§E10.15Legendre 多項式

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有限次元の多項式空間で多項式を成分に分けるとき、基底が内積に関して直交していれば、各成分の係数を内積によって個別に取り出すことができる。しかし、単項式1,x,x2,…1,x,x^2,\ldotsは区間[−1,1][-1,1]上で互いに直交しておらず、たとえばx2x^2と定数関数の内積は零にならない。

Legendre 方程式は、非負整数nnごとに次数nnの多項式解を選び出す。正規化して得られる Legendre 多項式PnP_nは互いに直交し、たとえばP2(x)=(3x2−1)/2P_2(x)=(3x^2-1)/2は定数関数との内積が零になるように二次式から定数項を調整した形をしている。したがって、次数がNN以下の多項式はP0,…,PNP_0,\ldots,P_Nを用いて直交する成分に分解することができる。この対応は、微分方程式が有限次元の多項式空間に自然な座標を与える基本例として重要である。

本記事では、Legendre 方程式から Legendre 多項式が生じる仕組みと、その基本的な性質を明らかにする。

1 Legendre 方程式の級数解

定義 1.1.ν∈R\nu\in\mathbb Rに対する

(1−x2)y′′−2xy′+ν(ν+1)y=0(1)(1-x^2)y''-2xy'+\nu(\nu+1)y=0 \tag{1}

を Legendre 方程式 (Legendre equation) という。

ν=n\nu=nを非負整数とする。式 (1) の次数nnの多項式解で

Pn(1)=1P_n(1)=1

を満たすものを Legendre 多項式 (Legendre polynomial) といい、PnP_nと書く。

y=∑k=0∞akxky=\sum_{k=0}^{\infty}a_kx^kを式 (1) へ代入する。xkx^kの係数を比較すると

(k+2)(k+1)ak+2+(ν(ν+1)−k(k+1))ak=0(k+2)(k+1)a_{k+2} +\bigl(\nu(\nu+1)-k(k+1)\bigr)a_k=0

である。したがって

ak+2=(k−ν)(k+ν+1)(k+2)(k+1)ak(k≥0)(2)a_{k+2} =\frac{(k-\nu)(k+\nu+1)}{(k+2)(k+1)}a_k \qquad(k\ge0) \tag{2}

を得る。偶数次係数はa0a_0から、奇数次係数はa1a_1から、それぞれ独立に決まる。

命題 1.2.ν=n\nu=nを非負整数とする。nnと同じ偶奇性をもつ係数列を選ぶと、式 (2) のk=nk=nにおいてan+2=0a_{n+2}=0となり、それ以後の同じ偶奇性の係数もすべて零になる。したがって、次数nnの非零多項式解が存在する。この多項式解の空間は一次元である。

証明.nnが偶数ならばa0≠0,a1=0a_0\ne0,a_1=0、nnが奇数ならばa0=0,a1≠0a_0=0,a_1\ne0とする。式 (2) を同じ偶奇性について繰り返すと、k=nk=nで分子の因子k−nk-nが零になるためan+2=0a_{n+2}=0である。その後は漸化式によりan+4,an+6,…a_{n+4},a_{n+6},\ldotsも零になる。

k<nk<nではk−n≠0k-n\ne0かつk+n+1≠0k+n+1\ne0であるから、選んだ最初の非零係数からan≠0a_n\ne0が得られる。したがって次数はちょうどnnである。

逆に次数nn以下の非零多項式解があれば、その最高次係数の次数をmmとする。式 (1) のxmx^mの係数は

(n(n+1)−m(m+1))am\bigl(n(n+1)-m(m+1)\bigr)a_m

であるからm=nm=nでなければならない。式 (2) を最高次から下向きに読むと、ana_nを指定すれば同じ偶奇性の全係数が一意に定まり、反対の偶奇性の有限解は存在しない。したがって多項式解の空間は一次元である。

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式 (2) から得られるもう一方の偶奇性の級数は、一般には打ち切られない。級数解法の定理§E10.12 定理 2.1は少なくとも∣x∣<1|x|<1における収束を保証するが、本記事では多項式になる一方の解だけを扱う。

2 Rodrigues の公式

定理 2.1 (Rodrigues の公式). 非負整数nnに対して

Pn(x)=12nn!dndxn(x2−1)n(3)P_n(x) =\frac{1}{2^n n!} \frac{d^n}{dx^n}(x^2-1)^n \tag{3}

である。右辺は次数nnの多項式であり、Legendre 方程式

(1−x2)Pn′′−2xPn′+n(n+1)Pn=0(4)(1-x^2)P_n''-2xP_n'+n(n+1)P_n=0 \tag{4}

と正規化Pn(1)=1P_n(1)=1を満たす。

証明.F(x)=(x2−1)nF(x)=(x^2-1)^nと置く。直接微分すると

(x2−1)F′=2nxF(5)(x^2-1)F'=2nxF \tag{5}

である。式 (5) の両辺をn+1n+1回微分する。x2−1x^2-1の三階以上の導関数が零であることと Leibniz の公式から

dn+1dxn+1((x2−1)F′)=(x2−1)F(n+2)+2(n+1)xF(n+1)+n(n+1)F(n)\begin{aligned} \frac{d^{n+1}}{dx^{n+1}}\bigl((x^2-1)F'\bigr) ={}&(x^2-1)F^{(n+2)} +2(n+1)xF^{(n+1)}\\ &+n(n+1)F^{(n)} \end{aligned}

である。一方、

dn+1dxn+1(2nxF)=2n(xF(n+1)+(n+1)F(n)).\frac{d^{n+1}}{dx^{n+1}}(2nxF) =2n\bigl(xF^{(n+1)}+(n+1)F^{(n)}\bigr).

両者を等しいと置いて整理すると

(x2−1)F(n+2)+2xF(n+1)−n(n+1)F(n)=0.(x^2-1)F^{(n+2)} +2xF^{(n+1)} -n(n+1)F^{(n)}=0.

F(n)F^{(n)}を2nn!2^nn!で割り、全体の符号を反転すれば式 (4) を得る。

FFは次数2n2nであるからF(n)F^{(n)}は次数nnである。さらに

F(x)=(x−1)n(x+1)nF(x)=(x-1)^n(x+1)^n

へ Leibniz の公式を適用してx=1x=1と置く。nn回の微分をすべて(x−1)n(x-1)^nへ作用させる項だけが残り、

F(n)(1)=n! 2n.F^{(n)}(1)=n!\,2^n.

したがって式 (3) の右辺は11で正規化される。命題 1.2の一次元性により、これは定義 1.1で定義したPnP_nである。

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最初の数個は

P0(x)=1,P1(x)=x,P2(x)=12(3x2−1),P3(x)=12(5x3−3x)P_0(x)=1,\qquad P_1(x)=x,\qquad P_2(x)=\frac12(3x^2-1),\qquad P_3(x)=\frac12(5x^3-3x)

である。

Rodrigues の公式から二つの補助的な性質が従う。(x2−1)n(x^2-1)^nは偶関数であるため

Pn(−x)=(−1)nPn(x).(6)P_n(-x)=(-1)^nP_n(x). \tag{6}

また、(x2−1)n(x^2-1)^nの最高次項x2nx^{2n}をnn回微分すると

Pn(x)=cnxn+低次項,cn=(2n)!2n(n!)2.(7)P_n(x) =c_nx^n+\text{低次項},\qquad c_n=\frac{(2n)!}{2^n(n!)^2}. \tag{7}

3 区間上の直交性

正則 Sturm–Liouville 問題では、最高階係数は閉区間全体で正でなければならない。Legendre 方程式を

−((1−x2)y′)′=n(n+1)y-\bigl((1-x^2)y'\bigr)'=n(n+1)y

と書くとp(x)=1−x2p(x)=1-x^2はx=±1x=\pm1で零になる。したがって§E10.14 系 4.2を直接適用せず、Rodrigues の公式から直交性を証明する。

定理 3.1. 相異なる非負整数m,nm,nに対して

∫−11Pm(x)Pn(x) dx=0.(8)\int_{-1}^{1}P_m(x)P_n(x)\,dx=0. \tag{8}

より一般に、次数がnn未満の任意の多項式qqに対して

∫−11q(x)Pn(x) dx=0.(9)\int_{-1}^{1}q(x)P_n(x)\,dx=0. \tag{9}

証明. Rodrigues の公式を用いると

∫−11q(x)Pn(x) dx=12nn!∫−11q(x)dndxn(x2−1)n dx.\int_{-1}^{1}q(x)P_n(x)\,dx =\frac{1}{2^nn!} \int_{-1}^{1} q(x)\frac{d^n}{dx^n}(x^2-1)^n\,dx.

(x2−1)n=(x−1)n(x+1)n(x^2-1)^n=(x-1)^n(x+1)^nは両端でnn位の零点をもつ。したがって、その00階からn−1n-1階までの導関数はx=±1x=\pm1で零である。部分積分をnn回行うと、各段階の境界項は零になり、

∫−11qPn dx=(−1)n2nn!∫−11q(n)(x)(x2−1)n dx.\int_{-1}^{1}qP_n\,dx =\frac{(-1)^n}{2^nn!} \int_{-1}^{1}q^{(n)}(x)(x^2-1)^n\,dx.

deg⁡q<n\deg q<nならばq(n)=0q^{(n)}=0であるから式 (9) を得る。m<nm<nならばq=Pmq=P_mと置くことができる。n<mn<mの場合はm,nm,nを交換すれば式 (8) が従う。

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式 (9) は、次節で有限次元の多項式空間におけるxPnxP_nの展開を隣接する次数の項へ絞るために用いる。この有限次元の直交性は、多項式列が関数空間で完備であることや、任意の関数を Legendre 級数へ展開したときの収束を含意しない。

4 三項間漸化式

定理 4.1.n≥1n\ge1に対して

(n+1)Pn+1(x)=(2n+1)xPn(x)−nPn−1(x)(10)(n+1)P_{n+1}(x) =(2n+1)xP_n(x)-nP_{n-1}(x) \tag{10}

が成り立つ。

証明.xPnxP_nは次数n+1n+1の多項式である。次数がn−2n-2以下の任意の多項式qqに対して、xqxqの次数はn−1n-1以下であるから

∫−11xPn(x)q(x) dx=∫−11Pn(x) xq(x) dx=0\int_{-1}^{1}xP_n(x)q(x)\,dx =\int_{-1}^{1}P_n(x)\,xq(x)\,dx =0

である。P0,…,Pn+1P_0,\ldots,P_{n+1}は次数が互いに異なるため、次数n+1n+1以下の多項式空間の基底である。直交性から、xPnxP_nのこの基底による展開にはPn−1,Pn,Pn+1P_{n-1},P_n,P_{n+1}以外の項が現れない。偶奇性 (6) によりxPnxP_nとPnP_nの偶奇性は反対であるから、PnP_nの係数も零である。したがって

xPn=AnPn+1+BnPn−1(11)xP_n=A_nP_{n+1}+B_nP_{n-1} \tag{11}

と書くことができる。

最高次係数 (7) を比較すると

An=cncn+1=n+12n+1.A_n=\frac{c_n}{c_{n+1}} =\frac{n+1}{2n+1}.

x=1x=1を式 (11) へ代入し、Pk(1)=1P_k(1)=1を用いると

1=An+Bn1=A_n+B_n

であるから

Bn=n2n+1.B_n=\frac{n}{2n+1}.

式 (11) に2n+12n+1を掛けて整理すれば式 (10) を得る。

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三項間漸化式は、P0=1P_0=1とP1=xP_1=xから高次の Legendre 多項式を順に計算する方法を与える。

命題 4.2. 非負整数nnに対して

∫−11Pn(x)2 dx=22n+1\int_{-1}^1P_n(x)^2\,dx =\frac{2}{2n+1}

が成り立つ。

証明は演習とする。

5 演習

問題 5.1 (四次の Legendre 多項式). 三項間漸化式

(n+1)Pn+1(x)=(2n+1)xPn(x)−nPn−1(x)(n+1)P_{n+1}(x)=(2n+1)xP_n(x)-nP_{n-1}(x)

を用いてP4P_4を求めよ。また、P4(1)=1P_4(1)=1と Legendre 方程式を満たすことを確かめよ。

解答.

n=3n=3とし、

P2(x)=3x2−12,P3(x)=5x3−3x2P_2(x)=\frac{3x^2-1}{2},\qquad P_3(x)=\frac{5x^3-3x}{2}

を代入すると、

4P4(x)=7xP3(x)−3P2(x)=35x4−30x2+32.\begin{aligned} 4P_4(x) &=7xP_3(x)-3P_2(x)\\ &=\frac{35x^4-30x^2+3}{2}. \end{aligned}

したがって、

P4(x)=35x4−30x2+38.P_4(x)=\frac{35x^4-30x^2+3}{8}.

この式からP4(1)=1P_4(1)=1を得る。また、

P4′(x)=35x3−15x2,P4′′(x)=105x2−152P_4'(x)=\frac{35x^3-15x}{2},\qquad P_4''(x)=\frac{105x^2-15}{2}

であるから、代入により

(1−x2)P4′′−2xP4′+20P4=0(1-x^2)P_4''-2xP_4'+20P_4=0

を得る。したがって、P4P_4はλ=4⋅5=20\lambda=4\cdot5=20に対する Legendre 方程式を満たす。▨

問題 5.2 (Rodrigues の公式による直交性).n≥1n\geq1とし、qqを次数がnn未満の多項式とする。Rodrigues の公式を用いて

∫−11q(x)Pn(x) dx=0\int_{-1}^1q(x)P_n(x)\,dx=0

を証明せよ。また、この証明で通常の正則 Sturm–Liouville 理論を直接に用いない理由を述べよ。

解答.

Rodrigues の公式により、

∫−11q(x)Pn(x) dx=12nn!∫−11q(x)dndxn(x2−1)n dx.\int_{-1}^1q(x)P_n(x)\,dx =\frac{1}{2^n n!}\int_{-1}^1q(x) \frac{d^n}{dx^n}(x^2-1)^n\,dx.

ここで(x2−1)n(x^2-1)^nはx=±1x=\pm1においてそれぞれnn位の零点をもつ。そのため、0≤k<n0\leq k<nに対して

dkdxk(x2−1)n∣x=±1=0\left.\frac{d^k}{dx^k}(x^2-1)^n\right|_{x=\pm1}=0

であり、nn回の部分積分で現れる境界項はすべて消滅する。したがって、

∫−11q(x)Pn(x) dx=(−1)n2nn!∫−11q(n)(x)(x2−1)n dx=0\int_{-1}^1q(x)P_n(x)\,dx =\frac{(-1)^n}{2^n n!}\int_{-1}^1q^{(n)}(x)(x^2-1)^n\,dx=0

となる。最後の等号はdeg⁡q<n\deg q<nからq(n)=0q^{(n)}=0となることによる。

Legendre 方程式を Sturm–Liouville 形に書くと係数はp(x)=1−x2p(x)=1-x^2であり、p(±1)=0p(\pm1)=0である。したがって、両端でp>0p>0を仮定する通常の正則 Sturm–Liouville 理論をそのまま適用することができない。本問では、Rodrigues の公式と端点での零点の位数を用いる方法によって、任意の低次数多項式との直交性を証明した。▨

問題 5.3 (Lagrange の恒等式による直交性). 相異なる非負整数m,nm,nに対して、Lagrange の恒等式を区間[−1+ε,1−ε][-1+\varepsilon,1-\varepsilon]に適用せよ。Pm,PnP_m,P_nとそれぞれの導関数の有界性、および1−x21-x^2の端点における消滅を用いてε↓0\varepsilon\downarrow0とし、

∫−11Pm(x)Pn(x) dx=0\int_{-1}^1P_m(x)P_n(x)\,dx=0

を証明せよ。

解答.

p(x)=1−x2p(x)=1-x^2とし、L[y]=−(p(x)y′(x))′L[y]=-(p(x)y'(x))'と置く。Legendre 方程式により

L[Pk]=λkPk,λk=k(k+1)L[P_k]=\lambda_kP_k, \qquad \lambda_k=k(k+1)

である。0<ε<10<\varepsilon<1とする。Pm,PnP_m,P_nは区間[−1+ε,1−ε][-1+\varepsilon,1-\varepsilon]上で二階連続微分可能であるから、§E10.14 定理 2.2をu=Pmu=P_m、v=Pnv=P_nに適用して

ddx[p(x)(Pm′(x)Pn(x)−Pm(x)Pn′(x))]=(λn−λm)Pm(x)Pn(x)\frac{d}{dx} \left[ p(x)\bigl(P_m'(x)P_n(x)-P_m(x)P_n'(x)\bigr) \right] =(\lambda_n-\lambda_m)P_m(x)P_n(x)

を得る。したがって、

(λn−λm)∫−1+ε1−εPm(x)Pn(x) dx=[(1−x2)(Pm′(x)Pn(x)−Pm(x)Pn′(x))]−1+ε1−ε.\begin{aligned} (\lambda_n-\lambda_m) \int_{-1+\varepsilon}^{1-\varepsilon}P_m(x)P_n(x)\,dx =\left[ (1-x^2)\bigl(P_m'(x)P_n(x)-P_m(x)P_n'(x)\bigr) \right]_{-1+\varepsilon}^{1-\varepsilon}. \end{aligned}

Pm,PnP_m,P_nとそれぞれの導関数は閉区間[−1,1][-1,1]上で有界であり、1−x21-x^2はx=±1x=\pm1で零になる。よって右辺はε↓0\varepsilon\downarrow0のとき零へ収束する。左辺の被積分関数は連続であるから、同じ極限を取ると

(λn−λm)∫−11Pm(x)Pn(x) dx=0(\lambda_n-\lambda_m) \int_{-1}^1P_m(x)P_n(x)\,dx=0

を得る。非負整数上でk(k+1)k(k+1)は狭義単調増加するため、m≠nm\ne nならばλm≠λn\lambda_m\ne\lambda_nである。したがって、求める直交性が従う。▨

問題 5.4 (Legendre 多項式の平方ノルム).命題 4.2の証明を完成させよ。

hn=∫−11Pn(x)2 dxh_n=\int_{-1}^1P_n(x)^2\,dx

と置く。三項間漸化式と直交性を用いて

hn=22n+1(n≥0)h_n=\frac{2}{2n+1} \qquad(n\geq0)

を証明せよ。n≥2n\geq2では隣接する二つの漸化式を用い、n=1n=1はxP0=P1xP_0=P_1を用いて別に扱え。

解答.

n≥1n\geq1に対して

In=∫−11xPn(x)Pn−1(x) dxI_n=\int_{-1}^1xP_n(x)P_{n-1}(x)\,dx

と置く。次数nnの三項間漸化式を

(2n+1)xPn=(n+1)Pn+1+nPn−1(2n+1)xP_n=(n+1)P_{n+1}+nP_{n-1}

と書き、Pn−1P_{n-1}を掛けて積分する。Pn+1P_{n+1}とPn−1P_{n-1}は直交するから、

In=n2n+1hn−1(n≥1)I_n=\frac{n}{2n+1}h_{n-1} \qquad(n\geq1)

である。

n≥2n\geq2では、次数n−1n-1の漸化式

nPn=(2n−1)xPn−1−(n−1)Pn−2nP_n=(2n-1)xP_{n-1}-(n-1)P_{n-2}

にPnP_nを掛けて積分する。PnP_nとPn−2P_{n-2}は直交するため、

In=n2n−1hn(n≥2)I_n=\frac{n}{2n-1}h_n \qquad(n\geq2)

を得る。得られた二つのInI_nの表示を比較すると

hnhn−1=2n−12n+1(n≥2)\frac{h_n}{h_{n-1}}=\frac{2n-1}{2n+1} \qquad(n\geq2)

である。

n=1n=1では、三項間漸化式へn=0n=0を代入しない。xP0=P1xP_0=P_1から

I1=∫−11P1(x)2 dx=h1I_1=\int_{-1}^1P_1(x)^2\,dx=h_1

であり、最初に得たInI_nの表示へn=1n=1を代入するとI1=h0/3I_1=h_0/3である。したがってn≥2n\geq2の場合と同じ形の比

h1h0=13\frac{h_1}{h_0}=\frac13

を得る。P0=1P_0=1であるからh0=2h_0=2であり、有限積を取ると

hn=2∏k=1n2k−12k+1=22n+1h_n =2\prod_{k=1}^n\frac{2k-1}{2k+1} =\frac{2}{2n+1}

となる。n=0n=0の場合もh0=2h_0=2により同じ公式を満たす。▨

参考文献

  1. Gábor Szegő, Orthogonal Polynomials, 4th ed., Colloquium Publications 23, American Mathematical Society, Providence, Rhode Island, 1975.Legendre 多項式の Rodrigues 公式、直交性、三項間漸化式を参考にした。
  2. E. L. Ince, Ordinary Differential Equations, Dover Publications, 1956, originally published 1926.Legendre 方程式の級数解と非負整数次数における打ち切りを参考にした。

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