不等式の表す領域とは、その不等式を満たす点の全体のことです。等式が線(境界)を表すのに対し、不等式はその線で仕切られた「面」を表します。ここではとし、連立不等式の領域を各条件の共通部分として扱います。
基本は 2 つだけです。境界の曲線に対して、
- は境界の上側の領域
- は境界の下側の領域
円ならが内部、が外部です。
下の図は 3 つの不等式を同時に満たす領域です。塗りが重なるほど濃くなり、すべてを満たす部分(3 回重なって最も濃い三角形)が連立の答えです。
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不等式の表す領域とは、その不等式を満たす点の全体のことです。等式が線(境界)を表すのに対し、不等式はその線で仕切られた「面」を表します。ここではとし、連立不等式の領域を各条件の共通部分として扱います。
基本は 2 つだけです。境界の曲線に対して、
円ならが内部、が外部です。
下の図は 3 つの不等式を同時に満たす領域です。塗りが重なるほど濃くなり、すべてを満たす部分(3 回重なって最も濃い三角形)が連立の答えです。
なら境界の線を含み(実線で描く)、なら含みません(点線で描く)。答案では、境界を含むかどうかを言葉でも明記します。これは「等号の有無」という小さな違いですが、最大・最小を考えるときに効いてきます。
領域が決まると、その上でのような式の最大・最小を問えます。を固定するごとに直線が 1 本引け、を変えるとその直線が平行に動きます。領域が空でない有界閉多角形なら、線形関数の最大・最小は存在し、頂点で達成されるか、目的直線と平行な辺全体で同じ値をとります。領域が非有界なら有限な最大・最小が存在しないこともあるので、まず領域の有界性を確認します。
つまり「領域を求める → 頂点の座標を出す → 各頂点でを計算して比べる」という手順になります。頂点は境界どうしの連立で求まります。
閑話休題:宿題を間違えた男と、世界を回す「頂点」 上の「最大・最小は領域の頂点で起きる」という観察は、そのまま線形計画法という一大分野の心臓部です。第二次大戦期に米軍の計画業務に携わっていたダンツィヒは、この種の問題が「一次不等式の領域の上で一次式を最大化する」形に共通してまとまることを見抜き、1947年にシンプレックス法を考案しました。変数が数百万あっても、やることは高校のこの単元と同じ——領域の頂点から頂点へ、値が良くなる方向に渡り歩くだけ。今日、航空会社の機材繰り、物流網、電力の発電計画、工場の生産計画は、毎日この計算で回っています。あなたが今 3頂点で比べている操作の、変数を百万個にした版が現役の産業インフラです。
ダンツィヒにはもう1つ有名な逸話があります。大学院生のとき統計学の講義に遅刻し、黒板に書いてあった2つの問題を宿題と思い込んで持ち帰り、「今回はやけに難しい」とぼやきながら数日かけて解いて提出しました——実はそれは、教授が「未解決問題の例」として紹介した問題でした。「これは解けないはずの問題だ」と知らないことが、ときに一番の武器になる、という話です。
条件と何を求めるかを確認してから、式と答えの対応を見比べてください。
x,y を実数とする。次の連立不等式が表す非空・有界・閉領域において、z の最大値と、そのときの (x, y) を求めよ。
解法の型領域は多角形。直線 ax + by z を平行移動して考えると、最大・最小は頂点で起こる
例題 1
例題 2
例題 3
例題 4
例題 5
例題 6
例題 7
例題 8
例題 9
例題 10
問題を解いてから「解答・解説」を開けます。
x,y を実数とする。次の連立不等式が表す非空・有界・閉領域において、z の最大値と、そのときの (x, y) を求めよ。
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