加法定理とは、角の和・差に対する三角関数を、それぞれの角の三角関数で表す公式のことです。 三角関数のほとんどの公式は、この加法定理から派生します。だから覚えるべき出発点はこの数本だけで、あとは導けます。
以下ではとします。とはすべての実数角で定義されますが、の式には次の適用条件があります。
上のの公式は任意の実数で成り立ちます。の公式はが定義され、かつ対応する分母の場合に限って使います。
符号の対応(は同順、は逆順)に注意してください。
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加法定理とは、角の和・差に対する三角関数を、それぞれの角の三角関数で表す公式のことです。 三角関数のほとんどの公式は、この加法定理から派生します。だから覚えるべき出発点はこの数本だけで、あとは導けます。
以下ではとします。とはすべての実数角で定義されますが、の式には次の適用条件があります。
上のの公式は任意の実数で成り立ちます。の公式はが定義され、かつ対応する分母の場合に限って使います。
符号の対応(は同順、は逆順)に注意してください。
と置くだけで倍角の公式が出ます。
の3つの形は、で相互に変形したものです。ここからやを「次数を下げて」表す半角の公式は、
このように書けます。積分などで次数下げに使います。
は、加法定理を逆向きに使って1つのにまとめられます。
ここで、とし、はを満たす角。合成すると、振れ幅(最大・最小)がだと一目で分かり、方程式・最大最小問題が一気に扱いやすくなります。
閑話休題:うなり、ラジオ、そしてあらゆる音へ 加法定理を積和の形に読み替えると、波の重ね合わせが見えてきます。振動数のわずかに違う2つの音を同時に鳴らすと、の和積公式により、音量がゆっくり大小する「うなり」が生じます——ピアノの調律師は、基準音と弦の音のうなりが消えるまで張力を調整して、耳だけで正確に音を合わせます。AMラジオは、音声信号で搬送波の振幅を変える「変調」で情報を波に乗せますが、これも三角関数の積=和の話。ギターの弦、ブランコ、光や電波など、周期的な現象の一部は・を使うモデルで表せます。
この先には壮大な景色が広がっています。フーリエは「どんな複雑な波形も、振動数の異なる・を無数に重ね合わせれば作れる」ことを見抜きました(フーリエ級数)。ただし、任意の波形をそのまま表せるという意味ではなく、関数の種類や収束の条件を確認した上で近似・展開します。音声処理などで正弦波の分解が使われるのも、そのような数学的・工学的モデルの一例です。さらに、加法定理はオイラーの公式を使うとの実部・虚部として一望でき、符号の面倒な暗記から解放されます。三角関数は、直角三角形の比から出発して、音と光と電気を記述する“波の言語”へと育っていくのです(複素数・フーリエ解析へ)。
なお、和積公式に似た関数方程式から三角関数を特徴づける結果もあります。ただし、その主張には関数方程式の正確な形、連続性などの仮定、定数倍や双曲線関数を含めるかという範囲の指定が必要です。ここでは公式の応用にとどめ、詳細は関数方程式の入口で扱います。
条件と何を求めるかを確認してから、式と答えの対応を見比べてください。
次の値を、加法定理とその派生公式(倍角・半角・3倍角)を使って求めよ。
解法の型覚える出発点は加法定理の数本だけ。 とすれば倍角、次数を下げれば半角、もう1つ足せば3倍角が導ける
はともに鋭角で sin 12/13, cos 20/29 である。このとき の値を求めよ。
はともに鋭角で sin 7/25, cos 5/13 である。このとき の値を求めよ。
次の値を、半角の公式を使って求めよ。
は鋭角で sin 15/17 である。このとき tan の値を求めよ。
は鋭角で sin 7/25 である。このとき cos の値を求めよ。
次の問いに答えよ(合成は r + r > 0, < の形にすること)。
解法の型a + b √(a²+b²) + 。 は cos a/r と sin b/r の両方から決める(tan だけでは象限が定まらない)
次の式を r + の形(r > 0, < )に合成せよ。
次の式を r + の形(r > 0, < )に合成せよ。
次の式を r + の形(r > 0, < )に合成せよ。
次の式の最大値・最小値と、それらを与える (0 < )を求めよ。
次の方程式を解け(0 < )。
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