、CACA、ABABの内部の点とし、MMを円(AEF)(AEF)と円(BFD)(BFD)のFFでない交点とする。さらにMMが三角形DEFDEFの内部にあると仮定する。

AAは補題 2により直線EFEFの上にない。BBが直線EFEFの上にあれば、相異なる二点BB、FFを通る直線ABABが直線EFEFと一致し、EEが直線ABABと直線CACAの両方の上に来てE=AE=Aとなるから、BBも直線EFEFの上にない。同じ理由でCCも直線EFEFの上にない。FFは線分ABABの内部にありAAとBBは直線EFEFの上にないから、線分ABABは直線EFEFをFFで横切り、AAとBBは直線EFEFの反対側にある。EEと線分CACAについても同じ議論により、AAとCCは直線EFEFの反対側にある。よってBBとCCはともに直線EFEFについてAAの反対側にあり、線分BCBCの内部の点DDも直線EFEFについてAAの反対側にある。三角形DEFDEFの内部は直線EFEFについてDDと同じ側にあるから、MMは直線EFEFについてAAの反対側にある。とくにMMは直線EFEFの上になく、M≠AM\neq Aである。EEは線分CACAの内部に、FFは線分ABABの内部にあるので半直線AEAEは半直線ACACに、半直線AFAFは半直線ABABに一致し、∠EAF=∠BAC\angle EAF=\angle BACである。四点AA、EE、MM、FFは円(AEF)(AEF)の上にあるから、§A5.6 系 4.3の反対側の場合により

∠EMF=180°−∠BAC\angle EMF=180°-\angle BAC

を得る。

同じ議論を直線FDFDと円(BFD)(BFD)に対して行う。DDが線分BCBCの内部に、FFが線分ABABの内部にあることから、上と同じ理由でAAとCCはともに直線FDFDについてBBの反対側にある。したがって線分CACAの内部の点EEは直線FDFDについてBBの反対側にあり、三角形DEFDEFの内部は直線FDFDについてEEと同じ側にある。よってMMは直線FDFDについてBBの反対側にある。FFは線分ABABの内部に、DDは線分BCBCの内部にあるので∠FBD=∠ABC\angle FBD=\angle ABCであり、四点BB、FF、MM、DDは円(BFD)(BFD)の上にあるから、同じ判定により

∠FMD=180°−∠ABC\angle FMD=180°-\angle ABC

を得る。

MMは三角形DEFDEFの内部にあるので、半直線DMDMは線分EFEFをその内部の点D′D'で切り、MMはDDとD′D'の間にある。D′D'が線分EFEFの内部にあることから半直線MD′MD'は∠EMF\angle EMFを二つに分け、MMがDDとD′D'の間にあることから半直線MD′MD'と半直線MDMDは互いに逆向きである。よって

∠EMF=∠EMD′+∠D′MF=(180°−∠DME)+(180°−∠FMD)\angle EMF=\angle EMD'+\angle D'MF=(180°-\angle DME)+(180°-\angle FMD)

となり、

∠EMF+∠FMD+∠DME=360°\angle EMF+\angle FMD+\angle DME=360°

が成り立つ。すでに得た二つの等式を代入し、三角形ABCABCの内角の和が180°180°であることを用いると

∠DME=360°−(180°−∠BAC)−(180°−∠ABC)=∠BAC+∠ABC=180°−∠BCA\angle DME=360°-(180°-\angle BAC)-(180°-\angle ABC)=\angle BAC+\angle ABC=180°-\angle BCA

となる。

DDが線分BCBCの内部に、EEが線分CACAの内部にあることから、上と同じ理由でAAとBBはともに直線DEDEについてCCの反対側にある。したがって線分ABABの内部の点FFは直線DEDEについてCCの反対側にあり、三角形DEFDEFの内部は直線DEDEについてFFと同じ側にある。よってMMは直線DEDEについてCCの反対側にあり、とくにMMは直線DEDEの上になくM≠CM\neq Cである。DDは線分BCBCの内部に、EEは線分CACAの内部にあるので∠DCE=∠BCA\angle DCE=\angle BCAであり、

∠DME+∠DCE=(180°−∠BCA)+∠BCA=180°\angle DME+\angle DCE=(180°-\angle BCA)+\angle BCA=180°

が成り立つ。ふたたび§A5.6 系 4.3の反対側の場合により、四点CC、DD、MM、EEは同一円周上にある。補題 2により相異なる三点CC、DD、EEを通る円は円(CDE)(CDE)だけであるから、MMは円(CDE)(CDE)の上にある。▨

注意 1.1. 別証明は、MMが三角形DEFDEFの内部にあることを配置の仮定として用いている。この仮定は、DD、EE、FFを三辺の内部に取っただけでは成り立たない。たとえばA=(0,40)A=(0,40)、B=(0,0)B=(0,0)、C=(40,0)C=(40,0)とし、D=(36,0)D=(36,0)、E=(20,20)E=(20,20)、F=(0,36)F=(0,36)と取ると、三点はいずれも辺の内部にあり、円(AEF)(AEF)、(BFD)(BFD)、(CDE)(CDE)の中心は順に(18,38)(18,38)、(18,18)(18,18)、(38,18)(38,18)、半径の二乗は順に328328、648648、328328である。点(36,36)(36,36)は三円のいずれの上にもあり、F=(0,36)F=(0,36)と異なるのでM=(36,36)M=(36,36)である。三角形ABCABCの内部はx>0x>0、y>0y>0、x+y<40x+y<40で与えられるからMMは三角形ABCABCの外にあり、三角形ABCABCは凸でDD、EE、FFはその周上にあるので三角形DEFDEFは三角形ABCABCに含まれ、MMは三角形DEFDEFの外にもある。向きをもつ角による最初の証明は、この仮定も配置による場合分けも用いない。

2 つまずきやすいところ

  • 三円が共通点をもつことは、最初から仮定しません。最初の二円のFFでない交点をMMと定め、そのMMが第三の円の上にあることを示します。
  • 角は向きをもつ角として読みます。通常の角だけを用いると、点が辺の延長上にある配置で補角を区別する必要が生じ、別証明のように配置を限定することになります。
  • DD、EE、FFは辺の線分上に限らず、辺の延長上に置くこともできます。図のスライダーの値が11を超える範囲がこれにあたります。

3 確認問題

問題 3.1.DDが辺BCBCのCC側の延長上にあり、EE、FFはそれぞれ辺CACA、ABABの内部にあるとする。円(AEF)(AEF)と円(BFD)(BFD)のFFでない交点をMMとし、MMはAA、BB、CC、DD、EEのいずれとも異なるとする。MMが円(CDE)(CDE)の上にあることを向きをもつ角で示せ。

解答.

AA、EE、CCは直線CACAの上に、AA、FF、BBは直線ABABの上にある。四点MM、EE、FF、AAは円(AEF)(AEF)の上にある。円(AEF)(AEF)と直線EFEFの共有点はEEとFFだけでありMMはそのどちらとも異なるからMMは直線EFEFの上になく、補題 2によりAAも直線EFEFの上にない。よって補題 5により

∠(ME,MF)=∠(AE,AF)=∠(CE,BA)(mod180°)\angle(ME,MF)=\angle(AE,AF)=\angle(CE,BA)\pmod{180°}

となる。DDが延長上にあっても、BB、DD、CCは直線BCBCの上にあり、直線BDBDと直線CDCDは同じ直線BCBCを表す。円(BFD)(BFD)と直線FDFDの共有点はFFとDDだけでありMMはそのどちらとも異なるからMMは直線FDFDの上になく、BBも直線FDFDの上にない。したがって四点MM、FF、DD、BBに同じ判定を適用して

∠(MF,MD)=∠(BF,BD)=∠(BA,CD)(mod180°)\angle(MF,MD)=\angle(BF,BD)=\angle(BA,CD)\pmod{180°}

となる。二式を加えて補題 4を用いると∠(ME,MD)=∠(CE,CD)(mod180°)\angle(ME,MD)=\angle(CE,CD) \pmod{180°}を得る。CC、DD、EEは同一直線上にないので右辺は00でなく、よってMMは直線DEDEの上にない。CCも直線DEDEの上になくMMとCCは相異なるから、補題 5を四点MM、EE、DD、CCに適用すると、CC、EE、DD、MMは同一円周上にあり、MMは円(CDE)(CDE)の上にある。▨

問題 3.2. 最初の二円がFFで接する場合とE=CE=Cの場合について、定理のどの対象が定義不能または重複するかを答えよ。

解答.

最初の二円がFFで接する場合、二円の共有点はFFだけであるから、FFと異なる交点MMを定めることができない。E=CE=Cの場合、円(CDE)(CDE)を定める三点のうち二点が一致するため、三点から円(CDE)(CDE)を定めることができない。いずれも定理の仮定を満たさない配置である。▨

参考文献

  1. H. S. M. Coxeter and S. L. Greitzer, Geometry Revisited, New Mathematical Library 19, Mathematical Association of America, 1967.
  2. Roger A. Johnson, Advanced Euclidean Geometry, Dover Publications, 1960, originally published 1929.

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