2次関数とは、実数全体を定義域とする(、)の形で表される関数のことです。そのグラフは放物線と呼ばれ、なら下に凸(谷型)、なら上に凸(山型)になります。
1 平方完成:頂点を見つける変形
をの形に書き直す操作を平方完成といいます。この形にすると、放物線の頂点が だと即座に読めます。
下の図でを動かすと、頂点がに張り付いて動きます。の例なので、開き方と向きの違いは式で確認してください。平方完成は「放物線を頂点の情報に翻訳する」変形です。
2 最大・最小
定義域を実数全体とすると、頂点の座標が、そのまま最大値または最小値になります。
- (下に凸):で最小値、最大値はなし(限りなく大きくなる)
- (上に凸):で最大値、最小値はなし
ただし定義域が制限されているときは話が変わります。頂点が定義域の外にあれば、最大・最小は定義域の端でとることになります。「頂点・端の候補を全部調べる」のが安全な手順です。
3 解の配置
の実数解は、放物線と軸の交点でした。判別式で解の個数、軸の位置と端点の符号で「解がどの範囲にあるか」を、グラフを描いて調べます(例:「2解とも正」「との間に1解」など)。式だけで押すより、放物線を描いて条件を読むほうが確実です。
閑話休題:放物線は、実はぜんぶ同じ形と。片方はゆったり開き、もう片方は針のように鋭い——まるで別の形に見えます。ところが、すべての放物線は互いに相似です。円がどれも「大きさの違う同じ形」であるのと同じ意味で、放物線も1種類しかありません。実際、のグラフを100倍に拡大してみます(もも倍:,を代入)と、、整理して——ぴったりに重なります。鋭く見えたのは、単に「遠くから見た放物線」だったからです。の違いは形の違いではなく、縮尺の違いにすぎません。
これは楕円や双曲線にはない、放物線だけの性質です(楕円は縦横の比率——離心率——が図形ごとに違うので、拡大では重なりません)。だから衛星アンテナの設計も、ヘッドライトの反射鏡も、放物線の「形選び」に悩む必要はない——選ぶのはスケールだけ。平方完成が「どんな2次関数もに直せる=平行移動と縮尺でに帰着できる」ことを保証している、と読み直すこともできます。この単元で一族を隅々まで調べる価値は、ここにあります—— 1つを知れば、文字どおり全部を知ったことになるからです。