隣り合う項の差または比が一定である数列では、規則を一般項で表すと、どの位置の項も直接求めることができます。等差数列と等比数列の一般項と和の求め方を確かめ、与えられた条件から必要な量を計算します。
1 等差数列
まず、一定の数を加えて次の項を作る数列を定義します。
定義 1.1 (等差数列). すべての正の整数について
が成り立つ数列を等差数列という。を初項、一定の差を公差という。
初項から第項までには、公差を回加えます。
公式 1.2 (等差数列の一般項). 初項が、公差がである等差数列について、すべての正の整数に対して第項は
である。
証明. 正の整数を固定する。漸化関係をに対して順に用いると
となる。▨
等差数列の和は、項を逆順に並べた和を加えると導くことができます。
公式 1.3 (等差数列の和). 初項が、公差が、項数が正の整数であり、末項がである等差数列の和は
である。
証明. 正の整数と初項、公差、末項を固定し、和を順方向と逆方向に書く。
対応する項を加えると、どの組もとなる。組は個あるので
となる。両辺をで割ると公式を得る。▨
例 1.4 (初項と和から公差を求める). 等差数列の初項が、第項までの和がであるとする。公差をとすると、
である。したがってとなり、である。一般項を用いると、最初の8項の和はとなり、条件と一致する。
2 等比数列
次に、一定の数を掛けて次の項を作る数列を定義します。
定義 2.1 (等比数列). すべての正の整数について
が成り立つ数列を等比数列という。を初項、一定の数を公比という。
初項から第項までには、公比を回掛けます。
公式 2.2 (等比数列の一般項). 初項が、公比がである等比数列について、すべての正の整数に対して第項は
である。
証明. 正の整数を固定する。漸化関係をに対して順に用いると
となる。▨
等比数列の和では、との差を取ると中間の項が消えます。
公式 2.3 (等比数列の和). 初項が、公比が、項数が正の整数である等比数列の和は
である。
証明.とし、とを書く。
二式の差を取ると
となる。なので両辺をで割る。の場合には全項がであり、和はとなる。▨
例 2.4 (項と和から公比を求める). 初項が、第項がである正の項からなる等比数列を考える。公比をとすると
である。各項が正であるという条件からなので、である。第項までの和は
である。実際にとなる。
3 条件から未知の量を求める
初項、公差または公比、項数、末項、和の関係式を同時に用いると、未知の量を求めることができます。等差数列では一般項と和の二式、等比数列では一般項と和の二式を立て、最後に元の条件へ代入して確認します。
例 3.1 (項数を求める). 初項が、公差がである等差数列の和がになる項数を求める。
より、である。解の公式からとなる。正の整数にならないので、この条件を満たす項数は存在しない。和の方程式を解いた後にも、項数が正の整数であることを確認する必要がある。
最後の例は、与えられた数値から常に数列が存在するとは限らないことを示します。数値を計算するだけでなく、項数や公比に必要な条件まで確かめます。
4 演習
- 初項が、公差がである等差数列について、第項と第項までの和を求めます。
- 初項が、公比がである等比数列について、第項と第項までの和を求めます。
- 等差数列の第項が、第項がであるとき、初項、公差、第項までの和を求めます。
- 初項が、公比がである等比数列の和がになる項数が存在するかを調べます。
各問では、求めた一般項を初めの数項へ代入し、和は実際に小さい項数で足した値と一致するかを確認します。
注意 4.1 (演習の答え).
- 第項は、和はである。
- 第項は、和はである。
- 初項は、公差は、第項までの和はである。
- 和の公式からとなるので、項数が存在する。